PCオーディオアナログ・オーディオ、SACD(&マルチ)など日々いろいろやっています。


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日記のページ 



暑中ON見舞い

「よしなしごと」と「」オーディオ&音楽日記」を2つ書くのはいささか面倒で、オーディオ中心になってしまうのも困りもので、この際1本化しようとブログ風ページ「ON爺の独り言」を立ち上げましたので、今後はそちらに書きます。
 なお、こちらはアーカイブとしてそのまま置いておきます。2009年盛夏


('09.8.10)週末の2日間はとても楽しく遊んだ。一回りほど違っても僕にとっては大事な友達で、沢山話さなくてもちゃんとキモは伝わるし、彼独自の判断も明確にある。僕が必要としているのは、自分とは違う視点だ。それも深いものだ。
 オーディオ的にはいろいろあったけれど、それは彼と僕の個人的文脈の中なので、ここには書かない。

 彼も察してくれていたようだが、ともかく芯から疲れていた、だから、本当に爆睡の合間にいまこれを書いている。

 もうほとんど「オーディオ」などというものが嫌いになりかけている。人間もだ。当分は何も考えたくない。少し休みます。


('09.8.7)■今日は一日Windowsのオーディオ・アーキテクチャーの資料を読んで過ごした。なんか関東ローム層から出た出土品の話みたいで、Win95からいろいろ上に積み重ねた「ぶっかけ蕎麦」みたいで、ややこしややこし。
 でも例えばASIOは「ドライバ」と言っているけれど、よく言うように直接ハードをたたくのではない。まずはAPIがあってASIOドライバ、専用I/Oコントローラ、ASIOカーネルモード・モジュールを経由して、ようやくメタルに、つまりハードウェアに達するということが分かってきた。なんだ、要するにみんなカーネル・ストリーミングやってるみたいじゃん。これからは言い方も考えなきゃいかんなー。

■MacBook ProにUbuntuも入れてトリプルブートにする、と書いたがそのままインストールしたのではブートレコーダーの方式の違いでうまく動かないことが分かっている。rEFItのようなアプリをMacに入れてやって、それで起動することが必要なのだそうだ。

 で、右は3OSが表示されるrEFItの起動画面。
 我が家でこうなるときにはMacOSはSnow Leopardで64bit、Windowsは手持ちのVista Ultimate 64bitになっている予定だ。(このページによると、Vista 64bitがインストールできるはずだ。というかそうでなくっちゃ困る。)

 Ubuntuは64bitバージョンもあるけれど、ハードの問題もあるしまずは32bitで十分だろうと思っている。

 う~む、林檎かペンギンか旗ボーか、楽しいじゃないですか。モンゴルから帰化して限定生産・入手困難な「石垣島ラー油」を作っている人の名は辺銀さん、と言う。ペンギンが大好き、というのがネーミングの由来だそうで、もちろんLinuxの愛用者、かどうかは分かりません。

■近頃Macとワイス君の相性がいいらしいことが分かってきた。Macの太めの音とワイス君の楚々としたところが妙にマッチして、良い具合に沈んでくれる感じだ。
 Snow Leopardでどうなるか、今年の秋は遊びのネタがやたらと多くて忙しそうだ。

■明日は福知山から友人が遊びに来る。会えるのは何年ぶりだろうか。焼き肉など食いながら、ゆっくり話したい。


('09.8.6)■書き忘れたが、Ubuntu Studioはインストールが上手くいかなかったり、サイトを見るとトラブルとか重いとかいろいろあるようなので、手間だがそれよりもさらに軽いUbuntu リアルタイムカーネルを構築した訳だ。Studioがインストールできれば、その方が簡単かも知れない。
 大きな話が動き出したので、さらに彼方を見渡しつつ、テーマの絞り込みをはじめておかなければ行けない。一方、Ubuntu9.04は長期サポートではなく、10月には次のアップデートが出る予定で、そのカバーが必要だ。それやこれやで、Linuxプロジェクトはとりあえず一休み。

■これも書き忘れた。Windows7の名誉のために言っておくが、UbuntuはOpenOffice.orgのようなオフィス・ソフトも備えているとは言え、風通しの良い超シンプルなOSだ。
 一方でWindows7はまさに汎用のOSであれやこれや、扶養家族も多く多数のモジュールで増築を重ねた建物群のようなものだ。つまりはデフォルトのWindows7でいくならばUbuntuには勝てない。そういう人達もいる。だが、勝負はここから始まるのであって、この辺がプロがスキルを発揮するところであり、僕らにとっては遊びの遊びたるゆえんだ。

■世界は急速に動いているので、去年や一昨年の遺産で飯が食えるのはどれくらいの期間だろう?だからと思って折角手をさしのべたのに、それを払いのけるような、大人として気を遣うのにふさわしくない人のことはすっぱりとあきらめる。この世界は自分のことを棚に上げる天才揃いだ。beeH

 忘れてた、こんなあほらしい事を言っているほど暇ではないのだ。協力してくださる人がいるときにはこっちも頑張らないと、いいものは出来ない。有象無象は放っておいて、とにかく僕は走る。


('09.8.5)■Linuxディストリビューションの音楽再生専用 Ubuntu9.04 リアルタイムカーネルがほぼ完成。
 もう一度整理しておくと

◎マシン環境 中国製BTO CoreSolo T1300 1.66GHz、メモリ2GB、HDD(SATA) 60GB
◎Ubuntu9.04環境(32bit) HDD容量:約3.5GB
 1.リアルタイムカーネル(-rt)導入
 2.リアルタイム処理動作を導入(認証ファイルの改変)
 3.Start ManagerによるGRUBローダーでのリアルタイムカーネル起動
 4.HPET(高精度タイマー)導入
 5.Ubuntu Studio のソフトウェアのうち音楽再生に関係するパッケージのみインストール(音響エフェクト・ミキサー関係や画像・動画関係はインストールしない)
 6.各デバイスを接続するオーディオサーバーの「JACK」と、それに対応したDAWソフト「Ardour」をインストール。
   他にJACKとALSAドライバ両対応の再生ソフト「Audacious」もインストール。
   BansheeなどのJACK非対応再生ソフトは、Pulse Audio Volume Control で音出し。

