2008 Part1
2008.1.1~9.15

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('08.9.15)■PCオーディオ全体フローをみてくださったPC_Audioさん
「入門編、初級編、中級編、そして今回のビョウキ編(大笑)のような、チャートは如何でしょうか?」との提案を戴きました。ありがとうございます。m(_ _)m

 そっかーあれが一部に分かりにくかったのは「ビョウキ編」だったからなのか~。(猿にも出来る反省)
 うむ、そうとなればその順番でつくることにいたしませう。

■とはいえ、ちょっとバタバタでまとめている時間がないので、とりあえず出来ている「ビョウキ編」を先に載せさせてもらいます。
 あくまでこれは現段階の案で、これが決定版と考えているわけでは全くありません。諸賢のご意見を是非ちょうだいいたしたく、お手数ですがトップページ下のメアドよりご意見を賜れば有り難いです。スパム対策のためここに書くのは控えさせていただきます。

重点的に説明しますと、

1.左側下の赤い破線に注目してください。ここまでは静的なコンピュータデータでクロックで読み出しなどはしますが、クロックの上に展開されているわけではありません。

 そしてシステムクロック(CDの場合44.1KHz)が注入され、ここではじめてクロック上に展開される「音楽PCM信号」(やや比喩的な表現ですが)になります。

 これは何度強調しても強調しすぎることはないと思います。CDプレーヤーとは一番違う点で、ぎりぎりまでクロックを注入しない、と言うのがPCオーディオの音質的な利点の一つではないかと僕は考えています。

2.DA変換のアナログ部以外はいわゆる「デジタル回路」ですが、殆どの場所は実際にはアナログ・ドメインです。なぜなら、いわゆる「デジタル回路」は「デジタル信号を扱う超高周波あるいは超広帯域回路」だからで、理想波形のパルスは現実には存在せず、擬似的なアナログ信号がやっこたさと有限長のなかを動いていく訳です。

 ですから、ここをデジタルドメインとしてすっとばしてしまうと、実装上の回路の問題点が見えなくなってしまいます。


3.ドライブは外付けと内蔵、またリッピングと外部HDD/NASなども示していますが、詳細は省略していますので、ご了承ください。

4.再生ソフトはDAWソフトを想定しています。Windowsの場合.wavに変換して編集加工(ポストプロダクション)を行い、ASIOでサウンドカードに送る、というイメージです。これだけの動作ですが、ソフトで音があれだけ違う理由が今ひとつ分かりません。この辺りこそ、コンピュータ屋さんに頑張って欲しいところです。

5.こうして改めて通してみると、各機器が物理的につながっているのは

・電源(コンセント、ブレーカー系を含める)
・信号ケーブル
・(同一ケースに入っている機器のみ)筐体


だけです。

 
(システム)クロックもサウンドカード以外は注入されませんので、CDプレーヤーのように一気通巻しません。

 なのに上流部の何処かをさわっても、何故DAC以降に音の変化として認識されうるのでしょう?



('08.9.14)取り寄せていた雑誌類を3冊引き取りに行って読む、読む。うち2冊(ステサン、MJ)には友人宅が載っていて、これでようやくご対面できました(笑)。それにしても、やはりオーディオの世界は狭くなっているのかも知れません。あと10年経ったら?と思うと、プルプルプルと首を横に振ってしまう感じですな。(笑)
 ネットなどには出ないけれどもいろいろな蓄積をしておられる大先輩があちこちにおられるはずなんです。バルトークやコダーイが民族の音を収集したように、そういう知恵を残していくことが本当は急務なのでしょうが。そういう大先輩が少しずつ音もなく退場されていくとしたら、本当に勿体ない事です。農村の体験交流ではありませんが、若いマニアをそういう大先輩に引き合わせるのは非常に意味があると思うんですが。

ステサンは久しぶりに買って読んでみると、相変わらずカタログ誌だなあ、と思いながらもやはり楽しい。ただ、一方で!?もやはりあります。日本の雑誌やサイトばかり見ていると分かりませんが、海外のサイトを少しばかり見ていると、オーディオの世界では今、ソフト側から揺り動かされる「地殻変動」が起きていてその波は澎湃と我が島々の岸辺をひた打ち始めていると僕には思えて仕方がないのですが、著作権開発途上国日本は取り残されている、と言って良いと思います。その辺は見えてきませんねえ。

残る1冊はPC_Audioさんが推薦されていたトランジスタ技術10月号です。うむP.198~『信号を波と認識すべき回路で必要になる「特性インピーダンス入門」』は勉強になりました。クロックケーブルなどのインピーダンス問題がよう分からん人は立ち読みでもいいから、分かっても分からんでも読むべきです。実際にちゃんと条件を合わせていかないと、反射波で電流も電圧も「戻ってくる」ので、合成した電圧量と電流量で「各ポイント」のインピーダンスが変化するのですね。

それにしても「トラ技」など読んでいると、自分の無知さ加減がよく分かります。ようこんなんでPCオーディオ論じたりしているなあ、と正直思います。ただ問題は「再生側では!」(!Everytime Remenber it!)あまりにもニッチな世界なので、ピュアオーディオ的な資料が少ない、という事です。また切り口が多様なので、全体像が見えない。全体フローなんて僕が作るものではないと思うのですが、今回まとめたのは全体像のたたき台をとりあえずテーブルの上に載せておきたい、という思いからです。
 だから僕と同様に技術的バックグラウンドがない人がこういうテーマを書こうとするならば必ず勉強が必要だし、勉強してもそれは「撫でる」だけだという事を常に自覚する必要があります。知った、あるいは知っている、と思ってはいけない。それは輪郭であり、感触に過ぎない。あくまでマイルストーンの一つであり、時には捨て石であることを謙虚に自覚していなくてはなりません。もちろんそれは大いに意味がある事だと僕は思っていますが、人間の力には限界があるのでし、頑張りすぎると気づかないうちに何か失われるものがあるので、テキトーにしたほうがいいと僕は思います。

 と、わしも肩に力が入りすぎましたかのう、ばあさんや。


('08.9.13)PCオーディオの機器構成について質問があったのでチャートを載せます。電源、ケーブルなども含めた複雑なものになっていて見にくいかも知れませんので、その場合はこちらのPDFファイルをご覧ください。

 ひとつひとつ説明していると、過去2年のこの日記の大半にあたるので、集約した説明記事を追って「PCオーディオあれこれ」のページに設ける予定です。

 なかでもあまり知られていない点について重点的に総括すると。

1.MacBook Pro の下にはマグネットで浮かせるSAP「Relaxa1」を置いています。これを入れるのと入れないのとでは天地ほどの差が出てきます。いかにPCが外乱振動に弱いか。
 それとPCは電源の外乱変動にも弱いです。Cubaseなど鳴らしているときに、同じブレーカー系のDVDレコーダーが留守録をはじめたときに一瞬止まったりした事もあります。当然すぐにブレーカー系は分離しましたが、PCの電源は要注意です。

2.試行錯誤の結果、できるだけ各機能を分離して、それぞれに良質の電源をあてがい、かつアイソレーショントランスで電源を通じた結合も切るようにしています。デスクトップで1つの電源で賄う場合、それだけでクオリティは低下すると考えて差し支えない、と言うのが僕の結論です。
 なので大容量トランスで多数機器を賄うのではなく、1機器・1アイソレーション・トランスという基本で行くべきです。大容量が効くところとあまり効かないところがあるので、それも見極めた方が効率的です。

3.僕がここ何年かほそぼそと「いいんだよ~!」と灯をともし続けてきたカナダPlitronのアイソレーション・トランスは本当に素晴らしいもので、一部にようやく認められつつあるようで、大変喜んでおります。技術的にも単にロスを多くしてノイズもついでにカットできたら、というタイプの「ノイズカットトランス」とは抜本的に違うものです。ポイントは巻線の方法によってトランスの周波数特性をコントロールできるシミュレーション技術をPlitronが開発しているところにあります。その効果か同容量で比較した場合の大きさもコンパクトになっています。
 電源トランスの音もまた素晴らしいので、自作リニア電源には全てPlitronを投入しています。

4.各機能を分離した場合伝送系の能力が問題になりますが、個々には1394送り出し部分のクロックや電源を強化したり、カテゴリ7LANケーブルを流用したFirewireケーブルを投入して伝送クオリティ向上を図っています。

5.クロックの強化はCD読み出し部分に加えて、さらにはシステムクロックにSC10高精度水晶+Antelope OCXを投入して総仕上げをしています。もはやクリスタルな生活を捨てることはできなくなりました。(笑)



 



('08.9.11)今日はVista64bitインストールにリベンジ。PC_Audioさんが送って下さったUSBメモリから、またそこからISOイメージを焼いたCDからブートするよういろいろ試みましたが、64ビットDVDがうまく起動してくれませんで、あえなく破れました。これで当分はAppleのEFIのアップグレードか、新モデルへの買い換えか、いずれかに望みをつなぐ事になります。トホホ。

 と落ち込まないように、20日過ぎにはNuendo4が来るし、10月下旬にはおそらくWEISSのDAC2をもって帰れるだろうから、当分はそれで遊ぶのだ。わしゃあ32ビットの鬼になるでえ!

L-Comからケーブル関係の発送の連絡。最初送料があまりに高かったので、USPS(United "States" Parcel Serviceいわゆる郵便局)のエアーを使えないかと返したら、見直したのだろうUPS(United Parcel Service民間のキャリアー)でも随分と安くなっていた。言わなきゃ損です。(ちなみにFederal Expressと言うのもありますが、これも連邦速達便ではなく民間のキャリアーです。)

PCオーディオ全体フローについては前からまとめなくてはいけないと思っていました。
 例えばCDトラポとCDドライブの違いはいろいろありますが、データ的に見てトラポではそこでの読み出しクロックから生成するFsをシステムクロックとしてPCM音楽データが走っていくのに対し、ドライブではあくまでコンピュータデータの読み出しなのですね。ドライブにあるクロックは単なるデータ読み出し用で、それは大事なものなのですが、「クロックジッター」を問われるトラポほどシビアではない、いわば静的なものです。ここのところが基本的によく理解されていない。
 んな事は知っとるわい、とおっしゃる一方で、例えばFireface400に供給するクロックをドライブにも返したらいいのではないか?とか、CDドライブでのストリーミング再生はCDトラポを自作しているのと同じだ!と言うような記述が発生するわけです。
 前者はシステムクロックを注入するところがない訳ですし、後者はデータの性質がそもそも違うわけです。


ではPCオーディオでは何処でクロックを注入するのか?構成はいろいろあり得るのですが、録音現場のリバーサルとして考えた場合Fireface400のようなデジタルインターフェースでWDを受けます。つまり、DA変換する手前のぎりぎりのところではじめてクロックを注入するわけで、これがPCオーディオのメリットの一つだと僕は思っています。

そして良くドライブのサーボ電流の変動が音質に影響する、という話が言われますが、これはどのようなメカニズムで影響を与えるのでしょうか?内蔵型だと電源が共通であればマザボ・CPUも影響を受けうるでしょうし、仮にトランスから分けて給電していてもアースでつながっています。
 しかし、ドライブを外付けにして電源も別でしかもアイソレートした場合、直ちにマザボ・CPUに影響を与えると言えるのでしょうか?あるいはサーボ電流が多くなるとCPUがビジーになるような面があるのでしょうか?

 僕はそれぞれのブロックを分けて、別電源給電でアイソレートする方が音が良くなるという経験をして、それをふまえて出来る限り分けています。
その場合、影響は電源ではなくデータのラインで伝わるのでしょうか?伝送経路にもよるでしょうが、アースがつながっていれば影響があるのでしょうか?

 最後はDA変換部で音質への影響がある、と言うならそこに至る全体の経路をはっきりと想定して、その上で論議しないと局地戦になるのではないか、というのがこの間僕が抱いていた懸念ですし、現実にそういう面もあるかと思います。

 ああ、早く全体フローを発表して、とりあえずは楽になりたいものです。


('08.9.10)香港のショップのオンライン販売サイトからWEISSのDAC2が消えていたので心配したが、今日ショップからメールが来て次の入荷は10月の上~中旬で、僕が訪問するときのために1個確保しておいてくれるそうだ。訪問が下旬なので非常に良いタイミングというわけだ。好好!

PC_AudioさんがVista64bitインストールの時に使われたブート用のUSBメモリを送って下さいました。ありがとうございます。m(_ _)m
 今どうしてもコピーしておかなければならないCDがあって32bit環境でPlexToolsでコピーしています。コピーについてもいろいろやってみましたが 、EACでもCubaseST4の各モードでも一度wavにしたものは音質は駄目で、結局CDイメージを造りながらコピーするPlexToolsのシミュレーション& ライト・モードが一番でした。

CDイメージに関連して、先月Vista64bitに取り組んだときはDVDも合わせてISOイメージについて少し勉強しました。CDにある各データを焼くだけで は音楽CDやインストールCDが出来ないことは既にご存じの通りです。ISOファイルはディスク1枚について単一のファイルになりますが、要は「イメ ージ」とは「CDを丸ごと焼くためのかたち」と言えるでしょう。

 例えばこちらを見ると、こう書かれています。
 『たとえばDVDやCDをISOイメージとして焼くと、データだけでなくフォーマット情報も含めてディスク上のセクタの並びをそのままイメージとして 焼くので、焼いたディスクをPCからマウントしたりできます。データだけでなくその他の情報も含めた”イメージ”を先に1つのファイルとして作成し、 それをディスクに焼くので、データ以外の情報を必要とする操作(例えばディスクマウント等)もできるようになります。

 あるいはこういう表現もあります。

 『ハードディスクのセクタイメージをそのまま読み出す「イメージバックアップ」→いわゆる「イメージ焼き」。

 どうです?HDDにそれぞれデータをCDDAファイルからWAVファイル(MacではAIFF)に「DD変換」して、それを再度CDに焼いたものとは違うのですね。
 しかも「ハードディスクのセクタイメージ」というのが個別HDDごとに違うことも理解されると思います。

 可能ならドライブの専門家の協力を得てこの辺をつっこんでいくのがCDDAの問題を整理するのに役立つのではないかと思うのですが、バイナリ原理主義の皆さんや頭の中で起こる事にしか関心のない皆さんには多分戯言としか聞こえないのでしょう。だが、彼らには天国の鍵は得られないのではなかろうか、と僕は考え始めています。じゃあ誰がそれを手にするのかって?そりゃあもちろんそれは永遠の課題なのではないかと。


('08.9.9)「PCオーディオ全体フロー」を作ってみたので、いま何人かの人に見てもらっています。
 あくまでこれまで得られた情報に基づくもので、一部に推測も交えていますが、こういう全体的構成がなければそれぞれの切り口だけの議論になるので、すれ違いや誤解が多くなるでしょうし、そのベースとするためのものです。ただ、まずはこれ自体がまず論議し叩かれなければならないでしょう。

 そして結局はDA変換というプロセスを経てしか我々には認識できるものにはならず、言い換えるとどんなに上流・前段の出来事であろうと、DA変換のプロセスに影響を及ぼさない限り音の変化としては認知されないわけで、そういう意味では
1.当該回路やブロックでの現象
2.それがDA変換部分にまで影響を与えるプロセス
3.そしてDA変換部での動作や結果としてのアナログ音声にどういう影響が生じ、それが人間にどう認知されるかというプロセス
この3点セットがそれぞれに解明されない限り、あらゆる議論は途上のものでしかあり得ない、という事になります。

 この全体フローの発表をもって一つのまとめとしたいので、もう少しお待ちください。


('08.9.8)「しかし中には聞いておきながら自分が納得しないと怒ったり否定したりする愚者がいる。人に説明を求めて解答が常に得られると思っている蒙昧な者も多い。」
「知ることが全ての人に幸せをもたらすとは限らないのと同じで、全てを知る必要はないし明かす必要もないヨ」
(樹慶蔵教授談「もやしもん」第86話~「イブニング」2008年19号 '08.9.8発売)

 だんだんと俺もそう思えてきた。

 【今日の教訓】
 自らを「知的アルチスト」と任じて手を動かさない奴には絶対に分からないことがこの世にはある。アルチザンにしか見えない世界もあるのだ。
 

 「事件は会議室で起きてるんじゃない。現場で起きてるんだ!」(青島刑事「踊る大捜査線」)


('08.9.7)■PC全体のパフォーマンスにマウスは大きな影響がある。だから使わずに済むときは、マウスは使わない方がよい。まあ、我が家はノートで非常に精度の良いAppleのトラックパッドがあるから言える事ですが。(笑)

■米MA Recordings からCD/SACDが7枚届いた。一度には聞けないので、いろいろ片付けごともしながら聞く。ヒナステラ/ピアノ曲集やガムランにインスパイアされた打楽器などとても良いと思う。ペアマイク/ワンポイントの音は清々しくてナチュラルで気持ちがよい。


('08.9.5)【CDドライブ内部のクロックケーブルの交換~その2】PADのシステム・エンハンサーで多少落ち着いたものの、オーバーシュートしっぱなし、という感じの耳が痛くなるようなハイの音は基本的には残っている。そこで、CDドライブ用33.8688MHzのクロックケーブルを、以前試聴してまとまりが良かった1.5D-QEV(内部導体・軟銅線、ポリエチレン絶縁体、シールド・軟銅線一重網組、PVC外皮)に換えてみるが、ハイのきつさはまだ残っている。そこで、1394変換基板用の24.5760MHzクロックケーブルをD-Clock付属にもどしてようやく落ち着いた。【付属ケーブルはドイツのLEONI社のDacar100という50オームのケーブルで、中心導体は銅クラッド鋼線、絶縁体はPE(ポリエチレン)、錫メッキ銅編組シールド、PVC被覆、減衰特性はRG174に類似している。
 
 CDドライブ用のクロックケーブルを換えたためか、わずかに高域の雰囲気が違うが、ほぼ元通りの音になった。とはいえそれでもどうにも微妙にハイよりで落ち着かず、結局33.8688MHzもLEONIのケーブルに戻した。勿論、システムにより人により判断はあろうと思いますが、我が家ではこうなりました。そもそもは新しいD-Clock Neutron Starの付属ケーブルが格好良いなあ、と思って始めたのだが、全て元のさやとは、やれやれ。

 SC10の場合は正弦波だが、今回のクロックは両方とも矩形波なので、それも関係しているかも知れない。いずれにせよ、いろいろと勉強になった。
 
RG316は丈夫だが、LEONIにせよ1.5D-QEVにせよ芯線は細くて7本撚りでとても切れやすい。ましてや外皮を剥ぐときのカッター跡などあれば尚更だ。この種のケーブルのキモは芯線をたるませて、より丈夫なシールド線に力がかかるように工夫して半田付けすることだ。もちろんクロックのノイズが広がらないように短い距離で。
 そして基板のパターンを傷めるとオールアウトなので、質の良い単線などを先に半田付けしておき、そこにケーブルを半田付けすると、付けたり外したりしても基板が傷まない。


('08.9.4)【CDドライブ内部のクロックケーブルの交換~その1】

 右の写真の黒いケーブルがD-Clock付属のもの。ポリエチ絶縁体にPVC皮膜でRG174か1.5D-QEVあたりと思われます。茶色いケーブルがRG316でテフロン絶縁体にFEP(フッ化エチレンプロピレン)皮膜。いずれもSMB端子の50オーム・アッセンブリーです。
 この間のクロックケーブル比較では、個々に音質はかなり違うので総じての傾向ですが、ポリエチ・PVC組は全体に音が柔らかくやや低域の凄みが薄く、テフロン・FEP組はメリハリがあって、低域もよく出る傾向があるように思います。

 SMB端子は特殊な治具が必要だそうで自作は出来ず、しかも細いので使えるケーブルが限られます。Esoteric G-0Rb のルビの出力ケーブルにもSMBケーブルが使われていたので、見た人もあるかも知れません。ということで、今回はテフロン・FEP組のRG316に交換してみました。

 33.8688MHz(0.1ppm)→CDドライブ(Premium2)読み出し用。
  これはSMB端子は不要ですが、ケースの合間から入れるため細いものでないと駄目。
  RG142など太くて入らないので、ケーブルアッセンブリーをカットした残りの316を活用。
 24.5760NHz(D-Clock)→IDE~1394変換基板用。

 RG316はD-Clock付属のものに比べて堅くてしっかりとしているので、期待を持ってヘッドフォンで聴いてみたのですが。が~ん。きらめきは素晴らしいが、きらめきすぎて耳と頭が痛くなるう。こりゃ戻さねばいかんのかな、とも思ったのですが、浮遊するようなニュアンスの出方には良いものがあるため、とりあえずPADのシステム・エンハンサー(Rev.B)をかけてみました。3回くらいかけたところではかなり納まったのですが、まだいざというときのエネルギーの出方など不満あり、引き続きかけています。(何でシステムエンハンサーが効くかは聞かないでくださいね。)
 はてさて、どうなりますやら。


('08.9.3)踏み込んだアドバイスをして受け止めてもらえるかどうかはひたすら相手の大人度にかかっているので、冷静な答えが返ってきたときは本当に嬉しい。考えた末に行動して良かったと思う。

新しいD-Clock Neutron Star の改善点は+/- 0.2 ppmというクロック素子に加えて、電源の基準電圧ダイオードを超低雑音のLM329に変更したことが大きいらしい。
 で、ちょこっと探して少量でも日本まで売ってくれるところを見つけて20個注文した。高精度10MHzクロックSC10の電源には8.2Vのツエナーダイオードが使われており、一方LM329は6.9Vなので何とか使えるのではないかと思っている。また、SMBプラグ付きクロックケーブルとしてテフロン絶縁体のRG316を入手したので、これも交換すると改善要素になるだろう。
 他に電圧レギュレーター・トランジスタに差し替えて使える高速スイッチングFETも確保しているので、これらでクロックの音質は改善されるのではないかと思っている。でも加工が面倒臭いし、今でも十分いい音が出ていると思うので、ついつい面倒臭くて音楽を聴く方に言ってしまう。ま、いっか。

ヤフオクでIDE→1394アダプタを入手したので、DVDドライブケースに組み込んでPlextor PX-760Aを試したら一発で認識してすこぶる順調。これはOxford911+AGERE FW802Cなので、やはりチップによる相性があるようだ。ヘッドフォンでの確認だがDVDの音もぐんと情報量が増えて、あるべきものがあるべき所にあるのは、とても良い。これでBS録画も安心して視ることが出来ます。

お気に入り工具2点

 左は+ーからはじまってトルクスや六角レンチ穴など、これがあればまず困らないと思う優れものドライバセット。
 右は狭いスペースで使うためのドライバセット。短いものではスタビというのもあるが、これはもっと狭いところできっちり締めるためには抜群の威力を発揮する。
 いずれも東急ハンズ心斎橋店で見つけた。ハンズネットになければ、電話すると対応してくれると思う。


('08.9.2)音と戯れる会にはいろんな司がおられるわけだが、皆イーブンでオープンに交流していくのが原則だ。そして僕は自分がいかにものを知らないか痛感しており、日々勉強だと思っている人間なので、僕程度の者が、ときとして技術的な事などであてにされたり、中心になったりするのは好ましい事ではないとずっと感じている。本意ではない立場みたいなのものが出来てしまうと、すごく疲れるのだ。そういうことが好きな人もいるかも知れないが、僕は日々勉強して自分を高めていきたいし、少しでも前に進みたいし、修行者としての自分の位置をいささかも忘れたくないと思っている。
 おつきあいは勿論大事にしますが、人生の残り時間はあまり多くはないし勉強すべき事は山よりも大きいので、本音では煩わしいことからは出来るだけ逃げ出したいとも思っています。お察しいただければ誠に有り難い限りです。

昨日は朝少し時間が空いたので、クロックケーブルの試聴をしました。リファレンスに比較した印象を記します。

SC10→OCX(50オーム)
1.リファレンス(現用) RG142B/U
2.RG316/U
 さわやかに広がる感じです。さらっと綺麗な音場型という感じです。ただ、142のように彫りが深く時として濃い音は出ず、特に低音は量感が少ない事も相まってかならずしも見通しは良いわけではないと感じました。
3.RG213/U
 ふわっと広がるさわやかな高域は魅力ですが、いかんせん他の帯域はそれについて行けてません。こじんまりした中低域です。やはりこれまで聞いた全ての PVC系は同じように低域のエネルギーが出にくかったので、共通した傾向があるようです。

OCX→FF400(75オーム)
1.リファレンス(現用) WonderLink 1
 樹脂のスパイラルコイル中に芯線を通して空気を絶縁体にした、知る人ぞ知るデジケーの名品で10年あまり前にディスコンになったのですが、持っている人はまず手放しませんので、中古マーケットにも出てきません。PADのドミナスと互角に渡り合い、AET UL DG75も退け、AET SIN DG75が来るまでは我が家のデジケーNo.1でした。
2.RG179B/U
 DTR179Wのベースモデル。やや小ぶりですが、端正できめ細かい感じです。全体としての質は高いと思いますし、エントリークラスとして十分お薦めできる製品だと思います。
3.Belden 1506A
 この系統は1695Aなど過去にもいくつか聞いたのですが、「フツー」のデジケーの音、という感じで業務用に使われることが多いというのがうなずける無難な製品です。

 ということでいずれも現有のRG142B/UとWonderLink 1が残りました。RG316はさらっとまとわりつかない軽量級という感じで使いやすい製品であることは確かです。RG213は期待していたのですが、ちょっと....という感じですね。
 RG179は素性の良さがよく分かりましたので、DTR179Wでどこまで向上するか、という期待が持てそうです。少なくともコストを考えるとパフォーマンスはなかなかのものと思います。

これらの業務用高周波ケーブルは安い!音質を考えるともの凄いコストパフォーマンスだ。50オームの無線などに使った場合、ケーブルが規格通りの性能でなければ明らかにデータ的に現れるだろう。ところがオーディオの場合は人間が耳で聞く「音」という恣意的なものが最大の評価要素になる。これまでいろんなオーディオのデジケーやクロックケーブルを聞いてきたが、中にはあきらかに変なのも2~3あった。(高周波)技術ではなく材質やら理論やら耳で開発するとそうなるのだろう。
 つまりはこれらの業務用ケーブルが安くて音が良いのは、規格を守って真面目に製作しているからではないかと思うのだ。

システム構築の世界ではそのソフトに熟知しているSEが開発のヘッドになる。年齢やポジションは関係ないし、要するに知っている人間が先生なのだ。そういう世界を横目で見てきたので、僕も知らない事を教えていただく場合、事前に出来るだけ調べて勉強して(分からなくてもとにかく読む!)、ちゃんと手順を踏んで礼を尽くしたいと思っている。古風といわば言え、俺はそういう人間なのです。

■んなことは放っておいて、リヴィング・カラー「プライド」でもかけてスカッとしようかねえ、ヤー マン。


('08.9.1)30~31日と名古屋など愛知で音と戯れる会・中部オフ会。オフ会そのものが初めての方もあれば、PCオーディオ邁進中の方もあり、いろいろ多様なメンバーが8名集った。

 30日にはオーナーのご希望もあり、OSのライトチューニング(主としてコントロールパネル段階)をやらせてもらった。オーディオマニアは機器にばかり注意が行っていて、折角のコンピュータなのにソフト面にはとんと無関心な人が多い。まずは、ソフト面でお金もかけずにこれだけの音質向上が図れると言うことを経験して欲しかった、というのが主旨で、参加された方には音質の変化は明確に分かっていただけたと思う。あとはそれぞれのご判断で歩んでいただければ、と言うことです。
 オーナーのジャズヴォーカルを愛する小粋なセンスがとてもKEFのスピーカーとマッチしていてもの凄く居心地が良く、こころづくしのお料理も美味しくいただいてとても愉しい時間でした。これからのこともよく見えておられるので、まめにオフ会をやればまとまりも早いと思います。(笑)

 翌日は東に移動してPCオーディオ邁進中のオーナーのお宅を訪問。明るく天井の高いおうちで、元気なわんこ達がそろってお出迎え。とても耳のいい人でいろんなことも分かっておられるので、情報を集め経験を積みさえすればおのずと途は開けていくと思います。美味しいコーヒーや果物も沢山いただきながら、お貸ししたターンテーブル・アームのセッティングがいくつか問題はあるものの、思いの外はやくまとまった音が出てホッとしました。この辺も含めて、これから多様な楽しみがあり、当分、ネタは尽きないと思いますので、まずは重畳かと。

 こういうふうにお互いを行き来しながら、交流が深まっていくのはとても嬉しいことで、皆でいろいろと分担することもしながらイーブンに愉しんで行きたいと思います。皆様に感謝。


('08.8.29)いろいろと発見があった1日。

■やはり電源が良くなるとHDDの音も良い。バイナリが変わるわけではないし、デジタル的にどうこう言うつもりはないが、例えアナログ的変化であれデジタル領域でなにが変わってこうなるのか、誰か説明をして欲しいものです。できればデジ・アナ一体的にね。

■ダウンロードファイル再生用のサンプリングレートやワード長はCD再生とは違うので、Cubaseで別のプロジェクトを作らなければならない。当初はRAMDiskにプロジェクトファイルを置いておいたが、作業ディレクトリをHDDに動かすと不安定になってしまう。で、結局HDDで作業することになるのでHDDにプロジェクトファイルを置くことにした。おかげで安定して動いている。

在米の友人が送ってくれたダウンロードファイルは88.2/24WMA(Windows Media Audio ロスレス圧縮)なのでCubaseにはこれだけプラグインを残しておいた。当然読み込み時にファイルをwaveに変換するので、それを聞くことになる。エリック・ドルフィーの「アウト・ゼア」でCDと比較し、CDはヴァンゲルダー・リマスタリングかなにか知らないが、結構ハイファイ的に切れの良い感じだ。おっなかなか、と思ったが、ダウンロードファイルの方は分厚い感じの力強さというか底の深さを感じさせる。あまり時間がなかったので、この辺は改めて聞き比べたい。

それよりも面白かったのは、プロジェクト設定で88.2KHz/32bit Floatで設定すると、これは主として録音設定になるのでWMAから変換すると、88.2/32bitのファイルができあがる。88.2KHz/24bit のプロジェクト設定に変えて変換したら当然より大きさの小さいファイルが出来ている。32bitといってもお尻にゼロを足しただけだと思うが、やはりサイズは違ってくるわけだ。
 Wave Compareをかけてみると、もちろん「異なるフォーマット」という表示だが、時間やサンプル数などは全く同じだ。

 さてさて時間切れ寸前だったので音を少しだけ聞いてみると、これがパッと出のエネルギー感などが違う感じがする。これはきっちりと聞き比べたい。


上記からすると、CDをリッピングするときに88.2KHz/32bit Floatのプロジェクト設定で読み込んだら、この音質はどうなるのだろうか?あるいはNuendoでそれをやったらもっと音は良くなるのかも?
 だいたいがEACは良くできていて、いろいろな分析をするのにも役立つソフトと思いますが、音楽用としては音の熱気というかエネルギー感を削ぐので僕は好きではありません。Cubaseで読み込んだ方がずっと面白いので、このファミリーの系列でいろいろ試したいと思います。
(しつこく言っておきますが、44.1kから96KHzへの変換は「整数倍」ではなくASRC[非同期サンプルレート変換]になるので、このようには処理できません。ハードウエアかソフトウエアでのエンコードが必要です。)

■もうNuendo4は絶対買うことに決めた。当分こいつに遊び相手になってもらおう。

山口の友人がデジタル用ケーブルをどさっと送って下さったので、来週末にゆっくり聞き比べをするのが楽しみだ。
 大体が高精度水晶SC10が50オームなのでOCXへのクロックケーブルは高周波ケーブルの中から選んだが、オーディオ用のデジケーに比べると笑ってしまうくらい価格は安くコストパフォーマンスはサイコーです。まあ75と50というのは全然違う世界で切れているのでしょうがないのですが、こういうのを聞くとまあ、オーマニ諸卿が喜んで買っているものは「オーディオ」と名が付くだけで馬鹿高いなあ、と思わざるを得ない。StellavoxのDACだって中に使っているデジケーはこういう業務用製品です。
 といっても本当はDTR179なんか欲しいのでメールを出してみたが、なしのつぶて。まあ、10mくらいのロットでは鼻も引っかけてくれないのだろう。ドラムで買えってか?ひゃあ。


■HDD電源の様子をみると、これはCDドライブ用電源は作るしかない、と決めた。現在の3トランス3系統電源はHDDとDVDドライブ用に切り替えて使う事にして、4トランス5系統電源をCDドライブ用に製作する。現在MacBook Pro やCD/DVDドライブを置いているラックの下に入るサイズと言うことで、大きさの限定はあるが、そこはそれこれまでに見極めたパーツの音というか、トータルなまとめ方のノウハウがある。ひとそれぞれの知見ややり方というものがあるので、そこは任せておいてくださいね。
 ということでパーツ集めをはじめなければ行けませんし、Cubaseも大幅バージョンアップをしなければなりませんが、明日明後日と愛知の方でオフ会があるので、それがすんでから取り組むようにいたしませう。いや、オーディオというのは愉しいものです。

※30~31日と愛知行きで更新を休みます。


('08.8.28)今日は荷物が一杯届いた1日。

在米の友人がビル・エヴァンスとエリック・ドルフィーの88.2/24WMAのダウンロード・データCD-Rを送って下さった。こちらでダウンロードしようとしても出来ず、問い合わせると日本の著作権関係の調整が出来てないから、との答えで、そりゃあ相当時間がかかるだろうということで、お手間をお願いしたわけです。一緒にドルフィーのヴァン・ゲルダー・リマスターのCDもプレゼントして下さったので、比較できます。まあ、きょうのところは仕込みをして、あした時間があれば聞きます。

ノルウエー2Lのサンプル・ダウンロードサイトから直接HDDにダウンロードしてみた。もうバイナリなんかは前回チェックしたので、今回はそんな事はせず、前回よりも改善されている点、つまりHDDの5V電源がトランスも別系統でHDDと1394変換基板に給電されている事をふまえて、少しでも音が良くなる可能性の方に行った訳です。昨日の小鐵さんの記事にあるように、録音業界では理屈も考えつつ実際に音が良くなることはノウハウとしてしっかり蓄えられているので、聞き専も見習うべきだと思います。

アマゾンに注文していたオシロの入門書2冊が届く。これも読まなくっちゃ。

現在画策中の悪巧み。
1.Nuendo4の入手。Vista64bitがインストールできなかった腹いせに。なにかと教育的配慮が必要なので調整中です。
2.CDドライブ電源の製作。5Vをレギュレーター以降2系統に分け、クロック電源は可能ならトランスから分けたい。限られたスペースでどこまで実現可能なのか、知恵と工夫が必要です。4トランス・5系統電源、やれやれ。


('08.8.27)僕がまだ虫食い的にしか読んでいなくて、全部読み終わっていないBob Katz「Mastering Audio」の第2版が出て大分情報がアップデートされているよと在米に友人が教えてくれた。
 ちょっと迷ったがやはり最新情報が欲しいので、米アマゾンに注文した。最近は円表示で価格も出るし、日アマゾンよりも500円以上安かったのでこっちにしたわけだが、米ドル建てのカードならドルでも払えるようだ。
 
シンタックス・ジャパンのHPに載っている「JVCマスタリングセンターでのマスタリング」風景。XR-CD作成です。

 「小鐵徹さんの部屋」では「コンソールは,純粋アナログで入り口側からフィルター イコライザー リミッター そして途中の段階にレベル調整のアッテネータが3段階ほどあります。デジタルのコンソールであればデータ記録修正が容易なのですが、このコンソールではまさに一期一会の本番勝負でマスタリングが行われていきます。」
 下手な機器でDD変換かけるよりも、アナログで処理した方がよほど良い場合が沢山ある、というのはその通りなようです。

 「小鐵さんは、1曲整えると、MOレコーダへ記録していきますが、やおら席から立ち上がって使っていない機器や照明などの電源をすべてOFFにして懐中電灯で手元をみながらトランスファーしていきます。クリーンな電源環境で記録するとサウンドも忠実なんですよ。とのことでした!」
  これは何人かの音響のプロの方が、「最終製品は裸電球の下で焼くもんだ。」と言っておられたことと同じですね。しかし「懐中電灯」とは上には上があるもんです!

