アイソレーション・トランスの製作方法
AC関係のDIYについては比較的簡単で、あちこちのサイトに記事がありますので、そちらを参考していただきたい、ということで、ここではトランス周りを中心に取り上げております。コンセントやプラグについてはお好みもありましょうから、それも触れておりません。
●できるだけ簡単に製作できるよう、最低限の内容で電源スイッチは付けていません。ですので、プラグを差し込むと機器の電源は入れなくても、トランスの1次側だけで電流が流れて電力を少し消費します。
1.必要な場合は一次側にスイッチを設けてください。
2.スイッチオン時負荷電流の大きい機器や、安全を必要とする場合は一次側にヒューズを入れてください。
ただしファーストブロー、スローブローなどヒューズの規格に十分に注意すると共に、ヒューズは音質への影響が大きいことを忘れないでください。
●2次側は2系統に分けることができますが、ここではパラに接続して1系統にしています。
●特にご注意いただきたいのは「ドライバー」の選択です。
1.決して小さめのドライバーを使わないこと。貴重なネジを損なってしまいます。No.2のドライバーを必ず用意してください。
2.コンセントなどのネジについては殆どがプラス(フィリップス)とマイナスの兼用ですが、たまにマイナスのみのものもあります。これはマイナスの方が基本的に良く締まるからですが、必要に応じてどちらかあるいは両方を用意してください。
3.出来るだけ強く締める必要があります。大抵の方は締め方が足りません。とはいえ締めすぎるとブチッと行ってしまう事もあるので、その辺を考えながら、というか感じながらやってください。
(左は米スナップオン社製のNo2ドライバー2種。)
●コンセントボックス(タップ)については
1.入手しやすいこと
2.経験上ですが、非金属を使って磁束を遮らない方にした方が音の抜けが良い場合が多いこと
から、プラスチック製を採用しています。
コンセント用のプレートもいろいろありますが、総じて無難なプラスチックプレートを採用しています。
プライトロンのアイソレーション・トランスについては、まずこちらを参照してください。
●下記は同梱されてくるトランス全体の説明書の一部です。
今回使った6120-V2-00の結線図です。
トランスから出ているリード線の結線図です。非常に重要なので、よく理解してください。
1.左の1次側を壁コンセント(AC100V)につなぎます。その際、ほぼ1対1にするために1次側・2次側ともにパラに接続して、
1次側 120V→ 2次側 115V という接続にします。理論的には数%電圧が下がるはずですが、巻線の余裕(120V巻線に100Vを加えている)もあって実際にはほぼ1対1になります。
ただし、最大出力付近では少し下がる可能性もありますが、通常機器は十分動作するので、問題ありません。
2.1次側、2次側ともに「・」のついた巻線がありますが、これをAC100Vのアース側(壁コンの長い方のスリット)につなぎます。巻線の外側をアースに接続した方がシールド効果がやや高くなるためです。
3.緑に黄色のストライプが入ったリード線は、1次・2次間のシールドですが、これは家庭用のアースにつなぐとかえってノイズを拾いますので使いません。
4.ということで実際には以下のように接続します。
1次側 120V → 2次側 115V
黒と茶をコールド=アース側 赤と青をコールド側
オレンジと白をホット側 黄と灰をホット側
灰と紫、緑に黄色のストライプは使用しない。
(→事故を防ぐため熱収縮チューブなどで先端をカバーする。)
1次側の接続。黒と茶、オレンジと白の導線をそれぞれ撚り合わせる。
ACプラグのカバー側を先にリード線に通します。
黒と茶、オレンジと白をそれぞれACプラグ本体に差し込み、ネジを締めます。くれぐれも「ヒゲ」=はみ出した線で短絡させないように!奥に見えているのが接続方法などを記載したパンフレットです。
プラグ本体をカバーにネジ止めし、さらにリード線を締め付けて固定します。
コンセントボックス(オヤイデ扱いのMIRAI製)にケーブルストッパーを固定します。
MIRAI製ボックスにはストッパーを締め込むことができないので、ここではアロンアルファで固定。各自が調達可能なボックスに合わせて工夫してください。
接着剤で固定した場合には、ショックで外れたりする場合がありますので、あまり頻繁に移動したり無理な力を加えないように、また外れても安全なように配線上十分に注意してください。
ケーブルストッパーに2次側リード線を通します。
コンセントの穴にリード線を差し込み、ネジ止めします。ここではコールド側(コンセントの⊥になっている方または長いスリットの方)です。ねじ穴は2カ所あるので、安定させるため均等に締め込むよう両方にリード線を差し込みます。
ホット、コールド両方にリード線を締め込みます。
コンセントをボックスにネジ止めして、ケーブルストッパーも締め込んで固定します。
コンセントプレート(カバー)を取り付けて、できあがり。
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