なお、UbuntuやLinuxについてはネットの各方面のブログやサイトを参考にさせていただきました。ありがとうございます。

 これらのインストール方法にはノウハウがあるので、単純にパッケージを追加しただけでは駄目だ。何回かインストールしてみて、その癖みたいなものがよく分かった。整理したものがあれば、少しPCを知っている人なら誰にも出来ると思うが、僕は今のところまとめる気全然はない。

■いろいろ試みたが、我が家はUSB DACしか接続できないので、オーディオサーバーであるJACKは認識・接続してくれるが、DAWソフトであるArdourがインターフェースを認識せず、他の再生ソフトで一番音が良かったAudaciousを使う事にした。
 Audaciousの場合、ALSAというLinuxのドライバを直接たたけるので、JACK経由と比較したが、直接ALSA→USB DACの方がストレートな音だったので、こちらに決定。

 ということで今日、メインシステムにつないでカタツムリでならしてみた。いやあ、情報量の高い鮮烈な音。USB DACを飛び越えてきそうな程のエネルギーもある。これだけ鳴ってくれれば十分だし、もしFirewireで接続できたらもの凄い事になるだろう。
 ちなみに同じマシンにインストールしたWindows7RCのfoobar・uLilith・MediaMonkeyなどとの比較は「眠い。」の一言。圧倒的にLinuxの勝ち!Windows7がアプリ込み20GB以上使っているのに対し、これでUbuntuのHDDは3.5GBしか使ってないんだから、やはりシンプルOSは凄いパワーだ。
 いずれMacBook ProにMac、Win64bitをインストールした後に、rEFIなどを使ってUbuntuもインストールしたトリプルブート態勢にして、じっくり検証していこうと思う。


('09.8.4)先週末のStudio K'sの音楽喫茶が盛りあがったようだ。プラシーボというのは僕にとって守備範囲外の音楽だが、音楽がキーになっていままでお互い知らなかった人達が集まるというのは素晴らしいことだ。そしてこういうオープンな場所は必要だと僕はずっと思っている。もちろんそれなりの準備をし飲み物やケーキを出すのだからただではないが、逆に一定のお金を払えば誰でも入れるというのは思いがけない出会いもあり得るし、「出会いと可能性の場所」として大事だと思う。
 まあお金を出す以上、こういう風にして欲しい、とかいろいろ在るのは当たり前だろうし、受け入れ側もニュートラルであるべく努力すべきだが、人には人の持ち味も限界もあるので、そこは合縁奇縁かも知れない。

 とにかくオーディオや音楽を巡る状況はとても厳しく、本来なら小さなコップの中で嫉妬心やらちっぽけなプライドなどで角突き合っている場合じゃないと僕は思っている。だからオーディオも結局は出会いだから、幅広く情報交換しながらいろんな可能性を探り、試し、うまく行けば共有する、というのは複数での取り組みは絶対必要だ。誰かが先に食べてみなければ、ナマコだってどんな味か、第一食えるかどうかすら分からない。いつの世にもそんな物好きは沢山いるから、まずはやらせてみればいいのだ。そしてうまけりゃ皆で食えばいい。

 開かれていること、多様性を保ちながら、自分と好みややり方が違う人を認め、レッテルを貼らず党派性に陥らず、相互に敬意を持てる状態を維持し続けること。試されるのは「大人度」だ。そして漠然とでも分からないままのイメージでも良いから、先々のテーマと進め方を把握しておく「見通し」・「大局観」。


('09.8.3)■ここまで出来るとは思わなかったところに、我が家のオーディオは到達というか、クリアしてしまった。もちろんこれからも変わっていくと思うし、良くなっていくだろうが、もうオーディオの事を考えずに音楽に浸れる環境がある。
 一方、昨日も少し書いたが、ちゃんと聞いていなかったり聞き直したいディスクがLPを中心に数百枚あって、「聞かずに死ねるか!」と思っている。おまけに、今、CDとSACDを大量に注文しようとしている。
 
 だから要するに音楽を聴きたい。その他はどうでも良いのだ。

■勿論、オーディオの課題はいろいろあって時期を待たなければならないものと、自分で時期を決めることができるものとがあるので、今日はそれぞれ作業する優先順位を整理した。
 有象無象は司司にお任せして、僕はこっちに走ることにする。

 いくつかのことはほぼ見えてきたので、新しい何かになりうると思う。その内の一つは、「余はいかにしてネットブックを高性能音楽専用機と化すことに成功せしか。」というようなものになる可能性大。でもちゃんとやるとこれだけで1冊になるかも。OH No.桑原。

■オカンが来るまでの間にOrpheusのライトチューンをした。具体的には電磁波対策と振動対策。電源部を中心にシートを貼り、タイルを貼る。勿論、元に戻せるライトチューン。これで、僅かに気になっていた微妙なトゲトゲ感がほぼ解消して滑らかになった。少しエッジが減っておとなしくなった感があるが、LPの鮮烈さにはさらに及ばなくなった。その辺りのパワー注入は64bit化+アルファで対応できるだろう。

■先週からNuendo4を英語表示で動かしている。これだけでも音に影響はある。エンジニアの中には英語版Windowsをインストールする人もいるくらいだから、驚くには当たらないけれど。
 それにしてもMacは削りにくいOSだ。Nuendo/CubaseにせよArdourにせよ、CDのストリーミング再生の場合1曲ごとの再生しか基本的には出来ないので、不便この上ない。さてSnow Leopard の64bit化がこれらのデメリットをチャラにしてくれるくらい高音質かどうか、請うご期待。


('09.8.2)昨日は東京から金田式の真空管DACをひっさげて、もとい送り込んで友人が遊びに来てくれるとのことだったので、関西の友人2人にも声をかけて我が家でオフ会を開いた。
 みるからに凄い、手をかけまくったケース加工も美しく、ガンをとばすように周りを圧倒する存在感を放っていた。関西の2人に先に来ていただいて、まずは日頃あまりかけないアナログを何枚か聞いてもらった。まだちゃんと聞けていない、そしてちゃんと聞き直したいディスクが何百枚もあり、聞かずに死ねるかと思いながら日々聞いているので、実はデジタルばかりやっているわけでは全然ない。ドラムスとベースがちゃんと分離して聴こえるのなど、もう当たり前のように思うし、うちではこの辺りはLPが一番良いので、意外に思われる方が多い。