 「クライアントの中には,思いっきりコンプレッサーで圧縮して音圧競争に走る方もいますが、私は最高のサウンドが発揮されるレベルというのがあるので極力その近辺を使うようにしています。」

そうそう、以前PCオーディオは良い音が出るよ、と言っておられた方がiTunesのボリュームをマウスで動かして音量調整していいたので、すぐに「止めた方が良い」と言った。結構ふくれっ面をしていたが、大体がビット長について分かってない人があまりにも多すぎるのだ。

 デジタルで音量を変えるということは、全ての音について一から再計算していくことであり、当然演算の問題が出る。何よりも下げる場合はビット長=ワードレングスをあげて余裕を持たせないと、低い音量の下位ビットはトランケート、つまり切り捨てられて死んでいってしまう。つまり痩せてニュアンスや空気感が無くなっていくのだ。
 Bob Katzも言っている。「余分なスペースをもって作業をするということは、良いデジタルオーディオが何であるかということ、そのものだ。」
 例えばFireface400は内部42ビットフローティングであり、MetricHaloなど内部80ビットだ。だからこそ、音量の増減やダウンミックスもできるのだ。
 デジタルインターフェースで音量調整している人は、余程その辺りをちゃんと理解して支障が出ない範囲で調整するか、むしろデジタル側では0dB(つまり元の音を損なわない形)にしておいてあっさりとアナログボリュームで調整すべきだ。

 アナログアンプの中のいわゆる「デジタル(!?)ボリューム」と、デジタルドメインでの演算による音量調整 は全く違うものだが、誰もそれをちゃんと説明しようとしないのだ。


('08.8.26)コンデンサー火災多発 夏場、高温で劣化発熱(Nikkei Net)
 オーディオマニアも人ごとではありません。特にヴィンテージものや高発熱機器にはご注意あれ。

jillartさんのブログD-Clockの新バージョンが出ていることを知った。サイズは大きくなっているが、精度は0.2ppm以下で新しい定電圧素子が採用され電源のローノーノイズ化が進んだらしい。いままでの経験をふまえると音は多分良くなると思う。価格は約倍だが、いずれParts Connexion 辺りで安く買えるセールの時もあるだろう。
 採用するならPremuim2の読み出しクロックだと思う。1394変換基板で三田の1ppmからD-Clockに変えたときも変化はあったが、やはり根元のドライブ側はもっと効く。まあ我が家のPremium2は友人の形見の0.1ppmなので、当分は変える必要はないと思っていますが。
 ただ、こういうものは本来機器組み込み用パーツなので、これでOCXなどのジェネレーターの代用が出来ると短絡してはいけない。クロックの分配や取り回し、温度管理などいろいろ高度な機能や回路も必要なのだし、第一これにACからの電源をプラスしなければ行けない。

パソコン雑誌は罪作りなものだ。情報が錯綜している世界だからとは言え、かなり間違いも多い。例えばMac Fan に何回か付録でついていた「マルチOS化読本 BootCamp」でWindowsのインストール時にキーボードは「その他のキーボード」→「USBキーボード」を選べとある。このライターがどの機器を想定したかよく分からんが、MacBook Pro でこれをやるとキーボードが表示とかなり狂って悲惨なことになる。例えば@を打てないのでメアドも書けない。正しくは「その他のキーボード」→「106日本語キーボード」なのだが、これはインストール後でもレジストリを書き換えれば修正できる
 それにしても悩んでいる人は結構いるらしく、ドライバをAlpsに変えれば良い、という書込もAppleの掲示板かなんかに出でていたが、またどこか不具合が出てこれではいつまでたっても根本解決にはならない。


昨日Windowsの環境設定を一段落したが、そのときにはコントロールパネルで「自動更新」をしないように設定した。サービスで切ってしまうと、必要なときにすぐに自動更新が働かないときがあったからだ。デバイスマネージャーでのハードの入り切り、コントローつパネルでの個別設定、サービスの入り切り、レジストリ設定、と概ねこういう順序で軽重を考えながら進めるのが良いみたいだ。はっきりいうと、ものにもよりますがクロックケーブルよりもこちらの方が変化はずっと大きく、費用はゼロなのですが、勉強して時には失敗する、音を聞いて考える、という人的コストはかなり必要になります。


('08.8.25)久方ぶりに音楽を聴く。MacBook Pro のWindows XP はこの間に際インストールして、ほぼ一気に順序よく環境設定をしたからか、多少行きつ戻りつしたがいままでで一番いい音だった。
 音の良くないエブリシング・バット・ザ・ガール「82-92 エッセンス&レア」もヴォーカルの声が伸びて良い感じで、コールド・プレイ「パラシュート」はなんでデビューアルバムなのにこんなに音も曲も良いのかと思うくらいだ。とりあえず復元ポイントを作成して「Best Configuration So Far」と名付けておいた。よっしゃ、これでもう少し行けるだろう。

PC関係はハード・ソフトともに相性や何ちゃらかんちゃらあって、やってみないと分からないことが多すぎるくらいある。だからそういうときに協力してくれる友人がいると、本当に心強い。助かります。


('08.8.23)いっやー、疲れました。ご報告であります。

 結論から言うと、いろいろチャレンジしましたがMacBook Pro(MA895J/A) へのVista64bit のインストールは出来ませんでした。

 Windows AIK(自動インストールキット)についてはPC_Audioさんを含めて先達の実施例がWeb上にかなりたくさんあって、いろいろ参考にさせてもらいました。

 その上で、別のネイティブのWindowsノートの各種データを丸1日かけてセーブしてから、Vista32bitをインストールしました。もちろんIntelマシンですが、64bitはこのマシンにインストールできない旨表示が出たので32bitをインストールしたわけです。そしてこの6月にリリースされた最新のWindows AIKのダウンロードISOイメージをDVDに焼いてインストールして、PEコマンドプロンプトでブートイメージ作成を行いました。
 勉強している時間もかなりあったのですが、まず分かったのはXPではPEコマンドプロンプトが完全には動かない、と言う事で、これはリリースノートにもわずかに書いてあったのですが、Windows AIKをインストールする段階では、他のHotFixはインストールしなくて良いという表示だったので、そのまま行ったわけです。実際にUSBメモリにイメージ作成するときに、XPではDiskpartコマンドはPEコマンドプロンプトでそのまま展開されて上手くいかなかったわけですが、Vistaでは何とWindows\System32からのDOS窓が別に開いて、そこでうまく実行できたり、かなりの違いがあったわけです。

 そしていろいろ経緯があって、最終的には2種類のイメージを作成しました。(Windows AIKのHELPをご参照ください。)
1.起動時にUSBメモリからRAM(物理メモリ)に起動するようイメージ作成したUSBメモリ
2.直接CD-ROMから起動できるブータブルCD

 で、今日朝からやってみたわけですが、まあ、あの手この手でできることはほとんどやりました。

1.USBメモリ編
 USBメモリとVista64bit DVDをセットして起動して「ドーン」というEFI起動音でAltキーを押すと、HDDアイコンのMac/Windowsの他に、ディスクアイコンのWindows、EFI Bootというのが出てきて、EFI Bootを選択すると、ケースによっていろいろあるのですが、
(1)Vista64bitが立ち上がるが、
「1.              
 2.              
 Select CD-ROM Boot Type:」
という画面が出て、どのキーもしくはキーの組み合わせでも反応しないし、放置しておいても動かない。
(2)XPが起動する。
のどちらか。
(3)Mac OSを立ち上げて、「起動ディスク」で設定をいろいろやってみても、上記のいずれかの結果に終わる。

2.ブータブルCD編
 内蔵ドライブにブータブルCDを入れて起動すると排出・入れ替えできないので、外付けDVDドライブを使用しました。
(1)外付けDVDドライブにブータブルCDを入れて起動すると、そのままXPが起動します。
(2)外付けDVDドライブにブータブルCDを入れて、内蔵ドライブにVista64bit DVDを入れて起動すると、Vista64bitが立ち上がるが、
「1.              
 2.              
 Select CD-ROM Boot Type:」
という画面が出て、どのキーもしくはキーの組み合わせでも反応しないし、放置しておいても動かない。
(3)Mac OSを立ち上げて、「起動ディスク」で設定・ディスクの組み合わせをいろいろやってみても、上記のいずれかの結果に終わる。


 この他にも「んなアホな!?」というような組み合わせも含めて、考えつくことはほぼ全てやってみましたが、いかんせん何とも出来ませんでした。

 ここで冷静に全体状況を振り返って見ると、
1.Windows AIKはそもそもMacのために作られたわけでもないし、Vista64bitもSP1などどんどんアップデートしているし、MacBook Pro 自体のEFIも最近1.5までアップデートされていたり、それぞれに別々に動いているので、マッチングがとれる保証はない、と言えるようです。

2.今のところWeb上でのMacBook Pro での成功例はPC_Audioさん(4/19付け、5/3付けで詳細)ですが、機種の違いもあり、またこの時点では2006年リリースのWindows AIKを使われていたはずなので、現段階の我が家とは状況が異なるようです。

3.AppleがMacBook Pro でのVista64bitインストールをサポートしているのは「アーリー2008」つまり今年前半の製品以降です。(MacProはVista64bitはOKのようです。)
 hamondさんによれば、この製品については特別なことはしなくともスムースにVista64biをインストール出来たそうです。ところが、いろいろ工夫されましたが、RME(Fireface800) との 相性が良くないらしく、Vista64bitだけでなくXPもノイズが出て音質も優れず、現在はオーディオ用には使用を中止されているそうです。(PC_Audioさんの7/14付け記事もご参照ください。)

4.実際にこの間ネイティブのWindowsノート(中国製BTO)もいろいろさわって見て、MacBook Pro の造りの良さ、安定性を改めて実感しました。やはりオーディオ用としてはMacBook Pro 系を使い続けたいと強く思います。

 となると、私めの今後の対応といたしましては、
1.次期Mac OS"Snow Leopard"での64bit化(多分)に伴い、MacBook ProのEFIがU EFI 2.0対応になるのを祈って待つ。(ハードの問題だと難しいかも。)
2.今後、RME(Fireface400) を始めオーディオインターフェースとの相性が良い新MacBook Proの登場を祈って待つ
という選択肢しかない訳で、いささか心許ない状況です。
(いろいろと他にも考えていますが。)

 まあ、いろいろと工夫しながら、当面は平和にXP32bitをチューニングしまくって頑張るしかないようです。(笑)

 いやあ、コンピュータって厄介なものですねえ。それにしてもhyroさんのニューマシン格好良いなあ。わしもこういうのを作れる程の天才だったらたらええんじゃけんど、まあOn爺としては地べたをぼちぼち・よたよたと参りまするかのう。


('08.8.21)VistaのDVDは「ゆうパック」でゆうゆうと今日昼前に到着。東京大阪間でなんでこんなに時間がかかるのか?宅急便に負けるのは必至だろが、カス!
 で、今朝iMacを立ち上げたら「ファイルの整合性」とやらで、せっかくアップデータをまとめたUSBメモリのファイルが消去されていて、そのくせ使用領域は減っておらず、泣く泣く再フォーマットして全て入れ直した。ぐぞ~。

 ここまで悪条件が重なったら、「上等博覧会よ!やってやろうじゃねえか!」というわけで逆に火がついて突き進んだのは良いが、Macは起動プログラムにEFIを使っており、WindowsもいずれBIOSをやめてEFIに移行することを明言していて、これ自体は先進的で良いのだが、なにせ64ビットに対応するU EFI 2.0がAppleとしてはまだリリースされていない。おそらく次期には64ビット移行するので標準になると思うのだが、現段階ではWindows側から立ち上げるしかない。
 で、プレインストール環境であるWindows PE をインストールしたのは良いが、アーキテクチャがx86・amd64・ia64と3つに増えるなどバージョン2.1になって随分と変わっており、ヘルプもテキストの異同がいくつもあって一貫性がなく、PEコマンドプロンプトももう一息なんだがうまく行かない。

 このあたりでくたびれ果てた。皆の衆、悪いことは言わない。インテルMacでいくなら32ビットのままでもう少し頑張った方が絶対平和だ。

 俺?俺のことは放っといてんか。


('08.8.20)PCオーディオのパソコンについては、片岡教授のHTPC教室にあるように従来から低スペック・低消費電力で出来るだけ静かなノイズを出さないものが良いとされてきて、中にはヤフオクで高値で取引されている古いマザボもあるそうです。CPUのクロック周波数の二乗に比例してノイズが増えるので、これは誠にもっともな事です。
 一方、現在32ビット基本のMacOSも次期OS Snow Leopard では Grand Central という64ビットを仕切る機能をOS側に設けることが既にリリースされており、「64ビット版Windows Vistaユーザーの数が過去3ヶ月で3倍以上に跳ね上がったこと」をマイクロソフトが発表していたり、録音関係ではハードウエアが先行する形で対応しており、各種のDAWアプリケーションも64ビット対応を進めているという状況があります。

 前者はいわば「引き算の美学」の世界で、機能を絞って限りあるリソースを最大限に活用するという考え方なのに対して、後者は、メモリやHDDなどが安く高性能化している事を受けて、物量投入的にハイパフォーマンスを目指す、という考え方だと思います。
 どちらもそれなりのメリットはあるのですが、低スペック・低ノイズ・低消費電力のマザボが入手難になっている中で、今後のことを考えると後者の可能性も十分検討に値すると思いますし、また映像関係のようなマシンパワーを要求するAV関係にも使うならこちらの方が有利な面が高いと言えるでしょう。


 まあ結局は音が良くなればいいわけで、高価なNuendo移行に比べて今回のVista64ビット移行大作戦は2万円あまりで済むので、格安に音質改善が出来そうだ、という事で動き始めた訳です。4GBのメモリもようやくフルに活用できるようになりますし。(笑)
 32ビットのPowerDVDがどこまで動いてくれるか、などという問題はあるものの、 MacBook Pro でドライバは揃っているし、音楽専用でCubaseとFireface400が使えれば問題はないという割り切った環境なので出来る話ではありますが。

 今日はRAMDiskのアプリをオンラインで購入して、全てのインストール手順書とアップデートファイルの準備を整えました。ところが昨日東京を出たVista 64bit のゆうパックが夕方になってもまだ届きません。はてさて、どうなりますやら。


('08.8.19)Vista64ビットが明日届くとのことで、インストールの作業手順書をまとめて、BootCamp2.1など各種ドライバやアップデートファイルをUSBメモリに落とした。32ビットからのアップグレードなので、DVDから起動・インストールするようで、その辺はやってみないと詳しいことが分からないが、どーにかなるだろう。トルコからRAMDiskのシェアウエアも買わなければならない。まあ明日はアマゾンからCold PlayのCDなど届いたりするし、聞きたいものもあるので、来週のオカン滞在中にやるかねえ。といいながら待ちきれなかったりして。(笑)

PCオーディオその他についてもいろいろと電源を強化したり、使ってみたいパーツは沢山あります。例えば大型コンデンサーを林立させる、というのも勿論大ありですが、一方でスペースの制約や使い勝手、安全性、見た目なども考えてバランスを取る、というのが僕の基本ポリシーで、なおかつ買い込んだパーツもこれまた沢山あるので、使えるものから使っていく、というのも現実的な判断です。とは言いながら最近ちょっとした「隙間」を見つけたので、そこにケースに入れたコンデンサを収納する、という手もあると思ってまして、まあ、いずれにせよ出来ることから、ぼちぼちと納まり良くやって行きたいと思っとります。

自作派や改造派の人が、営々と時間とお金をかけて良いパーツを組み合わせていくと、ある時点から既製のメーカー製品がつまらなく思えてくるときが必ずあります。
 ただそれは自作派や改造派の人が偉いというよりも、時間とコストと物理的な納まりを度外視して物量投入すれば良くなるのはある意味当たり前で、一方で限られたコストの中で重点を置いて音造りしていくメーカーのセンスや技術もちゃんと評価しなければならないと思うのです。
 とはいえそれを勘案しても「これは高すぎる!」「これは今ひとつだなあ。」という製品も結構多いことは事実です。あっと驚く、流石プロ!と言わせる様な製品が望まれるわけです。 


('08.8.17)アナログの方は針圧も微調整し絶好調になってきた。本日の白眉はショスタコービッチ「弦楽四重奏曲#11」(フィッツウイリアムSQ/オワゾリール~写真は全集版CD)空間が明確に出る緩急鮮やかな演奏と録音が素晴らしい。
 で、ここのところLPばかり聞いていたせいか、CDを聞くと厚みと艶、そして力強さが足りないことが明確に感じられる。10月にWEISSのDACが来るまで何とか持たそうと思っていたのだが、これは困った。サービスの一つ二つ削ったぐらいでは追いつかない。

 で、Vista64bit(Ultimate SP1 upgrade)を注文した。もっともインストールをいつするかは他にもからみがあってはっきりしない。が、可能になれば出来るだけ早く着手しようと思う。よって、あまり差を付けてもいけないので、フォノイコ電源の強化はもう少し先に延ばす事にしました。

夜になるとご近所の関係で大きな音を出せないので、BSの録画など見ている。昨夜は「指揮者ムラヴィンスキーの肖像」。ムラヴィンスキーが古典的な傾向が強かったからスターリンのあの時代でもどうやら保ったらしい、という点が面白かった。
 今夜はシカゴでのピアノソナタ連続演奏会に先立って、世界から若手を招いて開いた「D.バレンボイムのベートーベン・マスタークラス」。第1回は中国のランラン。北京五輪開会式のピアニストだ。題材は#23「熱情」の第1楽章。
 
「中国の音楽学校ではプレーズの取り扱いとか様式観は重要視されない。」と、インタビューでランランは言う。「中国人ピアニストは指の動きには問題はないが、何かが欠けている。だから僕はアメリカに来たのです。」

 演奏を聴いてバレンボイムは
「全体の方向性、戦略性、自分は今どこにいるのかという意識」を常に持つように言う。
「レガートには2つの意味がある。音がつながっていて穴がないこと。もう一つは音質的な連続性だ。(中略)音質的につながったレガートを弾くためには前の音の始めに合わせるのではなく、前の音の終わりに合わせるのだ。」
「欲すること、こうしようと意志することが必要だ。......個々の違いを指摘するのではなく、音楽は各要素を統合する。(Music integrate elements.)]
「ただの音と音楽を区別するものは、統合されているかどうかだ。」
「一音でもクレッシェンドは出来る。そう感じ、そうイメージを描いて弾いて、次の音を大きく弾けば、それはクレッシェンドになるのだ。」

 (これはとてもよく分かる。上手いひとは明確なイメージを持っていて、クラヴィコードのようなポツポツした音の楽器からでさえ、連続したフレーズを描き出せる。)

 僕の記憶が正しければ、別のセミナーでセルジュ・チェリビダッケは確か
「上昇する音型には必然的な演奏法があり、下降する音型には必然的な演奏法がある。」と述べていた。

僕が夢想するのは、こういう知恵を盛り込んだDA変換のDSPだ。もちろんリアルタイムでは無理なので、バッファサイズと絡めた先読み(プリフェッチ)が必要だと思うけれども。誰かそういうアルゴリズムを考えてくれないかなあ。

 今だから正直に言おう。音楽を聴くということは僕にとってはほとんど「祈り」に近いものだ。天の音律と地の響き。身体の中を流れる液体の調べと筋肉の弾み。何処かへ向かう意志といま溶け込もうとする感性。


('08.8.16)今日はのっけからローランド・ハナの1974年モントルー・ライブ「ペルージア」にはじまってずっとLPを聞いた。部品が足りなくてフォノイコ電源の強化はまだだが、DCATの電源基板のケミコンを総替えして、必要箇所にはフィルムのパラ付けをする予定だ。

 僕はアナログの音が好きだが、同時にその問題点も知っているつもりです。よく言われるのはノイズ対策でこれはもちろんのことだが、アナログの一番のメリットは大きく2点あると考えています。
1.音の「連続性」 ← 電源の質や機械的精度が大きく影響すると思われます。
2.元の音の姿との「相似性」が比較的保たれやすいこと。 ← アナログ・プレーヤーのあらゆるところで大なり小なり起こることですが、相当よく考えて対策しないと、あっという間に「共振」や「機械的な不安定性」によって「相似性がデフォルメされる」というのが第二の問題点。

 一例を挙げると、トーンアームの機械インピーダンス特性というのがあって、要するに後部のカウンターウエイトなどが低域で振動し、不要振動をカットオフするための「アームレゾナンス周波数」がそれで決まる。
 「1~数Hzの低音域にはレコードのそりや偏心による雑音成分があり、25Hz付近にはモータからの雑音振動があります。そこで、音声帯域を完全にカバーし、しかも上記のような雑音振動の少ない10Hz付近にアームレゾナンス周波数を選ぶのが得策です。」(山本武夫「レコードプレーヤ」(日本放送出版協会1971)、ただし上記サイトからの孫引きです。)
 
 ところが無線と実験などの実測を見るとアームによってはもう一つ高い方にピーク・ディップが出来ている。これは取り外しできるヘッドシェルとアームパイプとのコネクタ部分のレゾナンスです。つまり手軽にカートリッジを交換して楽しめるのは良いのですが、そのデメリットもある、と言う事です。最近は一体型のアームパイプが多いのは主としてこういう理由によります。
 実際にヘッドシェルの材質だけ変えても音が変わるわけで、振動を拾って電気信号に変換するカートリッジは同時に外乱やその周辺の材質自体の振動によって信号が汚されてしまう、という宿命を背負っているわけです。この辺りは重くすれば、堅くすれば、では解決できない、物性も含む総合的な取り組みが必要となりますし、最終的にはユーザーの耳による判断がセレクトや設定の決め手です。

 まあそういうあれやこれやを乗り越えてLPから音を聞いているわけで、「相似性」をデフォルメしないように、通り道、つまり全てを勘案しなければならないのです。
 沖縄の友人の言葉を借りると『アナログオーディオは、やはり「感性で体得すべき知的体系」なのでしょうね。オーディオ自体が、知的体系であることは確かですが、オーディオの中でもルームアコースティックとアナログは、その中での最右翼 かも・・・』けだし名言だと思います。変数もパラメーターも多すぎるくらいあるんですなあ。


在米の友人が、「あなたが改造したプリアンプ Music reference RM5 Mk2 の写真がアメリカの掲示板に載ってるので、注釈を加えておいたよ。」とメールをくださった。

 おお、こんなところにも載ってしまうのですね。友人がちゃんと弁護と補足をしてくださってなんとかまとまったという感じです。ありがとうございます。<(_ _)>

 でも世界は狭いですねえ。わざわざこの日本語ページを翻訳ソフトまで使って知ろうとするんですから、ビョーキの人は万国共通ですね。Webやってて悪いこはと出来ないとしみじみ思いましたです。しませんけどね、はい。

 Daniel Weiss のときも思いましたが、こんな風に設計者の Roger Modjeskiも出てきて答えをする、なんて良い感じですね。日本のメーカーはあまり顔が見えないですものね。


('08.8.15)【ハンダ付け~その2】
 愛知の友人には当時僕も使っていた温度可変タイプの半田ごてを薦めており、これは多様な半田や回路に対して再現性をもって対応できるので、1本で行くならお薦めだと今でも考えている。

 ただ僕のはその後壊れてしまって、まあ10年以上治し治し使ったのでしょうがないと、もう1本の予備の15Wペンシル型でとりあえず作業を進めていたが、これが案外と良い。そこで60Wのをもう1本買って現在は二刀流でやっているが、もう一人の愛知の友人の薦めも分かるので30~40Wのを買って3本で行こうと思っている。

 ただどれをどう使い分けるかは部品と付ける相手方によって使い分けて、なおかつコテ先の酸化をおさえるためこまめに手元で電源の入り切りをしなければならない。(温度調節型は温度を下げればよい。) 温度だけでなく容量=ワッテージも大事で、特に端子類の場合は、大容量が良い。一方、スイッチなどは加熱時間の制限があるので、ケーブルの細・太に合わせてコテを選ぶ。 いわば15Wはパター、30~40Wはアイアン、60Wはドライバー、という感じです。

 まあ僕は今のようなコーティングされたコテ先ではなく、40年前のやすりで削る銅の半田ごて時代からやっており、当時はコテ先の匂いをかいで温度を判断していたものです。(僕の右唇の上には小さな火傷の痕がある。今は髭で見えませんが。(笑)
 いまはヒートアップの時間を考えてコテ先に半田を流してみて、その流れ具合で主に判断しています。いい時代になったものです。


 そして最近加齢その他で不器用になってきて、増えているのは固まる直前に部品が動いてうまく固まっていないケースだ。だから見た目だけで判断しても行けないし、絶対に自分を過信してはいけない。必ずチェックする。
 機器的に言うと、クロックなど常時通電する機器は非常に負担が大きいので、定期的にチェックしてやらなければいけない。ドライブ関係など大電流が流れる回路も要注意だ。

 そういう風にチェックしていくと、己の未熟、不注意、半田付けの難しさがしみじみと分かる。

 半田付けは容赦なく己を写す人生の鏡です。(了)


('08.8.14)【ハンダ付け~その1】

 猛暑の中、愛知の友人が現在管球式プリメインアンプを鋭意製作中で、そのブログに「ハンダ付け(半田付け)職人のはんだ付けblog」というのが引用されていた。早速読んでみて、いやあ実に嬉しくなりました。本やハンダ付け講座DVDも出して半田付けの普及に努めている。タモリ倶楽部の写真の下の「はんだ付けに光を・・」というコピーが真剣なモノだと分かる。

 修理例アーカイブの「オーディオ パソコンの半田付け」を見ると、修理依頼は時節柄殆どがパソコンだ。
 でもまあ、自己流修理がうまく行かない例を見ると
1.半田ごてを持っていて
2.自分で修理しようと手を動かしている
というだけ、この「まずは褒めなきゃコミュニケーションが成立しない」世の中では、まず褒めておくべきでしょう。
 でも、部品をはずすことだけに囚われて、基板のパターンをグシャグシャにしている例などみると、「このド**!」と思ってしまう。分かってない人達がやはり多いようだ。大体が「部品外し」は改造の時にすると思いこんでいる人が多いが、メンテや修理なども含めて必須技術なのだ。


 でもまあ、こうして根気よく取り組んでいる人達を見ると、捨てたものではないなあ、とうるうるしてくる。
 ただ、このブログだけを読んで分かった気になる人がいたら、それは密かにそして丁重に「ほんまもんの**」(*にはお好きな言葉をどうぞ)と呼ばせていただく事になるのでご注意くださいませ。最終的には実践して身体で覚えるしかない属人的技術だからで、まずは始めるしかありません。その点ではアナログプレーヤーのセッティング&操作に通じるものがあります。(続く)


('08.8.13)暑いですねえ。オカンは来ていて音楽は聴けないし、ここんんとこ体調もいまいちで酒も控えていたんですが、うっとうしいし暑いしで「ええい!」とパーカー100点の安いワインを1本開けました。これはその日の内に飲まないと味が変わるので、今日中に飲む事になるでしょう。安いモノなので余れば料理用にすればよく、無理に飲まなきゃいけないこともないんですが。
 オカンも好きなブロッコリーとグリエールチーズのパスタ。レッドオニオンとツナのサラダ、もちろんビネガーは使わず塩。

 まあ、カナダからパーツが届いたので、明日はパソコンなど一切さわらずに世間のことは放っておいて、心静かにフォノイコ電源の強化作業など行いましょう。作業している間が一番心が安まります。要はスピードとバランスの塩梅ですなあ。さてLPの音がどんな風に変わってくれますか。


('08.8.12)ノイズ源であるクロックの実装法

 さて昨日の「RSオンライン」の「テック君の豆知識」から「京セラ株式会社に聞く!水晶振動子について」の続きです。もう、ここまで来たら(笑)盛大に引用させていただきます。ペコペコッ。

 クロックは盛大にノイズをまき散らすノイズ源であるということは知識としてはあっても、実装回路上でどう対策するかということは存外に知られていないと思います。
 すなわち「不要な輻射や伝導(EMI)は回路形態よりも実装状態に大きく左右されます。<図5>に示したように水晶発振回路を形成する配線はノイズを放射するアンテナになってしまうことを念頭に置いた設計が求められます。

 「<図6>はEMIを考慮した基板のパターン設計の具体的注意事項です。配線はできるだけ短くし、ループにならないことに注意してグランドで囲むといった工夫が必要です。なお、入出力で配線長が異なる場合は、高調波を多く含む出力側が短くなるようにします。また、発振回路エリアの中層は配線を通さず空きになるようにしてください。浮遊容量を小さくすると共に回路が他の信号などと結合することで周波数が変調されるといった不具合を避けるためです。

 これを見るとクロックを換装したときの同軸ケーブルの裸になる先端部分は出来るだけ短くする必要があり、かつこの辺りの電磁波対策の必要性が痛感されますね。
 また、別の方から「プリント基板でさえインピーダンスを確保しているものは非常に少ないので、高い周波数や方形波になるほど必ずと言って良いほど反射が発生しやすい。」と聞いています。
 方形波は44.1KHzであろうと方形波である以上非常に高い周波数成分を含んでおり、ましてや例えばその256倍などといった超高周波の矩形波をながながと引き回す事の問題点がよく分かると思います。


('08.8.11)「デジタルの源はアナログ回路だった」

「RSオンライン」は我々地方在住者、それも電気屋街から離れた地域に住んでいる者にとっては、個別パーツの入手にとても便利なサイトです。
 また「テック君の豆知識」というページ群があって、これまた情報の宝庫です。

 そのなかで「デジタルの源はアナログ回路だった」という刺激的な文章を見つけました。「京セラ株式会社に聞く!水晶振動子について」というページです。
 少し引用させてもらいます。太字は私めです。ペコッ。(左図は上記ページ中の「図4」です。-|□|-という記号が水晶発振子です。)

 『この回路はシンプルなこともあり「つなげば動く」と考えがちです。しかしながら、この回路の動作はアナログです。それに加え、水晶という機械振動素子が回路中に在ることなどの理由から幾つもの配慮が必要です。回路図の段階で言うと、例えばC1とC2の容量は水晶メーカで指定された値にするわけですが、水晶のデータシートに記載されている値は配線やデバイスの入力等によって形成される容量も含めた値です。絶対値が数pF~20pF程度と小さいので浮遊容量なども無視できませんから、実装するC1、C2は他の容量を差し引いた値にします。入出力間の浮遊容量も小さく抑えてください。
もうひとつはRxとRdです。これらは発振の強度(負性抵抗や励振電力)を調節するための抵抗です。』


 『入力と出力の信号波形の違いです。出力側はインバータの出力ですから方形波です。言い換えれば、高調波成分を多量に含んでいます。これに対して、入力側は水晶振動子の自由振動波形が表れますので、ほとんどの場合に正弦波です。』

 要はクロックはアナログ回路の動作により、しかも振動子の本来の波形に高調波(つまりは「歪み」成分)を重ねて作られる、ということを十分に覚えておく必要があります。
 おお、デジタル電子回路は「歪み」で動いている?(笑)

 先日ご紹介した「かないまる」さんの記事と併せ読むとさらに面白いかも。


('08.8.10)先日この日記で書いた「デジタルオーディオ論議における全体性の回復について」の記事に関して、「何のこっちゃよう分からん?」も含めていくつか反応が返ってきています。

 え~あまり大したことは書いてないので、要は「コンピュータ機器で電源ケーブルや電源部を変えて何で音が変わるねん?」ということや「コンピュータデータを伝送する1394ケーブルなどを変えて何で音が変わるねん?」という事を知りたいだけです。
 ジッター論議はDA変換やI2SデータのS/PDIF伝送時には有力な論拠ですが、上記のケースはそういう場合ではなく静的なPCデータの世界です。
 そして、こういう問題を解決するには「頭のいい人」だけでなく「実装回路や機器に長けている人」も議論に加わっていただく必要があるのではないでしょうか?
 と、まあ、言いたいのはそういう事なんですが。

 上記の疑問に「そりゃCPU負荷がかわるからじゃろう。」と答えようとした方々、それは不十分な答えだと僕は思っています。
 なぜ、どのようなメカニズムで、どのような経路でCPU負荷変動が音質に影響を与えるのか、きっちりとした論証がまだ行われていないように思うのです。

 「そりゃパフォーマンスが変わるからじゃろう。」という声も聞こえてきそうですが、パフォーマンスというのはしごく曖昧な概念というか総括評価で、説明としての具体性に欠けます。じゃあ速けりゃいいじゃないか!、という短絡にすらなりかねません。欲しいのはそういう答えでもありません。


('08.8.9)ここ何日かしていたこと。
1.BS録画したDVD-RAMの整理と、DVD-Rへの焼き焼き。
 よく知られているようにハイビジョン放送も音声はしょぼい。BDもHDMIでHDオーディオというアホなことに憂き身をやつしていて、収録されている音声はいまのところ大したことはないようだ。
 で、我が家では2011年の放送廃止までの間、せっせとBSアナログBモード音声での録画をやっている。最終的にこれをDVD-Rに焼き焼きしてMacBook Pro →プロジェクター&→FF400ラインで再生すると画はまあまあだが、音声がとても良い。一昨日は2002年のエクサンプロヴァンス音楽祭の「ドン・ジョヴァンニ」を見た。大司教館中庭劇場での簡素な舞台しつらえでのピーター・ブルックのシンプルな演出がとても美しく、音楽に集中できて良い。

2.中世・ルネサンス音楽と現代音楽など
 9月の連休にささやかなイベントを我が家で企画しているので、その準備にいろいろ聞いた。

3.LP、SACDをいろいろと聞く
 いろいろと盤をかけながらフォノイコの電源強化策を考えた。SACDも2chでは強化の必要を特に感じない。

 全体としての音はとても良く、現段階でこれといった不満はない。


('08.8.6)アナログとデジタル双方に精通したプロからメールをいただく。
「アナログはPCオーディオと違って、この組み合わせがサイコーってのをいきなり導入しても どうにもなりませんよね。」
 ちゃんと理解するまえに見た目やイメージでアナログプレーヤーを選ぶ、などと言うのはサイテーの話だという事ですね。この話はもうこれでおしまい。あ~とは知らない~、自己責任だべ~。


ワオン・レコード小伏さんによれば、「今のパソコン(正確にはOS)のメモリーのバス幅が32bitだから、ソフトを書く方としてはデータ転送はデータの長さをバス幅に合わせた方が扱いやすいですから、32bit長にしたい」と言う都合があるそうな。
 32ビット長の場合は「16bitのデータは16ビットは2つ1組にしてしまえばいいですが、24bitと言うのはちょっとややこしいですよね。だから、24bitの時は8bitの空データをくっつけて32bit長にして、16bit×2と同じ形で扱う方が便利ですよね。」ということで、「Audioソフトで24bit指定しても32bit指定しても、最終的にOSの方では32bit長で転送しているはずです。」とのことです。
 あ、これはビット長の話であって、フローティングの話はまた別ですから。 

Vista64ビットなどいろいろ勉強中です。
 マイクロソフトのエンジニア Larry OstermanのWeblogによれば、オーディオのパイプライン処理でこれまで16ビット整数処理だったのを、Vistaは32ビット浮動小数点処理に変更したそうです。当初は演算誤差が問題を起こすのではないかと懐疑的だったけれども、フローティングは24ビット精度を誤差なしに確保できたそうです。
 他にもいろいろありそうですが、そこはまたゆっくりと読んで考えます。

【あくまで想像っす!】もしCubaseが基本32ビットフロートで動いていて、Vista(32ビットまたは64ビット)上のFireface400(内部は42ビットフロート)のASIOドライバが32ビットフロートで(?)データを受けるようになっていたら、そりゃあまたスムースでないの?

 う~む、だんだんと64ビットに行きたくなってきたなあ。まてまて、事前の勉強、勉強。


('08.8.5)Fireface400電源のDC12V出力ケーブルを交換してみる。厚みと中高域の輝かしさと、空間情報がこれまでと少し違う感じ。ヘッドフォン試聴なのでオカンが帰ったらカタツムリで確認しよう。

 ちなみにヘッドフォンというのはもの凄く耳の鍛錬に役立ちます。速い音とハイ上がりな音は別物だという事を理解できるだけでも値打ち在りです。これまでの2代のゼンハイザーに感謝。安い物なので、1台持っておくとサブスピーカーの代わりとしても重宝するのでは。
 ちなみにゼンハイザーやベイヤーなどのマイクメーカーはマイクカプセルを大きくした物をヘッドフォンに使っているそうで、スピーカーを小さくした物を使うスピーカーメーカーとは基本的な何かが違うのだそうです。

「てますぺ」のlmstさんが、微妙な話題にもかかわらず「Nuendo・CUBASEの設定」を書いてくださってます。大変参考になり、ありがとうございます。

 32bitFloatは既に実行しておりますが、精細感が高まってとても良いですね。レイテンシは低くすると精密な感じにはなるのですが、例えばヴィオラ・ダ・ガンバの中低域など音楽の美味しいところが少し削がれるような気がするので、いまのところデフォルトに戻しています。まあ、今後は分かりませんが。(笑)

 で、表示関係ですがいろいろやってみて、入り方が分からないのでヤマハに問い合わせたところ、Nuendoではいろいろ出来るけれども、Cubaseでは表示関係は触れないとのことでした。残念。

 う゛う゛、やはりNuendoなのか?がくっ。


('08.8.4)週末の2日間はオーディオ三昧に明け暮れた。
 最初は日本橋・喫茶ウイングのhamondさんのお店にお伺いして、jillartさん、A先生、乾板おやしさんと初対面。とはいえ、これまでのメールなどのやりとりやhamondさんのお人柄もあって、あっという間におオーディオ談義やケーブル試聴になだれ込む。相変わらず柔らかくバランス良くこなれた音だが、Plitronアイソレーション・トランスの大量投入もあって、ノイズフロアーが下がり、音の粒が浮き立つように広がっていたのが印象的だった。

 いろいろと思ったのだけれど、僕もその一員である大阪人は気に入った相手にはあっという間にお近づきになってしまう傾向があり、同時に普段ぼろくそにやり合って打たれ強くなっているために、結構平気で丁々発止とやりとりする。その大阪人が集まっている中でjillartさんもフツーにやっておられるので、そのノリとパワーは常人離れしたなかなかのものとお見受けした。

 日も暮れてきたので焼き肉屋さんに移動して、またいろいろと話が弾む。例えば「温度だけでは決まらない半田付けの難しさ」「電解コンデンサは信用でけんからあくまで補助にとどめて、電源のコンデンサのメインはフィルムや!」からはじまって、抱腹絶倒話が延々と続く。いや愉しい。皆さん、どうもありがとうございました。

 そして翌日はjillartさんが我が家に遊びに来られた。限られた時間なので、とりあえずPCオーディオ+10MHz高精度クロック、SACD、SACDマルチ、そしてアナログなど一通りを聞いていただく。いろいろと話をしたが、それは個人的文脈の中の話なので省略させてもらって、とりあえずいろんなネタの仕込みのお役に立ったようなので、それを何よりと喜びたい。

 月末には中部・関西のオフ会があり、その時にはjillart邸にもお伺いするので、また理解が深まることと思う。
 日々是好日なり。


('08.8.1)「デジタル録音の今~自然な響きを目指して」最終の第5回アップをいたしました。
  4.デジタル録音の難しさ
  5.オーディオファンへのアドバイスや希望
  6.ワオン・レコードCDの特長


 これで完結です。ふう。貴重なお話を惜しげもなくしてくださったワオン・レコード代表の小伏さんに心から感謝いたします。CDを聞くときにそれを収録された方々に思いを馳せて聞いていただければ、また一段と音楽の楽しみが深まると思います。
 それでは皆様、良い音楽生活を。


('08.7.31)デジタルオーディオ論議における全体性の回復について

 暑い中でデジタルオーディオのことを考え続けていると、いささか疲れてきました。どうもかみ合わなかったり、ずれている気がして仕方がないのですね。

 その一つは議論の枠組みの狭さだ。デジタル回路は超高周波・超広帯域回路であり、クロックを含むデジタル信号は有限時間間の立ち上がり・立ち下がりでしかない以上アナログ信号であることは容易にわかるはずだ。そのようなデジタル的アナログ信号が実装アナログ回路の中を動いていく、という視点・議論が決定的に足りないと思う。

 バイナリ一致は最低限のことと言いながら、それは「結果として」保存されたデータのバイナリであって、途中経過にはなにも問題ないはずはなくて、それらはいわゆる「ジッター」論議にはつながっている程度できちんとした整理がなされていない。たとえばジッターが悪さをするメカニズムについても「タイミング」程度のお話だけで具体の議論がほとんどない。それはデジタルだけのアルゴリズミックなフィールドから出ないと整理できないだろう。
 たとえば回路と電源は作用・反作用の関係にあり、また電源は単なるソースではなくそれ自体の動作特性を持つ一方、いろんな意味で各回路をつなげているわけで、「かないまる」さんが言うように、電源経由という説は大いに検討に値するものではないかと思う。また、電磁波の誘導なども検討に値すると思う。

 いつも言うのだけれど、僕はFMチューナーなどの高周波部門が先に縮小され、その後にデジタル部門がコンピュータの流れで形成されてきたのが、オーディオ業界的には痛恨事ではないかと思う。もし高周波の先達がその実装的知識をちゃんと伝達してくれていたら、もう少し違った様相があったのではないかと思う。
 たとえばオーディオ回路的には一点アースが常識だが、高周波ではニアバイ・アースつまりできるだけ近くでアースを落とすのが常識であり、それはデジタル回路でも「ベタアース」などとして実現されているのであって、誘導の問題もいろんな対策がなされてきたはずだ。


 すなわちデジタルオーディオを解明するには「抽象概念としての」電源や超高周波回路ではなく、「実装回路としての」経験と知識、勉強が必要だろうと思う。そうでなければトータル的な展開にはつながらないような気がして最近仕方がないのだ。デジタルだけのロジックはもはや不毛になりつつあるのではないか?あるいはHDDやCD-ROMの実装的な動作の解明も必要だろう。

 そして一方で、根本的に難しいのは我々はDA変換してアナログ化しないとそれを認識・判別できないことだ。すなわち各ブロックの動作・問題とそれらを一気通貫した全体とが常に一体的に論じられなければならない。実装回路的に一気通貫しているのは何か?官能レベルではなく何らかの特性としてそれらは整理できるものか?このような長いリーチの問題も含め仮説でも良いから議論が必要ではないか。整理は本当に頭の良い人に後日お願いするとしても、録音製作業界で先行して既に20年あまり経っているのだから、片付くならとっくにけりが付いているはずだ。だからそんな日は今後も来ない可能性が高いだろう。さすれば議論に参加する人達は、アルゴリズミックな議論だけでなく、これまで述べたようなダイナミックな全体性を持つように努力していただく他はないと思う。

 そして測定しようとすれば非測定系自体の動作が変わってしまうという問題はあるが、測定の枠組みも検討されなければならないだろう。


 何よりも「理屈はわからないが明らかに音が変わる」という点についての、謙虚な受け止めがもっとも必要だと僕は思う。そして録音製作業界と同じく「経験知」として蓄積していくのなら、それはややインフォーマルな形にならざるを得ないのだろう。

 「世界は深い。昼が考えているよりもずっと深いのだ。」(ニーチェ「ツアラトゥストゥラはこう語った」)

 諸卿はどう考えられますか?