 そうこうするうちにDACの製作者が来られて、まずはカバーを開けてスイッチオン、真空管のバイアス調整がはじまる。毎回、こうして出力のDC成分を押さえ込んでいくのは大変だと思うが、確かに皆さん凄いネーとおっしゃっても、作ろう!と言う方はいないというのを聞いて納得。
 そして、暖機の合間に、オルフェウスを聞いてもらう。最近は弱音の美しさに凝っているので、まずはセリーヌ・フレッシュのチェンバロと、ツィモン・バルトのピアノで、ラモーの第1巻プレリュードで音量を抑え気味に。楽器の違い、歌わせ方の違いなどを含め、余韻が繊細に空間の中に消えていく感じを味わって欲しかったのだが、さていかがだろうか。ピアノでもビートを含みつつ様々な音を含んだ響きが減衰していくのを、ペダルを上げるまで持続的に聞き取れるのを味わってもらえただろうか。
 
 そのうちに真空管も暖まったようで、早速音を聞き始める。成る程、これは真空管の音だ。といっても実際には真空管でもいろんな音があるので、一般のホワンとしてイメージではない。どういえばいいか、高インピーダンス、高電圧のガラス管素子の音、というか独特の感触だ。DACのアナログ部分がオペアンプである場合、どうしても電源電圧から取り出せる電圧に限界が出てくるのは仕方ないが、真空管はその点ダイナミックレンジに大きなアドバンテージがある。なるほど全てのアンプを真空管でやりたい、という気持ちはよく分かる。これはひとつの大いなる世界だ。

 SACDを176.4/24で出力できる用に改造されたプレーヤーも同梱されたので、それもDACに接続して聞く。確かにSACDらしさは感じられるが、ベース機が廉価版なので、やはり音としては軽めのようだ。でも面白い。SACDプレーヤーが生産されなくなったら、即この路線かも。

 東京の友人は2年ぶりの訪問で、いろいろと話も溜まっていたし、ワインをあけたら話が弾むので、ワイス君とか聞いてもらえなかったものも結構ある。そこらあたりはまたのお楽しみという事で、再会を期して皆さんを見送る。また遊びましょう!


('09.7.31)すまんのう、オルフェウス君。<(_ _)>

 ここんところオルフェウス君を鳴らすのは難しいんだぞー、的な話題が多すぎて自分でもうんざり気味でした。そして全国のオルフェウスファンの皆様には多分ご心配をかけているであろうと思っておりました。
 発端はポン置きで軽く鳴らして、低域が分厚い、しかしちょっと抜けの悪いいわばアメリカンサウンド、低域中心に音造りしている機器だ、云々のはなしがあったもので、「馬鹿こくでねえ!ちゃんと勉強もしねえで、おめさ何やっとるだよ!」と頭に来て書き始めたわけです。

 「PCオーディオfan」では後ろの方に、しかもモノクロで置かれてしまったのでひょっとしてちゃんと読んでいない方、JVCマスタリングセンター訪問記がありますので、是非ご一読ください。そこにはLR別に動力を引いてあるけれどもXRCDの工場出しのためのMOを焼くために、土日の深夜出勤してMOなど当該機器以外の電源は全て切ってペンライトで仕事をするマスタリング・エンジニアの話が載っています。何故その方が音がよいのか、原因は分からないそうです。昔から焼き仕事はエアコンも切って裸電球の下で、という話が業界には伝わっているようですが、当然PCはバリバリの音楽専用機で不要機能を殺しまくったもので、Macと違ってそれに簡単に着手できるWindowsでは当たり前だったわけです。もちろんあれだけ人材がいる業界でも、皆忙しい事もありますが、様々な秘密は解明されておりません。しかし、こうすれば音は良くなる、というノウハウはしっかり蓄積されてあるわけです。

 「そんなスタジオの事情も何も知らないで、良く業務用機器にハンパに手を出すぜ。まちっと気合い入れんね。」ということで、最後はレイテンシの話にまで整理に行ったわけですが、ローレイテンシにすれば音が良くなると言うシンプルな話ならもう何の苦労もありません。これは1394などのインターフェースを使いながら全然設定を触って聞き比べようともしない人々に対して、こういう風にある程度客観的にスペックで把握しながら整理されているんだよ、という事を言いたかったわけであり、理論的に全て整理できているなどという事では毛頭ありません。

 再生ソフトについてもWindows/Macでいろいろ聞き比べてASIOオリジネーターでもあるSteinbergというのが結果であり、どこのスタジオでもNuendo4は看板で必要らしいし、どの程度Cubaseと違うか一丁比べてみるべ、と教育的配慮の元入手したのをそのまま使っているわけです。DAWソフトでなければ駄目、などと言う気はなくて、その辺りは昨日書いたように解明したいのですがまだまだ及ばない、というのが実情です。
 まだ手なづけてはいませんが、ひょっとしたらリアルカーネルUbuntuと例えばAudacious→ALSAあたりが良い勝負をするかも知れない、という予感はあります。こっちもせないかんから、わしも忙しおまんね、最近。

 しかしオルフェウス君が手強いことに何の変わりもありません。ぱっと聞きに少し粗いと感じる事もあるかも知れませんが、いろいろやっている内に繊細で柔らかく細やかなニュアンスも出てきています。
 ただし、ソフト面だけでそんなふうに追い込むことには限界があります。電源や各種パーツ、CDドライブ読込みや1394/USBなど伝送のための作業用クロックとその電源など、ハード的にも質を高める工夫が必要です。ちょうどスタジオ機器で各種のカスタマイズが行われているのと同じです。
 そしてワードクロックについては、オルフェウスの内蔵クロックは非常に優秀なので、同期のため程度の中途半端なクロックジェネレーターは接続する必要がないと僕は思っています。入れるなら10MHzアトミック級でないと別世界の扉は開かないでしょう。
 まあしかしこんなに打てば響くやつも少ないと思います。それはとことん付き合う値打ちがある奴だと言う事です。ふっとbreathtakingに驚くような瞬間がある。止められません。

 オルフェウス君はそんままでも凄さを感じさせますが、やはりその本領発揮という点でいけば、やり過ぎても還って来ることの出来る人達のためのマシンです。

 (この項おしまい。ふう。どっか誰~も人間がいない遠いところに行きたい。海を見たいな。)


('09.7.30)■PCの内部、特に再生ソフトについてはよく分からない、というか挙動が見えない部分がたくさんある。CDドライブのIDE出力にはスクランブル解除されたCD-DA信号が出力されるという事はこれまでに確認できた。
 で、再生ソフトの内部はPCMデータであり、リッピングの場合はそれにWAVEファイルへの変換が噛むと、当然ながら想定される。

 ところが再生ソフトの中の動きがよく見えない。重い軽い以前にバイナリそのものに「演算誤差」が与える影響はどうなっているのか。特に、32bit floatという必ずしも高精度とは言えない演算の中での中間生成物の持ち方や、丸め(rounding)の考え方。本当はドイツに行ってSeinbergの担当者に話を聞きたいが、そんなこと無理だし第一こちらの知識と語学力がついていかない。なんとか国内で、しかるべき方に話を聞けないものかと考えております。

 本当はドライブから始まって、PC、再生ソフト、オーディオ・インターフェースの各担当者に一堂に会してもらって、激論というか答えが見えるまでは出さない、というような虎の穴でしばき倒さないと駄目なんでしょうが、せめて茶~でもしばきたいもんです。

昨日書いたレイテンシと再生バッファサイズの件では、各メディアでも「レイテンシ」という用語の意味理解の混乱が少し見られる。本来は再生バッファサイズと同じくPCとハードウェア(オーディオ・インターフェース)の関係から定義されるものですが、PC内部ではHDDの速度やデジタル回路での群遅延的な要素も含めてこれに影響するためか、(何となく)全体としてパフォーマンスが良い、ハイスピードな感じがする、というような意味にも用いられる事があるので、今回は「パフォーマンス」という用語も持ち込んでます。

■かなり疲れているのでこれで終わろうかとも思いましたが、ある人に「書きます。」と言ってしまったので、PCオーディオfanでも書いていますが、SSDについてのフォローを。情報提供編はこれでおしまい。やれやれ。週末には友人達も遊びに来るし、少し休みますね。

 コスト面のHDDに対するハンディはもちろんだが、SSDの「それ以外の欠点として良く知られているのは書き換え回数に制限があること、そしてもっと根本的な問題として、そもそも書き換えができないことが上げられる。 」
「実際のSSDでは、ウェアレベリングに配慮した上で、Write Amplificationを小さくするようアルゴリズムを工夫し、また予備のブロックを用意するなどして、一定の製品寿命を確保するようつとめている。多くのSSDベンダーは4~5年は優に上回る製品寿命を確保したとするところが多い。
 問題は、その裏付けをユーザーが検証できないことだ。アルゴリズムの優劣は製品を見ても、製品を紹介したメーカーのWebページを見てもサッパリ分からない。そもそも使われているNANDフラッシュチップの書き換え可能回数すら分からないし、アルゴリズム的に期待できる平均Write Amplificationも定かではない。これでは新品であっても製品寿命は知るよしもない。ましてや中古品ともなれば、想像するのさえ困難だ。 」

 なお「ウェアレベリング」というのは各セルの書き換え回数を平均化・分散し、全体として寿命を延ばす工夫のこと。

一時は「NAND型フラッシュメモリー=メモリー=理想のストレージ」のようなメディアの論調も変わってきて、
1.有限の寿命があり、それは使い方によってかなり変わり、プチフリーズからはじまっていろいろな問題点がある事。特に安価なMLCほどその傾向が強いこと。
2.OSとSSDのファイルシステムに大きな齟齬がありコントローラーチップが「通訳」しているが、それぞれの実際の処理は異なるという状況で、ソフト・ハード的なさらなる開発が必要。

という認識がようやく浸透してきて、すぐにでもHDDに置き換わるだろう、という楽観は陰を潜めつつあり、もちろん低容量はSSDに移行しつつもHDDとSSDは当分共存していくだろうという見方が強まっている。
 
ちなみにプチフリーズというのはフランス語と英語をくっつけた日本的造語のようで、内容的には明らかに不具合で、そんなものは経験しないで済むにこしたことはない。これは日本人特有の言葉の置き換え、中身のすり替えだと思っている。詳しくはググってください。対策ソフトなんかが沢山出ていることにまずは驚かれるだろう。

できるだけ書き換え回数を少なくする工夫が必要だが、僕のように書き換え回数の少ない音楽データ用につかった時でさえフォーマットを何回かすると、認識しなくなってしまったので、何せそろりと使う事だ。音楽データ用ならバックアップもあるのでまだあきらめはつくが、システム用となるとショックは大きいし交換や環境の復元に手間がかかる。PCのシステムに使うと、OSはそれこそ細々と書き換えに行くので、書き換え回数の点ではやはり不安があるが、その場合は高価なSLCを投入して使い方を工夫した方が良い。
  cf(参照)「SSDの寿命を長持ちさせるには 」

ということで今どうしてもSSDでやりたいというのなら。
1.持ち歩く必要があって落としたときにクラッシュしたら困るから、という安全上の問題に関してはSSDが有利。
2.できれば高価(32GBで5万円ぐらいから)だがより安定度の高いSLCを使うか、MLCでも定評のあるIntelのMainstream SSDやOCZ製など高価でも安定度の高いと思われるものを使うこと。
3.1万円前後とかの安価なMLCを使いたいなら、不具合が起こりうることを認識した上で、できるだけ負荷を掛けないよう最初に方針を決めるなど、よく調べ・考えてから着手すること。ただし、不具合の内容としてはデータが飛ぶようなことも起こりうるので、あくまで自己責任。

と言うことになるだろう。

 いずれにせよ現段階では、使ってみたい、先端を走っていろいろ確かめたい、と言うのでなければ、当分の間いまのHDDで行くという方がお金もかからないし賢い選択であることは間違いないと思う。