('08.7.30)いろいろ前進すると愉しいもんであります。

動きのないアナログで楽しみなことができたので、アメリカからの返事待ちですが、とてもるんるんです。いやあLPはいいっす。

スイスのWEISSへの問い合わせメールは「まだまだ時間があるさ~」と、ふゆー(ウチナーグチで「ものぐさ」)にさぼっていて今日の夕方に出したのですが、2時間もしないうちにダニエル・ワイス本人から返事が来ました。まったくこういう人達はいつ寝るんでしょう?多謝賄巣先生!
 MinervaDAC2は外部クロックソースとの同期が出来るそうで、我が家の場合はPCとは1394接続して、OCXからMinervaのRCAに入力しそれに同期させる事になるようです。(あるいはFireface400経由の方が良ければS/PDIF接続のDACとして使えます。)
 そしてMinervaのFirewireインターフェースはWindows Vista 64ビットに対応しているとのことです。ながれいし(流石)~!
 まあ電源も充実しているせいか思ったよりもサイズがでかいので、ラック上には横に置かざるを得ませんが何とか収まりも付きそうです。


 ほんじゃまか、安くてデザインが好みのDAC2の方にして、蟹を食いがてら涼しくなってから秋にでも香港に買いにいこうかねえ。よし、香港情報を集めてあちこちメールしてみよ。


('08.7.28)夏ばてで殆ど機能停止してました。横浜で醸された知恵熱ではないかとの説もありますが、なにはともあれ昨日ようやく社会復帰して久しぶりに音楽を聴きました。
 フォノイコの電源の一部改良などもしておいたので、LPの音の密度がぐんと上がって昨日は一日LPを聞いていました。メシアン「鳥のカタログ」(イヴォンヌ・ロリオ/仏Ades)、パット・メセニー・グループ「ファースト・サークル」(独ECN)など素晴らしい。さらなるフォノイコ電源の改良用パーツを今日カナダに注文したので、この充実感に追いつくにはデジタルはさらなる努力が必要となるでしょう。さて、どうしたもんかねえ。

 今日からオカンが来るので、週末のことも含めていろいろ考えながらまずは無理せず「避暑」に徹しましょう。


('08.7.23)「デジタル録音の今」第4回アップの作業をしながらいろいろ考えた。やはり音を言葉で伝え合うのは難しい。聴き合って、話をして、そこからようやく始まるというものだと思う。
 だから大切なことであればあるだけ、時間をかけてゆっくりとコミュニケートしていきたいと思う。

「デジタル録音の今~自然な響きを目指して」第4回は「マイクセッティングのノウハウ、マイクの限界」という我々聞き専にとても興味深い分野だ。
 「イコライザーやコンプレッサーと同じで、本当に必要な時にしかスポットマイクは使いたくない」という小伏さんは、主にワンポイント録音を手がける。そしてワンポイントの音というのをどれだけの方が聞いた上で理解されているのだろう?もちろん最終的には好みで味付けすればいいのだけれど、僕ら聞く側がしなければならないことはまだまだたくさんあると思う。


('08.7.22)本日無事帰阪しました。まことにもって知的・オーディオ的刺激に溢れた週末でした。東京、横浜方面の皆様、ありがとうございました。<(_ _)>

 19日はお茶の水で「音と戯れる会」例会。初参加の人も含め12人の盛会。これまでかなりの蓄積があるので、新しい人にはすぐ話に加わりにくい面もあるだろうけれど、その辺は終了後の二次会でのフリートークが補って良い役割を果たしていると思う。
 会費を集める事についてはまだまだ理解が得られにくいだろうが、数人規模のオフ会と違い60人以上の人が参加する団体の維持にはさまざまなインフラが必要だし、定期的に同じスペースを確保して、しかも一般の参加OKというオープンな組織形態というのはとても貴重だと思う。実際に加わってこられた人はPCオーディオに関心があるがとっかかりが必要な人達や、地方にいたりで情報が限られている人達、ロックなどオーディオ界ではややマイナーとされてきた音楽的なつながりを求めている人達、が多いように思うので、その意味でもオーディオというニッチな世界のニーズを満たす役割も果たしていると思う。
 今回はいろいろと形になって見えてきたので、感慨深い物があった。

 20日は神奈川に移動して「びーぐるさん(hanahanahanakoさん)」ちのオフ会に参加させていただく。もうブログでよくご存じの「ごっつい」取り組みをされていて、電源やアースや各種工作など目の当たりにするとその情熱には本当に頭が下がります。そして懐の深いお人柄で広い交流関係を持ち、そこからどんどんとスペシャルな物を加えておられて、いやこれが本当に凄いのであります。アナットリファレンスII・プロフェッショナルにバージョンアップされてまだ間もなく、セッティングはこれから詰めて行かれる途上ですし、他にも調整過程のものがあるのですが、その状態で聞かせていただいても、鯛焼きでいえば尻尾まで、みっしりと中身の詰まった音が蛇口全開に出てきて、素晴らしい物がありました。少しだけ奥に引いた音場の出来方などもこれからどんどん変わっていかれると思いますが、久しぶりに充実したいい音を聞かせていただきました。
 そして参加されている皆さんも実に手練れのハイスキルな方ばかりで、いろいろお話しさせていただいて、大変に愉しく勉強になりました。いやほんまにごっついわ。

 そしてその日はmiyaさん、lmstさんと歓談したあと、lmstさんにくっついて県内を移動。翌日はlmstさんちを訪問しました。ご存じ「てますぺ」の主ですから、PCオーディについてはそりゃまあ山ほど情報があるわけで、いやいろいろ勉強させてもらいました。特にソフト的使いこなしについては大収穫。そしてチューニングの詰めについてもご友人と分担しながら進めておられるところに大変着実なものを感じました。
 決して広くはないスペースに実に機能的にセットされたシステムは、とことんと言って良いほど詰められた設定を反映して実に鋭敏な反応をするもので、独特の浮遊感と質感でイメージが浮かぶのがとても興味深いものでした。そうか、この人はこういう繊細鋭敏な音でクールにトリップして行かれるのだろうなあ、ととても納得した夏の午後でした。
 2日間ご一緒するとお人柄もよく分かるもので、恐ろしく明敏な頭脳と冷静な判断力を併せ持つこういう頼もしい若手がオーディオに情熱を持ち積極的に情報発信されておられる事には、非常に心強い物がありました。
 そして、新しい知己を得るということは、まことに得難い幸運だと強く感じた週末でもありました。


('08.7.18)「デジタル録音の今~自然な響きを目指して」第3回「2.ソフトウエア編」をアップしました!PCオーディオをやっている人には参考になる話満載です。
 でも次の「マイクセッティング」がまた抜群に面白いのであります。小伏さんはレコーディングで全国転戦中。もう少しお待ちあれ。

1394NAS(HDD)はちゃんと認識され、スピーディーに動くようになった。おかげで、デバイスマネージャーの「ディスクドライブのプロパティ」に「ポリシー」というタブがあるのをはじめて知った。まあ、でもあまり欲をかかずにここは機嫌良く動いている現状優先だな~。

電源製作については「オームの法則」をちゃんと理解しておく必要がある。W=E*I(ただし「力率考慮前」)というのがトランスの容量と取り出す電圧・電流を決め、E=I*Rというのが抵抗(成分)のワット数を決める基本になる。ヒューズへの理解もここから始まる。
 だからちゃんと作れるようになるには、無駄なトランスやパーツをため込むことが必要になる。最初からそんなに上手くいかないと思った方が良いです。半田付けだって甘くはないです。

明日から東京・横浜方面行き。新しい人達との出会いやいろんな経験が待っていてくれると思う。気合いを入れて修行してきますので、皆さんよろしくお願いいたします。<(_ _)>

※東京・横浜方面行きのため、19~21日(+α?)と更新を休みます。


('08.7.17)1394NAS(HDドライブ)完成

 手前が制震用タイルを貼った2.5"HDD(Sumsung 120GB)その奥がIOI のIDE→1394a変換アダプタ。右奥のケーブルストッパーからFirewireケーブルを差し込み、キャップでネジ止め固定する。写真では分かりませんが、高さをきっちり合わせて抜群の安定度を確保。リンクレイヤーはOxford911Plus、フィジカル・レイヤーはTIのTSB41AB2でここがクロックを受ける。
 その左側がD-Clock 24.5760MHz。TSB41AB2指定の周波数であり、RAIDON U7-1-WAに使われているAGEREのFW802Cも同じ周波数である。

 その奥は3トランス電源からの12V(→5Vに安定化して、IOI のIDE→1394a変換アダプタ回路用に),5V(HDD用),12V(クロック用)のコネクタ端子。XLRの4Pと3Pを用いた。DVDドライブとはこれら給電プラグを差し替えて切り替える。
 また音と戯れる会など外部で鳴らせるように、スイッチングアダプタ1本から全てを供電することも出来る。これはリアパネルまん中の緑のスイッチ2個で切替えるようにしている。

 で、動作させてみるとすぐ認識されたのは良いが、またもMacBook Pro のWindowsは本来Fドライブのところ、Eドライブと勝手にドライブ文字を割り振り、動作が怪しくなる。あの手この手で落ち着かせていき、とりあえず何とか動作させる。ただデバイスマネージャーのプロパティで何とかIOIのドライバを使っているのは分かるが、「ディスクドライブ」としか表示されなかったり、まだ少しおかしい。
 iMacに比べてMacBook Pro のEFIはアホなのだろうか?手のかかる奴め。


 ヘッドフォンで聴いただけだが、IDE→1394a変換アダプタ回路とHDD回路を別電源供給するとこんなにも良くなるのかー、という感じで堂々とした感じになる。
 まあ、これから電磁波対策を講じるので、その面でも効果があるかも知れない。Oxford911Plusはビッグドライブが認識できないという問題をクリアしているので、もっと大きなHDDにしても良いが、むしろ今後はシリコンディスクが気になるところ。

 要はHDDからのファイル再生を行う場合、HDD自体の音質を上げないと結局は追いつかない、と言うことです。


('08.7.16)ワオン・レコード代表の小伏和宏さんと対談のページ「デジタル録音の今~自然な響きを目指して」第1・2回をアップしました。

 のっけの第1回から「デジタルなのになんで音が変わるんでしょ?」というテーマで、もちろん仮説・推測混交じりですが濃い話が諸説沸騰して、自分でやってて言うのもなんですが面白いことこの上ありません。
 第2回のハードウエア編でのマイクの話なんて、こんなに体系的かつ実際的にまとまった話ははじめて聞きましたし、「キモはDDC」なんてあたりは思わず唸るお話です。

 元は技術職として半導体に携わり、飯と同じくらい大好きな音楽の途を目指して転身し、ワオン以前から長年独立エンジニアとして、フィリップスやスウエーデンBISのスタッフとも一緒に仕事をされた経験に裏打ちされた貴重な話がいろいろ聞けます。
 デジタルオーディオに関心のある諸卿は是非ご覧ください。


('08.7.15)「かないまる」さんのHPから「音匠仕様SACD」についてのQ&A。(一部略)  赤字・太字は元HPのまま。おーおー、かないまるさん珍しく切れとるやんけ。

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Q:デジタル信号の数値データがエラーなしで読み込めたとしても、サーボ等から発生する電流が最終的に音質に悪影響を及ぼすのはわかるのですが、それはプレーヤー側でD/A変換を行わなくても同様なのでしょうか?
プレーヤー側でD/A変換する場合、最終的にはアナログの信号を扱うのでこういった要素が音質に与える影響は大きいと思います。ですが、デジタル信号自体はエラーなしで読み込めているとしたら、アンプとプレーヤーをiLinkのようにデジタルで接続すればフレーやー側で発生するサーボ制御による不要な電流等による悪影響などを相当排除することができるように思えてしまいます。

A:まず「デジタルで接続ではフレーやー側で発生する悪影響を排除することができるか」ですが、残念ですが全く排除できません。

理由か簡単に言えば、DA変換に必要なマスタークロックがプレーヤ側からアンプ側に伝送されているからです。しかもクロック成分はデジタルのような波形はしていますが、使うのはクロックが変化するタイミングというアナログ情報です。つまりクロックは、アナログ信号としてケーブルを通じてプレーヤからアンプに伝送されていると言えるのです。SPDIF、 i.LINK、HDMIなど全部同じでデジタル伝送のはずが、そのなかに純然たるアナログ伝送が隠れているのです。

詳しく説明しましょう。

マスタークロックは一般にプレーヤ内で作られます。それがアンプ側に伝送されてアンプのDAコンバータの動作の基準となるわけです。デジタル接続はデータを送りますが、同時に最終的にアナログ波形の時間軸を決めるマスタークロックをプレーヤ側からアンプ側に送っています。

このマスタークロックは、等間隔で揺らぎのないものでなければなりません。ようするに「きれい」である必要があります。それはプレーヤにおいてもアンプにおいてもです。

なぜならマスタークロックが揺れる、すなわち「延び縮みする」と、その揺れどおりにアナログ出力波形が延び縮みしてしまうからです。これは波形がひずんでいることになるので音質が劣化します。

かないまるは「人間は振幅方向、つまり縦方向のひずみより、時間軸方向のひずみに敏感」と考えていてます。つまりちょっとのことで音質は劇的に変化するのようなのです。

さてマスタークロックは、サーポ電流、振動、プレーヤー内のデジタル処理に伴うノイズにより簡単によごれてしまいます。たとえばCD/SA-CDディスクから読み出した光学波形からPCMデータやDSDデータを抽出する回路は大量のノイズを発生しますが、クロックはアナログ波形成分なので、そういうノイズの影響の混入で変形しやすいのです。

さらにマスタークロックは、デジタルケーブルでの伝送中にも、ケーブルやコネクタにかかる振動や、ケーブル間に流れるグラウンド電流の影響を受けます。HDMIやSPDIFは、デジタルケーブルを使ったデジタル伝送ですが、クロックはアナログ信号成分です。ですから「クロックに関してはアナログ信号をアナログケーブルを使って伝送している」と考えなければいけません。

一般にこの考え方が全く普及していないのが、デジタルオーディオの音質に対する理解を遅らせています。とくにPC業界の人にこの傾向が大きいですが、オーディオに携わるひとですらこの事を理解しないばかりか、話を聞いてくれようともしない人が多いのが現状です。

ケーブルがアナログケーブルとしてオーディオ的にきちんとできていることは、オーディオ的に大切なクロック成分の伝送のために音質的にみてとても重要なのです。


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(お節介な注釈)
これは実に深い内容です。とりあえずは「クロックは、アナログ信号としてケーブルを通じてプレーヤからアンプに伝送されている」という部分がわかりにくいと思うので、僕なりに解説を試みます。

 まず西田宗千佳さんの― RandomTracking ―で「かないまる」さんたちの製品に振れた記事の中の『「デジタル伝送の音質劣化」の正体は「時間方向」のゆがみにあった』という項の図をご覧いただきたい。
 図は理想的なクロック波形に対して「ゆがんだ波形」が「時間方向でのゆがみで波形がずれる」ことを説明している。

 今回「かないまる」さんは現実的な認識に向かって「コペルニクス的転回」を計ったのではないかと思います。すなわち「理想的波形」など存在しない!という現実的な認識です。
 図の「理想的波形」は「立ち上がりゼロ秒、立ち下がりゼロ秒」の真四角な矩形波です。どんな駆け出しの技術者だってこんなものが現実には存在し得ないことは知っています。
 にもかかわらず全てのデジタル技術の教科書とメーカーの説明はこれに立脚していると言っても過言ではないでしょう。

 ここで優秀とされているD-Clockの3Vモードでの出力波形写真を見てみましょう。なんと汚い、と思われるかも知れませんが、現実にはこれは「もの凄く綺麗な波形」に属するのです。

 すなわち「立ち上がり有限値秒、立ち下がり有限値秒」というのが現実の波形であり「有限の時間内に変動している値」というのはすなわち「アナログ値」なのです。クロック信号は(というか全てのデジタル信号は)実際には超広帯域アナログ信号なので、この有限に変化する何処かを「エッジ」として0 or 1の変化を判定する閾(しきい)値(Threshold)としている訳です。

 
察するにPC業界の人はまあしょうがないとして、オーディオ業界の人達があまりに無理解なので、「クロック信号はアナログ信号だ!」というインパクトのあるレトリックをぶつけるに至った、という事かも知れません。問題はこれが単なるレトリックではない、という事です。


('08.7.14)オーディオは趣味なので、人のことを気にする必要もないし、自分のペースでやれば良いと思う。
 
 人によるけれども、デジタルオンリーの場合逃げがないので目の前に特定メニューがずっとぶら下がっている状態になるわけで、のめり込んでしまうケースもあるのではないかと思う。アナログやSACDや違うソースがあると、視点が自ずとマルチになるので制御が効きやすい。視野は広い方が幅が出ると思う。

僕の現下の課題はアナログの音の強化だ。電源とフォノイコの設定が主なメニュー。工具とパーツが届くのを待っている状態。それが一段落してもイメージする音にならなければ、カートリッジを変えてみようと思う。こういう事はことは殆ど書かないので、僕がデジタルばっかりやっていると思ったら、それはハズレというわけです。

暑いし、何かとうっとうしいので、こういうときにはマシンと遊ぶのがいい暇つぶしだ。

 WindowsのOSチューニングでは、デバイスマネージャーがもっと活用されても良いと思う。結局目的は不要なサービス・プログラムが勝手に動かない状況を作り出せばいいわけで、ハード的に「無効」にしてやるとそれらも動きようがなくなるからだ。我が家のMacbook Pro では、802.11nネットワークアダプタ、Bluetooth デバイス、システムデバイスでBuilt-in iSight、Realtek HD Audio、Bluetooth Radiosは「無効」にしている。だから、「無線ネットワークは接続されていません。」とかの余計なメッセージがタスクトレイ付近に出ることもない。
 Realtek HD Audioも無効にした当初はぐんとメモリ消費量が下がってよしよしだったのだが、いつのまにか11MBぐらいまで増えている。異なる場所にいくつもの同名の.exeがあるようで、こういうのは仕組みが分からない限り無理をしないで放っておく方が良いと思う。

 あ、一応オーディオの話なんですが。余計な機能が一切ない「オーディオ専用PC」なんてどこも作らないだろうからやってるだけなんですが。それにしてもガキばかりじゃあるまいし、毎度毎度「自己責任」とか「何かトラブルがあっても責任は持てません」なんて書かなきゃならないとしたら、この国のネット社会ってのはまともなのかね?


('08.7.13)いやあ、面倒臭くて、暑いので放りっぱなしにしてました。ばてた。

 lmstさん情報によれば、dCSががプロ用機器の生産を中止するそうな。ふ~む。


('08.7.10)WindowsXPを、ほぼこれくらいかなというところまでチューニングし終えたので、最適化=デフラグをし復元ポイントを作成して32ビット環境の整備を終えた。アイドル時に立っているサービスは約25本。インテルマックならではのOS切替サービスやPowerDVDを使うために必要なサービスもあるので、もう少し削れるけれども冒険をしなければこんな所だと思う。こんな事を言うと怒られるかも知れないが、出るときは強く出るこの音を聞いてしまうと今すぐ64ビットに行く必要は特に感じられない。当分このままで、いろいろと試すべき物を試そう。

ヤマハのスタインバーグ担当にCubase ST4 の「オーディオCD読み込み」機能について問い合わせると、セキュアモードでは何回も読みに行くようになっているが、セキュアでないいわゆるノーマルの読み込みでは普通に1回読込んでいくということだった。一方、我が家ではチェック時にはセキュア・ノーマル共にバイナリは一致しているので、その限りに於いては電源&クロック強化Premium2とCubaseでちゃんと読み込めているようだ。

HDDからのダウンロードファイル再生は電源の関係か、どうもいまひとつ盛り上がらない。ドライブ用のケースを手配したので、到着次第電源強化できるようにしよう。どうもデフォルトのちゃちいスイッチなどは使う気もしないし。


('08.7.9)さてお約束の沖縄オーディオ紀行。まずはワインではありませんがテロワール、つまり美味しいマニアを醸し出す土壌の話。あちこちにマニアは生息中のようですが、どうも何人か傑出した先達がおられるようです。例えば音無館さん。本職以外に数学にお詳しく米TACTのチームと連絡を取りながら、そのサーバに入れるくらいの関係を築いておられる。リタイアされた現在は生録に精を出されSatoriICを駆使した機器を次々に製作されている。僕も2回ほどこれまでにお邪魔しましたが、幾たびに頭の中が情報であふれかえりそうになって帰ってきました。

 そんな影響下に育って、いまやそれぞれの途を歩まれているお一人のS氏が、僕にノーチラスを引き合わせてくれた人。なにせ耳のいい人で、部屋の響きとそのコントロールについてはもの凄くいろんな試みをされていて、今回伺ったら見事に全体の響きがつながっていた。オーディオもさる事ながら彼はギターを弾き、最近はドラムをはじめている。そのドラムを少し演奏してくれてそれがとても面白かった。例えばシンバルは概ねバシャーンという散乱するような響きをイメージされている方が多いと思うが、実際にはKジルジャンのシンバルはとても肉厚で、芯のある響きがある。この芯の所の響きを聞いていないオーディオマニアが大半ではないかと僕はにらんでいます。そしてキックドラム。これはアクションで決まるので、セッティングによって相当変わるらしい。
 そして遂にProTools HDとMacProを導入して宅録も始められるそうだ。これがきっかけでPCオーディオに進んでいただけるととても心強い。

 もう一人のノーチラスのオーナーはS氏の友人で先月導入されたばかりのH氏。JBL S9800 の時から相通ずる優しい音を出しておられたし、ご本人も入手できればと思い、この度出物があって導入の運びと相成ったそうだ。僕が伺ったときはまだ本格的に鳴らせない事情があって、とりあえずPCオーディオのセッティングのお手伝いをさせていただいた。MacBookProとFF400、CubaseST4で音出ししながら順次設定を詰めて、RAMDiskをインストールし、最後にはOCXを加えた。にわかに当日組んだわけだが、だんだんと詰まってくるに随い、H氏の表情が変わってきて、OCXを入れた頃にはリスニングルームである和室に正座して聞き入っておられた。その後ろ姿が記憶に強く残っている。もうこういう音を聞いてしまったので、後はお一人でも頑張られると思う。

 そしてご存じウイルソンベネッシュ「ビショップ」のO氏とそのオーディオ「もあい(≒講)」仲間達。O氏のところでは少し音を出してから、皆が揃って飲み会を設定してくれた南風原町の居酒屋に繰り出す。ここでは僕を沖縄で最初に自宅に招いてくれたK氏も合流。彼は東京在住も長く、沖縄のことをてきぱきと要領よく説明してくれてとても助かった。その沖縄の話、東京の話、オーディオの話、音楽の話、あれやこれやであっという間に深夜1時。まあ沖縄人は夜行性だから驚きはしないが、それにしても愉しい時間だった。

 最終日の夜は「おもろまち」のワインバー(酒料理とも水準高し!)に皆で繰り出して、ちょうど東京から慶良間に遊びに来られていたご夫妻も合流して、これまた濃いひとときを過ごした。

 短い日々でしたが、皆さんのもてなしの心には本当に感謝です。また遊んでやってください。






(左は今年7月1日那覇の友人が撮影した夏空です。)


('08.7.8)PCオーディオをやっていると、機器だって業務用を使い始めているわけですし、ソフトの問題も含めてどうしても録音系というか制作側の状況を知りたいと思いはじめます。で、僕だけで聞くのは勿体ないので、ワオン・レコード代表の小伏和宏さん「デジタル録音の今~自然な響きを目指して」と題した対談のページを制作中です。
 元は技術職として半導体に携わり、飯と同じくらい大好きな音楽の途を目指して転身し、ワオン以前から長年独立エンジニアとして、フィリップスやスウエーデンBISのスタッフとも一緒に仕事をされた経験に裏打ちされた貴重な話がいろいろ聞けます。のっけから「デジタルなのになんで音が変わるんでしょ?」というテーマで、もちろん仮説・推測混交じりですが濃い話が諸説沸騰して、自分でやってて言うのもなんですが面白いことこの上ありません。
 マイクの話なんてこんなに体系的かつ実際的にまとまった話ははじめて聞きましたし、「キモはDDC」なんてあたりは思わず唸るお話です。
 請うご期待。アップの日を期待して待たれよ。


('08.7.7)Plextor PX-760Aが不調で、メーカーで2回ドライブユニットを変えてもI/Oデバイスエラーが起きてアクセスできない件でPlextorと交渉したが、内蔵ドライブ(IDE)としては問題なく、IDE->1394の信号のタイミング的な問題で使用ICによるものであろう、とのこと。今までと同じチップなんですけど、と言っても始まらない。マルチワードDMAならば大丈夫だろうが、転送速度は遅くなるとのこと。宇~無、もうこれ以上は何ともしようがないので、パイオニアで行く事にした。まあ、何時か役に立つときもあるかも知れん。
 あ、それとパイオニアはDVD-RAMの再生だけは出来るので、BS録画の再生が出来るのはメリットだ。

ところでこの間CubaseST4をいろいろ触っていて汚れ・埃のひどいCD読み込み用に「セキュアモード」があるので、これとノーマルの読み込みと比較してみました。
 セキュアモードでは何回も読みに行き、データを確認するようで、おそらくCPUがビジーになっているためか音は堅めです。PCの環境さえ良ければノーマルの方が音質的には良い、というか僕は好きです。このセキュアとノーマルでいろいろリッピングしましたが、EACも含めバイナリは一致しています。どうもCubaseのノーマルはかなり高い読み込み能力を持つようです。

 とはいえ推測でなくヤマハに直接確認しようと思いますが、どうなりますやら。


スイスのWEISSに問い合わせたメールの返事が来ない。MinervaまたはDAC2が64ビット対応かどうか、外部クロック同期できるかどうかは、大事な判断ポイントだ。ということでダニエル・ワイス本人にメールしようと思う。


('08.7.6)いやはや疲れたし音楽は少ししか聴けていませんが、まあ充実した週末でした。

OS環境の設定
 事の起こりはダウンロードファイルHDDを、MacBookProのWindowsがドライブレターを任意に振って「ローカルディスク」としか認識しなくなった点にあります。まあ、出会い頭の事故ってやつなんでしょうか。AppleのEFIよりもWindowsがアホなのでしょうか、iMacの方は微動だにしないのに....。HDDを再度しかもMacBookProからフォーマットして、設定したのにまたまた誤認続きでデータにアクセスできず。Mac側から見るとログらしき物が見えるのだけれど、NTFSの書き換えは出来ないし、第一どう書いて良いのかよく分からない。
 そこで意を決して最適順序で再インストールして、同時にOS環境の設定を徹底的にやる事にする。

 で中略、なんだかんだで、非常に良い32ビット環境がまとまりました。音の傾向としてはダイレクトで蛇口全開方向です。まだ我が家では聞いた事がありませんが、おそらくは64ビットというのはこういう傾向ではないかと思われます。
 まあ経過を書いても仕方ないので、気がついたことをいくつか。

1.あちこちにWindowsチューニングのサイトがありますが、かなり古い内容も沢山混じっています。例えばアプリ起動用メモリを解放するLargeCacheなど、レジストリをいじるという危ない橋を渡る割には4MBくらいしか得られず今時「?」と思う。あるいは、休止状態をやめるのもHDDを1GB程度占有するのを抑えるだけなので、これも今時「?」。
 まあ、でもおまじないでやってはおりますが。(笑)あ、レジストリはこの1点しか結局変えていません。

 
 それとDAWチューニングは「継続した安定性」を凄く重視して一瞬でも邪魔が入るのを嫌い、HDDを重視する。だが、ぼくらは製品を作るのではないので、あまりこの真似をする必要も特にないと思う。例えば画面の液晶を早く切った方が長持ちするかも知れないし、HDDアクセスはほどほどで良いのかも知れない。

2.コントロールパネルの操作は比較的安全で良いが、「自動更新」は完全に無効にするとWindows Updateが出来なくなる場合がある(現にありました)ので、これは更新があれば知らせるという最低限の所にとどめておいた方が良い。第一、ネットワーク接続を無効にすれば実質的に停止できる。「システムの復元」を無効にするのは、危険だと思いま~す。

3.プログラムを削除できるからと言って、削除するとややこしくなる場合がある。余計者の Realtek HD Audio がそうだ。FF400のようなインターフェースに出力する場合、ASIOでもWDM(Direct Sound)でも殆ど関係がない割にメモリを食うので消してスッキリしてしまいたいが、オンボードのハードデバイスなのでプログラム削除しても再起動したらインストールを要求し、しかもその時にはファイルは削除されているので非常に中途半端な状態になる。それならはじめからデバイスマネージャーで「無効」にする方が、よほど簡単で同様の効果が得られる。まあ20MB以上あったメモリ消費量が3MBくらいに落ちるので、これで十分だと判断すべきだと思う。シャットダウン時に余計なメッセージが出たりしても我慢できる程度だと思う。

4.コントロールパネルの「管理ツール」→「サービス」で無効または手動にしていくのも、メモリ消費量を減らすのに効果があるが、なにせ画面でのそのサービスの説明自体が短くてわかりにくく、おまけにあちこちとつながっているから、ややこしい物は検索するなりしてちゃんと調べてからアクションを起こしたほうがいい。
 例えば「Wireless Zero Configuration」なんて「802.11 アダプタの自動構成を提供します。」との説明なので、「無線LANを使用しなければ無効で良い」と思ってしまうがさにあらずのようだ。マイクロソフトによれば「Wireless Zero Configuration サービスを無効にした状態でシステムを起動すると、周囲に IP アドレスを取得するための接続先が存在しない場合、システムの起動時間が約 2 分長くなったり、WebClient サービスが起動しないという現象が発生することがあります。ワイヤレス ネットワークを使用している場合、接続先が存在しない時、システムは接続先を探す作業を繰り返し実行します。」ということで、かえってパフォーマンスが低下するようです。

5.結局はコントロールパネル、サービス、レジストリを個々人の環境・目的に合わせてバランス良く組み合わせてパフォーマンス向上を図るべきなのだが、これがなかなか難しいのです。例えばプリンタを使っている場合、Print Spool のサービスを止めるわけにはいかない、と言った分かりやすいものは良いが、総じてセキュリティやネットがらみの物は無闇にさわらない方が良いように個人的には思います。

 いずれにせよ勉強第一、考えながら着実に進むよろし、です。

HDDにも良い電源が必須
 2日に書いたようにCubaseで88.2KHzに変換したリファレンス・レコーディングのHRxファイルをカタツムリでじっくりと聞いてみた。ヘッドフォンで聴いたときは「いまいちかも」と思ったが、なかなか良いと思う。特にダイナミックレンジが大きくて広がり感というかスケールの大きさはとても良い。残念ながら「メディア・モンキー」は悪くはないが、という感じで、やはり88.2に変換してCubaseで聞く方がずっと良い。
 ただ、ファイルをコピーする時に電源をスイッチングアダプタ(ちょっと奮発して高い12V5A)と3トランス電源に変えたときの、それぞれのファイルの音質の違いも非常によく分かる。まして再生時にも変えると尚更だ。こりゃHDDにも良い電源が必須なのだが、実は端子とスイッチのスペースがないので、現在のHDDケースでは3トランスの内2トランス分しか活用できていない。HDD電源と1394回路電源が共用なのだ。

 そこでHDDのケース全体を別の物に組み替える事にした。シルバーのケースなので、その方がデザイン的にもマッチするし。まあ、あんまり大した工作ではないけど、他にもやることあるのでボチボチとね。

コメントを書かなくてもちゃんと見てますよ、というお話。


('08.7.4)Plextor PX-760Aが不調で、メーカーで2回ドライブユニットを変えてもI/Oデバイスエラーが起きてアクセスできない。Firewireはしっかり認識されているし、Premium2や予備のパイオニアのDVDドライブは全く問題なく動く。もうこれ以上は何ともしようがないので、やや画質・音質の緻密さでは落ちるがパイオニアで行く事にしてあとはPlextorと交渉だ。

ダウンロードミュージック用HDDも結局Macのディスクユーティリティでパーティションを切って10GBだけMAac拡張で、残り100GBをDOSでフォーマットして、最終的にNTFSでフォーマットした。PC_Audioさんが言われるように、これが一番安定しているように思う。この形はIntel-MacにWindowsをインストールしたときと全く相似形であり、Intel-MacにBIOSがなく、その代わりに起動プログラムEFIがあるので、周辺機器接続もこれにフィットした物でないと、どこかでこけてしまう感じだ。
 だからある評論家がMacBookを完全なWindowsオンリーのマシンにしたそうだが、その場合EFIのアップデートが受けられないので、長期的には問題があると思う。やはりIntel-MacのベースはMacなのだ。

 ってなことをやりつつ、なんだかんだで殆ど音楽も聴けずに1日が終わる。何をしているんだか、やれやれ。

PCオーディオの場合、効果の大きい物を僕的に列挙すると以下の感じです。

         1.CDドライブのクロック(33.8688MHz)換装
4.電源 →  2.高精度クロック(10MHz)の導入
         3.再生ソフト(PC)

 1~3のすべてに渡って4.電源がビシバシ効く、という感じです。
 Windowsでは同じモジュールでもインストールの順によって音質が変わるそうです。もちろん、この場合もどこからやっていくかという順序によって効果の感じ方は違ってくるかも知れません。
 ただ、皆が「たかがドライブ」と思っている部分が、リッピングにせよストリーミングにせよ全ての起点なので、この部分の効果は非常に大きいということを強調しておきたいと思います。確かに間違えば2万円近いドライブをおしゃかにするわけですが、CDトラポに比べてみれば安い物です。まずはここからでしょう。

 えっ、俺はリッピング派だからドライブはソコソコで良いんですって?ご冗談でしょう、こんなに変わるのは(ごく一部では)もう常識なのに。



('08.7.2)友人から「沖縄のオーディオって、ノーチラスはしごするくらいそんなに凄いの?」ってメールが来て、「まあね。」と返事したのですが、ちょっと事情があって「沖縄オーディオ紀行」はもう少ししてからアップします。

 昨日リファレンス・レコーディングから176.4KHz/24bitの.wavファイルが格納されたデータDVD-Rが届いた。大フィルの現指揮者・大植英次とミネソタ響のラフマニノフ名曲集。

 で、お馬鹿なことにここでようやく大事な事に気がついた。ST4を含むCubaseは96KHzまでのファイルしか扱えない!
 上位のNuend4なら196KHzまでOKなのだが、Cubase ST4からアップグレードすると、Cubase4を経由して22万円あまり必要になる。
 う゛う゛、折角のスタジオクオリティーなのに。リファレンス・レコーディング推奨の「メディア・モンキー」なら再生出来るが、とりあえずは涙を呑んでCubase ST4で88.2KHzに変換して聞くことにした。(Lilithは96KHzは再生するが、176.4KHzには反応せず。)

 で、データをDVDドライブからHDDに移そうとして、
1.修理から戻ってきてドライブユニットを交換したPlextor PX-760Aが不調。
2.仕方なくMacBookProの内蔵ドライブからHDDにデータをコピー。
3.Wav Compareでバイナリ一致をチェックしようとしたら、「not .wav file」と表示される。調べてみるとアーティスト情報などを含んだ「Broadcasting Wav File」だと言うことが分かった。Cubaseはそのまま再生できるが、Wav Compareは純粋な.wavでないと駄目というわけだ。
4.この間HDDはスイッチングアダプタ(12V5A)、と3電源トランスを適宜切り替えた。オカンがいるのでヘッドフォンだが、コピー&88.2.wav変換の際には3電源トランスを使った方が明らかに音がよい。

 つまりHDDにファイルを移すとき・変換するときには、どういう電源を使っているかが音質に影響する!ということです。

 明日はコンサート行きなどで時間がないので、「メディア・モンキー」なんかもインストールして明後日以降にカタツムリで鳴らして比較してみます。


('08.7.1)【ちょっとだけリニューアル】

 いささか思うことこれ在り、この3日間ほどドアを全て閉じて、メールも開かず関係者のHP・ブログも一切見ずにこのHPの運営について考えました。

1.トップページ「オーディオが好き」のページにヤマモッさんが撮影してくださったリスニングルームの正面からの全景写真(ありがとうございます<(_ _)>)を載せました。(不遜にもちょっとだけいじらせてもらってます。)

2.機器構成の詳細などは「オーディオが好き」のページからリンクしたPDFファイルなどで掲載するつもりですが、いつの事かは全く分かりません。

3.いずれ落ち着いたら過去の記事はアーカイブとして、シンプルなブログ日記(掲示板無し、コメント無し)1本に移行しようかと計画していましたが、当面現行のページ立てで行くことにしました。
 このページのタイトルを「オーディオ&音楽日記」に変更したのはブログ1本化の伏線だったのですが、今後、内容的には機器の使いこなしなど一般的な情報提供は基本的には載せない事にします。こちらもいささかわがままに僕の関心のあること、やっていることに関しての情報発信のページといたします。僕にも一修行者として勉強し追求したいテーマ群があるので、そちらを優先したいということです。


 「帰去来の辞」でいえば「門は 設くと雖も  常に關(とざ)す」と言うところでしょうか。友人達には開きっぱなしなんですが。


('08.6.29)沖縄の皆様、飲み会を開いてくださったり、オリジナル・ノーチラスを1日に2軒はしごして聞かせてもらったり、また詳しく書きますが本当にありがとうございました。大変に愉しかったです。m(_ _)m

 いささか気が向かないので、当分更新を休みます。


('08.6.25)オカンも来ているし、明日からは沖縄行きだし、その準備をしながら、今日は音楽再生用HDDの電磁波対策をやったり、ソフトを使い分けながらCDのコピーをやったり、まあぼちぼちのゆったりした1日。
 
 まあ、コピーの音はヘッドフォンぐらいでしか確認できないが、これがまたいろいろあるんだろうなあ。どっちにしても光学メディアはいろいろありすぎる。光ディスクを卒業する日がいつになるかはよく分かわからないが、日本など各国のレコード会社が無くなっていくのはまちがいないだろう。

 振動に関して言えば僕は基本は「散れ!散れ!」だと思っている。振動のエネルギーを消すことは出来ないのであって、大地や床で吸収などというのは幻想に過ぎない。共振周波数(Fo)を出来るだけ散らして、振動のピーク(Q)を全体としてなだらかにして、振動モードを分散して行くしかない。
 また一方で、マイクにはいろいろと限界があり、全ての音を収録できているはずもなく、ソースに入っている音が全てではないので、それを「らしく」聞くにはある程度の振動も必要だと思う。がちがちにして殺しすぎてもつまらない音になる。
 そして回転系についてはDVDレコーダーなどを含め過去の経験からすると高い位置での支持、例えばコーンを使うのは振動音が拡大されたりして良くない。支点が高いと「作用・反作用」でお互いが振られるのだと思う。だから、低くかつソフトサスペンションも交えた方が安定する。

 そういう点ではオーディオベーシック誌に連載されていた米谷淳一さんの「音に還る旅~コペルニクス的オーディオ論」と「2003年の真実」は大変に勉強になる。僕は「作用・反作用」概念など目から鱗的な鮮烈な印象でこれを読んだ。これこそ「思惟するオーディオ」だと思う。
 誤解を恐れずに言えばニュートン≒長岡鉄男的発想からの脱却だ。もちろん、長岡さんはわかりやすさのために単純化したところも大だと思うし、後の弟子達がそれを金科玉条・ドグマ化したところも大きいと思う。が、アインシュタイン、プランク的な観点からすれば視座を変えれば重いものそれ自身も動いているわけで、重ければ堅ければ良い、という訳では無いのだ。
 雑誌では季刊だしばらばらに読むので、何の事やらと思った読者も多いと思うが、そもそもが考えるのが面倒臭い人には向かない種類の文章だ。だからこのへんの著作がまとまって本になってくれたらと思うが、難しいのだろうなあ。


※29日まで(気が向かなければもっと....)更新を休みます。


('08.6.23)iMacのタイムマシンに使っていたHDDがクラッシュしたらしい。Winでも認識せず、接続していると両OSともに起動しなくなる。あたりが悪いのかも知れないが、先日のWinバックアップ用のHDDについで2個目、一昨年から数えると3個目だ。

 ちゃんとしたメーカーのをそれなりのサイトで買っても、普通に使っていてHDDはクラッシュする。これは僕にとって事実だ。だからCDをリッピングして転売しHDDデータしか持たない人がいるなんて、少なくともRAIDでミラーリング(これはこれで負荷がかかる)しない限り、狂気の沙汰に近いと僕は思っている。第一、音の良いリッパーソフトが今後出てきたら、なんてことは考えにはいっておられないのだろう。

ってなことを書くと「HDDクラッシャー」とか言われかねないので、例によって意地になって接続パーツを一つ一つチェックして原因究明した。結果はまたもIDEのコンタクトだった。うう、済まんのう、わしが悪いんじゃ。HDDはそんなに柔じゃあなかったんだ。
 まあ、でも新しいのを買わなくてすんでほっとした。


('08.6.22)ダウンロードファイルの購入が上手くいかなくて、この2日間で米HDTTの担当者と何回メールのやりとりをしただろう。向こうもサイトをやり変えたりして頑張ってくれて、すったもんだでようやく課金処理も上手くいき、ダフニスとクロエのパート3をダウンロードできた。$4でPayPal扱いなので、441円なり。
FLACからWAVに変換して聞いてみた。悪くはないが、という感じで質感から言えば同じ録音のSACDの方がずっとよい。うむ圧縮の問題か、変換の問題か。そうすると期待は一挙にリファレンス・レコーディングのHR X か。
 それにしても少しの間に電源強化したSACDプレーヤーはずっと良く鳴るようになっている。これならまず十分に行けそうだ、EMMは欲しいけど。(笑)

 念のために書いておきますと、僕はいまデジタルミュージックの可能性を幅広く探りたいと思っていて、なおかつデジタルでは処理には必ず何らかの音質変化が伴うことを痛感したので、いろいろと試さない事には何とも言えない、と思いながら、あれこれやっているわけです。そのためには汎用性を考えて32ビット環境をキープしているというわけです。
 ダウンロードも可能性の一つとして見ているが、ネックは回線の細さで、これがあるかぎり「ロスレス」=実態は「ややロッシー」が幅を聞かせる事だろう。つまり現状ではハイエンド音源としての問題点は残るような気がする。回線を広げるか(すぐにはとても無理だし、大部分のユーザーには必要性がない)、ソフト側でコーデックの強化など何らかの対応をするか。


 だから当分はやはりCD、SACDだ。この数ヶ月で何十枚買っただろう。
 うち1枚だけ入手しやすい物を紹介しておきます。アンヌ・ケフェレック「バッハ名演集」。アマゾンで1500円弱だから1家に1枚。まるではじめからピアノのために書かれた曲のように聴こえる自在な表現力。他にも仏Mirareのヘンデル、バッハなどありますが、こちらも演奏、録音共に素晴らしいです。
 http://www.hmv.co.jp/product/detail/1397769
 http://www.hmv.co.jp/product/detail/1980553


 今、ヨーロッパのクラシックのマイナーレーベルは、新鮮・練達のアーティスト達とセンス溢れるエンジニア達が素晴らしいディスクを沢山作っている。
メジャーレーベルしか聞かないとしたら、それははっきり言って勿体ないという事です。


('08.6.21)プリメインアンプにUSB端子が完備されたらそれが一番望ましいのだけれど、それが「専らコンピュータ向け」の端子である点で、この業界では体質的にどうかなあ、という気もするのだなあ。USB1.1は48KHz/16bitという規格の制限があり、圧縮ファイルとはいえこれからの高次フォーマット時代には厳しいものがある。USB2.0の場合は拡張規格を作り込む必要があるので製作側には厄介で、ASIOなんてオーディオ屋さんは考えてないし、ましてや消費者には何の事やら分からないだろう。要するに汎用性の面でも家電的には中途半端なのだなあ。

 今、一番「コンピュータ向け」の端子をきっちり備えているAV機器があるのをご存じだろうか?その端子とは?
 答え:DVDレコーダー。LAN端子(イーサネットRJ-45)。
    ファームウエアのアップデートから電子番組表の取得まで、電源スイッチをスタンバイにしていても常にごろごろとうごめいている訳だ。

 「ネットTV」なる言葉もあるくらいだから、AV機器とはなじみが良いらしいし、ネット配信や「ネットワーク対応」と言われると、重い腰も少しは軽くなるのかも知れない。もっともリンのDSを含む「DLNS」には家電業界はともかく、評論家の方達はネガティブらしいので、これも望み薄かもなあ。


 まあ、どっちころんでも当分わしらはマイナーやねえ。


('08.6.20)今日は早起きしたので、いろいろ片付けてから音楽を聴いた。まずは米HDTTからダウンロードしたサンプルファイル。これはFLACをWAVに変換したものしかないのだが、「兵士の物語」やレスピーギなどかなり良かった。といっても古い録音なので、96/24凄い!というほどではないが、悪くない。とりあえずは大好きなモントゥー&ボストン「ダフニスとクロエ」の夜明け以降の部分などダウンロードしてみようかと思う。

 その点、ノルウエーの2Lは凄い!モーツアルトの弦の重なり具合や雰囲気感など非常に良い。残念ながらこれはネイティブのWAVファイルの場合で、FLACをWAVに変換した場合は、少し遠いというかリズムの切れがもたつく感じで、悪くはないが凄~いと言わせるほどではない。やはり音質変化はあるようだ。

CubaseはWMAも再生時にはWAVに変換してしまう。そりゃそのための編集加工ソフトだから、それが当然と言えば当然だが、やはりデジタル変換も音質上それなりに問題を抱えているみたいだ。

それにしてもCDの音が良い。上原ひろみとチック・コリアのデュオも雰囲気感が素晴らしい。ベルギーCypres(シプレ)のヴュータン「チェロ協奏曲」などは、もうこれだけ鳴れば十分と思わせるほどだし、同じくベルギーのAvanti ClassicsなどSACDだがCD層の音が凄い。どちらもベルギーの「Musica Numeri」が録音を担当しているので、当たり前と言えば当たり前ですが。

心斎橋アセンスでミュージックマガジン7月号「特集:CDはどこへ行く~音楽ソフトはデータ配信に取って代わられるのか?音楽業界の様々な証言から考える」を見つけたので、コーヒーを飲みながら読む。
1.日本は音楽配信の90%近くを着うたが占めており、PCダウンロードは10%程度でしかないということで世界でも代わった状況らしい。
2.アーティストの活動・姿勢の変化なども含めてレコード会社の必要性が問われているらしいが、レコード会社側は着うたなどの違法ダウンロード・コピーを問題にしているようだ。(実際、完全にダウンロードになったら、日本のレコード会社は日本語サイト製作≒翻訳と一部広報ぐらいしかしかすることが無くなるだろう。TVの地方局と同じような道のりか。)
3.筆者達は揃って音楽への愛、概ねパッケージメディア愛好を語るが、誰も将来のことはよう分からんみたいだ。

 僕自身は石田昌隆氏(フォトグラファーさんみたいです)の「音楽をデータのみで所有していると、ある日ハードディスクがクラッシュしてパーになるという不安だけでなく、現状のデータでは、データが増えていくと10年も経てば訳分からない状態になるとしか思えないからだ。
 デジカメの写真データに含まれているEXIF情報のように、個々の楽曲に詳細な情報が組み込まれるようになり、その情報を検索できる進化したiTunesができ、クラッシュする心配のないソリッドステートドライブが普及し、AIFFとかWAV以上のフォーマットで保存できるなら、パッケージは要らない。そうなるには10年以上かかるだろう。」という意見に大いに共感しました。


ただ、これからの音楽「再生」ソフトではこの「整理」「検索」というところに凄い重点が置かれているようで、どうもそれが肝心の「音質」を離れて一人歩きしている、あるいはしていくという可能性も非常に高いと思う。実際iTunesはいろいろやらされて音あまり良くないしなあ。


('08.6.19)ダウンロードサイトを見るとFLACが多いので、Cubaseの対応を待っていられないという感じだ。それにどうもWMAよりはFLACの方が評判が良い。
 で、いろいろ調べてFLACのサイトで、FLACをWAVに変換できるソフトを探した。いくつか検討したが最近超高音質ファイルの提供をはじめたリファレンス・レコーディングが推奨しているのを頼りに、「Media Monkey」をインストールすることにした。英語だろうなあ、と思いながらインストールすると何とちゃんと日本語をサポートしている。パッと見にも使いやすそうだ。で、早速ヘルプ(残念ながら英文)を見ながら「ツール」→「オーディオ形式を変換」からFLACをWAVに変換してみると、サイズは倍近くなるが変換処理は速い速い。(ただDRM:著作権管理の関係で中には変換できないものもあるかも知れない。)

 問題はFLACをWAVに変換した場合の音質変化だが、先日紹介したノルウエーの2Lのサイトでは同じ録音のFLACファイルもアップされているので、こちらをダウンロードして変換し、両者を聞き比べできるようにした。


さて、今日はオカンが帰ったので音質をチェックすることにしたら、何と「DownloadMusic」のHDDが「ローカルディスク」としか認識されず、開こうとすると「I/Oデバイスエラーが発生したためアクセスできない。」と来た。
 実はiMacもMacBook Proもルートディレクトリ(C)が「ローカルディスク」となっていたのをこの機会に「Windows」にリネームしたため、そのゴミが邪魔したのかも知れない。どっちにしても2台のマシンともアクセスできないと話にならないので、再度フォーマットしてファイルを入れ直した。これだからコピーは置いておいた方が良い。リッピングしたときのファイルは失われたが、まあ致し方ない。

 と、今度はiMacのWindows側をTrueImageでバックアップするためのHDDがおかしくなった。をいをい、の世界だが、これも紆余曲折、もう書くのも面倒だ。


 僕は音楽を聴きたいのだが、なあんで連日コンピュータの相手ばかりしなけりゃならないんだろう。トホホ。


('08.6.18)手持ちカテゴリ7の残り4.5mを使って1394ケーブルを製作する。今夜にも米サイトからいくつかダウンロードしてみようと思う。サンプルCDを聞いた結果は非常に良かったので、96・24でどういう音がするか楽しみです。
 いろいろなフォーマットを再生することになると、CubaseST4にもフォーマット別に「プロジェクト」を設定して、そのファイルにあったプロジェクトを立ち上げねばならない。追って、設定方法を補記しておきます。

 デジタルのノイズはアナログのようにノイズとして耳に聞こえないし、多少不安定な動作でも音は出るので、不具合は具体的に見えないことが多い。分かっていることは回避できるように勉強して、事前につぶしておく他はない、と僕は思う。

いかん、いかん、気になってついつい余計なことを言ってしまった。人それぞれにやり方や愉しみ方がある。愉しみも苦しみも成功も失敗もその人自身のものだ。
 「人生における知恵の80%までは、他人のことに入らぬお節介を焼くな、ということに関係している。」(ロバート・A・ハインライン「異星の客」) OK,Dokey.