('09.7.29)レイテンシと再生バッファサイズという基本(PCを中心とするシステムのパフォーマンス・概論)

 「一般的にコンピュータが音信号を出力する場合、音データを一定長のバッファに記録してから逐次ハードウェアへと出力するため、バッファのサンプル数をサンプリング周波数(ヘルツ)で割った数だけレイテンシ(秒)が生じる。」  http://ja.wikipedia.org/wiki/レイテンシ

1.レイテンシと再生バッファサイズ

(1)PCとオーディオインターフェース(上記で言うハードウェア)の関係を示してくれる基本的スペックの中に「レイテンシ」(遅延)というのがある。
 Cubaseではデバイス設定画面に何ミリ秒という単位で示される。

 また、それに関連するものとして都度都度に出力されるデータのサイズを示す「再生バッファサイズ」(上記で言うバッファのサンプル数)という指標があり、これはサンプル数あるいは時間(ミリ秒、マイクロ秒)という形式で表示される。例えばFF400だと Fireface Setting画面で示される。 

(2)上記サイトの文章からもわかるように、レイテンシ再生バッファサイズは正の相関関係にある。
 例えばサンプルレート 44.1 KHz、オーディオバッファ 512 サンプルの場合、バッファが一杯になって出力されるまでのレイテンシは約 12ms 。バッファサイズが 256 サンプルの場合では約 6ms です。

(3)問題はデータをどれだけのスピードで、どれくらいのサイズで送り込めるかということになる。つまりはレイテンシが小さい状態というのは一度に送るデータサイズを小さくして、その分出力回数を増やして送るという状態をさすので、PCにかかる負荷はより重くなる。
 (分かっておられる方も多いと思うので、詳しくは書きません。内容はググって勉強してくださいね。)

2.バッファサイズの設定とPCを中心とするシステムのパフォーマンス、再生音

(1)もちろんインターフェース側でバッファサイズの設定はいろいろできるが、レイテンシやバッファサイズを下げていったときに、PCを中心とするシステム全体のパフォーマンスが足りなくなるとノイズが出たり、音飛びが生じる。だから接続するPCによっても、バッファサイズの設定は変える必要がある。

(2)聴感的にはレイテンシまたはバッファサイズを小さくしていくと高解像度になるがシステムへの負担が増すので、時としてつま先立った不安定な音になりうる。反対にレイテンシまたはバッファサイズを大きくしていくと安定的だが大味な音になりやすい。

3.DAWソフトとPCのパフォーマンス

(1)つまりこのレイテンシが小さい状態、あるいは一度に送るデータサイズを小さくして、その分回数を増やして送ってもシステム上問題がないという状態で稼働することがDAWソフトの本領発揮の場面なので、マシンスペックもある程度以上を要求するわけだ。
 もちろん不要プラグインを削除していくなどDAWソフト自体をチューニングしたり、OSのチューニングなどの環境整備によっても全体のパフォーマンスは改善されるので、要求されるマシンスペックは実質的にはより小さくて済む訳だ。。

(2)一方、DAWソフトを使ってレイテンシが大きい状態でも音質的に問題がない、と聴感上判断されるならばそれはそれで良いわけだ。ただ、例えばOrpheusのようにDAWソフトを使って低レイテンシで動くことを前提に作られているスタジオユースのインターフェースなどは、DAWソフトが本領発揮できるだけのシステム環境で駆動しないと、いわば本来の能力というか音質を十分に引き出せない状態になるわけだ。音質的には低パフォーマンスの場合、バッファサイズを、つまりレイテンシを大きくしないと安定して再生できないので、大味な低域を引きずる方向になりがちだと言われている。

4.オーディオインターフェースでの実例

(1)WEISS DAC2 のようにつなぐPCによっては入力モードを制限してしまうケースすらある。一番音が良いのは「Normal」だが、MacBook Pro でも接続当初はすぐにはこれにできなくて、「Safe Mode Level1」からいろいろ調整してNormalに落ち着いたぐらいだ。勿論、サンプリングレートが上がれば、このままでは音飛びやノイズが出るのでバッファサイズも大きく設定していかなければ行けない。ちなみにワイス君の場合、44.1KHzではバッファサイズ128 、176.4/192KHzで1024です。

(2)Orpheusの場合凄いのはデフォルトで5000マイクロ秒になっているので、44.1KHz設定で221サンプル数になるのですが、このままの設定でサンプリングレートのみ192KHzにしても一応破綻を来さずに鳴ると言う懐の深さ。つまりはより低いレイテンシでの動作を前提としていると言うことだ。

5.結論
 こういうスペックと音質傾向をふまえた整理は基本中の基本としてすでに録音製作現場で確立されている話なので、 PCオーディオの曖昧な訳の分からない世界の話ではないのですね。もちろんこれも何回も言っていますが、遅延の大きい状態の音がお好きなら、あるいはそれで十分楽しめるなら、それはそれでお好みですからそれ以上どうと言うことではなく、ただ「基本」を知っておいていただきたい、また基本を十分ふまえた上で進めていただきたい、と言うことです。
 それとこういうスペックはあくまでグロスの把握・PCとインターフェースのマッチングのための指標で、レイテンシさえ低ければ音質がいいとか、そういう極端な主張をしているのではなく、その考え方の説明をしているので、ゆめ言葉尻だけを増幅されませんよう。

 ああ、ようやく結論に入れました。疲れた。もうこれで公害などという、いわれのないことを言われずに済むんでしょうかねえ、やれやれ。


('09.7.28)■先日書いたように休眠中だったチャイニーズBTOマシン(CoreSolo 1.66GHz)にWindows7RC(32bit)とLinuxをインストールして試験操業中だ。
 今マイクロソフト(MS)とAppleの2大商用OSがメジャーアップデートするのを目前に控えたこの時期に、今後の中短期見通しくらいはきちんと考えておく必要があると思うからだ。とはいえ音楽再生という特化した用途なので、それには実際に動かして確かめてみるのが一番だ。