6/10にIntel Mac 用のFireface400ドライバが更新されています。


('08.6.17)昨日いろいろとやっているうちに、気がつくとHDDが認識されなくなっていた。それを直そうとじたばたして、IDEケーブルの接触不良に始まって泥沼にはまりました。おかげでケーブルの製作も出来ずじまい。

 コンピュータ機器はご存じの通りプアなパーツの山です。コネクタ、ケーブルみな細くて頼りない。差し直しなど無謀とも思えるくらいだ。で、あっちを直す際に、こっちが悪くなったりする。結局はどんどん深みにはまっていき、1394基板だけ使って一から製作した方がずっと良い、という結論になりました。安心して使うためにもちゃんとしておきたいと思います。

 PCオーディオをやられる際にはいやでもコンピュータ機器を使わざるを得ませんが、内部をさわる際にはこのようにデグレードする可能性は非常に大です。1台だけでなく必ずスペア・予備を確保しておく必要があります。でないと、あとで泣くかも。

 「われを過ぎんとするものは一切の望みを捨てよ。」(ダンテ「神曲」)

しかしそのままでは面白くないので、あちこちのパーツをかき集めて何とかリカバリしました。クロック電源とアースの関係もビミョーなものがあります。とにかくこれでダウンロードファイルを落とし込んで再生が出来ます。やれやれ。

60Hzと50Hzの違いですか、なるほど~。頭ではともかく具体的にはそこまで考えてませんでした。その意味では西は2割分恵まれているわけだから、頑張らなくっちゃ。


('08.6.16)【ネットワークPCオーディオ接続図】

 昨日段階では図の通りの布陣をセットしました。

 我が家のネットワークPCオーディオでは1394NAS(Firewire400接続のHDDを勝手にこう名付けました。)のHDDからミュージックファイルを再生することにした。もちろんLANによるDLNAも考えられますが、これまでのシステム構築に追加する形の方がいろいろな負担・負荷が軽いこと、やはり録音製作業界ではコンピュータデータの受け渡しは依然1394主流であること、音質の良いカテゴリ7・1394ケーブルを使えること、などをふまえてそう判断しました。

 ダウンロードについてはネット接続、課金などいろいろあるので常用マシンであるiMacで落とし込むことにして、さてそのミュージックファイルをどう1394NASに送るか。USBメモリでオフラインというのも面倒なだけで芸がないし、もちろんバイナリは確認するとしてもそれだけで音が決まらないのは経験的に先刻ご承知なので、メディアやハードの影響が音質に残る現実などを考えると、いまさら余計なメディアを通したくない。
 で、最終的には4.5mの1394aケーブルを圧倒的に高音質のカテゴリ7(SANWAの単線タイプ)で製作して、これでiMac⇔1394NASとファイルコピーの際のみ直に接続することにした。これなら高音質でダイレクトに送れるし、著作権関係でコピー可能な物はコピーして両方のバイナリを確認することも出来る。もちろん再生時にははずして、1.5m1394ケーブルでMacBookPro⇔1394NASと接続する。
 よし虎の子のコネクタを使って4.5mの1394aケーブルを作ろうか。

 ポイントは電源です。HDDと言えども、付属のスイッチングアダプタより3トランス電源から給電した方が音質はずっと良い。CDのストリーミング再生とリッピングの音質差より、電源の音質差の方が大きい、というのがこの間の結論と言っていいくらい、電源の効き方は大きいものがある。

 この間リッピングも、バイナリを確認しながら各種ソフト(EAC、PlexToolsPro.、Cubase ST4、Cubase ST4の「セキュアモード」)で、かつ2台のドライブ(Premium2、PX-760A)で異なるジャンルの曲を選んでやってみました。[PlexToolsPro(Ver.2.35)については他とバイナリが一致しなかったので、対象から外しました。]
 音質面では、総じて凝縮した緻密さではリッピングが勝りますが、エネルギー感やライブネスという点ではCDのストリーミング再生に一日の長がありました。はっきり言ってリップした音はどこかもどかしい。
 今回やってみて皆さん実は細かい実験をされていない方が多い、ということがよく分かりました。よってあからさまに全部書くのは控えます。

 実際リッピングの方が良ければそちらで行こう、と腹をくくってHDD環境も整備したのですが、結論としては、リッピングの手間や整理などを考えても音質的には曲によって一部リップする以外はやる気にはなれず、駄耳のそしりはいくらでも受けることにして、少なくとも音質・性能・電源を詰めたCDドライブで再生する限り引き続きCDのストリーミング再生で行こう、ということになりました。もちろん今後リッピングの方が良くなれば、即座に移行します。HDD用の3トランス電源(1394回路用5V、HDD用5V、クロック用12V)もいずれ製作したいと思いますが、現段階では適当なスペースがないのが悩ましいところです。

 いやあ、でも疲れました。ちょっと休みたい。


('08.6.15)この2日間ほどHDD環境を使って、懸案の問題をいろいろ実験した。詳しくは明日書きます。ふう。


('08.6.13)昨日は1日外出していたので、疲れて爆睡状態。 二度寝して目覚めてから、ようやくオーディオに着手。

 120GBHDDの1394NAS化は細かいところで手間取ったが、無事NTFSでフォーマット。次にカテゴリ7LANケーブルで久しぶりに1394ケーブル1.5mを1本自作。これは慣れたもので、1発でOK。
 というところで時間切れ。明日は4.5m1394ケーブルを作成し、リッピングについてのテストと試聴をする。

 実はデジタル録音がらみでこのHP上での面白い企画を進行中だが、まだ端緒についたばかりでまだ当分形にはならない。でもまとまったら面白いこと請け合いです。

 ま、今日の所はzzzz。


('08.6.11)去年ぐらいをピークにオーディオについてはある程度「やるだけやった感」があるので、淡々としたペースになってきても違和感はなくて、今は音楽に関心が向いている。溜めていたLPも少しずつ聞いて、発見をしたり、失望したり喜んだり、メディアと頭の中の整理も螺旋を描きながらゆっくりと進んでいます。

今日はHDDが届いたので現物を確認した上で、2.5インチ-3.5インチのIDE変換ケーブルを手配した。こんなものも急速に入手できにくくなっているみたいで、大部分がUSB2.0変換ケーブルになっているようだ。金曜日には届くので、1394ケーブルも製作したりして週末にはHDD再生の態勢が整う事になる。さて、さて。


('08.6.10)【インターフェースの話】

 最近沢山種類があって混乱も見られるので、少し整理してみます。間違いなどあればよろしくご指摘をお願いします。

■データ伝送バスの「シリアル化」
 光学ドライブのIDEのように信号線を並列に並べて転送量を稼ぎに行く「パラレルバス」は全ての信号を「同時に受け渡し」しなければならず、誤差として許される時間的ズレは高速化しようとするほど厳しくなるため、高速化や経路長に限界がある。
 そのため1本の信号線で1ビットずつデータを送る「シリアルバス」が単純さの故に技術進歩による高速化を実現できるようになった今日、「シリアルバス」がパラレルを駆逐しつつある。HDDがIDEからシリアルATA(SATA)へ移行しつつあるのも、そういう理由に基づく。周辺機器接続の根幹であるPCIでも同様で、PCI Expressでは上り下りの信号線が1対となった「レーン」単位で管理されて、みそもくそも一緒のPCIバスの最大1GBbpsに対して、上り下り併せて5GBbpsという速度を誇っている。
 MacBookProでのExpressCardが虎の子的な宝であるのは、この理由に基づきます。

 このあたりはラダー型(マルチビット)DACと1ビットDAC(ΔΣ)との関係との対比が興味深いのですが、これはまた別に。

 で、USB(ユニバーサル・シリアルバス)もIEEE1394もこのシリアル1派なのですが、端的にUSBの方が何でもつながりやすくて便利だけどCPUへの負担も大きく、オーディオ録音などにおいてはUSBはエントリーおよびDTM用で、1394のうちaつまりFirewire400がプロ用では圧倒的なシェアを占めています。
 1394bつまりFirewire800も結局はほとんど普及せず、一方、USB3.0や1394ではS3200など、より高速の規格も開発中ですが、ノイズ対策などに悩まされることは間違いなさそうです。

■MacBookProでのSATA導入にはExpressCardが必要
 我がAVのお師匠さん(Native Osakan は「おっしょさん」と読む)から以前「SATAは安定してて良いよ~。」と聞いていたこともあり、SATAには前々から関心大だが、MacBookProでのExpressCardをFireface400に接続している現在、導入を見送っている事は先に書いたとおり。

■1394a・Firewire400の問題点
 もちろん1394a・Firewire400も良いことばかりでは当然なく、Firewire400インターフェースを自社製作しているRMEもFireface400のマニュアルで
1.オーディオに最適でないOHCI互換コントローラを使用していること
2.FirewireではOSのFirewireドライバを介して情報伝達するため、ASIOドライバと直接接続できない。(RMEの独自インターフェースは出来るそうです。)
3.他のPCIバスを使う機器がPCに接続されていると、つまりPCIボードが挿されていると、競合が起こるためパフォーマンスが低下する。ウルトラATA100などの内蔵HDDコントローラも、どうやらPCIバス帯域を食うようです。
4.Firewireコントローラはバッファが不十分なため、PCIバス帯域との関係でデータ転送エラーが起こる可能性がある。

などと指摘しています。
 まあ、3と4はPCI Expressでは改善されると思いますが。

 全体としましては、192KHz/24bitのマルチも既にFirewire400で扱っており、CDフォーマットが以前メディアの中心であり高次フォーマットへの需要が小さいこと、プロは質の継続的確保・安定稼働や経費の面から必要性が高くない限り規格の変更には保守的であること、などを考え合わせると、おそらくは録音製作業界でのオーディオ用の中心的インターフェースは当分の間1394a・Firewire400であろうと考えられます。
 もちろんHDDなどのドライブ関係を始め、PC自体はさらにシリアル化が進むのは明白な傾向です。

 ということでCDドライブやHDDはSATAで、Fireface400などのオーディオ・インターフェースはFirewire400というのが、今後数年は続いていくのではないでしょうか。


('08.6.9)今日発売のオーディオベーシック誌「My Audio Life」に我が家のことが載ったので、何人かの方からメールを戴く。このHPでも安物のデジカメと僕の腕では部屋やシステムの全体像が見えなかったと思うので、山本さんの素敵な写真と記事で凄く助けていただいたという感じだ。

 「オーディオとインテリア」というのは生活のなかに根付くオーディオのインスタレーション、というようなイメージだったのだが、我が家の場合オカンもいるしどちらかと言えば音楽優先で十分に遊べてはいない。でもこの2つはよく似ていて、人様の素敵なシステムやインテリアを雑誌で拝見して、ふと我に返って我が家を新しい眼で見直すと、そこから我が家は我が家の良いところ、これはこうしたいな、ここはこう変えていこう、などと言うことがゆっくりと見えてくる。
 オーディオにもインテリアにも何層もの思いのイメージとレイヤーがあって、それを常に見直すというか立ち位置をシフトさせた視線を持つ事で、新鮮でいられるのだと思う。


('08.6.8)昨日は合間に、BootCampがVer.2.1になっていたので、MacBookPro にWindowsXP SP3 を充てた。おかげでお邪魔虫のRealTek Audio の警告画面が出なくなったのは有り難い。念のため設定をチェックしたら、何とシステムの「パフォーマンスオプション」詳細設定でメモリ使用量が「システムキャッシュ」優先になっていたので、慌てて「プログラム」優先に戻した。

 で、今日音を聞いてみると案の定、精細感やダイナミックレンジがずっと良くなっていた。どこかもどかしい感じがしていたのはこの所為だったのか。油断も隙もないなあ。
 でもあっという間に4時間くらい聞き込んでしまった。


('08.6.7)ダウンロード・ミュージックファイル用のHDDが来週半ばには手にはいるようなので、ようやく態勢を整えられる。実は音質的な面でFirewire400ドライブケース(「1394NAS」と勝手に命名しました。)にしたのだが、Oxford911のチップはビッグドライブを認識できず、そのため120GBHDD(5400rpm/ATA100/キャッシュ8MB)を2個手配した訳です。

 アメリカオンリーのサイトもあり、在米の友人にダウンロードも頼んだので、いろいろと揃えて音質など比較してみよう。Cubaseでの使用を前提としたファイル収納の仕方も考えておかなくてはいけない。やはりレーベル別にツリー構造にしておくのが良いだろうなあ。これってかなり重要なことだと思います。

Vista64ビットはもう少し先に導入する予定で、64ビットのDVDも同梱されているUltimate SP1 Upgrade が比較的安いのでこれにしようかと思うが、それに先だってプロトコル、つまり作業手順書を作り始めている。なんと大げさな、と思われるかも知れないが、システム開発責任者をやらされていたときに、いろんなSEさんと知り合ってこれを学んだ。こういうことを面倒くさがるエンジニアは何らかの意味で必ずこける、という実態も見せてもらった。

 もちろん、簡単な場合は手順書など作らないが、Vista64ビットの場合はshin-papaさんが整理してくださっている手順を下敷きにして、自分の環境や使用ソフト、他のサイトなどで勉強したことをそれに付け加えながら、自分だけの手順書にまとめていくわけだ。いずれにせよ32ビット版XPから64ビットにはいきなりアップグレードする方法がないので、結局ライセンスを利用してクリーンインストールするしかない。となると設定とファイルの転送ウイザードを使うにせよ、OSのチューニングまでは引き継がれない可能性が高いので、新たにVista64でのチューニングの方法を見つけて行かなくてはならない。
 64ビットで動かないソフトがあった場合に備えてXP環境も別HDDで残しておくかどうか、考えておかねばならない。OS環境なのだから、一つ一つ紙の上でチェックしてちょうど良いくらいだ。
 コンピュータの世界では、勢いや思いつきや勘だけで行ってろくな事にはならないとつくづく身に染みており、ましてや今回はいわば海図がはっきりしない荒海に乗り出すわけだから、慎重に行く必要があると思う。


そうか、MacではiTunesが「ロスレスFLAC」をサポートしてると思いこんでたら、そうじゃなかったんだ。Flukeなどのソフトを噛ますか、ファイルを変換しなければならないようです。


('08.6.6)SACDプレーヤーにささやかな仕込みをして、今日確認したら全体に良くなっている。もう少し出力レベルが高ければいいんだが、まああれこれ言ってたらきりがない。CDの音が良くなってきて、ダウンロードファイルも加わるので、アナログの方もちゃんとブラッシュアップをしよう。

このところSACDマルチを中心にポップス、ジャズ関係を買い込んでいるが残念ながら、これだ!というのは無い。クラシックはマイナーレーベルが結構増えてきているのでいろいろあるのだが、あまりコアなものは....という感じで、なかなか書くことにならない。

CDだがキース・ジャレット・トリオ「My Foolish Heart: Live at Montreux」。正直マンネリ傾向な気がするし、先日紹介したチック・コリア・トリオ「From Miles」の方がパワーがあると思うのだけれど、こっちはこっちでバラード系にはまるとやはりしみじみと良い。2枚目ラスト3曲の流れが素敵だが、1枚目のタイトル曲「My Foolish Heart」が良い。それにしても、曲の中で突然オリジナルのメロディーを生み出すキースも戻ってきて欲しいもんです。


('08.6.5)「小人閑居して不善を為す。」と言いますが、この間ちょこちょことCDドライブケースの補強をやってまして、このほど完成しました。要は天板と底板の上下にコーリアンの板をネジで共締めしただけですが。東急ハンズが扱わなくなったので、自分でカットするのに時間がかかりました。ふう。

 リアパネルだけが鉄ですが、まあ、いいっしょ。上の小箱は1394伝送用の24.5760MHzD-Clockを内蔵してます。2本の黒いケーブルはクロック信号と電源用です。CD読み出し用の33.8688MHz(0.1ppm)は本体に内蔵しています。電源は3トランス電源から給電しています。CDドライブについては、これで当分は打ち止めです。やれやれ。

 あ、音は落ち着いた感じになってきたと思いますが、プラセボかも。(笑)


('08.6.4)あちこちでLINNのDS(Digital Stream (DS) players )が話題になり始めていて、これはとても良い事だと思っている。何故かというと、この仕組みの基本になっているDLNA(Digital Living Network Alliance)の枠組はコントロールタワーとしてパソコンを使い、音楽や映像など様々なメディアを家庭内で愉しむものだからだ。
 一方、パソコンに普段接していないオーディオ関係の人達は、否定的な反応をしがちだと思う。聞くところによるとファームウエアなどのバージョンアップによって音質が変化していくデジタルオーディオ機器について、否定的な見解を述べられた評論家などもおられるらしい。僕など買い替えなくても質が向上していくならこんな良いことは無いとおもうのだけれど、どうも具体的なイメージが湧きにくいのだろう。

またDS以外にいろいろ機器とその経費、使いこなしが必要になるので、DSにばかり注目しているオーディオ的感覚の人はとまどうことが多いと思う。第一、LINN自身はともかく雑誌なども「パソコンや周辺機器、ケーブルがこれだけ必要ですよ~。」と必ずしも明確にアナウンスしていないので、尚更だ。
 具体的にはパソコンに専用ソフトをインストールしてCDリッピングや曲制御、再生制御を行い、パソコン又はNAS
(HDDとLANインターフェース、OS、管理用ユーティリティなどを一体化した単機能サーバ)にリッピングまたはダウンロードした音楽データを蓄えて、ルータまたはハブを介してそれらとDSをLANケーブルで接続する。
 この場合DSは「ネットワーク・メディア・プレーヤ」としてLANでデータを受けてDA変化して、オーディオシステムに送るわけだ。S/PDIF同軸のような「垂れ流し」のフォーマットではなく、IEEE1394などと同じく再送・訂正の仕組み
(あくまでデータ伝送上ですが)のあるLANで送るのも、距離をとれるだけでなく基本的な精度を高める上で良いと思う。

ただ実際には良い事ばかりではなく、LANインターフェースやパソコンは盛大にノイズを出すので、音質の良いルータやケーブル、NASなどの製品選びや対策や、パソコンの設定などいろいろな問題をクリアしていかないと良い音は得られないだろう。

でもこれってどこかで聞いたような?そう、僕らが日々やっているPCオーディオでの取り組みと基本的には同じなのだ。1394インターフェースを主として使ったり、これは賛否あるだろうがCDのストリーミング再生(注)であったり、違いはあるが、パソコンを核として一つのシステムを組んでいくという点では同じだと思う。
 店頭でパッと聞きでDSばかり注目するのではなく、全体像を捉えてもらえれば、PCオーディオについての理解も深まると思うわけです。まあCDプレーヤーなどと比較デモするなら高次フォーマットのダウンロードファイルではなく、同じグレードのファイルで鳴らして欲しいのですが。

(注)LINN Japan のDSのHPには「80%~90%のデータ抽出といわれるCDプレイヤーでの再生」と書かれています。CDプレーヤーとCDドライブの違いはあるにせよ、また完全に読み出されない可能性があることは理解した上での話ですが、1~2割のデータが抽出できていないとしたら、おそらくちゃんとした音楽になっていないはずです。「いわれる」で逃げを作っていますが、いささか筆が滑りすぎかと思います。
 ちなみに「Wave Compare」のRead Me ファイルには「CD-DA も元々 CIRC (クロス インターリーブ リードソロモン コード)によって、強力なエラー訂正がされていますので、通常のキズ、ほこり程度では、まず完全に読み出されます。」と書かれています。


('08.6.3)どの民族にもこれを聞かせたらメロメロになる、というような種類の音楽があるそうな。フランス人ならショーソンの「シチリアーノ」(PfとVnと弦楽四重奏のための協奏曲)がそうらしいし、ドビュッシー「Andantio~弦楽四重奏第3楽章」もその口だと思う。
 僕がかかわった日本の音楽の中では「平曲」、つまり平家物語の琵琶弾き語りもそうだと思う。冒頭の「祇園精舎の鐘の声」から既に血に訴える何かが迫ってきて、「その時安徳天皇は、御年わずか八歳ぞ!」という入水の下りでは涙腺が刺激される。よく分からないが、理屈抜きで琴線が絞られる。


 キム・カシュカシャンというアルメニア系・アメリカ生まれのヴィオラ奏者が相棒のR.レヴィン(Pf)と録音した「Astruriana(邦題:ソングス・フロム・スペイン&アルゼンチーナ )」(ECM)は、そういう意味ではヒスパニック系必殺の音楽だろう。僕は彼女のファンなのでアメリカ在住の友人のブログを見て即注文したのだが、「Songs from Spain and Argentina 」というサブタイトルが示すように、これは歌物のヴィオラ版で何とも胸を締め付ける名曲揃いだ。ヒナステラの「Triste(哀しみ)」、グゥアスタヴィーノ「Pampamapa」。
 ともかく買ってみてください。決して一度に全部聞こうと思わないでください。ひとつひとつ抱きしめるように聞いてください。やがて何かが心の中に満ちてくるはず。僕はよほどのことがない限り断言することはしない人間ですが、これで感じないならあなた自身か装置のどちらか、または両方に問題があると考えて間違いありません。


('08.6.2)先日ご紹介した大阪・日本橋の「喫茶ウイング」のhamondさんがブログを立ち上げられました。題して「ファイティング・オーディオ」。何故、ファイティングかは最近の記事をご覧いただくと分かります。重いトランスで腰を痛められないようくれぐれもお気を付けください。

皆さん続々と64ビットに移行されていて、僕もやりたいのは山々だが、事情というか立場があって評価軸を保たなければならないので、もう少し32ビット環境をキープしておかなければならない。それが整理できたら、わしもいくぞー!

64ビットの他にCDドライブPremium2のeSATA化も課題としてある。我が家のMacBookProの場合はExpressCardバスを使う他はなく、そうなるとFireface400をデフォルトの1394ポートにつながなければならなくなる。ところが、やはりPCI-Expressバスは効果的で、これまでいろいろやってみてPremium2をExpressCard、Fireface400をデフォルトの1394ポートに接続したときのヘロヘロな音との落差を確認しているだけに、いくらeSATA化で改善されるとは言っても、差し引き考えて正直踏み切る気にはなれない。
 まあMADI化はちょっと問題があるらしいと分かってきたものの、現段階ではオプションは広く持っていたい。


ドライブ電源は現在3トランスで給電しているが、回路の5Vもドライブ用と1394変換基板用に分け、2枚のクロック用12Vもそれぞれ2つに分け、合計5トランスにすればさらに良くなるだろうと思う。電源は決して嘘をつかないからだ。でも、そこまでするにはPCラックの見直しをしなければならず、ダウンロードファイル再生用HDDドライブの給電も考えると、今の状況ではその判断がつかない。ましてリッピングするとなれば、CDドライブとHDD両方を別個に給電しなければならないので、新しく電源製作が必要になり、尚更考えなければならない。

 まあ、僕も走るばかりではないと言うことであります。変なところで自慢しても始まりませんが。(笑)


('08.6.1)一昨日届いたカヴァリエッリ(1550頃~1612)「エレミアの哀歌」(仏Alpha 011)が演奏、音質ともに素晴らしい。オルガンの音など特に柔らかく包み込むようで素敵だ。録音はムジカ・ニュメリ(ベルギー)のワンポイントの名人ユーグ・デショー。写真で見ると大きなカテドラルの真ん中辺りに左右に180度くらい振り分けたペアマイク(おそらくは無指向性)を立てて、ミュージシャンがそれを取り囲んでいる。何よりもその広大な音場とその中での明確な響きに圧倒される。これは素晴らしい名録音だ。最近聞いた中では最高に良い。
 曲も堅苦しくなく多彩な楽器の音色が楽しめる。
 お互いの人生悔いばかりだろうし、悔い改めてもどうにもならない事ばかりだが、諸卿よ、たまにはこういう時間と音空間に浸るのもよろしいかと思います。

この週末に聞いた音楽。日野皓正「タローズ・ムード」、ドビュッシー「Andantio~弦楽四重奏第3楽章」ヴィア・ノヴァ・カルテット、パットメセニー「スティル・ライフ」、キース・ジャレット「スティル・ライブ」、オレゴン「45th Parallel」、ブラッド・メルドー・トリオ「ライブ」ほか

スイスのWEISSにMinerva&DAC2のクロック同期などについての確認のメールを出した。検索では売っているサイトがなかなかヒットしないので、根気よく調べてみよう。

こちらのブログを参考にさせていただいて、Antelope OCX 内部の電磁波対策をしました。もちろん、元に戻せるものばかりですが、時間が経つにつれどんどん彫りの深い音になってきました。
 あ、よいこたちは真似しないでくださいね。


('08.5.30)ダウンロードミュージックには圧縮の有無やサンプリングレートなどフォーマットの違いが結構あって、CDよりちょっと良いくらいのもあるようだ。
 昨日触れたノルウエーのサイトは「2L」というSACDに入れ込んだレーベルのテストサイトで、ご覧いただくと分かるが何とDXDをベースにDSD64を含むいろんなフォーマットがあり、サイズが恐ろしくでかいのが分かると思う。ダウンロードに時間がかかるので僕はFlashGetというフリーウエア・ツールを使って、それでも結構な時間をかけてHDDに納めた。
 あとアメリカのサイトで著作権切れの音楽を非圧縮96/24WAVで安く提供しているのがあり、これはzipファイルでダウンロードできるので速く取り込めると思う。残念ながらサンプルはFLACフォーマットなので、Cubaseでは再生できない。(FLACは結構増えつつあるようなので、Cubaseもサポートして欲しいものだ。)

 PCオーディオという同じプラットフォーム上とはいえ、こういう非圧縮96/24ものはDVDオーディオと同じなのだから、もうCDとは別のフォーマットと考えるべきだろう。逆に言うとそういうものこそ積極的にダウンロードする価値がある。

 いま120GB/5400rpmのHDDを2台注文しているので、これが届いたら1394aのクロック強化版ケースに入れて、1394aカテゴリ7ケーブル、3トランス電源でダウンロードファイルを駆動して鳴らそうと思っている。逆電圧で壊したと思ったD-Clock(24.5760MHz)が一部半田付けを直したら蘇ったので、とても嬉しい。

 音と戯れる会の巡回でタイムロードのアブソリュート2デジタルケーブルも届いたので、明日からこれも含めて遊んでみようと思う。


('08.5.29)あ~こんなの聞くんじゃなかった。WEISSのサイトに載っていたダウンロードミュージックのサイトを片っ端から当たり、とりあえず96/24のサンプルをダウンロードしてみた。オンキヨーのe-Onkyoサイトの96/24WMA(Windows media Audioいわゆる「ロスレス」圧縮)ファイルのR.シュトラウス「ツアラトゥストラ」冒頭は「ふ~ん、こんなものかな」という感じだった。(Cubaseについてもいろいろあったがそれはまた別に。)

 参ったのはノルウエーのサイトからの96/24WAV(非圧縮LPCM)ファイル。1394bはドライブケースにもケーブルにも納得がいかないので、1394aのクロック強化版ケース+カテゴリ7ケーブルにしようと思っていたのだが、非圧縮96/24は密度感・実在感といいエネルギー感といい凄い。これだけフォーマットによる音質差があったら、ケーブルがとか、電源がとか、あるいは正直リッピングも何もない、CDがしょぼく聴こえるなんて一体どうしてくれるんだ、と言うしかない。

 と考えながら夜はコンサートに行って、そこでかなり癒された。うむ、拙者は頑張るでござる。


あ、「オーディオが好き」のページで、現在のオーディオシステムの構成をアップしてます。まだまだ変化はありそうですが。(笑)


('08.5.28)注目していたWEISSのDAC「Minerva」がようやくリリースされたようだ。スイスの業務機器メーカーでA/DやD/Aコンバーターの高音質はつとに有名なのだそうだ。
 これはコンシュマー向けで、高音質ダウンロード音楽が増えていく中で、PC/Macと1394a接続して鳴らすための2chの高音質DACとして登場した。まあ、Firewire入力があるのは良いのだが、クロック入力端子がないので、Fireface400の後にDACとして使うのかなあ、とイメージしていた訳だ。

 で、今日マニュアルをプリントアウトして子細に読んでみた。
1.8倍オーバーサンプリングのΔΣ方式DAC
2.入力は44.1、48、88.2、96、176.4、192KHz   つまりは内部でアップサンプリングはしない。
3.入力ワード長は24ビットまで。(でもマニュアルにディザの事が書かれているので、もしFireface400から24ビット入力したら、内部でディザが加えられるのかな?)

4.電源はACからの非スイッチング電源。(ACケーブルだけで済む。)

 そして一番気にかかっていた点。
5.Firewire接続時の「クロックソース」「サンプリング・レート」の設定で、どうやらXLR、RCA、TOSのいずれかの端子のクロックに同期する設定が出来そうなこと。
6.WindowsではWDMだけでなくASIOも使えること。


 ならば、MacBookProから直接1394aでMInervaに接続し、クロックはOCXから同軸でRCA端子に供給してそれに同期すれば、単なるDACではなくFireface400の後継として十分使えるかも知れない。う~む、さる掲示板でのDanielle Weissの書込によるとおよそ$4,500かあ。面白くなってきた。スイスは無理としても、アメリカあたりに買いにいこうかねー。

 ってなことを考えていると、ワオン・レコードの小伏さんがアメリカの業者さん(日本語可能)の情報をメールで知らせてくださった。ありがとうございます。m(_ _)m

 業務用機器専門なのでMinervaは載っていないが、そのプロ用バージョンのDAC2が載っており、こちらは何と$2,995ではないか。dCSもそうだが業務用の方が安いのが基本的な傾向らしい。
 自照式と思われるスイッチは多分明るすぎかもしれないが、僕には自作時代のスイスeao社製スイッチの美しいイメージもあって、デザイン的にはこちらの方が好きだ。皆さんはどう思われますかね?違いはフロントパネルと脚だけだそうで、それなら任さんかい!BDRのピラミッドコーンがごろごろ余ってますがな。

 う~ん、まあ、もすこし考えて様子を見る事にいたしませう。


 (Minervaのマニュアル前半はジッター、クロック、アップサンプリングなど多岐にわたって解説があり、これだけでも非常に勉強になるので、いずれ紹介するかも知れません。 )


('08.5.27)DACについていろいろ勉強していると、現行コンシュマー製品では殆どがアップサンプリング、正式には「ASRC(非同期サンプルレート変換)」を行っているのがわかる。というか、していない製品は無いと言っても良いくらいだ。

 ザイリンクスの資料を見ると「2 つのボード間でオーディオをやり取りするといった、入力クロックと出力クロックが完全に独立した非同期変換を行うアプリケーションの方が、はるかに多いのが現状です。」とあって、アップサンプリングの場合はここで前後のクロックの関係は「独立」したものというイメージです。

 ところが良く読んでみると「図2 は、一般的なアップ変換またはダウン変換の概念図です。変換比は、分数値による有理数として連続的に変化できます。このダイアグラムは、アップ変換プロセス(サンプル値と時間位置をより多く作成)の後、ダウン変換(出力データストリーム内の望ましいサンプル位置に最も近いサンプルを慎重に選択)を実施しているところです。」とあって、入力クロックと出力クロックの間にアップサンプラーとダウンサンプラーを入れて演算していることが分かります。(演算ですから当然誤差というか演算精度の問題がある事に留意されたし。)

 つまりは入力クロック精度もある程度は影響力を残すものの、結局はASRC演算とそれに用いられるクロックの精度が支配的な影響力を持つことが想定されます。
 となると、高精度クロックの導入を予定している場合は、よほど慎重にDACの機種選定を行わなければならない、と言うことが言えると思います。


 あるいはメモリDAIで一旦データを蓄積して再度DAC内蔵のクロックでDA変換する場合でも、それまでの経路でのクロック精度は演算誤差に影響があるので、音質的に前段階のクロックの質が影響するという事も想定されるのではないかと思いますが、この辺りはあくまで想像の域を出ません。


 ほぼ日更新を(一応)旨とする「よしなしごと(近況報告)」とこの「オーディオ&音楽日記」という2本立てで当初からこのHPはスタートしている。1本化する事も考えないではなかったが、オーディオ&音楽は僕の一部、それも非常に大事な一部だけれども、その以外の他の語り口も必要な気がして、ずっと続けている。それは友人達への僕自身の日々の「近況報告」のHPだからだ。


('08.5.26)カタルーニャ(「カタラーン」と呼ばれるカタロニア語が語られ、旧アラゴン王国の自分たちは「一応」スペインに属しているのだという人々の自治州)の作曲家フェデリコ・モンポウのピアノ曲集「ムジカ・カラーダ(ひそやかな音楽)」ヘルベルト・ヘンク(p)ECM【左】
 そんなに気にもとめずにBGMのように聞いていたのに、長い時間を経て、装置の音も変わって、突然のように自分のなかに落ちてくるように納まってしまう曲が時々ある。このCDもそうだった。密やかで親密で美しい音楽。静かな午後、自分と向き合うときにかみしめるような。


 思わず高橋悠治の「ムジカ・カラーダ(沈黙の音楽)」【右】のSACDやラローチャの「歌と踊り&前奏曲集」CDも注文してしまいました。
 モンポウと親交のあったというラローチャのCDは、アリシアおばさんの気の置けないおしゃべり、という感じで、高橋悠治が書いている(素晴らしい文章力)モンポウの墓碑銘とはどこかそぐわない。

  死が魂と沈黙の結合をことほぐ
  眠り憩え 我が心
  永遠の夜の歌に聴き入り
  至上の愛につつまれて


 高橋悠治のは、年も十分にとり透徹したヘンクよりも、もっと構築的な意志というか美意識を感じさせるもので、透明にわき上がってくる何かが素晴らしいと思います。
 ヘンクのはもう入手難なので、ここは圧倒的多数をもって高橋悠治君よろしく!

 週末に愛知の方で、音と戯れる会関係のミニオフ会があったらしい。新しいスピーカーが届くのと同じ日で、オーナーは新旧どちらにも思い入れ深いようで、いろんな意味で参加した人には感じるところの多い長く記憶に残る日だったのではないかと思う。オーディオは最終的には自分の判断だけれど、一人でやるより大勢でやった方が愉しい。
 東京ではじめてヤマモッさんに会ったのはもう足かけ5年ほど前にもなるのだった。それまでの5年よりもこの5年の方がずっと密度濃く、得るものの多い日々だったと改めて思ったりした。


('08.5.25)写真右下のHDD(Buffalo 250GB ATA100 5400rpm)が届いたので、1394bのケースに入れ昨日は2つのパーティションに分けてNTFSでフォーマットして環境を造り、今日は少しだけ鳴らしてみた。iMacのタイムマシンのHDDと差し替えできるように、モバイルラックに収納。
 電源は付属のアダプタでアイソレーショントランスなしで商用から直接とり、ケーブルはSANWAの1394bを1m、という環境。
   
 で、Shin-papaさんがアップしてくれたWAVファイルをMAcBookPro内蔵HDDと外部HDDに同一ルートでインストールして聞き比べた。もちろんバイナリは一致している。しかし音は少し違う。なぜか分からないが、外部HDDの方が少し丸まっているというか、コーネリアスでも尖りが少なくおとなしい。う~む。
 しかしこんな事ばかりしていると肝心の音楽を楽しめないので、Exact Audio CopyやPlexTools Pro.などで何種類かリッピングして、また次には高音質ダウンロードファイルを購入して、じっくりと聞き比べて自分なりの整理をしてしまおう。とにかく着実にやった方が良いと思う。

 昨日はeSATAの大きな可能性も認識したが、64ビットの音がすっかり気に入った。64ビットなら4GBメモリもまるまる使えるし、早速導入しようといろいろ調べる中でAppleに電話すると、BootCamp for Vista64 でサポートしている機種はEarly2008、つまり2008年前半以降のMAcBookProとMAckProだけだと言う。う~むLeopardもまだ32ビットだしなあ。OSとソフトとハードの関係なので、ハードは問題があるかも知れないけれども、音質向上ははっきりしているし、うちのMAcBookProも1世代前のCore2Duoだし、行けるんじゃないのと調査続行。
  
 だがそのうちに少し考えが変わってきた。今、ファイト一杯でばりばりとPCオーディオに全力投球しておられるjilartさんのコメントによると、Shin-papaさんは「外から見ておりますと無人の荒野を突っ走るような爽快感すら感じます。」との事で、僕もいつもその通りに思っていた。64ビットをやっている人自身が少ないのが現状だ。ならば後からのこのこついて行っている僕としては、ここは「安定環境作り」をきちんとすべきだろうと思う。だからCubaseST4が64ビット・プレビューバージョンから正式バージョンになるか、Vista Home Premium64がSP2になる辺りを見計らって導入することにして、それまでの間にきっちりと準備をすることにした。といってもビョーキの僕のことですから、厚みのある64の音が欲しくてフライングする可能性も大ですが。(笑)


('08.5.24)HDDからWAVファイルを再生するつもりでWaveCompareでバイナリ一致を確認したりして準備していたのだが、郵便局が24日配達を27日配達と誤認していて配達が夜になったので、結局CDリッピングなどの実験は出来ずじまいで来週にもつれ込む予定。だが、Shin-papaさんがアップしてくれていたファイルなどの再生は出来て、64ビットVista+Cubaseの凄さを実感した。こりゃ64ビットの導入を急がなきゃ。

 PCオーディオの音質については、DA変換直前までは静的なコンピュータデータとして走らせ変換直前にクロックを加える演算することや、各種処理に伴って電源電流が変動することとその揺り返し、さらには伝送経路やPC本体での音の違いは、内部での演算方式での誤差の出方(同一処理でも逐次と一括で異なる演算誤差が出るetc)や、などが説明要因ではないか、と想定していたのですが、CDをHDDにリッピングして両方のファイルがバイナリ一致していても元のドライブの音質差が引き継がれていくとしたら、それ以外の説明理由が必要になるので、大変に悩ましいところです。バッファリング辺りが関係するのかも。うう、私程度の頭ではわかりもはん。どげんしたら良かと?

 hyroさんが'08.5.24「たま~に面倒くさい話」で書いておられる事は正直よく分かりませんが、クロックのライズタイムあるいはスルーレイトに着目するのは直感的になにかありそうな気がするのですが。

 まあ、予定が早まって明日からオカンも来るし、四の五の言わずに出来ることからぼちぼちと確認してみますね。


('08.5.23)5月16日に記したMac Fanの、バッテリーを外すとリミッターがかかり速度が半分くらいになる、と言う記事について、'08.5.23にAppleに確認した結果では、「仕様上リミッターがかかるようにはなっていないが、状況により遅くなる場合も無いとは言えない。バッテリー抜きでも動作するので、特にそれをお止めするというというこではない。」との回答でしたので5月16日記事に訂正・補記いたしました。Macサイドのバッテリー装着の有無での体感速度については、改めて確認して報告します。

 Cubase ST4 の起動時に「ASIO Direct Full Duplex Driver」についての警告画面が出ていた。もしや、と思ってCubase ST4 のデバイス設定を確認したら、ASIO Direct Full Duplex Driver になっていたので、ASIO Fireface に切り替えした。
 原因ははっきりしている。ここ何日か、MacBook Pro のWin側のメンテ(Boot Campなど)をしていた関係で、Fireface400抜きでMacBook Pro のみ起動し、画面確認のためCubase ST4 立ち上げたをたことがあったからだ。Cubaseは相方を見つけられないので、仕方なしにWindowsのDirectXに送るようドライバを選択してリセットしたわけだ。(音質については聞き比べてください。)

 教訓:PCオーディオでは最適な設定をしておいても、機器群の起動やソフトの立ち上げの仕方一つで設定がリセットされてしまうときがある。

 これと似た現象に、Fireface400でのプリセット音量レベルとロータリーエンコーダーの連動の話があるが、また別の機会に。なにせ機械を買ったからOKと思うのは、この世界では早すぎるという事です。


('08.5.22)昨年は殆どCD/SACDを買わなかったので、この何ヶ月かで内外から60枚ほど買っている。リストアップしておいて買ったので、さすがにはずれは殆ど無かった。今、CDを聞くのが愉しくて仕方がない。もちろんLPも聞いていてこちらもA!OKです。

 心斎橋の東急ハンズがコーリアンを扱わなくなったので、この2日ほどは手持ちのコーリアン厚板を自分でカット(しんどいっす)して、CDドライブケース(Premium2+Raidon U7-1-WA)の底板に取り付けた。どっしりとして良い感じです。次は天板だが、これは少し気合い入れてから。でもこれらは過去行ったことのいわばアフターケアの世界。

 大筋につながる動きとしてはSANWAの1394bケーブル1mを注文した。(サンワダイレクトは2000円以上送料無料とか、とてもお得感ありです)
 Shin-papaさんがVISTA64bitで各種RAMDisk下でリップしたサンプルをアップしてくれていて、既にダウンロードしてあるのだが、せっかくだからMacBookPro外部のHDDから再生したいと思い、ちょうどOxford922の1394bドライブケース(Raidon U7-1-WB)があったので、そこから再生してみようという遊びの一環。内部HDDからの再生とも比較してみようかとも。
 いずれにせよ外部HDDはネットワークからダウンロードした高音質ファイルの再生には必要な環境だと思う一方、MacBookProのLAN端子はGBitLANでノイズが多そうなので、とりあえず1394bではじめてみようという次第です。7200よりも5400回転の方がよいとも聞いているが、3.5インチ/IDE/5400回転はもうなくなりつつあるので、今の内にはじめておかなければ、という訳です。だから、これはささやかながらこれからにつながるプロジェクト。諸先輩方の知恵をお借りしつつまとめようと思います。


('08.5.21)オカンがいるのでカタツムリは鳴らせず禁断症状気味だが、気分はいたって落ち着いている。大体の見通しが立ち、いろんな意味でまとまりをみた今年はオーディオ的にはひとつの転機の年になるだろうと思っている。

 僕の好みかも知れないが、オーディオの音や装置しか語らないサイトやブログはどちらかと言えばあまり好きではない。ワオン・レコードの小伏さんが昔あるオーディオマニアをコンサートに連れて行ったときに「ハイ落ち」だと言った話は前に書いたが、どのような音楽を好んで聴き、どのような音楽経験があるかを知らないと、言葉の背景が把握できないことが多いからだ。
 例えば「音場感」という言葉ひとつを取ってみても、いわゆるホール音を「ハイ落ち」と聞く傾向の人にとってはオンマイク、ニアマイクな高域強調系の音でないと「生々しさ」=臨場感を感じられないわけで、ホールの空気の動く感じやざわざわ感などは音場感としてカウントされていない可能性が高いと思われる。そういう場合は頭の中で翻訳・換算しないと、「音」についての言葉は同音異義になるわけだ。

 技術的要素があるからと言ってオーディオが客観的なものだとはまさか皆さん思っておられないだろうし、主観的に音楽を語っても何もずれる訳ではないので、好きな思い入れのある音楽について語って欲しいものだ。そうでないと、その人の人間性についてのイメージがどうもまとまりにくい。もちろん、音楽を語らなくても十分人間性というかセンスが伝わってくるものもちゃんとあるわけで。


('08.5.19)思えば2年前の福島ツアーがPCオーディオに手を染めるきっかけだった。あれから2年、いやはや、まったく、どうにもこうにも、はるばると来ぬるものかな。

 「音と戯れる会」でもFireface400を買う人はかなりの数に上り、最近はソフトへの関心もとみに高くなっている。お楽しみはこれからですが、悩ましいことも増えます。まあ、がんばって行きまっしょい。

 「通常レコーディングした音は、その後エフェクトをかけたり、イコライザをかけたり、レベル調整を行うなどの編集作業をします。これはコンピュータの内部的には、すべて計算によって行っているわけですが、この計算結果、かならず誤差が生じてきます。16bitというのは2進数の16桁、24bitは24桁ですから、計算結果、最後の1桁か2桁は必ず誤差となってくるといっていいでしょう。
 もし16bitの素材を直接、編集していたら、どんどん誤差は大きくなっていきます。しかし、24bitで何回か編集作業を行い、最終的に上位16桁分、つまり16bitにしたらどうでしょうか? 誤差は下位8bitにのみ現れていて、16bitのほうには、まず現れないので、結果としていい音質になるわけです。
」(藤本健【デジタルレコーディングの基礎知識】その3 24/96って本当に意味あるの?

 下線&太字は私めです。この「コンピュータの内部的には、すべて計算によって行っている」「かならず誤差が生じてきます」というのが意味深長ですなあ。「データだから変わらない」デジタルでもレベルを上げ下げしたら、それだけでいろいろ影響があることを、学びたいものです。つじつま合わせりゃ良いってもんじゃあないようです。

 アナログ的には古い英国製のトランジスタアンプでは、AUXもTUNERも全て一旦フラットにしたフォノイコ増幅回路を通してPHONOと同じだけ増幅し、その後抵抗でゲインをラインレベルまで落としているものがあります。素直に切替りゃいいのに、こんな無茶苦茶なつじつま合わせをしたらあちこち振り回されて「電子君」もへとへとになるし、そら角も何もかもとれて聞きやすい丸い音になりますわなあ。もちろん「好きずき」ではありますが、事実は知っておいて欲しいもんです。


('08.5.18)■SACDマルチのネタを一つ。DENONの「オーディオチェックSACD」。3,675円と少し高いが、実はこれまで楽音チェックの入ったSACDしかなく、こういうちゃんとしたチェックSACDは初めてだと思う。楽音(バッハ平均率の第1曲/チェンバロ)だけでなくピンクノイズが各SPで順に鳴ったり、スピーカー2本ずつの楽音での位相チェック(LFE除く)や各種リファレンス信号が入っていて、きっちりとレベルなど設定したい向きにはぴったりだ。

独RMEのHP(英文)を見るとシンタックスHPよりも新しいバージョンのドライバ、ファームウエアがリリースされていたので、インストールしてみた。要するに「Read Me」ファイルなどの日本語訳が付いているかどうかだけの違いで、全く問題なく動作した。こういうのを見ると英MOTU(Mark of the Unicorn)の様に業務用は英語で割り切ってスピーディーにやる、というのもよく分かる。
 それにしてもMADIfaceなんてまだ日本に輸入されていない製品もあり、面白い。RMEは随分MADIに力を入れており、ExpressCardも出た事だし、来年ぐらいのラインナップを見ながら伝送系の高速化をするのも面白そうだ。

 【PCオーディオ今後のタスク】
 1.Windows Vista 64bitの導入
 2.RMEのExpressCardを使った伝送系の高速化
 3.新しいDACの検討(最近非常に音がよいので少しその気がなくなってきたかも.....。)


('08.5.17)PCオーディオもCEC DA53やPS AudioのようなUSB1.1のインターフェースを使ってるときには、とても平和だと思う。何せ最大で48KHz/16ビットという制限付きで、設定など何もないからだ。

 ところがFireface400のようなインターフェースを使い出すと話は途端にややこしくなってくる。Macの場合はOSが取り仕切ってくれるのでAudioMidi設定で選択して音を出すようにすれば、CoreAudioでしか出力できないが、Windowsの場合はそうは行かない。つまりは複数の経路で音が出せるようになるので、音が出ているからといってその設定が正しいかどうかは分からない。
 しかもCubaseのようなソフトを使い出すと、さらにそれがややこしくなる
 またこれくらいのレベルになると、OSの設定をさわるだけで音質がころころと変わってしまう。さてどうしたら良いものか?

 もちろん説明がややこしいから、設定してあげて「さあ、どうぞ。」というのもありだが、パソコンの怖いところは丸ごとこけてしまって折角の設定がおじゃんになると言う可能性もある事だ。そうなると中身が分かるか、設定についてのマニュアルがない限り自分で環境の再構築は出来ないことになる。

 だからといって設定マニュアルを求められても、メーカーの相談窓口もあるのだし、何でもかんでもは当然ながら書けないし、一からの話や、丸ごとの話は切に切にご勘弁願いたい。ちゃんと音が出せる最小限の範囲でいずれ「PCオーディオあれこれ」のページにでも載せるとしても、とりあえずFF400やCubaseのマニュアルはお読みいただきたいし、OSの設定などはご自分で調べて追求していただきたいと思う。

 要は「ASIO」を理解することと、全体イメージを持てるかどうかだ。


('08.5.16)MacBook Proはほとんど音楽専用なのでMacサイドで起動するのはせいぜいDVDを見るときだけだが、起動ソフトEFIはWindowsにも最重要なので、ときどきソフトウエアのアップデートはかけている。EFIのバージョンは1.5になったが、Fireface400の方がアップデートを要するかはっきりしないので、機嫌良く鳴っているいまは当分様子見を決め込む。

 雑誌「Mac Fan」を読んでいてはっきり分かったのだが、「現行のノート型Macは、バッテリーを外した状態では本体にリミッターがかかり、スペックの半分程度の速度での動作に限定されていまう。」
 実際の体感上のスピードもこの通りだ。つまりDVDを見るときには音は悪くなるがバッテリーを装着しなければならない。面倒臭いが、放置しておくよりもこのほうがバッテリーの寿命も伸びるだろうと判断して、まめにやる事にしよう。もちろんWindowsサイドではバッテリーを外した方が音がよいのはいつも通りで、特に変化はない。
【補記】'08.5.23にAppleに確認した結果では、「仕様上リミッターがかかるようにはなっていないが、状況により遅くなる場合も無いとは言えない。バッテリー抜きでも動作するので、特にそれをお止めするというというこではない。」との回答でしたのでMac Fan の記事については訂正しておきます。Macサイドのバッテリー装着の有無での体感速度については、改めて確認して報告します。

 今日はLPを少し聞いた。アナログだと蛇口全開というかフルスロットルの方にすぐに行ってしまうのだなあ。ああ、アナログ回路と電源にもコストをかけたフルスロットルのDACが欲しい!
 夕方からは京都の年若い友人とともに西宮にリコーダー、チェンバロ、リュートなど古楽器の響きを聞きに行く。さて耳は洗れるだろうか? 


('08.5.15)久しぶりにカタツムリを鳴らしたが、電源周り、特にCDドライブのクロック電源のトランス換装は低域までのレンジ拡大と情報量増大で大きな効果があった。30VAででこれだから、Shin-papaさんみたいに225VAにしたらもっと凄いだろうなあ、と思いつつ待て待てと自分に言い聞かせる。
 とはいえワイドレンジに情報量が広がったので、ヴォーカル帯域などが少し薄い感じもする。このあたりはパワーアンプの入力レベル調整や、DACの同軸デジタル入力の空き端子の75オーム・ターミネイトなどでバランスを調整した。もうCDを聞いているという感じはなく、音楽に浸れるのがひたすらありがたい。

 実はこのドライブ電源にも、不良とは言えないが好ましくない半田付けカ所があったので修正したところだ。我が未熟を思う。くっつくのは半田と金属であり、ちゃんとくっつくかどうかは彼らが決める事だ。だから彼らの都合に沿うべく、何度も何度もあちこちで努力して経験を積み、身体で覚えていくしかない。

 シカゴからポップス・ロック関係のSACDマルチディスクが届いていたので、ウエザーリポート「ミステリアス・トラヴェラー」から聞く。結構面白いが凄いとまでは言えないのが辛い。まあ僕はミロスラフ・ヴィトゥスの知的でクールなベースやジャコ・パストリアスのマニアックにバウンスするベースが凄く好きなので、アル・ジョンソンは好みが会わないという事もあるだろう。
 ハート「ライブ・イン・シアトル」。凄く好きなグループでウイルソン姉妹がちょっとばかり太めになろうが何であろうが期待したが、まあ元気さは確認できて、懐かしくもあった。マルチは単にアンビエンスが入っているだけ。やっぱりこのユニットはLPに限る。


('08.5.14)CD/DVDドライブとPC周りの電源のブラッシュアップは完了。ヘッドフォンで聴いても良い感じだ。明日オカンが帰ったら音を出してみよう。Fireface400の電源はそもそも内部でスイッチングしているので、ディスクリート化など外付け電源のグレードをあげても影響は少ないかなと考え保留することにした。

 今回の電源周りでもクロック電源の影響の大きさを痛感している。福島の行き帰りにもいろいろ思ったが、このあたりはそもそもShin-papaさんから教えていただいたことで、考えてみれば随分とお世話になっている。

1.ドライブケースの1394伝送用クロック(24.5760MHz)の換装
2.CDドライブPremium2の読み出し用クロック(33.8688MHz)の換装
3.RAMDiskへのアプリのインストール
4.高価ではあるがCubaseST4などSteinbergのソフトの優秀性

 ざっと挙げてみただけでもこれだけの事は、Shin-papaさんが勧めてくださらなければ、未だに活用できていなかったと思う。そして今は64ビットでの再生やSATAフォーマットなど、果敢に新分野にトライしておられる。お人柄と、数学がお好きだというセンスでブログではさっくりと書かれているが内容は深い。

 こういう方がおられるから僕らも何とか前へ進めているのだと思う。改めてお礼申し上げたいと思います。


('08.5.13)今日は元気回復して久しぶりに製作モード。
 先週製作して福島行きの間チェック通電していた巡回用のトランスは順調だ。今日はPCとCD&DVDドライブの電源周りを整備改良。夜は早く寝て、明日で完了したいものだが、まあ何とかなるだろう。

 Windows XP SP3 が先月末にリリースされていて、予備のネイティブのWinノートには既にインストールして入るので、今日はiMacに、と思ってはじめたら「ディスク容量が4MB足りないから増量せよ。」と警告が出るばかりでいっこうにインストールできない。んなこたあねーだろー、といろいろ調べたらAppleの起動ソフトEFI ver1.1はSP3には対応していないのが原因らしい。
 レジストリを書き換えて無事インストールしたが、そのうちAppleも対応するだろうし特に急ぐこともないと思います。

 それにしてもPCオーディオを一つの「パッケージされたオーディオシステム」あるいは「固定した機器の組み合わせ」と考える人がどうも多いようだ。あるいはオーディオ的にそう構成して欲しいと願う人もおられるだろう。で、Officeなどのパソコンソフトが有料でも驚かないが、Cubaseのようなオーディオ用有料ソフトには「え~ソフトで*万円?」という顔をされる。しかもそのソフトをインストールしても設定もさわらず、OSの環境もさわらないとすると、必ずしもいい音にはならないのですね。そしてXP SP3の話じゃないが、OSやファームウエア、ドライバなど環境はどんどん変わっていく。

 だから結局PCオーディオというのは、音楽生活にPCを活用したり、音質追求にPCを駆使したりする「音楽生活スタイル」の1種だと最近は思っている
 ダウンロードが多ければiTunes & HDDリッピングだろうし、ながらリスニングが多ければこれは絶対だ。音質追求ならOSもカリカリに削り込んで、F1のようにしていくことも出来る。ちょっとかっこよすぎるかも知れないが、勉強とスキルで、知恵と度胸でデジタルの海を渡っていくのがPCオーディオだと、やはり思うのであります。 


('08.5.12)疾風怒濤の福島ツアー無事終了!福島チームのオーディオのレベルもぐ~んと上昇中で、中身の濃い愉しい週末はあっという間に終わり、旧交を温め、新しい人達とも知り合い、また来年大阪での再会を愉しみに、昨夜帰阪しました。深謝。
(ツアー内容は「音と戯れる会」マターなので会員制掲示板の方に書きます。)

 それにしてもこういう熱い人達が、東京だけでなく福島や愛知・中部にも沢山いて、日々なにかと活動しておられるのはとても心強い。大阪にもあちこちに司や士(もののふ)はおられるはずなので、盛り上がると嬉しいのですが。


('08.5.8)無事リカバリして社会復帰。いよいよ明日から「音と戯れる会」福島ツアーに出かける。金曜日は移動を兼ねてぶらぶらさせてもらって、土日で5邸の音を聞かせていただき、夜は居酒屋でわいわいとやる。こういう交流もオーディオという趣味の醍醐味の一つだと思う。善哉善哉。

※9~11日は福島行きなので、更新を休みます。


('08.5.5)カナダPlitronからトランスが届き、今日からオカンもお泊まりなので製作モードに入ろうかと思っていたら、風邪を引いてしまいました。週末は福島ツアーに出かけるので、休養休養。

5月1日記事のドライブ関係の写真です。

 欄外、一番下のグリーンのLEDが灯っている黒いケースが、ドライブ用外部電源です。ドライブモーター用12V、回路用5V、クロック用12vの3系統を別トランスで給電します。ドライブ2系統をスイッチで切替え。といってもレギュレーターは三端子(LM338)で、これは大層になるのを避けるためにディスクリートにするつもりはありません。

 中段左がオリオスペックのケースと呼んでいるStardom U7--1-WAで、Plextor Premium2を収納。奥にぼやっと黒く見えるのが24.5760MHzのクロック基板を収納したケースです。
 中段右は自作コーリアン・ケースでPlextor PX-760Aを収納。

 そして最上段がRelaxa 1 に載った MacBook Pro です。

実は今、ヤフオクにサブスピーカーとして考えていたものが出品されているが、昨日の音を聞いて興味がなくなった。こういうエネルギッシュな音が出るのなら、そのお金を他に投じてカタツムリ達と向き合った方が絶対によい。アナログだってもっとチューン可能だし、やれることはまだまだありそうだ。

かないまるさんのHPから。
 「LANはグラウンドループを作りますか」のQ&A。これは比較考量の問題なので、有線LANのグラウンドループ、PC付属のCDドライブのノイズなどケースバイケースでよく考えなければいけないと思います。

 同じくQ:「PC用の絶縁トランスの最適サイズは?」 A:「基本的には実際の消費電力に合わせてできるだけ小さいサイズのものを使うのが最良です。(中略)絶縁トランスが小型ほど音質がよい理由としては、トランスの1次2次間の結合容量がトランスの幾何学的なサイズである程度決まって仕舞うからです。もちろんサイズが大きいものほど結合容量が大きくなり、絶縁性が落ちます。」

 Plitronの医療用アイソレーション・トランスの凄いところは巻線方法をパラメーター化して、巻線のやり方でノイズ減衰帯域・レベルなど所定性能を確保しに入っている点だ。この辺が普通の絶縁トランスと一番違うところ。


('08.5.4)CDドライブの0.1ppmクロック基板のコンデンサ強化は大成功で、柔らかい何かでシームレスに満たされたように、いままでどうしても取れなかった隙間感がほとんどなくなった。ピアノの左手やベースなどドスの効いた低域が広がるし、ピークやクライマックスはきっちりと来てくれる。うちは44.1KHz/24ビットなんですが、レンジ感の不満は全然ありません。Chick Corea"From Miles"(邦題「マイルストーンズ~マイルス・デイヴィスに捧ぐ」)など最高によろし。同じトリオのライブでもKeithのモントリオールでのライブよりも躍動感が数段上だと思う。ジャック・ディジョネットなど2倍以上叩いてるんじゃないかなあ。
 う~む、CDでこれだけ音楽に集中できるのはありがたい。マランツのSACDプレーヤーもある部分を残して超えつつあるような気さえする。というか、他に打つ手がなければ確実にそうなるだろう。

 ちょうどカナダからトランスが届いたので、ドライブ用外部電源うちのクロック電源のトランスを、以前手持ちで済ませたNouvotemからPlitronに強化(15VA→30VA)するつもりだ。そして三端子LM338にも限界を感じるので、Fireface400の電源もSC10にならってディスクリートにしようかと思っている。まあ、これらは前から予定していたPCオーディオタスクでいわば残務整理ですが。

 そして落ち着いたらリッピングなどもいろいろと試してみようと思う。以前2つのドライブからPlexTools Pro でリッピングしたときに、同じCDなのに音が違っていた記憶がある。もちろんバイナリまでチェックしなかったが、再生時にあれだけ音質が違うのだから、リッピングしてもそれはいかほどかは残っていると思う。リッピング派の方にはHDDに落とせば同じバイナリだから大丈夫という意見が多いらしいけれど、果たしてそうでしょうか。ドライブによる違いは結構大きいと思うし、だったら音の良い機器を探さねばと思います。


('08.5.3)オカンが調子が悪かったりして時間がなかったので、通電していた0.1ppmクロックのCDドライブPremium2で今日少し聞いてみた。空間表現はとても良いのだが、低域が少し薄かったり全体にややつまり気味な感じも少しある。WAONレコードの小伏さんが言っていたように、少し音色が暗い感じもする。
 実はこれには見当がついていた。クロック基板には三端子レギュレーターの前後にOSコンの20V 180μF(SPグレード)が1本ずつ入っていて、いくら優秀なコンデンサで高域特性は抜群でも、電流が過激に変動するクロック電源としては全体としては容量不足だろうという事と、OSコンだけだとそのキャラクターがもろに出るという事だろう。

 そこで手持ちBlackGateの16V 2200μFにOSコンの20V 68μF(SGグレード)をパラ付けしたものを1本ずつに交換した。電源12Vなので16V耐圧でどうかとも考えたが、75%電圧だから大丈夫だろうし、放っておいても劣化するし、ここで使わねばどこで使う?と判断して採用した。
 まだブレイクインはこれからだが、ちょっと聞きでは音質は随分と伸びやかになり低域も伸びていて、さらに良くなるのではないかと思う。

 東急ハンズでコーリアン板をカットしてもらって、オリオスペックのアルミケースの底板や天板を上下から挟み込むようネジ止めすれば、かなり振動対策も強化できるのでは、などと考える連休の合間。

(注)このページでは米サイトを真似してμF(マイクロ・ファラッド)のつもりでmFと表記してきましたが、苦璃栖蛇瑠族・渋谷支部長からミリ・ファラッドと紛らわしいのでは、とのご指摘がありました。ということで、今後はちゃんとμFと表示していきたいと思います。
 ただ過去の記事全部を修正するのはちょっと.....(根性足りません)なのと、文字置換では間違いが生じる可能性があるので読み替えていただくこととして、そのままにしておくことをお許しください。
m(_ _)m


('08.5.2)4月22日にこのページではじめたCD-DA論議ですが、「てますぺ」ブログlmstさんがお忙しい中、いろいろと整理してくださいました。ありがとうございます。

 そもそもは音楽CDをHDDリッピングしたときのCDドライブの動作についての話が発端です。つまり「何回も読みに行っているから音が良い」という理由付けは本当なのかどうか?
 僕は「ヴェリファイ」や「リトライ」が音がよい理由だという話にはうんざりしながら、音楽CDを再生するときにはPC用ドライブであってもレッドブック準拠なのでそういうことはしていない、と否定し続けていたので、HDDリッピングのために読み出す時も同じだ、と主張したのですが、lmstさんによるとCDリッパーソフトを使う場合のドライブの動作はそんなに単純ではない、という事が分かってきました。

4月25日付け「てますぺ」ブログによると

 「CCCD(コピーコントロールドCD)が登場したあたりから,CDリッパーというソフトが社会的に注目を浴びるようになりました。ちょうど,CloneCD,CD Manipulator,ExactAudioCopyあたりがしのぎを削っていた時代です。これらは,音楽CDはもちろん,CCCDすらも高品質にWAVファイルにしてしまうというのを売りにしたソフトです。(中略)
 また,同時期から,CDリッピングを含めた読み取り品質はドライブに依存するということが,ちょっとPCに関心のある人々の間ではよく知られるようになりました。」


(注)CCCDというのはざくっと言えば音楽CD規格(レッドブック)を満たさないことを承知で、TOCを意図的に狂わせてコピーできないようにしたもの。

 「なぜなら,如何にソフトウェアが優秀でも,TOCが狂ったメディアもすんなり読むことができるドライブと,そうでないドライブがあったからです。もちろん,レッドブックに正しく準拠しているのが後者で,ある意味規格に+αな機能を付加しているのが前者です。
 こうして,CCCDを安定的にリッピングするには,
(1)CDリッパーがCD-DA以外を無視する仕様になっていること&リトライを複数回行うモードを備えていること
(2)取り込み用ドライブがTOCを無視して独自に読み込むこと&リトライを複数回連続で行うことを許容する設計であること
という条件が必要だということが認知されるに至ります。」


 こうして市場の需要に対応するためPC用ドライブはいわば何でもありになっていき、沖縄のPAエンジニアの方にも聞きましたが、ある時期のソニーのドライブを最後にしてレッドブック完全準拠のドライブはなくなったそうです。


5月1日付けブログでは2大CDリッパー(CD2WAV32、EAC:Exact Audio Copy)の比較が行われています。CD2WAV32では「フレーム間補正」ということをしているのに対して、

 「EACの場合は,エラーを検知するとドライブが再読込に対応する限り,複数回読み直すことで対処しています。動作モードにもよりますが,2回,16回,最大82回まで読み直すことで,とにかく元々記録されているデータ通りに読もうとします。」

 「LINNの技術者の方が,PCがCD-DAを読み取る際には何度も読みに行くから市販のCDPに比べて読み取り精度が高い,といった発言をされていたことがありましたが,これはEACをセキュアモードで使用した場合で再読込に対応するドライブを使用したときに限り言えることです。事実,IAS2007ではデモに使われていたノートPCにはEACがインストールされていたわけで,LINN内部ではEACが標準的なソフトウェアいう位置づけなのでしょう。」


■ということでヤマモッさんの4月22日記事にあった銀座のオーディオショップが上記の条件でやっておられるならば、パンフレットに書かれていることは何回も読みに行くという点では正しい事になります。ヤマモッさん、皆さん、済みませんでした。<(_ _)>

 しかし、これはある条件下でHDDリッピングしたものはCDのストリーミング再生よりデータ精度が高くなる、ということで、じゃあそれでPCオーディオの音の良い理由が全て説明ついたのか、というと決してそうは言えません。
 lmstさん「結局のところ,リッピングソフトの選択は非常に重要で,「PCだから~」といったくくり方は大ざっぱすぎる,ということになりそうです。PCオーディオでは不可避といっても過言ではないCD読み取りの問題,ソフトもハードも追求しないといけない予感…(ため息)。」と書いておられるとおり、当分遊びのネタに困る事はなさそうです。(笑)
 NuendoやCubaseでリッピングしたら音も良いかも。

ま、ここはかのデンマークの王子の台詞に耳傾けませう。

「ホレーショよ、
この天と地の間には
我らの神学や哲学をもってしても
考え及びもつかぬ事が
数多くあるものなのだ。」
(ハムレット)


PlextorのCD専用高音質ドライブ「Premuim2」の生産継続のために、是非皆さんも購入してあげてください。(願)


('08.5.1)この2日間、「当社比最強のCDドライブ」製作にのたうち回っておりました。(笑)

●CDドライブとそのクロックの重要性


 ドライブについては過去ヤマハのCDドライブ、Plextor/Pioneer/SonyなどのDVDドライブを聞き比べた事があるが、同一条件(当然1394)ではPLextorのPremium2がダントツに音質が良く、Plextor PX-760Aのようなドライブでさえ、DVDドライブは所詮DVDドライブに過ぎないというのが結論であった。しかもPlextorでは4倍速読み込みが出来るだけでなく、「サイレントモード」という静粛運転が出来て振動も減るのがさらに魅力的だった。

 Premium2の読み出し用クロック(33.8688MHz)は、コンピュータデータの読み出し用であり、CDトラポのようにそのクロックを使ってPCMデータを作るのではないが、当然の事ながらこの部分のクロック性能は音質に大きな影響があることを確かめている。というかfS以外では最重要だと思う。
 また1394ドライブケースについてもOxford911のような高速なチップを使った方が音質は向上し、その伝送用クロック(24.5760MHz)についても、クロック性能が上がると音質がぐっと向上する。

 さらに電磁波対策は勿論のこと、振動対策をしっかりすれば高音質なCDドライブができあがるというわけです。

 で、この2日間なんでのたうち回っていたかというと、思惑通りに行かず試行錯誤していたからです。疲れた。

【当初プラン】
 振動対策などのためにコーリアンにアルミを内張したケースを自作していたので、それにPremium2を収容して、33.8688MHzと24.5760MHzの2枚のD-Clockを収納したかった。
 というのも、これまで24.5760MHzのD-Clockを別ケースに入れてオリオスペックのケース上に置いており、あまり格好良くなかったので、これを1個にまとめたかったと言う事がある。

 CD:Premium2 + コーリアンケース(Oxford911) + 33.8688MHz(CD読み込み用)と24.5760MHz(1394伝送用)の2枚のD-Clock
 DVD:PX-760A + オリオスペックのケース(Oxford911) + 24.5760MHzのD-Clock(1394伝送用)



【経過と現象】
 当初プランでコーリアンケースび収納して動かしてみると、ドライブのランプがついたままでイジェクトボタンを押しても反応しない。
 クロックのタイミングかと思い、もう1枚の24.5760MHzと入れ替えたが変わらず、何回も電源を入り切りするなかで1回だけ正常動作したが、次以降は動作せず。従来オリオスペックのケースで正常動作していた2枚のD-Clockの組み合わせでも駄目。

【悪あがきが思わぬ結果を生む】
 元に、つまりオリオスペックのケースに戻してもうまく動作せず、いい加減くたびれていたが、ものは試しと亡き友人の形見の0.1ppmの33.8688MHzをオリオスペックのケースに収納してみた。D-Clockは1ppm以下というスペックなので過去にもこの0.1ppmを使ってみたがうまくいかずそのまま置いていたもの。
 で、今回は0.1ppmの電源入力部分にSiderialKapsの0.68mFをパラって取り付けてみた。前回と違うのはこの0.68mFだけである。
 ところが1発でさくっと動作した。ヘッドフォンでの確認だが音質も当然ながらというか良い。

【結果】

 CD:Premium2 + オリオスペックのケース(Oxford911)+ 33.8688MHzの0.1ppmクロック(CD読み込み用) + 24.5760MHzのD-Clock(1394伝送用)
 DVD:PX-760A +
コーリアンケース(Oxford911) + 24.5760MHzのD-Clock(1394伝送用)

 当初とは違う結果になったが、使い切れずにいた33.8688MHzの0.1ppmクロックを使える事になったので、その分の音質向上は非常に大きいと思う。
 それにしてもクロック1枚なら何の問題もないのに、2枚になると訳が分からなくなる。干渉か、アースか、タイミングのせいだろうか?


CD-DAの問題についてlmstさんが整理してくださった件がありますが、これについては明日以降で書きます。<(_ _)> 


('08.4.29)史上最高(当社比っす...。)のCDドライブを作るべく作業、が出来ず明日に延期。まあCD-DAと縁を切ってダウンロード1本というわけにも行かず、リッピング・ストリーミングのいずれにせよ必要だから、コーリアン厚板、アルミ板、Oxford911Plus、1394とPremuim2用にそれぞれD-Clockを計2枚、各種電磁波対策などなどでくみ上げていく予定。明日は1394伝送用クロックの換装などするよろし。

今検討中のDACの資料に高解像度ダウンロードミュージックサイトのご紹介あり。
the websites for high resolution music downloads:
www.musicgiants.com
www.itrax.com
www.highdeftapetransfers.com
www2.deutschegrammophon.com
じっくり勉強して、CD-DAを使わないHDD起こしのミュージックファイルの音を聞いてみようぜ。

Prism Soundとか業務用の高級DACは良いのだろうけれど、我が家の仕様に対してあまりに機能が多すぎるし、マルチchなど使わないところにお金をかけるのも嫌だ。で、いろいろ検討して業務用筋で2ch、1394入力ありでこれかな~という製品はあるのだが、まだマーケットに出てもいないし、価格もはっきりしないので、当分じっくり待ってみよう。
 Stellavoxは端正というかやや枠にはまり気味でこれはこれで全然悪くないのだが、僕はフルスロットル、蛇口全開の音を聞きたいと思っている。
 それにしても電源のケミコンの極性を逆に半田付けして出荷するような海外メーカーの馬鹿高製品と、自己暗示をかけて高価格だから良いのだとローンレンジャーするユーザと、経済感覚狂っとるよ。

愛読中のhyroさんのブログに「デビュー製品が安すぎて評価に繋がらないという良い例がAntelopeなのよ。本来ならdCS 99xと比べても遜色ないどころか、それを凌ぐくらいのポテンシャルを持っていながら価格が安いというだけでどういうわけか下に見られている。ファイルはそういうことを見抜く目も必要だと思うけど。」
 いやあまことにそう思います。ラックマウント前提のペコペコの外装デザインでも随分損をしているけれども、余計なディストリビューションや表示機能を省略して高音質クロック供給に専念したところも潔くて良いと思う。


('08.4.28)デジタルがらみでいろんな人と意見交換をした。やはり44.1/16≒CD-DAと考えた方が良いのかも知れないが、CD-DAはあまりにも問題が多くても今更であってどうしようもない。DAWソフトが実際にドライブとの関係でどう動いているか知りたいが、それも知るすべがない。
 一方で、SACDの安定度と可能性を再認識。今日のようにSACDをいろいろ聞くと本当にこれは安心して聞けるので、もっと普及して欲しかったとつくづく思う。が、これもまた致し方ない。

 コンピュータ屋さんは圧縮してこれだけスペースが生み出せた、と言うようなスペックは誇れても、音質などと言う訳の分からないものは数字で示せないので全く関心がない。だからブルーレイであれ何であれ今後も期待など出来ない。かくて、またCD-DA & PCMととっくみあいをしなければならぬと言うわけだ。やれやれ。


('08.4.25)電源強化したStellavoxのDACはとても表情がアナログチックに濃く、腰も据わった感じで別物と化しつつあります。いやあ時間がなかったのだけれど、もっと聞いていたかった。デフォルトは2200mFなので、手持ちのJovialの50V 1000mFでも追加したらさらに良くなるかも。いずれにせよまだブレイクインは必要な感じだ。

 この何日か、CDドライブなどについていろいろ書きましたが、正直情報がまだまだ不足しています。
 市販されているCDドライブあるいはDVDドライブにはもはや再生専用はほとんどなく、いまや記録型つまりレコーダーでもありますし、いろいろな課題をこなさなければならないようで、「レッドブック準拠」というのもソフトの関係も含めつっこんでいくといろいろ在るのかも知れません。ただ、音楽CD再生をデータCD-ROM読み込みと同じに扱う事にはならない、と言うことはとりあえず整理できるのではないかと思います。

 本当はCDトラポの設計製作関係者(レッドブック権威者)とCDドライブ設計製作関係者(オレンジブック権威者)とを交えて、できれば再生ソフトの関係者も交えて、いろいろお話を伺えればもっとよく分かるのでしょうが、録音制作側と再生オーディオ側が切れているように、オーディオ側とコンピュータ側もかなり切れているようで、なかなか難しいようです。
 とはいえ半可通のアマチュアはアマチュアなりに、大局観をつかむべく勉強して努力したいと思います。

※26~27日と東京行きなので、更新を休みます。


('08.4.24)さてPC用ドライブの中でもCD-R用ドライブとCD-ROM用ドライブとの違いについてオレンジフォーラムに面白い記述がありましたので、引用しておきます。

 「CD-ROMドライブの場合、多少メカニズムの精度が悪くても、ディスクに記録されている誤り訂正が強力であるため読み出せます。とくにCD-DAのデータなどは、ディスクに傷が付いていて多少エラーの頻度が高くても、聴感上はまったく問題なく再生してしまいます。
 ところが記録機であるCD-Rドライブの場合、わずかな機械的振動があっても記録できなくなることがあります。デジタル記録とはいえ、アナログ的な影響がさまざまな部分に現れてくるのがCD-Rドライブなのです。
 プレーヤは、一度読み出しに失敗すれば何度かトライアルできる。けれどもレコーダは、一度書き込みに失敗するとそこで停止してしまう――両者は、そのくらい、根本的に異なる性質のものなのです。」


 ちなみに上記オレンジフォーラムの文章に「プレーヤは、一度読み出しに失敗すれば何度かトライアルできる。」とありました。この「プレーヤー」という表現は、文脈上CDプレーヤーではなくPC用CD-ROMを挿すと理解され、基本的には音楽CDのデータを取り扱う際にはレッドブック準拠で「何度かトライアル」というのは適用されないと思割れます。
 いずれにせよ記録型ドライブは振動などアナログ的にも注意してセッティングしなければならないことが分かります。

「てますぺ」(Theme:Spatiality)のlmstさんが一昨日などのこの日記に反応して書いてくださっています。【lmstさんのお名前を間違ってImstさんと表記しておりました。お詫びいたしますとともに謹んで訂正させていただきます。】
 彼のような少壮気鋭のかたに加わっていただくと、論議もより深くなっていくと思うので、大変嬉しい事です。
 
 さて、この「何度も読み出しに行く」あるいは「リトライする」と言う点に関連して、今回lmstさんがPioneerとSonyのPC用DVDドライブの音楽CD(CD-DA)読み取りの際の仕様・規格について問い合わせをしてくださって、2社とも同じ回答だったそうです。曰く、
 「当社純正PC用DVDドライブにおいては,CD-DAの取り込みはレッドブック準拠で行っております。」

 PlextorのCDドライブについては以前僕が問い合わせて「CDプレーヤーと同じ読み込み方をしている」という同様の答えを得ておりますので、これで主要3社が揃ったわけです。(Plextorからは文章については著作権の関係があるので、そのまま転載しないで欲しいという依頼があったので、文意を筆者の責任で要約しております。)

 実は伝聞なのですが、PC用ドライブでの音楽CD読み込みには微妙な問題があるようです。
 一昨日書いたようにCD-DA形式のデータにはセクタ番号が振られていません。ところがPCでは基本的にセクタ番号で読みに行くので、「ロスト」した場合にそれをどうリカバリするか、という問題が生じる事があるようです。ただ、この辺りはドライブ各社でいろいろと工夫している部分で、明らかにしたがらないようです。
 各社の回答が期せずして「レッドブック準拠」で揃っているのは、こういうPCドライブ固有の問題をはらみながら「レッドブック準拠」で読みに行っている、という事のようです。


('08.4.23)昨日の記事はわかりにくかったと思います。でもアナログが膨大な経験値を必要としていたとは言えプロセスが大部分見えた昔と違って、デジタルは目に見えないので想像力を働かせながら理屈を組み立てて頭の中に画を描きに行くほかないのですね。全体像やロードマップが見えない。だから誤解も多いし、自己暗示も含めてだまされやすい。これもオーディオが廃れたもうひとつの理由かも知れません。

 誤解のないように念のため書いておきますが、僕はHDDリッピングすることが良くないとか、音が悪いとか言っているのではありません。それをもって「音がよい理由」にするのは根拠にならないのではないか、と言っているわけです。
 HDDリッピングで「音が変わる」というのは、当然ありえますし、あります。マシンが違えば、HDDが違えば、ケーブルが違えばetc、要するに環境が違えば音は変わります。だからその音や使い勝手が好きならば、そちらを選択されればよいのであって、そういうライフスタイルに合わせた多様性がPCオーディオの良いところだと思っています。(分かりにくさでもあるんですけどね。sigh!)