XPの一般販売はこの6月末で終了しており、マーケットと言っても事実上独占なので、これまでと同様供給側の都合で決まるだろう。つまりMSがネットブック用にWindows7の下位バージョンを格安で出していく以上、いずれかの時点でXPのサポート終了となるのは目に見えていると思われるし、いつまでもXP一本槍ではいられないと切実に思うからだ。

 Windows7RCは確かにVistaよりは軽い感じで、見通しも良い。ProcessExplorerで見るとうんざりするくらいのプロセスが立ち上がっているが、試験用なので環境はデフォルトで行くつもりだ。細かい部分のアップデートも進んでいるようで、表示など??と思った部分がすこしずつ改善されている。


■Linuxは面白い。これこそコンピュータだと実感させるものがある。
 最初Ubuntu9.04で様子を掴んで、Ubuntu Studio 9.04をインストールしにかかったが、パッケージ・ソフトのインストールのところでつかえて先に進めないので無理せず断念した。
 そこで不幸中の幸いと、Ubuntu Studio よりも軽くてほぼ同等機能の「音楽再生用Ubuntu 9.04」を構成してみた。

1.リアルタイムカーネル(-rt)導入
2.リアルタイム処理動作を導入(認証ファイルの改変)
3.Start ManagerによるGRUBローダーでのリアルタイムカーネル起動
4.Ubuntu Studio のソフトウェアのうち音楽再生に関係するパッケージのみインストール(音響エフェクト・ミキサー関係や画像・動画関係はインストールしない)
5.LinuxでASIO操作画面やAudioMidi設定のような役割をする「JACK」と、それに対応したDAWソフト「Ardour」をインストール。
  Bansheeなど他の再生ソフトはJACK非対応なので、Pulse Audio Volume Control で音出し。

 問題はオーディオインターフェースのFireWireドライバには対応していないものが多いこと。LinuxでのFirewireドライバーをオープンソースでサポートするFFADO.org(Free Firewire Audio Drivers )「Device Support」ページでもワイス君はかすりもせず、オルフェウス君は「unknown」、Fireface400/800は「Planned」つまり計画中で、愛想ないことこの上ない。DTM用インターフェースには対応しているものが結構あるようだ。

 しかしFireface用ドライバーの開発は進んでいるようで、また最新ドライバ2.0 RC2のリリース文書にあるように、ワイス君にも使われているDICEチップのサポートが始まったりしているので、順次進んでいくと期待したい。とはいえ、おそらくUSB2.0も専用ドライバがないと対応できないだろう。
 ちなみにIntel MacへのUbuntuインストールは両者のパーティションのブートローダー管理に違いがあり、不可能ではないがそれなりにリスキーそうなので見送りました。

と言うことで、USB1.1のDACでWindows7もUbuntuも試聴する予定だ。

 それにしてもリアルタイムカーネルUbuntuの動きは軽くてきびきび・サクサクで気持ちがよい。フリーウェアなのでマニュアル類はほとんどなくあれこれサイトやフォーラムを読んで、自分で考えなければならないときもあるが、「端末」(MacでいうTerminal)への入力などコピペでも問題ない。いま段階で作る気は全然ないけれども、マニュアルが整備されていれば出来る人は多いと思う。

 ということで、Linuxもだれにでもお薦めというわけにはいかないが、余ったマシンの一角でやってみる値打ちはあると思う。いずれ浮上してくるはずだ。

 ちなみにUbuntu「ウブントゥ」とはアフリカの言葉で「世の中あいみたがい」という意味だそうです。


('09.7.27)この3月にRMEがフランクフルト・メッセで発表した「Fireface UC」について書いておこう。
「USB 2.0 high-speed bus」なので、当然ドライバと操作画面がセットになったインターフェースだ。

注目すべきはレイテンシが非常に低いことだ。バッファサイズはWindowsでも48サンプル、MacOSでは14サンプルという驚異的な数字が出されている。
恐らくこれは単なるUSB2.0ではない。「現在のUSBオーディオインターフェースの仕様的制限事項となっている問題を回避するため、それぞれ違った転送方法を採用する2つのファームウェアをユニット内に搭載している。」ことが大きいと思われる。
 「このファームウェアにより使用中のOSによってファンクション、オペレーションを切り分けて動作します。例えば、Mac OS X上ではMIDIポートはOSに準拠し、自動的に標準のMIDIドライバを使用します。」
USBは当分「ファームウェア開発競争」が続くのだろう。

機能的にはFireface400とほぼ同等だが、上記のように内容はかなり異なる。
また400が出てから大分時間も経っているので、勿論コストとの関係もあるが、チップなどの世代交代も当然考えられる。
そして問題は音質がどうかだ。
Fireface400の日本発売とほぼ同時に買った僕としては、それがPCオーディオのクラシックの一つとして位置づけられ得つつあるのは嬉しい話だが、時間と技術は容赦なく進んでいく。
ひょっとしたら400の方がバランスが良いかも知れず、ひょっとしたらUCの方がより鮮度の高い音かも知れない。


いずれにせよ、発表が待たれるところだ。買いを入れるのはそれからでも遅くはない。


('09.7.26)■新たに始めたプロジェクトの第1回が終わって、全貌が見えてきた。面白いし、第一とても音がよい。USB DACでこれだけ鳴ったら言うことはないと思う。うむ、これはメーカーが一番関心を持つ可能性が高い話だろう。
 で、これに限らず内容については、まとまるまでどこにも一切出さないことにしました。このHPに書くかも知れないし、価値があるなら雑誌に書かせていただくし、さほどでなければ僕と親しい友人で楽しむ。ともかく初心に返って僕一人の勝手でやり、僕一人で結果を出す。その余のことは僕には何の関わりもないし僕も忙しいので、友人達の相談事や交流は別として他はあずかり知らぬ話だ。

■さて今日は久しぶりに音楽を聴きながら、ケーブル造りに精を出そうかね。


('09.7.25)■オーディオは言うまでもなく「遊びですから」、何をどうやっても良いんですが、例えば再生に使うアプリケーションの要求する動作環境、なんていう逃れようのない数字がある。Cubase Studio5のWindowsで要求する動作環境は以下の通りです。