 ただCDのHDDリッピングについてはそう考えていますし、現時点ではCDのストリーミング再生を僕は好んでいますが、『もしオーディオデータが不安定なCDメディアではなく「ちゃんとしたファイル」で入手できるなら話は別だ、その方が良い。』と考えています。例えば「Sound & Recording Magazine」4月号によれば米スターリング・サウンドはCDプレス用のマスター・メディアとしてはCD-Rは使わず、PCMオーディオデータなどを「DDPファイル」形式にまとめてプレス工場に渡すのだそうです。DVD-Rに焼いたり、HDDやUSBメモリに収納したり、ネットで送信も出来るそうで、これはひとえにCD-Rメディアの音質や光学的な安定性に様々な問題が在ると経験的に判断しているためです。
(バイナリは当然一致しているはずなので。)

 僕は1テラバイトDB、24ブランチのクライアントサーバ・システムの管理者をやらされていたときに、ネットワークの不安定性については手痛い経験をしているので、正直ネットをあまり信じていません。無線については特にそうです。ただ、近年のネットワークは回線も太くなり安定性も高まっているので、ネットワークからダウンロードしたファイル、それも96/24のようなものには大いに期待している。eオンキヨーなどは96/24といってもロスレス圧縮なので音質には若干の不安もあるし、正直「無傷なファイル」がちゃんと入手できるか、ネットの不安定さに苦しんだ過去のトラウマからも若干の不安はありますが、今後ダウンロードという形態はまちがいなく増えていくだろうと思います。

 DLNAというガイドラインがあり、ネットワークからダウンロードしたファイルを保存するサーバとそれをLAN接続で取り出して再生するLINNのKlimax DS のような「ネットワーク・メディア・プレーヤー」がこれから登場していくようです。
 ただKlimax DSの方式では、ストレージサーバ(パソコン)やNASからルータを経由して複数のLANケーブルでデータを転送したり制御するものなので、この部分でかなり音質に影響があると思います。勿論ドライブによる振動や電源変動を逃れ、HDDもOSなど最低限の動きにまで絞り込むメリットもあるのですが、RJ45の接触状態だけでも気持ちが重くなります。ギガビットLANのノイズは凄いらしいし。まして無線は....、ま個人の好みは別としても。(笑)

◆「ネットワークPCオーディオ宣言
 僕自身としては再生機としてパソコンに直接データを取り込んで、そのHDD又はシリコンディスクから再生するのがシンプルなため一番良いと考えています。つまりは「ネットワークPCオーディオ」ですが、それもにらんでこなせるように環境を考えていこうと思います。DLNAでは有線はLANケーブル使用となっていますが、「パソコンにためた音楽をオーディオシステムで聴く」という主旨は他のインターフェースでも実現できるので、距離とノイズを含む性能、音質で決めていけばいい話だと考えます。結局問題になるのは家電製品にはリモコンが必要だ、という事だったりして。)


LINN Recordsのサイトでは下記のようにCDメディア以外に各種フォーマットのファイルをダウンロードできます。勿論全て圧縮がかかったフォーマットですが。
 ちなみにCubase Studio4 はWMA(Windows Media Audio)に対応しているので、これをダウンロードして例えばFireface400を経由した再生が出来ます。
 できればリニアPCMそれも96/24か88.2/24で対応してくれないもんですかねえ。回線が太くなったり、もっと数が出れば値段も下がるんでしょうか。


('08.4.22)思い立って、中断していたコーリアンのドライブケース製作を再開する。IDEから1394に変換するアダプタを最近入手したので、それを使って「最強のドライブケース」を作ろうというもの。IDEケーブルなしで直接ドライブに差し込むというメリットはあるが、ケーブルを挿したときに不安定になると言うデメリットもあり、その解決法を見つけたところで、今日は時間切れ。

 ところで、4.22付けでヤマモッさんがCDのHDDリッピングと、CDドライブの動作について書いている件はとてもややこしくて、いささかの整理が必要なので、ここで改めてまとめておこう。

 まず単に「何度も読みにはいってないのだろうか」という文章は混乱を招くので、いずれもおかしな表現ではありますが、元の流れに沿って
1.CDドライブが「何度も読みにはいってないのだろうか」
2.HDDが「何度も読みにはいってないのだろうか」
という2つの問題に分けます。

1については音楽CD再生時には「No」です。

 「音楽CD」を再生するときにはPC用のCDドライブといえども「レッドブック準拠」で読みに行くので、データCDを読み込んだりするときのようには「ヴェリファイ」というか、何度も読みには行っていません。

 これには時代的な流れを考えるとよく分かると思いますが、CD登場時にはまだPCは高価で性能も低く、HDDに録音するような事はなされていませんでした。つまりCDが先に登場し、PCがそれを追認したわけです。
 具体的には音楽CDはCD-DA形式で記録されています。これはセクタごとに記録されているもののセクタ番号がふられておらず、WAVあるいはAIFFなどのコンピュータでの記録方式とは異なる物です。しかし「レッドブック準拠」なので、ドライブはそれに基づき読み出していきます。

 そしてエラーがあった場合にはCIRCというエラー訂正方式で「補正」を行いますが、これは「ヴェリファイ」して補正するのではなく、CDのデータ記録方式にあらかじめ設定されているアルゴリズムによって、「虫食い算」的に欠けたデータを算出するものです。このCIRCで補正できないときは、前後のデータを足して2で割るような「補完」がおこなわれます。これらの補正・補完はCD読み込み時に行われるので、HDDリッピングする場合には当然それもHDDに記録されます。
 (注1)

2については「No and Yes」です。

 PCがHDDを何度も読みに行くことはあります。ただしそれはHDDに記録されたデータを読みに行くだけで、もともとのデータはCDなどから読み込んでいるわけで、この時点での精度は後々まで影響しますので、リッピングでもストリーミングでも同じ事です。
 また、リッピングでHDDに書き込む際にAIFFあるいはWAVにデータ変換していますが、DDコンバーターの音質が話題になるようにプロの世界ではデータ変換で音が変わりうることは常識です。
 第一、HDDから正確に読み出すのは他のタスクと同じくPCとしては至極当たり前のことで、特段のメリットとは言えず、それによってさらなる補正が行われたりするかのような理解は間違いです。つまり、CD読み込みの精度までさかのぼってアップするわけではありません。 (注2)

 ということで、HDDから正確に読み出したとしても、CD読み込み段階での精度問題はそのままHDDにも残り、またHDDでのデータ変換による音質変化の可能性という問題もあるということになります。


 だからヤマモッさんが心配しているショップの件では、正確な文章を見ないと分かりませんが、おそらくまずいことになっている可能性が高いでしょう。
 でも、そういう表現はあちこちにあるので、あまり心配しなくても良いかもしれません。(笑)先日など、あるデジタルアンプ製作者のブログでこういう表現を読んで唖然としたこともあります。

 そもそもはパソコンでCDをCD-Rにコピーするときなどにヴェリファイ、コンペアなどと出てくるので、音楽CD再生時にも同じように動作するのではないか?という思いこみや、CDは等速再生を前提としていわば家電製品としてスタートしたから読み込みやデータ補正も「レッドブック」のレベルであって、コンピュータデータ用CD-ROMの「イエローブック」などとは規格レベルが違うことをオーディオ関係者、コンピュータ関係者も多分お互いに分かってない、というようなところに問題点があるのでしょう。
 それにそもそもデジタルになったときに、「データは同じだから音も変わらない。」「デジタルだから.....。」とメーカーもデジタル的なノイズや歪みなどの問題点をPRにも載せなくなり、ショップなどにも正確な情報を流さない傾向になり、ショップ側も思考停止しつづけているような傾向がありはしないでしょうか?
 PCオーディオの正しい理解には結構厳しいものがありそうですが、まあぼちぼちと参ろうではありませんか。

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(注1)そもそもオレンジフォーラムでも「オーディオやビデオ信号の場合、CIRCでも十分」と考えられているのであり、「補完のようなことが許されるのは、多くのデジタルデータの中でもビデオ信号とCD-DAの扱うオーディオだけで、コンピュータのデータでは絶対に認められません。」(オレンジフォーラム「Rde BookとCD-DAファミリー」)

【間奏曲】(ヴェリファイ好きな人はそもそも元々の決めごとが何処にあるのだろう、ということにまでなぜ考え及ばないのだろうか?)
 そもそもPC関係用語については、私も含めてムード的に、「大体のイメージ」でテキトーに用いられるケースが多いのですね。
 例えば「ヴェリファイ」など、何をどうチェックしてヴェリファイするか、そしてエラーがあったときの対応をどうするか、についてはちゃんとアプリケーションかファームウエアなどに反映できるよう何らかの形で定義しておかなければならないのは自明のこと。どこにそれが規定されているのでしょうか?それとも勝手にてんでんばらばらな規格やプログラムで読み込んで補正しても良いのでしょうか?
 「コンペア」などは元データと記録データとを比較するわけで、CD読み込み時には元データしかないから行い得ないわけです。仮に何らかのヴェリファイや比較をするにしても当然PCは行ったり来たりするわけで、読み込み時の超忙しいときにそんなことをしたら、音質に影響はないのでしょうか?

(注2)データCD-ROMの場合を例に取ると、「コンピュータのデータでは補完などはもってのほか――どころか、1ビットたりとも誤りは許されませんから、コンピュータのデータを扱えるようにするにはより強力なエラー検出と訂正の仕組みが必要です。そこでCIRCに加えYellow Bookに組み込まれたのがEDC(Error Detection Code=エラー検出コード)とECC(Error Correction Code=エラー訂正コード)と呼ばれるものです。」(オレンジフォーラム「Rde BookからYellow Book へ」) ←「補完」が入っていないことにご注意。


('08.4.21)オカンの関係で病院に行ったりする合間に、一晩通電したStellavoxのDACを鳴らしてみる。ブレイクインに時間がかかる事で定評のあるBlackGateらしくもどかしいところはまだまだあるが、暖かみのあるブロウ感が出てきて、しかもシンバルなどが空間のなかによりピシッと鮮やかに決まり、これは全体としては一皮むけるのはまちがいないと思う。
 PADのシステムエンハンサーのCDなどかけておこう。(Cubaseではリピートが出来ないので、気がついた時に) このブレイクインが完了したときの音を聞いて欲しかったなあ。

 それにしても気づかないままに鳴らしていて事故ったらと思うとぞっとする。


('08.4.20)今日は気合いを入れて久しぶりに改造ネタ。StellavoxのDAC、ST2 96/24 のコンデンサを交換してCPMを付ける作業。といってもワンオフではなく元に戻せるもの。

 で、まずコンデンサをPhilips 2200mF 25V から BlackGate 1000mF 25V に交換して、電圧をチェックすると?!*?でデフォルトの誤配線を発見。結果的にラッキーというか安全設計というか、たまたま動作もしていて他のパーツや回路にもトラブルはなかったみたいだが、長期的にはかなりしんどいことになっただろう。
 写真を撮ってあるわけでもなく、それが目的ではないのでこれ以上は書きませんが、高いお金を取ることに精出すだけでなく、ちゃんとしたものを作りましょうね、レバションさん。分かってる?

 で、無事本来の形に戻して、CPMをつけて動作確認、電圧もちゃんと出ている。いろいろ手間取って夜になったので、少しだけしか聞けていないが、パッと鳴らしでも結構いい感じになっている。これは一皮むけるかも。オカンが帰るまで暖めておいてちゃんと聞くことにしよう。


('08.4.19)人に聞いてもらうということはいろんな意味でこちらもインスパイアされる。

 実は昨日書いたシンプルオーディオを我が家で実験・実現する一つの手段として、ノーチラスとは少し違う傾向のサブスピーカーの導入を前から考えておりました。プリは2系統出力できるし、4台あるクイックシルバーの真空管パワーアンプも置いているだけで遊んでいるので、時々は灯も入れてやりたいですしね。まあ「黒子亀」くんはAV再生時の音声とかちゃんと仕事はしてくれてるのですが、カタツムリのサブと言うには軽すぎて、どちらかというと「孫子亀」という感じですしね。

 いくつか目星は付けはじめているのですが、まあ、これはいつの事になりますやら。


('08.4.18)一区切り着いたので、今まで暖めていたネタをスタートさせたいと思います。
 テーマは「やわらか頭のシンプルオーディオ~特にエントリークラスのための~」

 オーディオでは僕は常々「シンプルであること」を心がけています。「4ウェイマルチのノーチラスなんぞ使って、ややこしいPCオーディオを、改造自作などやりまくってそれはないだろう?」とはおっしゃるなかれ。それぞれの中ではいかにしてシンプルに信号に、つまり「電子くん」「響(ひびき)ちゃん」に通ってもらえるかを考えた一つの結果です。(ちょっと苦しいかも(笑))

 それはともかく、どうすれば音楽をより良い音で楽しめて、しかもスペース的にも経済的にもシンプルなオーディオを実現しうるか?
 これが課題です。


('08.4.17)オーディオの方の大ネタ、小ネタはいろいろあるが、今週は安定稼働モード。

 大ネタとしてはラインアンプの製作があり、これで音量と音の彫りの深さとのバランスをローレベルまでどれだけ確保できるか、セパレーション-120dBという状況下で音場がどう形成されて楽器や声がその中でどう見えてくるか、というような事がポイントになる。

 まあしかし、今の音には至極満足しているので、若干の小ネタをこなしたら、あとはゆっくり音楽を聴くつもりだ。

ArkivMusicからCDを送ってきたので、鼻歌交じりで開けたら明細と違って中身が1枚足りない。すぐにメールしたら返事が来て、「すんまへん、足りないままで出荷(short shipment)してしまいました。すぐに送ります。堪忍御免。」との返事。数時間できちっと返事してきたのは大変よろしい。許す。
 といっても、これからも?!と思ったらすぐに言わねば。


('08.4.16)【お薦めSACDマルチディスク】のページにいくつか追加しました。新味は少ないですが。

The Sermon on Exposition Boulevard /Rickie Lee Jones [SACD+DVD] [Limited Edition] [Import from US]

リッキー・リーの2007年リリース。リー・カンテロンという人がイエスの言葉を現代風に語り直した「The Word」という本からインスピレーションを得ており、彼が製作やライナーノーツにも参加している。なかには「ゲッセマネ」などというモロそれ系のタイトル曲もあるが、音楽自体は落ち着いたアコースティックな曲ばかりで、聞いていると不思議にネイティブ・アメリカンの世界のようにも感じるときがある。リッキーの中では多分、いろんな事がシンプルに咀嚼されて音になっているのではないかという気がする。

マルチとしての音造りは非常に丁寧で、ギターや各楽器が自然な感じで、しかし濃密なつながりの中で一体感を持って響いてくる。その点では、ビョーク、ベックに次ぐ。
買ってから一度聞いただけではぴんと来ない、でもじわじわと良さが分かってくる種類のアルバムで、森の中のような響きを味わうだけでも値打ちがあると思う。
 (まだCD+DVDのLimited Editionが変えるくらいだから、じわじわとしか売れてないんだろうな。さもありなむ。)

まあ、濃密な一体感のある音場の作り込みは大変なので、そういうハイレベルなディスクはそう沢山はない、と言う事になるんだろう。

ダイアナ・クラールの「The Girl in the Other Room 」を聞いてみる。各楽器は四方に配置されているが、前後の音場の一体感は比較的薄い。でもJ.ミッチェルの「Black Crow」などとても面白くて、最初のアコギの代わりにピーター・アースキンおじさんのブラシを入れたり、とても良い感じでこれは儲け物だった。


('08.4.15) (辻邦生「西行花伝」より)

「この好きの心のなかを日が移り夜が動く。好きのなかに生が包まれ、果ては六道さえも好きのなかを巡っている。見事な、小気味よい生き方であろうな。」

「好きというのはな、船なのじゃ。無明長夜を超えていく荒海の船なのじゃ。」


 
音楽という数寄もまことにかような物であろう。
 その余の事も、その余のひとも、他はどうでも良いことだ。
 君子の交わりは淡きこと水のごとく、たゆたゆとただ流れてゆけばよい。


('08.4.14)SACDを買おうと思って日米欧あちこちのサイトを巡ったが、結局HMVでAliaVoxを3枚注文しただけに終わった。クラシックはマルチがらみでも相当数あるが、それでもこれ!と言った物は乏しい感じがする。ジャズに至っては数が少ない上に古い録音は殆どが2chだし、ポップス・ロックに至ってはさらに数そのものが少ない。ま、いくつか目星は付けたが、いずれにせよ、選ぶことが出来るいまのうちに集めておくにしくはない。やれやれ。

 諸卿よ、今ぞネットを駆け抜けられよ!


Wadiaが「iTransport」だって。$379だって。


('08.4.12) 現在(いま)ではない何時かへ、此所ではない何処かへ。

あまり書いたり言ったりしていないので、殆どの知人も知らないと思うが、僕のオーディオ的ライフワークの一つはJ.コルトレーンの最晩年の時期のアナログ再生だ。僕は高校生の時にFMでトレーンを聞いてぶったまげて、いつか生で聴けるときがくるだろうかと思ったりしている内に、勝手に死なれてしまった。
 昔難波あたりのジャズ喫茶で聞いた音が今でも耳に突き刺さっている。JBLの537-500だったか蜂の巣あたりで、冷静に考えるとデフォルメされたとんでもない音だが、インパクトは凄かった。音量も効いていた。

 「ヴィレッジ・ヴァンガード・アゲイン」は殆どオリジナルという初期盤も含めて何枚か手元にあるが、巷間言われるほどオリジナル盤にも音自体はさほど大した音は入っていないし、ヴァンゲルダー・サウンドのバランスも良くはない。要はあまり音量に寄りかからずにライブの「気配」をどう出すか、気を集めていろいろなセッティングを考えながらゆっくりと待っている。そのときはDACTのフォノイコもゲインをぐっと上げてホットアンプでいこうかと。

アート・アンサンブル・オブ・シカゴやオーネット・コールマンも改めてちゃんと聞こうと思っている。

そして武満徹。LPやCDもかなり手元に揃ってきた。「弦楽のためのレクイエム」やフルートのための「エアー」などから順を追って聞き始めている。
またオリヴィエ・メシアン。「幼子イエズスに注ぐ20のまなざし」は結構ヘビ・ロテだが、「鳥のカタログ」を通して聞いてみたい。彼の歌曲集も。

 やはりラインアンプも早めに製作する必要があるかも知れない。


【ロールスクリーン】上の本棚には空間というか隙間が結構多く、ヘルムホルツの共鳴箱的に音が溜まりやすいので、音響的にはこれくらいの高さがちょうど良いかと。左側のLPや右側の黒パルプボックス内のCDやSACDも取り出しやすいし。
 
普段は目一杯下まで下げて目隠しします。すっきりするし、何となく天井が気持ち高くなったような気がするので、ご機嫌です。


('08.4.10)クロック関係に関心が高いようなので、昨年からのオーディオ日記を継続していましたが、さすがにファイルも重くなってきたので、2007年12月分以降はここに残し、それ以前は上記の「2007へ(1月~11月)」に移しました。

ここ何日か更新をさぼっていて何かペースがつかめた様な気がします。なんだかんだ言っても「何かを創りたい!」というものづくり欲求は根源的なものなので、その辺を基本にしやうかと。タイトルを「オーディオ&音楽日記」と変えておいたのもその伏線で、まあテキトーにやろうと思いやす。

今週に入ってアメリカからCDが次々に届く。いろいろ見ると目移りするので、クラシック関係で揃えておきたい物を先に円高の時節ArkivMusicなどに注文しておいたもの。例えば英EMIの古楽物などは次に英Virginが出すことが多い。で、これでジ・エンドなのでこの段階で買っておかないと中古を探すハメになる。CDも思い立ったときに買っておくよろし。Philipsなど今の内かも。
 次はポップス、ジャズのCDとSACD全般だ。

一昨日から昨日にかけてOCX用の「パワータップ」を製作して「さあ!」と接続したら一瞬パワーが入ってすぐに切れる。何回かトライしても同じで、マニュアルにもAC Power 95~245VAC、12W maxとあるので、どうやらOCXはDCは受け付けないようだ。で、またアイソレーション・トランスからのAC供給に戻す。ならばしかし、トランスからの供給電圧を上げてやったら音質は変化するだろうか?う~む、今はSC-10と巻線分離で1トランスなので、トランスが手元に揃ったら試してみよう。
 これで使い道のないパワータップが余ってしまったが、まあ当分置いておこうか。

最近、よく考えるのはDACの事だ。PCオーディオでは勿論その前段階が注目されるのだが、やはり最終的なキモはアナログに戻す段階だと思う。WadiaのDecoding Computerの考え方などワクワクするが、最近アルゴリズムはあまり流行らないので残念な気もする。結局量子化ノイズをなくせるわけではなく脇に除けておくにすぎないので、その辺は平均率の調律とよく似たところがある。まあ、あまり理解されていないが純正律だって何種類かあるわけで、少し正確を欠く表現だけれどもイメージ的には復調を目指す当のアナログも完全調和とは言えないわけだ。我々が生きているのは「近似値」「近似解」の世界だ。 Welcome to the Real World.

 ここのところを基本的にちゃんと処理できる機器をさがしていきたい。といっても今すぐどうこうではありませんが。


('08.4.7)4日に書いたアクセサリはユキム発売の静電気帯電イレーサー「SFC SK-EX」です。

 最近数えていないけれども1,000枚以上のLPを持つ身としては、SK-2ブラシを使っても除去しきれず、LPを掛ける前に埃を取る時間が結構かかったりして、静電気はシビアな問題なので前から注目していた。ボックスになっていて、数十秒~1分程度入れておいて、取り出す前に左側に2個ある「ゼロショット」という導電性のパッドを持って盤面に触れるだけで操作は簡単だ。

 今回使ってみて、一番ありがたいのはLPの中袋ごと静電気を除去できる事で、3万円ほどで得られるこのメリットはとても値打ちがあると思う。

 そしてCDやSACDにも効果があることは、ユキムだけでなくいくつかのサイトやブログでも取り上げられていたので、僕だけの感想ではないだろう。実際音は変わるし、僕的には情報量が増える方向で好ましいと思っている。
 ただ静電気除去で何故音質が変化するかという理屈は分かりません。またデジタルディスクでの効果をあまり言うと「オカルト」と言われかねないので詳述を避けます。(人は人なので、最近は面倒なのが一番嫌いです。)


 ともかくアナログ愛好者には必携と言っても良いと思うし、デジタルディスクにも効果があるというおまけがあります、と言っておきましょう。


('08.4.6)CD/DVDドライブ用電源(3トランス ドライブモーター12V、回路5V、クロック用12V)にCPMを3個入れました。大変、大変、よろし。他にもあるが省~略。

StellavoxのDACに入れたWBTのNextGenのRCAジャックは大変よろしいが、難点はコンタクトエリアの狭さだ。AETのSIN DG 75のような食いつきの良いプラグでさえ、ロックが時々遅くなったりするので、カーボン・ダイアトニックを少し塗布してその後事なきを得ている。
 だから正直高価なこともあって音声用にNextGenを使うのは躊躇しており、Ayreのチャールズ・ハンセン推奨のカルダスのRCAジャックを使い続けている。

RMEから「HDSPe ExpressCard」が発売された。

「ExpressCard/34規格に準じ、......RME独自のハイスピード・シリアルオーディオ・データバスを搭載し、.......より高速なPCI Expressコンピュータへのアップグレードをスムーズに行うことができます。.......
 HDSPe PCI CardとHDSPe ExpressCardはプロフェッショナル・オーディオの最高のインターフェイスであり、低レイテンシーと低CPU負荷に関して他のどのソルーションも追いつくことはできません。」

 
つまりFirewireケーブルを使うけれども、Firewireよりもより高性能なインターフェースという訳だ。
 で、Macbook Pro ならこれを使えるのだが、問題はMultiface AE、Multiface、DigifaceなどのI/Oボックスをどうするかだ。Multiface、Digifaceはもう設計が古いし、シンプルなブレイクアウトボックスという形態はこれから廃れるのではないかと思う。Multiface AEはFireface400とほぼ同機能だが、音質的には今のところFireface400のほうが良いらしい。

 正直言うとFireface400の36チャンネルというようなマルチは、僕には必要ない。1枚だけ持っているDVDオーディオのBeatles「LOVE」は切り貼りでくっつけた非常にあざといアルバムで、マルチで聞くともっとあざとくなりCDでもあまり聞く気になれない。ブルーレイはHDオーディオという嘘丸出しの圧縮フォーマットにどっぷり浸かって映像エリアを広げる方向らしく、非圧縮LPCM96/24マルチというような音声充実のディスクはほとんど出てこない可能性が高い。

 ならばデジタルインターフェースはMultiface AEのチップをアップグレードしてCH数を落としたような2chFirewire DAC またはブレイクアウトボックスで十分なのだ。でも、まあ時代はそういう方向には流れないだろうから、よく動向と情報をつかまなければいけない。そういう意味でも情報のパイプが大事だと思う。


('08.4.4)久しぶりに管球王国を読む。クロックの記事が目当てだが、ここに載っている三浦孝仁氏所有のルビジウムERC 10MHz というのは、米Electronic Research Corp.の周波数標準機のようだ。形状から見てスイッチング電源ではないかと思う。
 まあ、当分高精度水晶(OCXO)はオーディオ界では認知されないのかも。

 是枝重治氏のフォノイコ製作記事も真剣に読んだ。今の時代に低雑音で優秀な真空管フォノイコというのはコスト的にもべらぼうな贅沢だというのはよく分かる。しかし、何でまたいつまでも12AX7、12AT7、12AU7などのトラッドな球ばかりなのだろう。高いNOS球を買ってさらに選別して、というお金の使い方は大変だと思うのだが。
 勿論、いろいろと玉石あるけれど現行生産球の優秀なもの、特にロシア軍用球の凄さなどは、6922や6N1Pなどの球を使ってみればすぐに分かる話ではないかと思う。これらは1本、正確には片ユニットで是枝さんが至難の業だという10~20dBの増幅回路を低電圧・大電流・低インピーダンスで安定的に構成できる。

 是枝さんのこれまでの記事を読み返すと、いろいろ工夫されながら3段NF回路などを構成されていて、その努力と見識は凄い事だと思う。しかし、トラッドなしかも過去に生産された球をステサン流にブランド化していくだけなら、オーディオの馬鹿馬鹿しいまでの高コスト構造はいっこうに改善されないと思う。
 一方で現行生産されている6H30Pのような新世代の高性能球を新しい発想で使いこなすような記事を僕は強く望むものだ。

アクセサリにはあまり関心はないが、一昨日、アサヒステレオでLPにもCDにももの凄く効くという、前から注目していたアクセサリを買ってきた。まだ使い始めたばかりだが、CDの音は確かに変わる。中高域の音数が増して、低域の伸びも改善される。う~む。


('08.4.3)こちらのブログにも紹介されていた大阪・日本橋電機屋街の中の「喫茶ウイング」(ジャズとあたたかいコーヒー)に昨日お邪魔してきました。
 上記ブログ第1報にも紹介されているように巨大電源ばりばり自作 のPCオーディオでCDを鳴らしておられるのだが、いやあマニアックというか音と戯れる会的用語では完全にビョーキ系(あ、良い意味です)で緻密に詰めた取り組みをされている。

 何はともあれ音は温度感が高く、ニアフィールドなのに30年ほど使い込んだJBL375のウッドホーンと2405がとても柔らかく心地よい。ALtecのウーファーをバスレフに納めた低域は欲張らずに良いバランスで鳴っている。大体がJBL、特にホーンを使う人はこれでもかと言うぐらいにえぐり出すような音の出し方をする方が多いが、こちらは本当に心地よく塩梅の良い大人の音です。
 実はもう1年くらい(?)前に友人のブログで読み、逸品館で場所を教えてもらって伺った事があるのだが、その時とはPlextorのPremium→Premium2、Multiface→Fireface800、DACはElgarと、かなりシステムの構成が変わっていて、どうやらその責任の一端はこのサイトにもあるらしく、メールを戴いた事から再訪が実現したという次第です。

 マスターの笑顔は優しくて素敵なので、どうか「このサイトを読んできた。」というお客さんが来られたら笑顔で美味しいコーヒーを振る舞ってあげてください。

 またお伺いしますね。⊿∑


理系・ビョーキ系・手技派をめざす人にささやかな情報提供。なんだ糸鋸じゃないか、とおっしゃるかも知れませんが、さにあらず。。「フリーウェイコッピングソー」と言って360度全周に螺旋状の刃が着いていて、上下左右円形と自由に切り進めるそうな。ポイントを使って東急ハンズのオンラインショップで買ったものの、まだ使ってはおらず、しかし「NASAも使用」とのことで一部のブログでは高い評価のようです。

 かかりつけの板金屋さんを持っていない方、IECインレット、XLR端子やヒューズホルダーの取り付け穴を開けたい方、そしてこういう事をやりたい方にはうってつけではないかと。ちなみにハンズの在庫はあと2個なので、欲しい方は急がれたし。


('08.4.1)今2年ぶりに福島に遊びに行く企画をすすめている。思えばPCオーディオに目覚めたのは2年前の福島でだった。
 あれからたった2年しか経っていないとは、この間の突っ走りぶりが我ながら実感として押し寄せてくる。

 だからおらっちもほっこりと脇見しながら、人のことは放っておいてゆっくり行くのがいいさあ。


('08.3.31)マランツ SA12 S1 は一事で言って、別物になった。タイルの効果も勿論あると思うが、CPMの効果が大きいと思う。DACのアナログ出力の最終段電源のコンデンサ2本に各1個つけただけだが、音の立ち上がりと彫りの深さが際だって、不思議なことに音量感もぐんと上がる。もちろん元に戻せるので、修理に出す余地はあるだろう。

 いやこれでSACDのグレードもぐんと上がり、システム全体がまとまりつつあり大変嬉しい。


('08.3.30)SA12S1本体の改良は、内部をつらつら眺めて

1.DA変換後の電源のコンデンサ(ELNA HiFi 2200mF 25V)2本にCPMをパラ付け。
2.ドライブメカなど各所にタイルを貼る。

の2点にとどめた。電源基板を外してダイオードを引っぺがして出川式にするのは、作業的にもスペース的にも収拾が付きにくく、ワンオフで元には戻せなくなるのを理由に取りやめた。(根性なしと言わるるもやむなしとぞ思ふ。)
 タイルはあちこち貼っていくと、あっという間に20~30枚貼ってしまっている。危ない、危ない。(笑)

 とはいえCPM+タイルの効果は大きいようで、ちょっと間の小音量試聴だが、くっきりと音が浮かび上がる感じでややおとなしすぎという難点をカバーしてくれていると思う。

 誠に簡単措辞ではありますが、SACDプレーヤー対策をこれにて終了いたします。(早うSACD聞きたいし。)

p.s.WindowsXPのServicePack3は第2四半期にリリースされる予定だそうで現在は評価版がダウンロード可能。パフォーマンスも少し改善されるらしいが、あわてて導入する必要はなさそうだ。次はSP4?


('08.3.29)StellavoxのDAC ST2-96/24のデジタル入力RCA端子のWBT・NextGenへの交換は結構変化在り。腰の据わった厚みのある音になる。
 まあ75オームだと理論的には確か心線径の3倍くらいの外径が必要で、内容的に見てデフォルトの端子は音声用の流用としか想えない。おまえもなんちゃってかよ、ゴールドムンド。

 ダウンミックスアンプへのCPM導入はかなりの効果で、フロントの音がスッキリと整えられる。

 さて次はSA12S1本体だが、ACインレットを交換したらマランツも修理対応はしてくれない可能性大だし、まあ元に戻せる範囲でいろいろとやってみようと思う。当然ターゲットは電源だ。

 今日はCDをいろいろ注文したかったが、時間切れ。


('08.3.26)今週の重点取り組みはSACD。先日のSA12 S1 のACインレット交換は効果大だったので、その後をどうするか。ダウンミックスアンプはいろいろと手を入れて真空管もアップグレードして音の見通しは随分と良くなっているが、電源にCPMなど追加して総仕上げしよう。

 あと、StellavoxのDAC ST2-96/24のデジタル入力をWBTのNextGenのきっちり75オームRCA端子に交換してみようかと思う。さて音はどうなりますやら。

 いろいろ考えている事やネタはあるが、CDもあれこれと買いたいし、ぼちぼちと参ろううかと。


('08.3.25)離れていると本当にまだるっこしい。自分が手を貸せないとなると、本当にやきもきする。直接手を貸せないのなら、あまり口出しすべきではないとも思う。まあ、でも先は長いし、なんとかなるだろう。

 眠い。疲れた。


('08.3.21)家庭の事情により、何日か更新を休みます。


いずれのWebにか倦みて詠みける

「きりがない。」これがデジタルに関する僕の概ねの感想だ。
「しかし、明らかに限界はある。」これがデジタルに関して常に感じ続けている感慨だ。

「きりがない。」これは人間の愚かさとすばらしさについての僕の感想だ。
「しかし、時間は限られている。」これが厳然として目の前にある限界だ。
だから自分を大事にして、さっさと逃げ出した方がいいこともたくさんある。
天体のなれの果てがブラックホールで、それはエネルギーを吸い取るだけの存在だ。
多分、年をとればわかると思うが、エネルギーも時間も人にはごくごく限られた資源なのだ。

デジタルに拘泥する人には、一度アナログをやってみることを勧める。
理論や技術以前のことがいっぱい要求されるからだ。
重ければ、軽ければ、堅ければ、柔らかければいいってもんじゃない。
結局は「塩梅」が、バランス感覚が一番大切なのだ。
それはギミックと呼ぶべきものかもしれない。
奇術は奇跡ではないが、それに近い経験と深いものへの「畏れ」を呼び起こしてくれる。
それは多少ゆがんでいるからフェイクと呼びたくなるかもしれないが、真実を映し出したフェイク、つまり鏡なのだ。
だから時々笑い出したくなることがある。
ローテクが心を癒してくれるからだ。
(おお、そこには深い智恵があるのだが。)

だからと言って、議論をやめてはならない。
考えることをやめてはならない。
合うべきデータは合うべきものだ。
何であれ、データの純度を落とすものとは戦うべきだ。
たとえそれが近似解であったとしても。
そう、平均率はすべての調を行き来して奏でることができるではないか。

音はアナログであり、それは風のゆらぎとなる。
音楽は物体の振動がもたらし、それは心の震えになる。
良きものを信じる心をなくしてはいけない。
自分を正当化するために他を貶めるものは、捨て置けば良いのだ。

音は音楽の一部に過ぎぬ。
天国が誰のものか知らないが、音楽は心の中にあり、それは僕ら自身のものだ。


('08.3.20)ささやかであっても問題を自分の力で解決できると、少し嬉しいもんだ。

 SACDプレーヤーにはじめて手を入れた。マランツ SA12 S1 のACインレットを交換しただけだが、おかげで最近4~5回電源スイッチを入れないとスタンバイ状態にならなかったのが、1回でOKになった。しかも全般に動作が良くなっている。
 このインレットについてはいくつかのサイトで交換した方が良いと書かれていたが、実際に外してみると薄~い金属板を折り曲げてつくった端子でだんだんと変形するのも無理はなく、しかもご丁寧にセンターのアースピンを抜いて2ピンにしているので、さらに接触が良くなかったわけだ。
 制御基板の不良は修理が困難らしいので意を決して手を入れたわけだが、こんなところにデッドロックが身を潜めていたわけだ。ぼちぼち本格的に故障しはじめる前兆かなあ、という不安が解消され、しかも経験上こういうのは音にも影響が絶対あるので、鳴らすのが楽しみになってきた。よ~し、マルチやるぞ~。

 あ、交換と書くと「わしもやろーかな?」と思われるかもしれませんが、基板直付けの金属板をカットしなければならず非常にヤバイ作業です。うまく行かなかった場合は基板をごっそりはずして裏から半田付けをやり直すくらいの覚悟と、それなりのスキルのある方以外は絶対にご自分ではやられないように。ご自分で調べていただくと有料でやってくれる所は見つかるので、ちゃんとお金を払ってやってもらってくださいね。
 それに問題なく動作している場合には急いで交換する必要もないので、そこんとこもよろしくご理解お願いいたします。


 何にせよ、自力更生で、よろしく、よろしくお願いいたしますね。(も~いいかい?)

p.s.Cubase ST4 のHot Fix がリリースされたが、我々聞き専には直接関係のない部分のようで、慌ててインストールする必要はなさそうだ。


('08.3.19)自分でやってみないと骨身に染みて分からないと思うが、一つの団体や組織を維持運営するのは大変だ。趣味の世界であれば志向も嗜好もそれぞれ違うだろうし、それをゆる~くであっても、いやむしろそういう風にまとめていくのはかなりの力業だ。

 こういう仕事をする人を「プロデューサー」と世間では言う。僕はフリーのコンサート運営のプロデュースもした事があるし、クリエーター達ともつきあいがあるのでぴんと来るが、人がそれなりの時間稼働したら経費が発生するのは当たり前のことだ。スペースにだって経費が必要だ。

 仮に共同購入の事業をするとしても「ご苦労さん」「ありがとう」だけで済まそうというような了見の狭い人はいないと思う。ましてや相手方は仕事でやっているのだから、成ること、成らない事、と言うものがある。
 負担するものは負担した上で意見や希望を述べて、結果は大らかにうけとめる。それが大人ってもんだと僕は思う。


('08.3.18)ある方が各種高精度クロックによる音の違いは、アナログでカートリッジ交換して聞くようなものだ、と書いておられて誠に言い得て妙だと思った。
 この場合、トーンアームに相当するのが電源かな。フォノモーターとプレーヤーケースは、クロック全体のシャーシ構造やシールドに当たるのかな。

 発振器ユニット単体では音どころか正弦波信号も出せないし、特に電源の影響は凄く大きい。特に実装で。

 オーディオにおけるクロックについては、まさにお楽しみはこれからなのだと思います。


('08.3.17)土曜日はいずみホールに「いずみシンフォニエッタ」を聞きに行く。現代音楽中心のプログラムで、2曲目の新進作曲家の作品から、俄然個々のメンバーが表現力を発揮して、今までで一番手応えがあるいいコンサートだった。
 後ろの方の席だったので、実際の響きと録音との違いなど、こういうときでもオーディオのことは考えていて、ロビーコンサートで真横で聞いたチェロの響きなどとあわせてみると、オーディオ録音というのはやはり特殊なものだというのがよく分かる。

 日曜日はアイソレーション・トランスまわりの工作をして、SACDマルチを聞き込み、前日聞いたバルトークのディヴェルティメントなどLPで聞いたりした。

 そして、今日ご挨拶に来られたのは、遂に引っ越してこられたお隣さん。さあ、これで包囲されてしまったので、考えて音を出さなければならない。それも人生か。


('08.3.14)物欲系の人には振り回されるから苦手だ、と先日書いた。そういう人は自分の欲しいもの、というあるイメージにとらわれているので、人の迷惑顧みず勝手な要求を出す。勿論、今の世の中、金さえどんと出せば大抵のことは可能だが、でも結局は金は出さない。なぜならリーズナブルな世界からはもう舞い上がっているからだ。だから、実際に手を動かす人のことなど想像も出来ないし、そういう人にビジネスの話など出来るわけがない。

 そして人の言う事をちゃんと聞かない。だからそういう状態の時には何を言っても無駄だ。三十六計逃げるにしかず。


('08.3.13)僕がSC10の電源部を含めて一体型を製作したことについて、誤解があると行けないので、整理しておきます。

1.10MHz正弦波という高周波出力に対応できる電源 して、オーディオ側では十分なノウハウがあるかどうか。
 よく分かりませんが、少なくとも僕にはないので、今回の電源は必要十分なものかどうかという問題点は依然残っています。


2.勿論アマチュア的、オーディオ的に贅沢なパーツを使い、高域特性もコンデンサの選択やアレイ付加によって配慮したつもりですが、必要十分なものかどうかという問題点は依然残っています。

3.すなわち今、一番必要なのは「10MHzクロック用として必要十分な電源」のノウハウが第一であって、もしそれを提供してくれるメーカーがいたら、そちらに乗り換えても良いと考えています。つまりは電源部の製作を依頼しても良いと言うことです。

4.ルビと水晶を我が家で比較したときの電源部は、容量は違うもののどちらも同一メーカーの一般用組み込み電源でした。そういう意味では、ほぼ同様の条件下で比較できたと考えています。
 一方、電源の内容・回路・品質が違えばその条件は当然変わってくるので、個々の発振器ユニットを評価する際にはその点に注意することが重要です。

5.
ルビと高精度水晶(OCXO)は電源に対する要求が電流容量の面でかなり違うので、別々に設計した方が経済的だし、スペース・価格だけでなく、「余分な振動・ノイズ輻射を減らす」という面でも最適です。

6.ルビは電磁波・誘導に弱く、水晶は振動に弱いという発振器ユニットの性質の違いは、ケースの構成や強度の面でも異なった対策を要求します。
 つまりルビにはシールド対策が重要であり、水晶には振動対策が重要で、これらの対策は同じ内容ではありません。


 よって、SC10についてもさらなる探求と対策が必要であると、現時点では考えています。まだまだ勉強途上で、しかも分かっていることは少ないので、分かったつもりになってはいけないと自戒しています。謙虚に勉強しながら進めていく必要があります。


('08.3.12)カナダからヒューズが届いたのでStellavoxのDACに入れた。このヒューズについてはマイケル・エリオットも推奨しているし、確かにお薦めだと思う。

 カウンターポイントのアップグレードを日本で担当しているvinさんはいくつかのブログで、アップグレードなどをいろいろやっている内にメーカー製品位は魅力を感じなくなってきた、と書いておられたが、僕も同じようにパーツを取っ替え引っ替えしてきたので、非常によく分かる。
 アマチュアでなければ出来ないような費用を掛けてパーツを導入したり、その音を聞いて選別していったり、そんなことをしている内に耳がそれを覚えていってしまう、といった所だろうか。

 でも聞けたり試せるのはほんの一部なので、そういうときにマイケル・エリオットのHPなどを参考にするわけだ。


('08.3.11)オフ会も終わったので、SC-10の電源を落とし、取り付けナットを交換する。先日たもそさんにご指摘いただいたようにインチネジで呼び名は「No.6-32UNC」、同サイズの平座金、バネ座金(スプリングワッシャ)もあるので、セットでこちらで購入しました。

 ということで、1月22日のこの日記の記事にも再度追記しました。

 それにしてもたもそさんのサイトは目が離せないスリリングな展開になっている。まあ、こういうことに興奮するのはかなりビョーキですが、はい。


('08.3.10)オーディオベーシック誌が発売されたりして、何人かの方からメールをいただく。ありがとうございます。

 今日はお借りしたユニバーサルプレーヤーでSACDマルチを聞かせていただいた。ディズプレイオフなどの効果はやはり大きく、ディテイルの精細さはこちらの方が優れているが、一方で僕が求めている癒し感のような面では少し強すぎるようなところもある。いかんせんマルチを再生できるプレーヤーが圧倒的に少ない今、このシリーズはとても魅力的な存在になりつつある。おまけに音質改善奥の手もある。う~む。


('08.3.9)ご近所とのお約束で夜は本格的に鳴らせないので、セッティングもあれこれやっている内に時間切れが来る。CDとLPは僕の音だが、まあ、とりあえずはこんなものだろう。

 あとは皆と相談しながら進める事にした。

 そして土曜日はオフ会。皆遠くから来てくれたし、それぞれに収穫があったようで良かったと思う。僕も聞いてみたい機器を聞くことができた。結論その1:クロックというのは役に立つものだ。

 お隣も入居する可能性があるようだし、そうなるとこんなこともさらに出来にくくなるだろう。出来る内にいろいろとやっておく方が良いようだ。


('08.3.6)この2日ほどオカンがデイサービスに行っている間に少しずつ。届いたトランス2台を使って、Fireface400・SACDプレーヤー・DACを全て単独にアイソレーション・トランスから給電する。コンセントを増やす関係でクロックは電源を落としたが、72時間あれば定常状態に達するので土曜日のオフ会には間に合う。そのなかでSC10用の電源ケーブルに一部インレットのネジが甘くなっているのを見つけたので、OCXも含めてを交換した。

 そうだ、OCX用にもパワータップを作ってやらなくちゃ行けない。もう生産完了になったBGの無極性NXの音が非常によいので、これをいくつかまとめ買いしておこうと思う。それを使って製作し、今PC用に使っているのと差し替えていろいろ聞き比べてみよう。

 そして届いた電磁波吸収ゲルシートをStellavoxのDACの基板の下に挟み込んだ。

 この間のアイソレーション・トランス増設やらゲルシートやら通電やらが効いたみたいで、今日CDを鳴らしてみると随分と柔らかでナチュラルな音になっていた。

 コーネリアスのCDには随分とナチュラルな音が入っている、と言ったら信じない人も多いだろう。いやあ、あれは随分と尖った音だよ、というのがフツー返ってくる答えだろう。でも入っているのだ。高精度水晶で聞くと「SENSEOUS」の冒頭のギターなど随分と柔らかい。ワールドツアーの録画で見たが、あれはフツーに弾きながらギターのチューニングを緩めてあの音を出しているのであり、アシッダイズなどのコンピュータ処理ではないはずだ。
 勿論、尖った音だって一杯入っている。「POINT」でもそれは同じ事だが、あーこんな風になるのか、という発見がいっぱいあるのは嬉しい。


 さてさて岡崎の友人からDV-60が届いた。ずしっと重く、豪華なコスメティック。最近業務用機器ばかりさわる機会が多いので、感動したりする。そうだよなあ、こういう部分って大事なんだよなあ。
 と言いながら、音を出す段になるとそんなことはどこかに行ってしまうのだろうなあ。

 今晩は接続がせいぜいで、音出しは明日だ。


('08.3.3)こちらのAudio & Visual News 2/27に『Weiss、FireWire対応新DAC「Minerva」を発売へ。』の記事。写真もそこから拝借しました。 ペコッ。
 既にCES2008にて発表され、avcatにて速報済みです。
  ・Inputs: XLR, RCA and 2 FireWire
  ・Outputs: XLR and RCA
  ・Sampling rates: 44.1~192kHz
  ・Word lengths upt to 24 bits
  ・Drivers for Windows and OSX operating systems are preinstalled
  ・Non-switching power supply (100、120、200、240V)
  ・Standby power: 2 watts


 もともと高音質で有名な業務用機器メーカーなのでDAC込みで音はいいんだろうなあ、気になるなあ。LINNのクライマックスDSと同じようなコンセプトのコンシューマー用製品らしいが、こちらに資料がありFirewireとUSBの比較なんかもあって面白い。Fireface400の次はこれかねえ、ワードクロック入力はないがS/PDIF入力があるんで同期できるんだろうか、セレクターだったら無理かなあ、なんてお値段が高すぎてとても手が届かないでしょうけど。(笑)

 昨日のパワータップの件は反応がいくつかあって、皆スイッチング電源には手を焼いているというか、もてあましているらしきことが偲ばれた。我が家のは古めのBGなども一部使っているせいか、今日聞くと結構きつくてやり過ぎという感じになっていた。バッテリーをつけると途端に丸い音になり聞きやすいが面白くない。で、shin-papaさんを見習って通電続行中です。Appleのアダプタも少し熱くなっていて、電流が流れている感じになってますが、はてさてどうなりますか。

 カナダからPlitronのアイソレーション・トランスが2個届いたので、オカン滞在中に製作、と思ったら使える電源スイッチがない。久しぶりに日本橋に買いに行こうか。


('08.3.2)やっぱり電源だよ!
 