Windows XP Professional (SP2以降)/ Windows XP Home Edition (SP2以降)
/ Windows Vista (32/64bit 版)*
Pentium / Athlon 2 GHz 以上 (Dual Coreプロセッサー推奨)
RAM: 1GB 以上
HDD: 4GB 以上の空き容量
ディスプレイ: 1280 x 800 ピクセル以上 - フルカラー
オーディオデバイス: Direct X または ASIO 対応デバイス (ASIO 対応デバイスを強く推奨)
ダブルレイヤー DVD-ROM ドライブ
USB 端子: Steinberg Key (コピー プロテクト キー) 接続用
インターネット接続環境: ライセンスアクティベーション、ユーザー登録等


・ソフトウェアをお使い頂く為のコンピューターシステムの最低動作環境を記載しています。複雑な作業を行う時や、大きなプロジェクトを扱う時においては、より強力なシステムが必要になる事があります。(以下略)

1.いろいろありますが、「Pentium / Athlon 2 GHz 以上 (Dual Coreプロセッサー推奨)」というのを見たとき、少なくともご自分のマシン環境がこれをクリアしているか、中古の場合でもそうだが確認しておられるだろうか。DAWソフトはかように手強いのです。これがしんどければもっと軽いソフトがいくらもあるので、音楽を聴くのならそれを選べばいいということです。あるいはロースペックなPCでも鳴るのでそれで聞いても全然かまわないんですが、このあたりをちゃんと理解していないとハイスペックを要求するスタジオユースの機器などをつないだときに、現象・原因の切り分けが出来ません。

2.それと()内の「Dual Coreプロセッサー推奨」の意味をお考えいただきたい。Cubase Studio5の設定にもCPUコアの設定があるのを見ても分かるように、コアが1つしかないか2つ以上かはDAWソフトにとっては死活問題です。

 22日のマシンパワーの記事を良く読んでいただけば分かるが、ポイントは「64bit」にある。いくらマニアックでビョーキで過激派の僕でも、誰もがPC環境チューニングにいそしむ事などとても考えられない、というくらいの常識は一応備えているので、知識として理解していただければそれで良いと既に書いているわけです。その上で皆で幸せになる方法を考えれば64bitが一番良い方法ではないか、と思っているわけです。身を切ってそう言ってもこれが分からん、伝わらんのです。
 無論64bitなら何でも良い、と言う訳では当然ながらないわけです。良い64bit、そこんとこがこれからの探求かと。
 まあ、最新版Core2Duoでも64bitOSがインストールできない機種があるというのをこの前初めて知ったので、折角持っているリソースを活かせないそういう機種も避けた方が良いのではないかと思います。 

溢れる感情があるということは、それをじっと我慢して抑えてきた時間と努力が背後にどれだけあるかと言うことだ。抑えていても届きようがないから、努力しても伝わるべきところに伝わらないから、せめて日記に書いておく訳だ。自分がそれをせざるを得ないくらいマグマが溜まっているのなら、それはある意味では人並みになったという話です。
 今、自由になった僕にはそういうものは特にない。とは言えメンドーは避けたいので、サイトの情報量は減るだろうが、注意して書くテーマを選べばそれで良いだけだ。
 作業していると食事をしながらネットを見ることが結構多いが、そういうときに飯がまずくなるようなサイトは見なければいい。あるいはURLを消しても良いのだ。自分にとって意味があるものだけを選べばいいのだ。


■分かる分からないで言うと、ワンポイント録音の特徴が理解されているようで、案外と理解されていない。例えば矢野顕子の「Home Girl Journey」を聞くと、曲のアタマの部分で「サーーー....」という音が入っているのを意識しておられるだろうか。仏アルファやワオン・レコードなど曲によってはもっとこれが顕著に出る。
 それはマイクが捉えた「会場ノイズ=空気の音」です。僕らは意識しないけれどもマイクはちゃんと細かく録っているわけで、例えばある周波数と別の周波数の差はビート(うなり)になるのでランダムにかなり低いところまで入っています。マルチマイクで録って音量差で貼り付けていくと、こういう会場の一体感みたいな空気もあっという間に消えていくわけです。

 経験的に言うとこれらのCDをかけたときに
1.それらの音が聴こえるかどうか
2.その聴こえかた(広がり方、ピーク感のあるなしetc.)
で、システムの質が結構分かったりします。
 
 人生結構短いので、まずはコンサートやライブ(出来ればあまり強いPAの入っていないアコなところ。席は前。)に行きましょう。生音や生っぽい音の感触を楽しみましょう。そうすればナチュラルな音を録ったディスクの良さも実感していただけると思います。
 今日の一言:空気の音がちゃんと聴こえるディスクならシステムなら、いい音もちゃんと聴こえるはず。


('09.7.24)今日お見えになったお客様は「GRFのある部屋」で有名なGRFさん。あるいはMA Recordingsのタッド・ガーフィンケルがビッグバンドをワンポイントで録ったTJC(東京ジャズ・コレクティブ)のプロデューサー、と言った方が分かりが早いかも。

 東京の友人からお土産でいただいて(感謝!)聞いて快哉を叫んだのですが、いんや~凄いんです、「KUNIZO BIG BAND」のこのこのCD。是非是非一聴をお薦めします。タッドがセットしたペアマイクをミュージシャンがずらっと半円形に取り囲んで、ソロもリズムもクリアに聞こえて実在感が凄い。しかも空気感を湛えた音が瑞々しく美味しい。ワンポイントでもエンジニアの耳と腕さえあればここまでやれる!(ポイントの割り出しはもの凄く大変だそうです.....。)こちらとかこちらでお求めになれます。

 全国を飛び回っておられる中での、この日は朝から岐阜へ、そしてわが大阪・堺からから京都にという移動の一こまのちょっと慌ただしい来訪だったんですが、CD・HiResデータを中心に聞いていただきました。ご自分でも録音に携わり、全国各地の音を聞いておられる歴戦の勇士だけに、面白い話がいろいろ聞けたのは有り難かったです。と言うか、2人ともデジタルにはあれこれ入れ込んでいるだけに、各ステージでのクロックの重要性、16bitがちゃんと再生できているお宅は実際には少ない、DACチップの複数使いは理論的にはともかく実装上無理がある、などと曲の合間に談論風発したことでした。
 繊細さと磊落さが絶妙に調和した方で、今度はゆっくりとお話ししたいなーと思いながら、夜半京都に向かわれるのを見送りました。再見!