これが実験モードの成果。左上の黒い物体はMacBook Pro のスイッチング電源アダプタに電磁波吸収テープをぐるぐる巻きにしたもの。従来はそこへメガネ=IEC変換アダプタを取り付けて、アイソレーション・トランスから給電していた。

 以前から砂町の電源エヴァンゲリストに「バッテリーなしでACで給電した方が良いよ。」とは言われていたものの、高価なPCの電源を一から自作するにはためらいもあった。今回はこちらのブログ『SW電源の改善のために、1次側のAC100Vを直接整流している部分をSW電源のAC入力の前に別に外付けで出川式整流回路を追加する自称「パワータップ」を見つけたので、「これだ!」ということで、出川式整流回路の他にCPM、ノイズ対策用コンデンサ、スイッチなどを付加して製作したわけだ。

 MacBook Pro のバッテリーを外して、AC給電に使用した場合の効果が凄い。軽く通電しておいたぐらいでかなり密度が上がり、全体の「まとまり感」がぐっと向上する。演奏者のエモーションがひしひしと伝わってくる。StellavoxのDACも完全に手の内に納めて、小音量でも音楽全体をとにかく彫り深くよく鳴らす。スイッチング電源アダプタも全然熱くならない。これからのブレイクインでますます良くなってくれればさらに嬉しい。

 PCオーディオ・DAW環境でのPCの支配力の大きさに、いまさらながらに感じ入った次第。これならOSのチューニングもぐっと効きがが良くなるだろうし、MacProにも張り合えるかも知れない。(笑)


 停電になったらHDDが事故るのではないかって?それはデスクトップと同じ条件に立っただけで、第一そのためのApple Care だし。


※プライトロン(Plitron)の医療用アイソレーション・トランスを使った「アイソレーション・トランスの製作方法」のページをアップしています。


('08.3.1)僕が何故DACを使いたいかというと、それは贅沢をしたいからだ。

 シャツを織る糸の細さを「番手」で表し、数字が大きくなるほど細くなっていくのはご存じの方も多いと思う。着たことはないが200番手のコットンのシャツなんてほとんどシルクのようなきめ細かい輝きを放っている。僕が着た中で一番贅沢したのは100双という100番手のシーアイランド・コットン(海島綿)で織った生地のシャツだが、袖を通すたびに産毛がさやさやとなでられるようで、さあ頑張ろうという気になったものだ。エジプト綿のシャツも毛足が長いせいか曖昧なしかし柔らかい感触で、とても好きだ。
 こういう官能に訴える贅沢は、元に戻れない、という厄介な癖をもっている。

 ああ、マーガレット・ハウエルのシャツが欲しい。にしだやさんのように買ってもいいよ、と言ってくれる優しい人がいないので、春の新作など自分で買いに行こうか。

 おお、長年オーディオをやっていてはじめてのご近所からのクレーム!先週引っ越してこられた2階の奥さんが来られた。たまたま昨日の夜友人が帰ってから思いついた実験モードで、夜遅くまで結構な音量で鳴らしてしまったのが原因で、「昼間は全然かまわないけれど、夜だけは....。」というお話は誠にごもっとも。
 まあ、上も隣も未入居なのでいろいろ思い切った鳴らし方もこれまで出来たわけだが、フツーにやらなければならない時期が来たという事だ。それでなくても、今後オカンのことでご近所に迷惑をかける可能性も大きい。前のマンションとは造りが違うようだが、それを言っても始まらないし、やはり近隣対策は重要なので今後は考えてやろうと思う。今後はオフ会でもあまりガンガンは鳴らせなくなるが、それも良かろう。

 音量は麻薬みたいなもので、きりがない。それなりの音量でちゃんと全てが見えて聞こえてくるような音が出せればいいのだ。

 それにしても昨日から今日にかけての実験モードで、一挙にCD=PCオーディオの音はまとまった。いやあ、ぎりぎりのタイミングで間に合ったらしい。詳しくは明日。


('08.2.29)StellavoxのDACの解像力は、なかなか凄いことが分かってきた。ジャック・ディジョネットのシンバルワークの空気感など素晴らしく、空間情報はかなりあるようだ。ただやはり固かったり、音量によって広がり方やフォーカスが違って音量設定がシビアだったり、まだまだこなれてないところはあるが、見所はあると思う。ゴールドムンド的な硬さをどこまでほぐせるかが勝負だ。
 ネジを非磁性体に換えて、あと基板を浮かせられる事も確認したので、ゲルシートが届いたら底板との間に差し込めば鉄ケースの影響も軽減できるだろう。あとはヒューズ待ちかな。(全て元に戻せます。)

 夜、愛知の友人が遊びに来るので、それまでヤマモッさんとスカイプしたり、電源関係のアダプタ造りにいそしむ。出川式整流アダプタが出来ればMacBook Proのスイッチング・アダプタの前段に整流用として使うつもりだ。果たして音がどれだけ改善されるか、バッテリーなしに移行できるか。


('08.2.28)予定より早く新しいDAC「Stellavox ST2 96/24」が昨日届いたので、通電して今日聞き始めた。あ、一応業務用(Professional Use)のコンバーターです。在米の友人は「通好み」と表現してくれましたが、実に地味なちっこいDACでヤフオクでも僕以外入札者がいなかったくらいです。

 何故これを選んだかを再度触れておくと、サンプリング周波数を変更せず、入力されたS/PDIFまたはAES/EBUからクロックを抽出し、それによってDA変換するという方式で、高精度水晶をそのまま活かす事が出来るからだ。当初設計は50KHzまでだったが、これは96KHzまでのサンプリング周波数と24ビットまでの信号を受け入れることができる96/24バージョン。だからDVD映像系の48KHz系列も自動的に判別してロックする。またそのロックの早いこと早いこと。

 左のアナログ出力のジャックが少し緩んでいたので、これ幸いと中を開ける。ま、どっちにしても脱がすというか中を見るんですけど。(笑)やはりゴールドムンドはスッキリというか役者が少ない。主要なDA部分は「Goldmund Digital Module:G-DA96」と言う文字通り金色のケースに収められていて詳細は分からない。電源は2200mFのコンデンサが2本(±)ある他はほとんど無きに等しい。

 はじめは良い感じだが線が少し細くて、ちょっとトゲトゲしたところがあった。そこでFireface400からのデジタルケーブルをアナログ出力から少し遠い#2に差し替えてみると、柔らかい感じに変わった。やっぱり。
 実はアナログ出力は緩~いスカスカの撚りのツイストペアで、そのすぐ横にはAC入力のインレット、反対側にはすぐデジタル入力、という構成で、こりゃノイズが飛びつくだろうし、おまけにケースは頑丈だがノイズ的には問題だらけの鉄製と来ている。で、まずアナログ出力のケーブルとACインレットを電磁波吸収テープで対策し、基板上のICなどの上にゲルシートを載せた。これでかなり良くなったが、まだうるさいところがある。そこで最後の1枚のゲルシートを天板に貼った。ああ、高速電脳が倒産したので別のところに注文しなけりゃいけん。(念のため、全部元に戻せます。)


 これで落ち着いて聞ける状態になり、いろいろ聞いていくとP-3A(改)よりは緻密でやや硬質の彫りの深いところがあり、少し奥に引いて音場を構成し、響きは渋めでさすがにヨーロッパという感じがする。ヴォーカルは良いのだが、音量を上げたときの決まり方が少し固い方に行って弱い感じもする。正直に言うとP-3A(改)の方がよりオープンで安心して浸れるところがあり好きだが、それは言っても始まらない。
 P-3A(改)でうまく対応できなかったDVD映像系の48KHz系列もビシバシこなす。これはとても良い。夜が更けるにつれ音はどんどん良くなっていき、これでいこう!という判断をした。

 ヒューズは付属のガラス管で、電源はFireface400やSACDプレーヤーと同じアイソレーション・トランスからとっていて、まだまだ改善の余地がある。ヒューズをHiFi Tuningにすればもっと厚みや色彩感が出て音数も増えて良くなるだろう、ということで明日終了のカナダpcxのセールに駆け込みで注文する。電源関係も一二アイデアがある。いろいろ追い込んでいけば、44・48ともに何とか使いこなせるだろう。

 当分これでいくさー。


('08.2.27)若きオーディオファイル達へ(4)

 オーディオの世界では分かっていないこと、知らないこと、それがたくさんあるのだと言う「恐れ」をちゃんと持つこと、自分はその一つの切り口をやっているわけで、他にも多様な切り口があることを認識しそれを認めること、そこから謙虚な気持ちでの交流が実りをもたらし、自分の幅が広がって行くのだと僕は思う。


 自分が気に入っている物だから、他人も気に入るに違いない。自分が気に入っている友人だから、他人も気に入るに違いない。
 こう思いこみがちなのは誰しもあることで、ましてや「よかれ」と願う善意であれば尚更のことだ。もちろん、皆、その善意はちゃんと分かっているし、お気持ちは多としているのだけれど、人間関係は難しいし、往々にしてかみ合わない事も多い。人によって人生経験も考え方も違うのだから、じっくりと踏むべきところを踏んで進んでいった方が良いと思う。急いではいけないと思う。急ぐと何かを損なうし、それは絶対に元に戻らない。

 オーディオの世界には結構変わった人が多い。何故かという理由の一つは、自分なりの仮想的現実を構築できるからだと僕は思っている。「これがオーディオの、音の、音楽のあるべき姿だ!」と思えば、そこでは唯我独尊出来るわけだ。
 しかしオーディオではどこをどうさわっても音が変わる、ということは既に殆ど確認済みだと思う。まあ、僕の友人で結構大きなAVラボの偉いさんがいるのだが、彼は「電源ケーブルで音が変わるなんてわしゃ信じられへん!」とよく言っていたものだ。プロというのはそれで生計を立てているのであって、我々道楽でやっている者とは立場と住む世界が違うと僕は思っているので、表だって反論したことは無い。プロというのは一定のコスト・時間のなかでクライアントが満足すべき成果を着実に上げなければならないので、間違いのないこと・安定性を最重視するのは当然だし、ある意味で保守的になり、現状を変えたくないと思うのも無理はないと思う。
 でも電源ケーブルで音が変わることはもう殆ど常識だと思っているのだけれどねえ.....。一方でアマはクロックのことなど知らないに等しいのでこれも教えてほしいし.....。

 勿論、切り口は無数にあって、「理屈」も無数に立てられるから、全部試すわけにはいかないし、プロの人達は「理論・知識」で「んなことあるわけねーだろー。」と「整理」するわけで、その辺は我々道楽でやっている者も同じ事をしているわけだ。だから論争だって起きかねない。
 だけど残念ながら、回路やロジックについていろいろ理論はあるのだけれど、音質という人間の「官能」と結びついた形では、オーディオの世界は殆ど整理も確立もされていないのだ。一見、技術的な衣をまといながら実際は主観的な主張をしている、などというのは日常茶飯事だ。
勿論、理屈を整理していく努力は絶対に必要だ。思考停止は僕のもっとも厭うところだ。

 そこで考えていただきたいのが、人はそれぞれの経歴で人生を積み上げてきているように、オーディオだってその人の「切り口」や「理屈」を一杯もってこれまでやってきているわけだ。まずその点をちゃんと受け止めて、多様な価値観や「好み」・「理屈」があることを前提とした上で、交流していかなければ結局は実りがない、と言う事だ。
 まずはオーナーの音楽観やオーディオ観を全体像として受け止める努力をして、そこに共通認識を培いながら「言葉」についてお互いの辞書を作り上げていく。この人は「解像度」と言うときには主に高域をイメージされているんだ、この人はヴォーカル帯域を一番大事にされているんだ、この人は音場を.......、という具合に。
 そしてCDやSACDなどソフトを持って行くのは大事な情報交換でもあるから、大いに良い事だと思うけれども、事前の相談もなく機器を持って行ってこれをつなげろ・鳴らせ、などというのは少なくとも僕は願い下げだ。「それよりも前に俺がやっていることを聞いて見て、音を音楽をちゃんと受け止めてくれよ、俺も一生懸命準備してやってるンだからさ。」と言いたくもなるってもんだ。分かるだろ?

 オーディオの世界では分かっていないこと、知らないこと、それがたくさんあるのだと言う「恐れ」をちゃんと持つこと、自分はその一つの切り口をやっているわけで、他にも多様な切り口があることを認識しそれを認めること、そこから謙虚な気持ちでの交流が実りをもたらし、自分の幅が広がって行くのだと僕は思う。

 経験豊かな人は「補助線」の弾き方が上手だ。それは切り口を意識的にシフトさせる作業になれているからだ。多様な価値観やあり方を認め、尊重しながら交流して、だんだんと皆がそうなっていって、上手くいってくれると良いと願う。


('08.2.26)1月22日付けのこの日記の記事(一部訂正補記しました。)の関係で、たもそさんとの交流がささやかに始まった。先達の同志を得たようでとてもありがたく、嬉しい。御指摘感謝。
 それにしても沢山の人が読んでくださっているものだ。悪いことは出来ないねえ。(笑)


('08.2.25)昨日の午後から夜に掛けてはFireface400でずっとCDを聞いた。マリア・ヒタの1枚目、チェリビダッケのブルックナー#5東京ライブ、オケゲムのレクイエム(アンサンブル・オルガヌム)、日野皓正/タローズ・ムード(ミュンヘン・ライブ)など。
 どちらかと言えばPC用のインターフェースとしての認識が強かったのだが、改めてFF400のオーディオ用DACとしての能力に舌を巻いた。たとえて言えば、高級ホテルでぱりっと糊の効いたアイリッシュ・リネンのシーツやナプキンのように、ぴしっとしながら肌理の細かい、ちゃんとした陰影がある。
 勿論、求めればきりがない世界だけれど、普通に聞く場合まず単体でどこに出しても恥ずかしくない機器だと思う。

 そこを求めてしまうのが、まあ悪い癖というかビョーキなんですが。(笑)

 今日はRCA-BNC変換アダプタが来たので、AETのSINケーブルをクロックケーブルに使ってFireface400で鳴らしてみた。もちろん良くなるのだが、それにしても贅沢なクロックケーブルだこと。


 で、じたばたしていると思わぬ所から道が開けるもので、昨夜「新しいDAC」を入手することになった。まあ、音がマッチしないと右から左になると思うので、結果が良ければ週末くらいには報告できるかと。

 今日からオカンがお泊まりなので、ちょっと間聞くのはお休みで、電源関係など悪巧みは水面下でこそっとやっときます、はい。


('08.2.24)【DAC世迷い言

 PCオーディオではCDからPCへという前の方の段階が議論の中心だが、実はある時期からもっとも重要なのはDACではないのか?という気がし始めていた
 クロックについても、伝送経路が確かならDA変換時のそれが一番重要なのははっきりしているからだ。とは言え、DACにクロックを注入して、それを前段におくって同期させる、などというのは僕の手には余る。

 例えばFireface400の場合、その中でDA変換するかS/PDIFで送り出される段階までは、静的なコンピュータデータであり、FF400に注入された高精度クロックで内部でDA変換するのは、ある意味ではもっともシンプルかつ最短の信号経路で好ましいとは思う。
 ただ、DA変換部、特にアナログ部には物量の投入が必要な気がする。その点、FF400はチップコンデンサが大部分だし、いろんな意味でコンパクト過ぎる気がして仕方がない。手を加えようにもあまりに高密度な造りと配置にはその余地がないだろうし、中途半端にしても意味がない。
 内部にスイッチング電源を持っているので、外部電源強化の効果にも限界があるかも知れない。しかし、今のLM338電源を強化するのは可能性があるので、これはやってみようと思う。
 そして、クロックケーブル周りなどにも工夫を凝らしてみようと思う。言ってみれば「瞬発力に優れたアスリート」のイメージだ。


 そしてもう一つの方向が、非ASRCのDAC、つまりクロックは前段からスレーブで受け、それを用いてDA変換するDACだ。とはいえノンオーバーサンプリングという訳にもいかないので、オーバーサンプリングのみのDACという事になる。ここで物量投入すれば音質の充実も可能だと思う。

 実はかなり前からWadiaのDACに興味を持っている。デコーディング・コンピュータと呼ぶだけあって、あの颯爽とした登場の仕方は今でも記憶に新しい。その後、当初の数学者勢も去って、アルゴリズムについてはあまり深まりを見ていないようだが、やはり独自の世界のようだ。とはいえあのドバッとしたフルスロットル的な音が自分に合うかどうかには自信がない。しかし、何もしないのもあまりに芸がないし、時間が勿体ないので、いろいろと工夫してみたい。


 ということで、FF400周りの強化と、新しいDAC探し、この両方を継続してやっていくことにしようと思う。DACについて何か情報がありましたら、是非教えてください。よろしくお願いいたします。


('08.2.23)PCオーディオの機器・ソフトウエア構成の仕方については、考え方とニーズとスタイルによっていろいろとあると思うし、そういう多様化自体がPCの汎用性を反映していると思う。

 サウンドカードについては、僕の場合デスクトップは使う気がなく、そうなるとRMEということになり、Fireface400がコアになっている。
 そして高精度水晶の導入に伴って今回DACの使用を止めたということは、次の可能性を示唆するのではなかろうか。

 現在市販されているDACはサンプリング周波数の多様化に伴ってASRC(非同期サンプルレート変換)、つまり「アップサンプリング」などと言われるプロセスを行うものが殆どで、DAC自体のクロック精度がDA変換の精度を決定していく事になる。(ちなみにFF400ではサンプルレートはCDなら44.1KHzのままで24ビットでDA変換する。シンタックスは回答してくれなかったが、当然オーバーサンプリングしていると思われる。)
 メモリーDAIの場合も、DACのクロックが前段の高精度クロックに取って代わる、という点では同じ事だと思う。
 中には単なるオーバーサンプリングだけで、トラポあるいはFF400などからのS/PDIFの場合、すんなりスレーブでクロックを受け取ってくれる物もあるだろうが、機種は少なく選択の範囲は限られてくる。


 よって、CDトラポを使わずに、
1.もしあなたが将来高精度クロックの導入を予定しているなら、
2.現有しているDACが自動的にASRC(非同期サンプルレート変換)、つまり「アップサンプリング」する機種、あるいはメモリー DAI搭載の機種なら、
3.FF400のようなクロック注入可能なサウンドカード(当然DAC付き)などを使用する予定なら、
現有のASRC/メモリーDAIのDACは高精度クロックの導入段階で不要になる可能性が高い、と言う事だ。高精度クロックの導入までの期間の長短と考え方次第だが、さっさとDACを処分してFF400の導入を急ぐ、というのも有力な方法の一つだと思う。

 勿論、方法の一つであって.......、以下同文。


('08.2.22)早晩来るだろうと思っていたが、今日になった。つまりは長年使ったPerpetual P-3A(改)をラックからはずした

 SC10は2*10のマイナス10~12乗ほどの精度を持つので、それを注入したFireface400からS/PDIFで接続しているとは言え、P-3A(改)では追加した1ppmのD-Clockをもとに96KHzにサンプリングレートを変換しているので、ここで精度の逆転が起きてしまう。
 回転速度に制限があって倍速・先読みができないCDではそれなりにまとまるし、むしろ精細で上が伸びた感じがとても好きだが、48KHz/16bitで録画したDVD-Rなどを再生すると結構もたついた感じなどが出てきたりする。で、Fireface400の1本立ちと相成ったわけであります。

 もう2年ほど前にFireface400を買ったときには、もちろん巡回試聴などあるはずもない。音は聞かずに買ったわけで、その分、業界筋の人から情報を集めたり、各メーカーの機器の比較を事前に細かくやった。そして目星を付けたFF400については端子やスイッチ、表示の全部について機能を調べて、自分に関係あるかどうかも判断した。
 FF400のDACは悪くない、というか良い。ただ、もの凄く良いか最高かと言うと、これには多少首をひねっていた。もっと美しい音や彫りの深い音はあるだろう。しかし
高精度水晶が注入されている今は状況が全然違う。ここがいちばん空気が綺麗な場所なのだ。

 今日1本立ちさせてから最初はちょっと頼りなかったが、SC10の電源をOCXと同じアイソレーション・トランスからとってやると、途端に引き締まって彫りが深くなってきたので、これは見込みありと判断した。バス帯域はAnalogオンリー、プリセットは#2。
 電源も強化すればさらに良くなるだろう。

 p.s.Fireface400のドライバが更新されてるだよ、皆の衆。


('08.2.21)ゆるゆるとまどろみながらジョアンを聞く。鋭いギターでふっと目を覚ます。

 音量というのは面白く、難しい。どれくらいで音が立って、どれくらいで空間が息づき出すか、確かにボリュームひとつで何とでもなるようだが、実際にはそうは行かない。近似解は近似解としても、どうやって音楽の相似形をより近いところで実現していくか。「好み」だけではないセンスと経験が要求される。

 僕は爆音は嫌いだが、不明瞭な小音量ももどかしくて好きではない。明瞭な小音量には引き算の美学が必要だと思う。アイソレーション・トランスもそうだが、クロックだってかなりそうだと思う。ノイズフロアーを下げ、音場感情報を浮き立たせて、ニュアンスを呼び戻す。

 沈黙より良い物と言えばジョアンしかない。


('08.2.20)今、音と戯れる会は先日の例会で盛り上がっているが、聞かないと分からない性質の事柄だ。言葉は言葉に過ぎないので、言葉で介入しても文脈をややこしくして先入観をこしらえるだけで何の役にも立たない。
 土台、コンセプトが頭の中に入っていなければ、整理も出来ない種類の事でもある。 

 あ、それと無闇にスペシャルな物をほしがらないこと。自分で音の道筋を確かめるための試作品はワン&オンリーのものだ。物欲系の人には振り回されてしまうので、基本的に僕は苦手だ。できれば嫌いにさせないで欲しいといつも思っている。


('08.2.19)SC10電源のパワースイッチを外し、同時にあちこち強化をする。面倒なので細かいことは省略。安定して稼働しているし、音質面ではCPMもコンデンサアレイも電波吸収テープもかなり効果ありだと思うが、本領発揮には通電が必要なので確認できるのは早くて木曜の午後あたりか。


('08.2.18)さて、今度は全体的に眺めてみよう。

 道標、みちしるべというのは進む先の表示であり、ロードマップというのは全体的なプラン・スケジュール、というのが僕の理解だ。

 オーディオの世界ではアナログが一つの道しるべの役割を果たしていると思う。もちろん固有の問題もあるし、ざくっと言えばフェイクでもあるけれど、あの実在感は素晴らしい。

 とすれば、デジタルオーディオにおいては高精度クロックは基本的なプラットフォーム、あるいはインフラとして威力を発揮しうる物だろうし、そうでなければ勿体ない。またそれをロードマップに組み込むべきだろう。
 DVDプレーヤーにワードシンク同期出来たら、音声はもちろんだが映像だって素晴らしくなるだろう。
 単にワードクロック端子があるだけでは実はSACDとは通常は何の関係もないのだけれど、SACD再生とワードシンク同期が出来たらSACDの音も当然良くなるだろう。

 聞き専的な世界では、機器の同期は殆ど必要ないので、必要な機器に必要なクロックを供給できれば良いだけだ。つまり44.1系と48系の使い分けさえ出来ればいい。
 せっかく高精度クロックを通電しているんだから、DVDレコーダーにワードシンクさせて、高画質・高音質な録画が出来れば素晴らしいではないか、まあ無理だろうけど。

 で、今はSACDについてこれを実現する方策を考えている。まあ、使える機器は限られているのだが、一度ちゃんと鳴らしてみたいと思っている。それならマルチでなくても十分な存在意義を持ってくれるのではないかと期待しているところです。


('08.2.17)高精度水晶の場合、クロックケーブルでも音は変わるが、通電時間による音質差が非常に大きい。OCXにしても3日以上過ぎた段階ではかなり音の品格が上がる。
 だから電源を落とさなければならないとすれば、タイミングをよく考えた方が良いと言うことになる。

 ちなみにSC10の出力端子はSMA端子だが、これは高周波用でストレートプラグを接続したら18GHz(直角に曲がったプラグでは12.6GHz)まで伝送できる。ちなみにBNCプラグは3~4GHzどまりなので相当な差がある。正弦波出力なので矩形波の場合ほど帯域幅を要求されるわけではないが、それにしても減衰量は少ない方が良いので、OCXに接続する段階でアダプタを噛ませてBNCに変換した方が良い。
 まあ、高周波ケーブルは山と種類があるので、そういう限定を付けておいた方が選びやすい。


('08.2.16)なかなかCDやSACDの購買意欲が盛り上がらない。兆しはあるのだが、少し方向性も考えておかなくてはならない。LPは大体手元にあるので、欲しい物はあまり無い。
 まずはマスト的に必要な物から当たろう。

 皆のんびり構えているがレーベルを家電に返すためPhlipsが無くなってしまうことの影響は大きいだろう。もう録音技術者達はとっくにリストラされて各地に散っている。「選択と集中」でディスク造りはデッカやグラモフォンと同じラインになっていくだろう。さてそこで音はどうなっていくか。
 もしラウドネスウオー的なものばかりになったら目も当てられない。グローバル化はこの場合、選択の機会の縮小を意味する。
 それと廃盤も進行していくだろう。

 だいたいがレコード会社から献呈される盤で評価する評論家の雑誌ディスク評は、同じディスクがあちこち並んでいるだけで全然面白くないし、さらにひどくなるだろう。やはりてめえの金で買わないと、いけんのだよ。

 マイナーレーベルも含め、いいアーティストがあちこちにいるのだから。こういうときこそ「鼻をくんくん、耳をひくひく」して情報交換に努めるしかない。

 さて今日はお茶の水では「音と戯れる会」の例会。皆、あの音を聞いてどう感じるだろう。感想が楽しみだねえ

 とはいえ気になるのがSACD。東京に友人に言われたように、正直言うと高精度水晶付きCDの音に負けている。しゃーないかー、と思っていたがひょんな事からとんでもないことを思いついた。
 これならEMMに勝てるとは言わないまでも、肉薄できるかも知れない。これでマルチをやったら凄い事になるだろう。いやあ、遊びのネタは尽きないもんだ。面白くなってきた。


('08.2.14)迷走していたクロックケーブル選びが一段落しそうだ。特性だけで音は決まらないと思うが、二重シールドといい減衰量の少なさといい、前から期待していたRG142B/Uの50cmを昨日から接続しており、どの帯域がということをとりあえず考えなくても済む「大人の風格」ある音で、当分はこれで行こうと思う。
 実はあと1種類来るのだが、もう疲れたのでそれは迷った時のネタにとっておこう。

 価格的にはRG142B/Uが一番高かったのだが、それでも送料込みで3,000円台なので気は楽だ。ケーブルについては気が向けばそのうちに整理します。

 あとはSC10の電源をDVDレコーダーと同じアイソレーション・トランスからとっているせいか、ノイズが入ったりややこしいので、他のデジタル機器と同じ所から専用にとってやりたいと思っている。それとこの間の宿題もかねてPlitronにまた2個注文してしまった。やれやれ。


('08.2.12)クロックの常時通電については、実は以前から考えていた。と言うのも、クリスタルクロックは結晶体である水晶を斜めにカットして、その歪みにたいする応力で常に発振している物だからだ。だから、電圧を加えるのはそれを電気信号として取り出すためで、電源を入れようが入れまいが水晶自身の発振とエージングは進んでいくわけだ。
 常時通電がむしろ水晶の素子自身の安全にプラスになるならば、「劣化しにくい電源」さえ用意すればいいわけだ。

 ということで事は個別にちゃんと判断していきましょう。


【種明かし・その4】電源トランスと24V出力部分

 トランスは50VAで、実際に使用される電流は125mA(25℃動作時)~333mA(ウオーミングアップ時)、実測でmax.370mAなので、定格電流の11%(max33%)が平常時の電流になる。ほんの一部しか使わないので振動的にも熱的にも問題ないと思う。
 (p.s.電流値を一桁低く間違えていました。謹んで訂正します。)

 そして右側の安定化電源からの24V出力は、210mFのポリプロピレン・フィルムコンデンサから出力される。高域のインピーダンスも低く、充放電特性も良いからだ。
 左側の黒い筒2本がそれぞれ250V100mF。右上のシールド板はACインレットをカバーしているが、この左ぐらいに高域特性の良い各種コンデンサを並べたコンデンサアレイを設けようかと思っている。

 そしてこれからDC出力ケーブルに電磁波吸収テープを巻くなり、対策を講じようと思う。


('08.2.11)クロックケーブルの比較試聴はいちいち天板を外さなければならないので手間がかかる。それに水晶の方は電源オンのまま何とか作業できるが、OCXは電源コンセント配線の長さ上、一度電源を切らなければならないので、そのリカバリの時間も見てやらなければならない。

 とりあえず一番ハイファイ感があり、分かりやすくまとまっている1.5D-QEVでこの間鳴らしてきたが、昨日はRG-174(SMA-BNCの50cm)でやってみた。切れ込み感はあまり無いが、中域から低域に掛けての広がりと溶け合いがとてもよろしい。ただもうちょっと切れ込んでくれないとやはり寂しい。
 そこで2D-LFB-Sの再登場。一晩暖めて今朝聞いてみると、もう気持ち切れ込み感が欲しい気がするが、広がり感や低域の伸びは申し分ない。オルガンなど凄いの一言。やはりこの間、随分とあちこち変わってきているのだろう、トータルとして今日段階ではこれに決まりだ。BNC-BNCの1mだが、途中で切ってSMA-BNCの50cmにしたらもっと良くなるのだろうか?う~む。

 12日にRG142(SMA-SMAの50cm)がショップに入荷するそうなので、この週末には聞けるだろう。その上で、判断しようか。
 ま、今日は昼からオカンを迎えに行く。


('08.2.10)【種明かし・その3】整流回路と安定化電源

 さっさと片付けてしまいましょう。SC10高精度水晶の安定化電源。
 右下の2200とか見えるのが整流部分。出川式第2世代でメインが2000mF、サブが2*2200mF。ケミコンを使っているのはこの3本だけで、これは右側のパネルをはずすと簡単にメンテできます。
 その左側のボリューム端子が見える部分が音質比較用に設けた三端子レギュレーターLM338を使った安定化電源で、音質勝負で負けたらビス7本でさっさと取り外して再利用できるようになっとります。

 そして上半分がLM723レギュレータICとリアパネルで見えませんが制御トランジスタ2N3055を使ったディスクリート電源。秋月のキットは基板もなかったので、銀線にテフロンチューブをかぶせてワイヤリングしましたが、裏面では2カ所ほどオーバーパスしておりやす。
 まー、こんなクラシックな回路ですが、パーツは贅沢したので音の方はなんとかなってくれているのでは、というただそれだけであります。
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('08.2.8)ドイツから荷物が届いた。保険付きでゴテゴテとあちこちに書類がびっしりと貼り付けられている。大層この上ない。
 本体樹脂は白色で内部コンタクトも広めに大きく取ってあるので、製品の質としてはまあ重畳。やれやれ。


('08.2.7)オカンが帰ったので、休憩後、本格的にオーディオ三昧。

 今日の主役はクロックよりも、SACDマルチ。ノイさんからノイボックスの基板をいただいたのだが、いろいろ考えてこれは次の半導体ラインアンプの製作時に使わせてもらう事にして、現行のダウンミックスアンプのバージョンアップを昨日行った。

 抵抗ミックスと言ってもほとんどミキサーの回路例が手に入らない中、真空管は正相での処理しかできないので、結局昔のプリに良く付いていたモード回路のMonoあるいはL+Rポジションの回路を参考にこのアンプを作った。そのためミックスレベルが-6dBであったり、入力の状況によってダイナミックに負荷抵抗が変わる可能性があったりするが、前者についてはノイボックスで-3dBと-6dBを切り替えてもそんなに音楽的な差異が感じられず、また後者については僕の聞くソースのセンター、サブウーファーだけの音を過去聞きまくった経験からも実質的に問題は少ないと判断した。ノイズレベルは追い込んであるので問題ないと思う。

 ただやはりセンター、サブウーファーの音をより聴こえるようにしたいので、この部分のミックス用の真空管をより高解像度の球に変更し、さらに電源回路(出川式)とヒューズをグレードアップした。結果は上々で、以前より、ずっと細かい部分が聞こえて、透明度と柔らかさが両立した所にクリアネスが加わったという感じだ。これならソフト集めに邁進できる。

 勿論高精度水晶を使ってCDも聞いた。今、手元に4種類のケーブルがあるが、聞き比べた結果は外径も細く損失も大きい1.5D-QEVがバランス的に一番良かったのには驚いた。中高域の見通しとか情報量は2D-LFB-Sが優れているが、いかんせん微妙に軽い感じで充実感がいまいちだ。
 もうすぐ本命視しているRG-142が届くので、それと比べてどうなるか。


 それにしても音楽に没頭できるのは嬉しい。これからの主力はソース集めだ。

p.s.CubaseST 4.1.2がリリースされた。Macは OS X 10.5 Leopard 対応バージョンだ。


('08.2.6)【種明かし・その2】高精度水晶ユニットの取り付け

 熱源、ノイズ源である整流・安定化回路から距離をとるためそれぞれ両端に位置したが、一方でルビジウムは電磁誘導に弱く、水晶は振動に弱いと言われている。そこで、

(1)底板を8mmm厚アルミ板にする。
(2)アングルで取り付けるときにユニット下部にfo-Qを挟んで制震。
(3)ユニットの上からアルミ板で軽く締め付ける。もちろんアルミ板下部にfo-Qを挟んでいる。


 これで底板を叩いても殆どユニットに振動は感じられなくなったが、さてどうなりますやら。

 左側の出力は高周波用SMA端子なので、SMA-BNCアダプタを取り付けてBNCケーブルを使えるようにしたが、問題は抜くときにアダプタのSMAのネジも緩んでしまう事だ。だからケーブルの比較試聴をするときにはいちいち天板をはずして締め直さなければならない。やれやれ。
 やはりSMAプラグのケーブルの方が面倒が無くて良さそうだが、まずは落ち着いて音を聞いてから。


('08.2.5)今回は、高精度水晶についてはあまり例がなく、今後のご参考にとりあえずまとめてみたので、ご意見あればよろしく、というようなスタンスでその内容をアップしたわけです。

 早速こちらのサイトで関連記事があり、それをもとに高精度水晶については常時通電する事にしました。回路などについてもお薦めがあればお願いします。今日はラックを調整してOCXの下に高精度水晶を納め、電源ケーブルにはAET SCR AC を、ヒューズにはHiFi-Tuningをそれぞれインストールした。

 OCXについてもプロメディア・オーディオでは常時通電を進めており、確認のためボンネットを開けて見た。「Where's the Bief?」と聞く人もいると思うくらいシンプルな1枚基板。スイッチング電源で、そこに使われているケミコンは想定される使用電圧に比べて異例な余裕を持った高耐圧品であった。これなら長期常時通電にも耐えられるだろうし、かりに交換するとしてもケミコンの数自体が少ないので、何とかなるだろう。ということでこれもセットで通電することにした。

 実は過去7~8年常時通電していたユニットがある。それはアナログ・プレーヤーSOTAのモーター電源部だ。デフォルトの物にはスイッチがあったが、ケミコンなど消耗する物は一切含めてないで製作したのでそのまま通電していた。昨年末それを何年ぶりかで開けてみた。特にトラぶっているカ所はなかったが、全体にやっぱりくたびれているというか、よれている感じは否めず、今後のことを考えて何カ所か手直しして、電源スイッチを取り付けた。

 結局は仕様と安定稼働とリスク・寿命とをちゃんと比較考量することなのだと思う。


('08.2.4)【種明かし・その1】SRS SC10 10MHz高精度水晶発振機の全体写真です。全体を三分割して、左がクロックユニット真中がトランス右側が整流回路+安定化回路、という構成です。



 基本コンセプトとしては

1.振動対策  振動に弱いクロックユニットへの対策を講じる。

2.安定化電源 秋月電子の定評ある(?)いまやクラシックな実験室用精密級電源回路を採用。最大5A出力で必要電流の約4~10倍の電流供給が可能。

3.高周波対応 10MHzの高周波を出力する回路なので、通常のオーディオアンプ用とは違い良好な高周波特性が必要。安定化回路はどの程度まで対応できているかよく分からないのだが、こちらで努力できる部分としては出力コンデンサに高周波・充放電特性に優れ、音質も良いポリプロピレン・フィルムコンデンサを採用。
 今後各種コンデンサを組み合わせた「コンデンサアレイ」を付加してさらに改善を図る予定。

4.ウオームアップ対策
 僕は機器の寿命と安定稼働を重視して常時通電はせず、全ての機器をコールドスタートする。とはいえ、機器の特性を良く理解した上での話で、クロックは十分にウオーミングアップ(3時間~12時間程度)した方が音質的にも良いので、通常より通電時間は長くなる傾向がある。よって、
(1)整流回路以外はケミコンを使用せず、またこのケミコンも劣化した場合にすぐに交換できるようメンテナンスしやすい配置にした。
(2)安定化回路の全てのコンデンサは初期特性を保て殆ど劣化がないポリプロピレン・フィルムコンデンサを使用した。
(3)一定温度に達するまで化学作用による動作が安定しないケミコンに比べて、フィルム系は早く安定するのでウオーミングアップ面でも優れていて効果的である。

p.s.と、こう書いたもののこちらを拝見すると、「クロックユニットの通電ですが,緊急時以外は常時通電がよいそうです。特に原子発振の場合は,保証性能に達しないどころかRbユニットの寿命を極端に縮めるそうですので(水晶の場合も素子を痛める危険性が増すようです),外部クロックジェネレーターをお使いの方はご注意を。」とあったので、ここは素直に高精度水晶発振機については常時通電することにしました。いやあ、フィルム中心の構成にしておいて良かった。
 OCXについても同様に対応することで検討します。こりゃ専用アイソレーション・トランスが必要だなー。

5.音質比較・バックアップ用安定化回路  上記2の安定化回路の他に、三端子レギュレーターLM338による回路も搭載。

 詳しくは追って説明します。


('08.2.3)SC10高精度水晶のセットアップの仕上げをする。水晶の変わりにダミー抵抗を負荷にして、ベックマンの10回転ポテンショメーターで24Vにセットする。バックラッシュの大きい半固定抵抗に比べてピタッと決まるので気持ちがよい。この段階は良いが、水晶を接続するときにはいささか緊張する。水晶を接続しても全く電圧は変わらずジャスト24Vのままだ。

 よし、何はともあれOCXに接続して確認しよう。で、右の写真。OCXで右側の原子クロックのLEDが点灯しているのがお分かりいただけると思う。SC10の電源LEDもOCXに合わせてブルーにしたのは、まあ遊び心ってやつです。

 底板を8mmと分厚くしたので、ラックの中には入らない。まあ、この辺はあの手この手で調整しよう。電源ケーブルだって何かの製品におまけケーブルなので、ちゃんとした物にしたい。多分0.5A/Slo-Bloでいけると思うので、ヒューズもHiFi-Tuningに交換したい。
 詳細は追ってまた後報します。

 夜も遅かったのでヘッドフォン試聴にしたが、ティアニー・サットンの声の持続力がよく分かる。そう、クロックを良くすると音楽の持続感がぐんとアップするのだ。

 3週間ほどだが、結構長かった。丁寧にやったので、まあまあの出来かと思っている。土曜日には東京から友人が来るので、何とか間に合った。


 ようやくクリスタルな日々が戻ってくる。嬉しい。明日はオカンを迎えに行くまでに時間があればカタツムリ達で聞いてみよう。


('08.2.2)ずっと喉がおかしくて不安定な状態だったので、あまり外出もできず、一方でややこしいチャート造りなど急ぐものもあるので、クロック製作を続けながら、並行して作業した。手を動かしていると無心になってきて、頭の中を整理できるし、そういうときに良いアイデアを思いつくので結果として効率的なのだ。まあ、どちらも明日には上がるだろう。

 それにしても、工具やパーツやらで満艦飾のこの作業用デスクの上。作業している内にあっという間にこうなってしまう。いやはや実際の工程は結構大変なのだ。

 アサヒステレオの梅川専務の話では「クロックを聞いてもらうと、お客さんの機器・環境やいろいろ聞いて耳が訓練されているかどうかで、こんなに変わるのか~!と言う人と、あまりよく分からない人と、反応が大きく2つに別れる。」のだそうだ。

 ノイズや付帯音が多く、また振動による共振も含めて聞いている場合には、クロックの導入によって音が整理されてきても、「音が薄くなる。迫力が無くなる。」とか、「自分の好みではない。」などという反応がどうも一般的なようだ。
 ルビなどの影響もあって、クロックを入れたら音がクールになり、高精度なほど冷たく厳しくなる、というようなイメージもあるようだが、これも単に変化した部分だけを捉えて言っている場合が多いと思う。切り分けの問題だと思う。

 こういう場合には、凄く良いクロックの音をぶつけなければ分かってもらえない。


('08.1.28)音と戯れる会でPlitronアイソレーション・トランスの巡回試聴を募ったところ、凄い反響で瞬く間に2桁を越えた。

 IT化の進行で各種ノイズは飛躍的に増えているのに、一方で対策機器を導入されている方も多いけれども、広告や雑誌などの断片的SCな紹介程度しかオーディオ側の情報はなく、オーディオマニアのこの方面の全般的知識は15年前と大して変わっていない。ステレオサウンドの試聴室が東京タワー直下ということもあり、最近の製品は電源側にノイズ対策を噛ましており、それもあって何とかなってはいるが、全体としての対策は決して十分ではないと思う。

 
特にもともとノイズの多い古い製品は、実際には影響をさらに受けやすいにもかかわらず、ちょっと聞きにはわかりにくいため何もしていない人が多い。だから雑味てんこ盛りのざわざわした音になる。それがさらにアナログ&デジタルノイズに対する無感覚を放置する。まー、それがなきゃ感じないという体質の人もいるからご勝手にだが。

 そこでお役立ち知識。TDKの「なるほどノイズ(EMC)入門1」。2もあるがわかりやすいのですぐに読める。PCオーディオ派にも役立ち必至。

 ただし、オーディオは一般家電と違ってノイズだけを減らせばいいのではなく、音質に寄与するようにうまく減らさなければならないので、実際には少しずれているところがある。記事を鵜呑みにしてTDKなどのノイズフィルターをぽんと挿入しても雑音といっしょにニュアンスも消える傾向があるので、そこはオーディオ用に使えるものが必要だ。
(p.s.ノイズフィルター単体としてはアイソレーション機能はありません。)

 願諸子健闘。


('08.1.27)高精度水晶の電源制御基板のレイアウトと端子の取り付けにはいる。大きな部品などの取り付けは勿論、基板外との接続などには端子をたてて接続する方が安心できる。よって、タカチの両面スルーホール基板に2mmの穴を開け、M2.6のねじ穴をタップで切り、オーディオ専科の銀メッキ端子をねじ込んでさらにナットで止める。うむ、思ったよりもコンパクトにできそうだわい。

 クロック関係についてはお約束ですから、完成したらちゃんと写真を載せます。

 いろいろ感じることはあるが、なんかもうどうでも良くなってきたので、当分は自分のタスクとやるべき事だけに専念しようと思う。というか余人にならって自分勝手で行こう。これでも結構忙しいのだ。
 ってことでこれからはとびとび更新で行きます。ふあ。


('08.1.26)クロックがらみで知って最近良く読ませてもらっているブログ。筆者はばりばりの現役エンジニアであるらしく難しくてよく分からない記事もあるが、とても直裁で僕は好きだ。突き詰めて行って、自分で納得しないと手を出さない探求心旺盛なところには、僕も似たところがあるせいか、とても近しく感じます。元気いっぱい頑張ってください。

 僕もこのHPをやるようになってから、いろいろ思う事がある。カウンターも付けない方針だし特に意識はしていないが、読んでくださっている方は増えたみたいだ。中にはいろいろとご自身のシステムに取り入れてくださる方もいる。
 だから「信じられる事の怖さ」は自覚しているつもりだ。別に学術サイトではないので、厳密な論拠を列挙しなければなんてことはさらさら考えてはいないが、体験したり、根拠について納得できない場合は、書かないか、あるいは注釈付きで書くことにしている。

 一方、これはあまりにノーテンキではないか、注釈不足ではないか、というサイトや記述も結構あって、もちろん人間界の縮図だからどうこう言う話ではない。しかし僕が大切に思っている人達については、クローズドなやりとりができるのであれば、お願いだから思いこみだけで書かないように、と踏み込んだ方が良いと判断する事柄もある。

 お節介というならそれも良し。だが、「学び」は「真似び」から始まるので、単純にリスキーな使いこなしが流布していくのはやはりまずいと思うのだ。妄言多謝。
 


('08.1.25)我が家はビンボーな時期が結構あったので、僕の学生時代には古い真空管式のテレビを長い間使ってきた。ある日、ボン!という音とともにそれが火を噴いた。目の前がコタツ布団だったので、結構やばかった。忘れもしない三菱製だ。
 僕の中にはこれが原体験として抜きがたくある。だから、いつかツケが回ってくる事に眼をつぶる気にはなれぬ。

 何事にもリスクはあるのだ。良い事ばかりではなく、音質と安全性・耐久性は概ねトレードオフの状態にある。分かっていて、ぐっと飲み込むのは良い。確信犯もありだろう。
 つまりはいろいろなリスクの存在を明らかにさせておくのが、まずは必要なことではないのか?ちゃんと考えてもみられよ、いいとこ取りの思考停止は適切なことなのか?


('08.1.24)高精度水晶SC10をケースに納める。ケース底板はアルミ板8ミリ厚に変更済み。まだ保護シートを付けたままのリアパネルから見た図で、右側の穴からSMAプラグまたはBNCプラグのケーブルを差し込んで、Antelope OCX に10MHz正弦波を供給する。

 真ん中のトランスは仮置きで、左側の整流&安定化回路との関係で最終位置を決める。アルミ削り出しで内部を3分割していたクロノスには及びも付かないが、基本コンセプトはできるだけ活かせていきたいと思っている。

 早く音を聞きたいのと、安定化回路の音質チェックをしたいので、最初はLM338レギュレーターを1本で構成して鳴らしてみるつもりだ。その後、ディスクリート電源に変更して音質チェック。

 結果が良ければ、Fireface400電源にもディスクリート電源を採用するつもりだ。


('08.1.23)1394b(Firewire800)の認識問題はあっけなく片が付いた。要するにこれまで使っていた9p-6p変換アダプタが原因だった。予備としていつも2個買うので、2個とも駄目なのは認識の問題と思っていたら、このアダプタでは1発でOK。きっちりはまる感触も良い。以前の真っ黒なアダプタに振り回されたわけで、いやはや馬鹿馬鹿しい。

 これで1394aが使えるようになるので、1394-LANケーブルを製作する。6本目となるともう納まりのイメージができているので、もうさっさとできる。要は慣れだ。

 そしてヘッドフォンだが、この間集めた1394bケーブルも含めて試聴したところ、9p-6p変換アダプタ+1394-LANケーブルが一番結果が良かった。勿論、1394aの伝送用クロックにD-Clockを使って伝送精度を上げたところも効いていると思うが、1394bケーブルがどれも頼りないし、伝送速度が早ければ音も良いとは限らないことが分かったわけだ。

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 合間に高精度水晶の事をいろいろと考える。セキテクノトロンのご担当の話では、実はSRSのSC-10は亡き友人が国内でははじめて購入し、2番目が僕と言うことだったらしい。勿論、国内メーカーもいろいろあるので、あちこちで水晶は聞かれているわけだが、これほど高品位なのは少ないので、ましてオーディオマニアが耳にする機会は当時は少なかったのだろう。

 ルビも含めてトップクラスの高品位原子クロック・ユニットは、どうやらアメリカではSRS(ルビをエソテリックが使用)、ヨーロッパではスイスのTEMEX(ルビをTimeLord クロノスが使用)とOscilloquartz(オシロクオーツ)が主な供給元らしい。そのうちOscilloquartzは日本の代理店が専門業界以外には供給しないらしいし、TEMEXは日本のコンタクト先がHPに載っているけれどこれも敷居が高そうだ。
 一方、SRSはセキテクノトロンが個人のオーディオマニアにも販売してくれている。勿論、
実質本位のパーツだけなのでオーディオ製品としてまとまっているわけではないが、昨日写真を載せたようにセットして、市販のリニア電源をつなぎ、OCXのような原子クロック入力のあるジェネレーターに接続すれば、それだけでOKだ。勉強といささかの努力で高品位原子クロックの世界は僕らにも手が届く様になってきたわけだ。


('08.1.22)SRSの高精度水晶 SC10です。電源電圧24Vで J-J-A-A とあるのは、位相雑音(アラン分散を含む)とエージング(長期変動)は最高のAグレード、そのほか使用温度範囲などは最低のJグレードを選択している事を示します。

 取り付け用のアングルをアルミ板2.0厚で製作した。SC10の底には振動防止・抑制にfo-Qを貼ってある。我が家の場合、アルミのケースに電源部といっしょに収納するのでアルミでアングルを作った。
 
要するに軽いので落としたりしないようにちゃんと固定すればよいわけで、アクリルやコーリアン、あるいは木材などで作っても良い。これを何かのベースに取り付ければ、そのまま使用できる。
 電源も市販のリニア電源をそのまま使える例えばこちらの電源など、オーディオ用ではないが信頼性では定評がある。

(注)四隅の取り付け用ネジにはM4ナットは一応入りますが、実際には少しネジ側が小さいようであまり強く締めるとねじ山を潰してしまいます。M4ナットを使う場合は、少しずつゆっくりと締めていってください。

 (p.s.)たもそさんのサイト('08.2.18)で、これはインチネジであり特殊な規格だとご指摘をいただきました。これについては改めて報告しますので、M4ナットの使用は避けていただくようお願いします。

【追記'08.3.11】SC10の取り付けナットはインチネジで呼び名は「No.6-32UNC」です。同サイズの平座金、バネ座金(スプリングワッシャ)もあるので、セットでこちらで購入できます。

 写真で上の方の真ん中にあるねじ切り下端子はSMA端子のメス。50オーム出力なので、SMA端子付きのケーブルを使用するか、SMA-BNC変換アダプタに50オーム用BNCプラグを付けた高周波ケーブルを」使用して、AntelopeのOCXと接続する。
 その下の端子は電源などの端子で、下に見えるコネクタを接続して赤黒のテフロンケーブルでDC24Vを受けるためのもの。
 
 そして、これを収納するケースの底板8mmアルミ板に穴を開け、ケースに取り付けられるようにした。

 こうして作業していると、雑念が何処かへ行ってとても落ち着く。丁寧に美しく仕上げたい。


('08.1.21)「音と戯れる会」例会は出席者も多く、実に盛りだくさんな内容で、充実していた。嫁に出したダウンミックスアンプの音を久しぶりに聞いてほろっとしたりもしてしまった。

 Plitronのアイソレーショントランスも聞いてもらったが、「良いよ~!」といくら言っても、結局は実物を見るか、音を聞かない限り実感できないものなのだとつくづく思う。経験の共有には、出す方にそれなりの準備の時間や手間暇もかかるのだから、受ける方にはそれをちゃんと評価して受け止める度量が必要だ。単なるヴォランティアだけでは長続きしないし、細かいことを言う人には向かないだろう。
 これだけ多士済々な人がいるので、これからはいろんな人の手を借りて、アイデアだけでなくその手間やプロセスも共有化していく時代だろうと思う。海外から優れたパーツを選び出して買うのもひとつのノウハウだが、入手方法もいろいろ考えられる。通販や語学に自信のない人は、日本に代理店や販売店がある場合はそこを通すなどすれば良いし、共同購入費用のカウントと分担、発送方法などを整理した上で、代表してそのプロジェクトを引き受けてくれる人に頼むのも一つの方法だ。勿論、海外通販に経験のある人は自分で直接買えばいいし、自作する自信のない人は完成品を買えばいい。

 昨日は渋谷某所で苦璃栖蛇瑠族の総会を厳かに執り行う。といってもマフラーをふかすのではなく、CDをちょこっと聞かせてもらった後は男二人でひたすらしゃべっていただけですが。
 「プレステ3で実際は使わないHDDを別のメーカーやサイズに換えるだけで、音が変わるんですが何故でしょ?」「......。」「1394とかケーブルで音が変わるのは何故でしょ?」「コンピュータデータも伝送用のクロックに載せて送られるから、その精度がデータの伝送に影響あるんじゃないっすか?」「バイナリ一致していても、音は違うのはこれ如何に?」「......。」「これ!という決定版があれば僕らもやりやすいんだけど。」「PCオーディオってややこしくて切り口もたくさんあるから、それって難しくない?(代官山風に)」「う~む.....。」でも賢い人と話すのは凄く愉しいんだなあ。


('08.1.18)新しいMacBook Pro での再生はとても良い。パワーアンプ群のヒューズがブレイクイン完了する時期と重なったからでもあるが、ヘッドフォンで聴いても声の伸びややリード楽器の吹き抜け感、全体としてのエネルギー感、音場感などは一皮以上むけた感がある。

 マシンパワーが上がったからか、Windowsでも実質メモリ3GBになったからか、そのうちアプリとページングに2GBを渡したせいか、あるいはDAW向けチューニング、特にCore2Duo向けHotFixを当てたのが功を奏したのか、実はよく分からない。
 CPUは前がCoreDuo/1.83GHzで、今度がCore2Duo/2.2GHzなので少しノイズが増えているだろうが、それよりもメリットの方が大きい。


 そうそう書き忘れていたが、ノートの場合、消費電力や放熱などとの関係で無闇にCPUのスピード(二乗に比例してノイズが増加)を上げられないので、その点でもPCオーディオ向きかも知れない。

 さて今気に入っているCD/ティアニー・サットンと、多分次に気に入るであろうCD/ステイシー・ケント
 前者は在米の友人がおみやげに持ってきてくれたものだ。「なんということは無いんですけど....、凄くいいんですよ。」と言う彼のコメントが的を得ている。確かにこれと言って特徴のある声や凄く声量のある声ではない。でも集中力と、声と情感のコントロールがもの凄く素晴らしい。音程を少しフラットさせるようなことはせず、きっちりキープしたまま、深い情感を込めて一つの曲をドラマのように歌いきる様は見事なものだ。そして高精度水晶で聞いたときの声のニュアンスの多彩さはぞくぞくするくらい比類がない。
 僕はこういうクレバーな人が好きだ。

 そしてステイシー・ケント。東京ジャズで3曲くらい聴いたのだが、この人もクレバーでいい感じだと思った。特にその時の彼女のインタビューには心を動かされた。志のある人が僕は好きだ。このCDを聞いてどう思うか、インプレはまた改めて。


('08.1.17)カナレが送ってくれたカタログを読む。うむうむ、勉強になるなあ。

 まだFireface400、2台のクロック(AntelopeとRosendahl)、マランツプロのパワーアンプ8台としかつきあいはないが、業務用機器というのは独特の特徴がある。まず、安定性、信頼性、常に一定のパフォーマンスを確保することを信条としている。もっともバグだらけで誤動作の多いデジタル機器もあるから一概には言えないが。
 そして化粧っ気は全くない。むしろ現在のステイタスを明確にするため、うるさい程表示にはこだわっている。Antelopeの周波数表示など輝度を最小にしてもなおかつまぶしいくらいだ。

 いわゆるハイエンドオーディ機器はここから学ぶべきことがたくさんあると思う。一つは化粧っ気過多だ。勿論、魅力ある商品には魅力あるデザインが必要だし良いと思うけれども、なんでもかんでもアルミ削り出しとかは本当に必要なのだろうか?
 もうひとつハイエンドオーディ機器が陥っているのが「物性と剛性の罠」だ。勿論、純度の高い素材は良いだろう、剛性の高い筐体は豪華でもあって、デザイン製にも優れるだろう。だが回路やパーツなど本来注力すべき所から少しばかり逃げていないか?
 そうして数が出ないから高価格な「付加価値の高い」製品に力を注ぎ、ますますプライスタグは上がり、経済感覚の麻痺しているマニア層はいいとしても、裾野は全く広がらない。

 無論業務用機器はプロの「使いこなし」を前提にしている。デジタル機器など特に必要だそうだ。
 ところがハイエンドオーディ機器の場合、ジャーナリズムも「使いこなし」には触れず、あたかもその機器を買いさえすれば天国が来るように思わせるほどカタログ化している。輸入代理店などのスタッフも決して知識経験豊富なひとばかりではなく、結果としてショーやショップでさえも?!という音を聞かされることは珍しくない。

 目的が多少違うのでどちらが正しい、と言うものでもないのだが、僕らとしては「いいとこ取り」をして、若い人も使いこなしにチャレンジして腕を磨ける原石のような可能性も含めて、質の良い製品を作って欲しいだけなのだ。失敗した勉強料が100万単位というのでは、はじめから尻込みしたり、引き返せなくなる事だって多々あるはずなのだ。

 そういう意味では僕らが取り組んでいるPCオーディオも、(単に録音現場のリバーサルとして考えても、)何百万も出さなくてもいい音が聞けるはずだ、というチャレンジの一つだ。


('08.1.16)一昨日書いたサンワサプライの1394bケーブルは1月以上納期がかかるというので、師匠の「?」もあるしキャンセルした。一方Apple Store で扱っているBelkinのケーブルもあるが、アメリカでの販売価格から見てあまりに高すぎる。これはぼり過ぎというものだ。おそらく白色でデザインが合うという程度の物だろうと思う。
 やはりヨドバシあたりに行って実物を見ながら選んだ方が良いだろう。

 そうそうApple Care にも加入しておかなくちゃ。こうなったらAppleを使い倒してやろうと思う。


('08.1.15)日曜日に聞いた MacBook Pro でのCD再生には、どこかもやついたような、とげとげしたざらつき感があった。経験上、これはデジタルノイズだろうと判断して、MacBook Pro のバッテリー取り付け部分の本体側の金属で覆われていない回路部分を電磁波吸収テープとテフロンテープでカバーし、メモリを取り出しその両面に同様に対策した。
 メモリをはずすと本体側には電磁波吸収テープらしきものが貼ってあるので、Appleもノイズ対策の必要性は十分理解していると思う。ただこれだけではメモリ相互間やメモリと底板の間のノイズが遮断できないので、今回はメモリ本体にも貼った訳だ。それから電源アダプタとそこから本体への給電コードにもテープ貼り&巻きを施した。

 特にノート型は各パーツがものすごく近接しているので、その点はシビアでベンダーも対策をある程度講じなければ持たない訳で、そういう意味ではちゃんと対策したノートはPCオーディオ向きだと思う。ただし、ドライブは出来るだけ外に出した方が良い。実はHDDも外付けにした方が良いのではないかと思っているのだが、これはもうインターフェースがない(USBは使わない)し、今使用中のRAMDiskが一定その役割を果たしていると考えて、思いとどまっている。SATAのインターフェースでも付いていればとっくにやっているだろう。

 こういうざらつきヒリヒリ感のようなものは市販CDにも結構入っている。正直「こらあかん。」と棚上げしているものもいくつかあるが、最近聞くと結構いけてきたりもする。

 実は高精度クロックを使って追い込んでいった場合と、PSAudioやCECのようなUSB1.1DACの世界とは、このヒリヒリ感が少ないという点では結構共通しているところがある。後者はシンプルなフォーマットに加えて、どちらかというとうまく丸めてバランスをとった良さがあり、オーディオ的にはとても手堅い手法だ。
 前者は風通し、見通しをひたすら良くしていく爽快さがあり、この広がりある開けた世界を知ってしまうと、人にもよるだろうが僕には後戻りすることなどとてもとても出来なかった。とりあえず行けるところまで行ってみよう、というのがこの1年あまりの顛末である。

 結局、機会と選択と指向の問題なのだが、僕の場合はこの風そよぐ開けた世界から戻ることはつゆほども考えていない。後は少しの潤いさえあればいい。それは多分なんとかなるだろう。
 Lights, Air & You.


('08.1.14)と、まあ、与太話はこれくらいにして、新しいMacBook Pro にオリオスペックの1394b(Firewire800)ケースに入れたDVDドライブを接続してみた。Mac、Winともにちゃんと認識され動作するが、どうも音も画も薄っぺらい感じがする。Oxford922を使っていて、1394のクロックはオンボードのままとはいえ、800になってスピードアップしているところもあるので釈然としない。これは恐らく付属のまるまるモールド&ペナペナのケーブルのせいではないかと見当を付けた。

 いろいろ調べてみると結構値段も高いので、片っ端から買って試すには勿体ないし、第一ヨドバシに行っている時間もないので、近頃LANケーブルで評価の高いメーカー指定で1394bケーブルを買ってみることにした。
 モールドなんかじゃないコネクタを見ただけでも良さそうな感じがする。期待してまっせ~。

 ひょっとして9pin-6pin変換ケーブルでちゃんと認識・動作したらこれはまことに嬉しい限りだ。

 と、こう書いたらAVのお師匠さんから「サンワサプライの6pin-4pinケーブルではデジタルビデオカメラが全然認識せえへんで。」とメールが来た。やってみなくちゃ分からん、という世界らしい。駄目なら捨てる。難儀なこっちゃ1394。


オーディオ・全~然分かってもらわれへんこと。

 何度説明しても、画を描いてみても、ぜ~んぜん分かってもらえないという類のことはいくつかある。昔オトンが言うに、「分からん人はなんぼ言うても分かれへんねから、放っといたらよろし。」
 せやけど人生残り少ないし、まだ松の内やし、今年からもう無駄なエネルギーは使わんとこう、と思てるけど、一度ぐらいは言いたい放題言わせてもらおうやないか!


1.アイソレーションとは何か?

 「ああ、ノイズカットの事ね。」で終わる例多し。あのね、外乱防止だけやのうて、機器間のアイソレーションも同じくらい大事なんやけどね。
 これは最近、ようやく少しずつ理解されるようになった。でも、思考停止する人多し。

2.SACDマルチ
 
(1)まずアナログとデジタルのダウンミックスの違い。これはまあ理屈があるので何とか分かった気にはなってもらえる。
(2)次にフロント2chをそのまま使って、センター&サブウーファーをミックスする話。このあたりから、分かってもらわれへん度がかなり上がる。
(3)そしてリアはプリメインなど活用して、前後の音量バランスをとる話。これはもう、世間的にはまず分かってもらわれへんと覚悟した方がよろし。

3.振動対策

 これは、もう、絶対に、誰にも、間違いなく、もの凄く、ひどく、理解されん。目の前で音を聞いても理解せん人が圧倒的に多い。力説して、皆、笑顔でうなずいてくれたとしても、自分では実験すらせえへん。単なる紙の上の知識。
 
 馬鹿高いラックを買う前に、こんなに簡単にほとんど費用のかからないチューニング法があるというのにね。

 あまりにアホらしく、馬鹿馬鹿しくなったので、必要がない限りもう言わん事にした。や~んぴ。


 いくつものサイトやブログを日々見ているが、最近の注目はこちら。オーディオシステム内にもルビのユニットを組み込んでいるのは勿論、なんとルビジウム搭載の周波数カウンタや各種計測器群を駆使して、デジタル機器の周波数精度やジッター(Root Allan Variance)の計測をしておられる。測定器群だけで中古としても?百万円はくだらないだろう。
 dCSのElgarやVeronaの測定結果など、なかなか興味深いです。
 いやあ、こういう人がおられるから僕らも何とかやっていけるのだろう。こちらと合わせて、頭が下がります。


('08.1.13)昨日は風邪気味だったが、ゆるりと作業を続けた。丸1日かかって、まだ少し残っている。今後のために一応書いておくと、

1.新しいMacBook Pro のインストールとチューニング。

 Macの方はTigerにLeopardのDVD付きだったので、この機会にLeopardにした。DVDプレーヤーの色調整は改めてやろう。
 Windowsのインストールも4GBなので早いこと、早いこと。あっという間に(ちょっと大層だが)終わる。といってもインストール後に確認すると2.98GBつまりは3GBしかメモリは認識されていない。勿体ない事だ。Sigh.
 考えた末、RAMDiskはCubase ST4などアプリとページング用に2GB切り、残り1GBはその他システム用として残した。もっとも、RAMDiskを導入するとページングつまり仮想メモリはHDD側に設定できず常にRAMDiskに固定されるので、大きい方がよいのは間違いない。InterComに直接確認したので間違いないと思うが、環境によっては問題が発生する仕様であると思う。

 で、その後プロが書いたDAW用チューニングに励んだ。しかし、Core2DuoなどのDualCore用のホットフィックスを先に当てなければならなかったのを忘れていたので、インストールの順序を間違ってしまった。あちゃー。
 そもそもインストールの手順によって性能に差ができる事など、知っておられましたか皆様?わしゃ考えもしとりませんでした、はい。世間は広く、プロに教えを請わねばいかんです。

 ヘッドフォンで聴いた限りでは音は良くなっている。まあ、とりあえず動きを見て、それから再度入れ直せば良かろう。とりあえずは実際に走らせてみよう。

2.困りもののRealktek HD Audio Manager

 困ったのは、Realktek HD Audio Manager だ。確認しようと思ってクリックしたら、「EAccsess Violation」とワーニングして立ち上がらない。おまけにWindowsの起動毎にこのワーニングが出る。いろいろ調べるとどうもExpressCardの1394からインストールしたサウンドカード(Fireface400)とオンボードのRealktekチップが干渉しているらしい。サイトで見てもサウンドカードの動作には支障ないらしいのだが、どこを見ても解決策が書いてない。あげくは「XPのSP(サービスパック)3に期待する。」なんて書いてある。以前は無かったトラブルなのに、まてまて前とはマザボもチップセットも違うだろうし、ううむ、都度都度蹴飛ばすしかないのか。再インストールして無くなったら良いが、多分無理だろうなあ。でもサウンドがらみだから気分悪いよなー。ま、しゃーないなー。

3.FireWire2本差し

 今度のMacBook Pro には1394aとbのポートが一つずつあり、aは当然Premium2で、bをDVDドライブに回すことにして、9-6変換アダプタをかまして接続したが、これがうんともすんとも認識してくれない。Oxford911だから駄目でTIの OHCP ならOKかもしれないが、そんなことは音的には論外だ。まーやっぱりか、という感じだったので、ここは「映像はおまけ」とすっぱりと割り切って、現在HDD用に回しているOxford922のドライブケースでDVDドライブは1394b(FireWire800)接続することにする。
 ややこしくてクロックはさわっていないが、元々が早いんだから良いだろうとそのままにしている。でもケーブルはヨドバシにでも行って、片っ端から試してみる他はなさそうだが、あまり音の良さそうなのは無いだろうな。
 
4.1394ケーブル作成

 固い、重い、取り回しが効かない。ふう。

5.フォノイコの調整

 これがまた「あちゃー!」の世界だった。入力ゲインをZYX本来の0.25mVに合わせたのは良いが、よく見ると入力インピーダンスを200オームにしていたつもりが、片chが1Kオームになっている。こりゃ左右で動作が違うのだからフォーカスが合わないわけだ。

 実際に聞いてみると、凄くビシッと決まって充実感に溢れて非常に良い。CDは、デジタルはこれを越えなくちゃいかんのか、としみじみ思う位良い。両方の意味でまいったなー、こりゃ、であります。


('08.1.11)昨日から今日にかけては届け物がやたらと多い日。

一つはソファー。コルビジェLC2一人掛け。写真はリスポジから見たカタツムリたちの写真です。うむ、今度はもっとちゃんと写真撮ろうね。

 あと、新品のMacBook Proが届いた。何で新品かって?
 そりゃー現行の愛用機が1394は1ポートしか無いからで、1394を2ポートCDドライブとDVDドライブに固定でつないで、ケーブルを一切動かさないで聞きたいくらい1394ケーブルの音(と画)が良いからに決まってるじゃん。
 このケーブル、音は良いけど、やたら固くて太くて取り回しが悪いのに加えて、CDドライブとDVDドライブではプラグの差し込み口の向きが逆なので、やってみたが手に負えない。それに、MacBook Pro側のポートは持っても、差し替えでドライブ側ポートがへたる可能性も高いし。現行機は嫁入り先も決まったし。

 まー、4GBメモリにしてもWindowsXPではフルに活用できないのだけれど、それでも今までよりは良くなるだろうし、Mac側のDVD再生などはマシンパワーがもろに効くと思う。
 そしてWindowsXPのチューニングについては、プロがDAW(デジタル・オーディオ・ワークステーション)用にノウハウをまとめたページを見つけたので、注意深く、しかし深く静かに設定していくのだ。


 そして、SRSの高精度水晶(OCXO)SC10。ケース用のアルミ厚板が入荷したと東急ハンズから知らせがあったし、電源用の出川式整流モジュールも今日届いたことだし。製作に着手しなければいけない。

 音と戯れる会にもPlitronのアイソレーション・トランスを巡回に出さなきゃ行けないし。

 来週にはまたオカンのデイサービスがあるし、他にもいろいろあるのだ。忙しいがこういうときこそゆっくりとやろう。


('08.1.10)1.一人掛けソファが届いた。リスニング・ポジション(略してリスポジと言うらしい)も再度詰めてあったので、それでセッティング。写真はまた載せます。
2.フォノイコのゲインと入力インピーダンスを調整する。
3.パワーアンプ8台のヒューズをHi Fi Tuning のヒューズに入れ替える。実は今まで、最後のお楽しみにとってありました。

 今日はもう遅いので、また明日。


('08.1.9)マランツSA12 S1 の改造(Kai化)は逸品館では受付を終了しているとのこと。製造完了から結構時間も経っているので、残念だが致し方ない。では、現状復帰できてマランツに修理を頼める範囲でチューニングを考えよう。あれとこれとそれかな。

 CD、SACD、LPと各ソース再生の態勢とその納まり方がほぼ見えてきたので、気分的には大変楽になってきた。追求ばかりだとやはりせわしない。無論、まだまだ課題はあるので引き続き勉強し続けるつもりだが、ここらでバランスを取り戻したい。この春までにはほぼ不満のない状態に持って行けるのではないかと思っている。


('08.1.7)マランツSA12 S1 は逸品館での改造(Kai化)に出そうかと考えている。電源を中心とした改造だが、マランツの公式なバージョンとして修理対象になるし、使い始めて足かけ5年目のちょうどいいブラッシュアップになると言う期待である。

 実はこれまで様々なデジタル・ディスク・プレーヤーを聞いているが、グラッと来てこれは買わなきゃ行けないかも、と思ったのはEMMの2chのセパーレートだけである。3つの個体を聞いたが、個体差は著しくて当たり外れがあるようで、おまけに沖縄のオーシロさんが試聴した経験ではマルチ用のDAC6eは音が良くないそうで、そうするとマルチも含めてやるにはほとんど方法がない。ま、どっちにしても高価なので実現性はありませんが。(笑)
 でもPCオーディオを追求していなければEMMに行くのは悪くない選択肢だと思う。マルチの問題は残るけれども。


 ということでSA12 S1 をアップグレードして少しでも良くしたい、と言う事だが、さてどうなりますやら。第一まだやっているよね?


('08.1.6)今日は目一杯音楽を聴く。最初は楽しみにしていたコーネリアス「Senseous」。先鋭的だが尖っているのではない、よく広がる響きの数々。これは音楽的・知的ピクニックだ。愉しいなあ、高精度水晶で聞くのが楽しみだなあ。DACが逆相になっていたので、正相との音の違いまで聞けてしまったのが面白い。

 SACDはCDに比べると少しメリハリを欠くような気がした。逸品館に電話するか。待て待て音量を上げると、非常に良いではないか。でも、もう少しなんとかしたいな。「強さ」が欲しい。

 LPも、久しぶりの登場で勿論慣らし運転もいるのだが、最初は少し精彩を欠いた。ZYXのカートリッジをアップグレードしなきゃいけないのかな?待て待てフォノイコの感度をまずは本来の設定に戻そう、などと考えながら聞いていくと、人間の声の質感で微妙な、しかし圧倒的な差がついた。
 CDも今や廃盤のオケゲムの「レクイエム」。LP末期のDMMプレスで盤質もあまり良くはないが、ロンドンのテンプル教会での ヒリアード・アンサンブルの素晴らしい演奏の、声の、重層的な響きの質感は、努力するけれども恐らくCDでは十分に出せないだろう。
 15世紀の現存する最古の通作というだけでなく、"Memento mori"(メメント・モリ=死を想え、死を忘るな。)というラテン語がこれほどふさわしい音楽もないかも知れない。嘆かず、叫ばず、甘えず、ひたすら想う。死の淵にあって、なおそれを見つめ、問い、考え続けるストイックな屹立した知性がここにはある。
 バードの「3声のミサ」のLP(タリス・スコラーズ/英Gimel)などシンプルきわまりないのに実に豊かな柔らかさを湛えていて、これはもう至福の響きだ。


 そしてまたCDを聞くと、CDの特質は良くも悪くも「あからさま」な所にあると分かる。強くメリハリの効いたソリッドな、わかりやすい音。これをもっとほぐそうと、いままで苦労してきたわけだ。後は、高精度水晶を導入してどれだけ質感が近づくかだ。僕の目論見ではかなり近づくと想っている。


('08.1.5)目覚めてからメールチェックすると、カナダPlitronから1月4日にトランス2個を出荷して8日到着予定との連絡あり。クロック電源がだんだんとかたちになってくる。いっしょに頼んでいたアイソレーショントランスはクロック電源に使うつもりだが、その前に音と戯れる会で巡回試聴に出そうかと考えている。中身はアンプであるレギュレーター類とは違って、使い方を誤らない限りトランスは非常に長い期間使えるから一生物だ。円がまだ値打ちがあるうちに入手されておいた方が良いと思う。

 既製の1394ケーブルからコネクタを取り出し、1394-LANケーブル作成を実際に作成しながら、マニュアルのための写真を撮る。全体としては結構ガッツの要る繊細な作業だ。手も疲れる。コンピュータ関係の端子類はオーディオ的には話にならないちゃちなものが多いので、単線の太くて重いケーブルだと概ね1.5m以上にしないと曲げのストレスがもろにコネクタ部分にかかって接続が不安定になる。いったんセットアップして落ち着いたら以後は動かさない方がよい。

 そして午後遅くMacBook Pro が帰ってきた。Firewireの認識はロジックボードの問題でボードを交換したらしい。他にも気になるところは動作確認・調整したとのこと。高い修理代だったが、まずは重畳か。 

 その後プリアンプの整流モジュールのサブ用のコンデンサをAuricap 2mFからSiderialCaps 0.68mFの2個パラに換える。記憶していたよりも電圧が高かったので、安全を見ての変更。

 夜は外食の後、時間が遅かったのでCDのみいろいろ聞く。高精度水晶はないがそれでもこれだけ鳴ってくれたら、ソニーあたりのヘボな録音のSACDよりはずっと良いと思う。うむ、SACDは奥の手で行くか。思案思案。
 明日はSACDいろいろと、LPいろいろで行ってみようか。


('08.1.4)クロック用電源に使うポテンショが必要なので、日本橋に買い出しに行く。これまでの経験でできればフツーの半固定抵抗は使いたくないので、大きくて高いがベックマンの10回転にする。何よりも信頼性。電圧調整も細かくきっちりできて気持ちが良いはずだ。
 その後、東急ハンズに行きケースの底板に使うアルミ板を見る。結構大きなサイズなので店頭には5mm厚しかなく、ここで妥協したくないので8mm厚で該当サイズにカットして取り寄せを依頼した。

 昨日プリアンプの電源を出川式モジュールに変更したので、夜はそれを聞いてみる。このモジュールは従来のメインのブリッジ整流ラインに、少し位相を遅らせたサブの整流ラインを重ね合わせるものだが、サブのコンデンサはメインの2倍程度という指定がある。本当はメインと同じくポリプロのフィルムを使いたかったのだが、倍となるとさすがに大きくなって、シャーシ内にもうスペースがない。
 そこでブラックゲートの無極性35V150mFにAuricap 2mFをパラってサブにしたが、そのあたりがどう響くか、微妙な遅れ感がでないかどうかが気になっていた。

 まずは何よりも低域や中低域の持続力というかドスの効き方が全然違う。コンバスやオルガンの存在感が凄い。ノーチラスの-3dBポイントが20Hzだというのを実感する。ふっと浮かぶようなレガートの表情もとても良くなる。
 いずれにせよブレイクインがまだまだ必要なので、もう少し鳴らしこんでみよう。


('08.1.2)今日は合間をみてクロック用電源の制御回路の基板レイアウトを検討する。レギュレータICのピンアサインと見比べながら無い頭を絞る。


('08.1.1)あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。

【クロックこぼれ話(3)】ふらふら地球
 弟の家で読んだ朝日新聞からなので、忘れないうちに。
 僕は古い世代なので標準時というと「グリニッジ標準時」を思い出すのですが、子午線が通過する云々の「天文時間」とセシウムなどの「原子時間」とは、毎日千分の1秒ほどずれているそうです。
 んで、何故ずれるか?というと地球はゆらゆら動く海を沢山抱えていたり、空気の抵抗などもあって、要するに地球がふらふらしているからずれるのだそうです。もう、そのずれはたまりにたまって33秒ほどにもなっているのだそうです。

 そこで質問です。地球がふらふらするくらいだったら、僕のような頼りないオーディオマニアの人間はもっとふらふらしてますし、じゃあどっちの時間が正しいんでしょう?ふらふら地球の上に生きているのだったら天文時間でも良さそうなもんですが、絶対正確な原子時間でないと駄目なんでしょうかねえ?

 そういえば「ゆらゆら帝国」なんて脱力系のバンドもありましたねえ。


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