('09.7.22)PCの「マシンパワー」について皆さんよく分かっていないのかも、と思うことがある。

 それは電源が強力だとか、CPUがばかっ早い、とか言うモノとは違うのだ。これは32bitの話だが、「マルチタスク」というのがあって、一度に複数の作業が出来るというモノだが、実際には「分身の術」でやって見せているわけで、一度には一つのことしかできない逐次処理の「シングルスレッド」が基本の世界なのだ。
 さてこういう世界で強力電源だとか、ばかっ早いCPUを走らせると、音楽再生はパワフルになる。しかし、非常に単純化した話だがそれと同様に「音楽再生に関係ない、時としてその足を引っ張る競合機能」もパワフルになるのだ。

 つまりはマルチスレッド出来るアプリならともかく、逐次処理の「シングルスレッド」タイプのPCでマシンパワーを引き出すには、「音楽再生に関係ない、時としてその足を引っ張る競合機能」を出来るだけ排除するか動かないようにしていくしかないわけで、アンチウイルスソフトはインストールせず、OSや再生ソフトの不要機能を止めていく等々、様々なチューニングが不可欠なのだ。

 音楽専用機、それもチューニング済みのものでなければ基本的にマシンパワーはフル近くにまで発揮できない。このことを良く理解する必要がある。勿論、皆がそうする必要はなくオーディオのスタイルや音の好みは様々でいろんな形がありうるわけですが、でも基本は理解はしておいていただきたいのです。

 
ことあるごとに64bitと言っているのは、基本的にはマルチスレッドの世界だからだ。常に複数の処理が走っているのであれば、動作も安定し「分身の術」は必要なくなるのだ。


('09.7.21)■この週末に一人遊びに来られる方がいるので、SC10 10MHzクロックの電源はその後に手を加えようと思っています。電源のノイズ軽減でどれだけ音に影響があるか、興味津々丸です。

■このところWindows Vista/7 などでの音声の構造を整理しているのは、複数のルートがあって皆ちゃんと音は出ますが、そこへ再生ソフトなどのソフトやサウンドカードなどのハード環境など条件が違うので大変にややこしいからです。『少し言い過ぎかもしれないのを断ったうえで続けると,Windowsのサウンド環境というのは「成り行きに任せて過去の互換性を維持してきた」ようなところがある。』そうです。XPでもDirectSoundやUAAがあったり、ここにASIOやASIO4ALL、Vista/7では WASAPIが加わると、画を描かない事には整理できません。
 そういう点では再生ソフトが許すなら、XPでUSB1.1のDACのケースでもASIO4ALLを使っていただいた方がスキップできる段階がありますので、より効果的だと思います。
 iTunesやQuickTimeは Macではバリバリ本線の CoreAudio 対応なんですが、Windows版だと無役のいわばシステム依存出力なので苦しいものがあります。再生ソフトも選択肢は沢山あるので、いろいろ試されて結果の良いものを使っていただくのがベターです。


('09.7.20)CDドライブ(Premium2改+0.1ppm OCXO 33.8688MHz、Oxford911+D-Clock 24.5760MHz)の0.1ppm OCXOの電源に Black Gate NX 超電解接続を導入して好結果を得たのは先日書いたとおり。
 で、続きで、IDE→1394変換基板の1394伝送用のD-Clock 24.5760MHzの電源12Vには従来からAuricap 1マイクロをパラっているが、さらにBlack Gate NX 16V100マイクロ*2個(超電解)を接続した。まだ使い始めたばかりだが、この時点で音像の周囲の空気感というかニュアンスの出方が明らかに違っている。勿論、精細な方向に変化している。BG系のブレイクインは相当かかるだろうが、これは結果が楽しみだ。ちなみに写真では赤い被覆をかぶっていますが、実装では被覆を取り去っています。

 超電解接続という名前がおどろおどろしいのと、BG NXがもう市場にないので話題にはならないが、pcxの在庫は着実に減っているので、ひょっとしたらこうして書いている影響があるのかも知れない。いや、本当に音質上の効果があるので、もし試したい人は今の内にオーダーされた方が良い。僕もこれが最後かと思いながら、あちこちの5V系電源にパラ付けするつもりで、今日6.3V 100マイクロを20個注文した。コツは回路の直近に入れること。

 では何故こんな伝送系のいわば作業用のクロック電源で音が変わるのだろう?
 まず事実として
1.クロック波はアナログ信号である。インバーター回路で正弦波に歪み波形である奇数次高調波を重畳して矩形波を作るもの
2.1394やUSBなど伝送路にもジッターが存在することは既に知られた事実である。

 そこであくまで「仮説」ですが、
1.クロック回路は激しく変動する信号を扱う回路であり、電源の影響は大きいと考えられる。実際に電源強化の音質改善効果は経験的に大きなものがある。
2.そこで、クロック電源に超電解をパラづけする事で負荷電流への追従性など電源の質が上がり、クロック信号の波形に変化をもたらし、ジッターの質と量に影響を与えたのではないか?
 ということが考えられます。あくまで「仮説」です。が、音質面の変化がある以上、何らかの電気的影響が回路の動作に変化を与えた、と解する方が自然ではないでしょうか?


(注)「周波数領域では、クロックの質を時間軸方向の変調現象として扱う。つまり、キャリアに寄生するPM(位相変調)やFM(周波数変調)としてクロックの質を評価する。このため、周波数領域において、ジッターは残留PM、残留FMあるいは位相雑音と呼ばれる。」(EDN Japan「オーディオ品質とクロックジッター」page2


('09.7.19)そうかジャケ写真はエリク・エリクソンの背中だったのか。知らぬ人は全然知らず合唱関係者だけにやたら有名なスウェーデンの合唱指導者。そう北欧はコーラス大国群なので、こういう素晴らしいCDも出るわけです。北欧合唱曲集「スタムニング」。
 ザ・リアル・グループも地元の音楽だけに気合い入っていて、いや美しいこと。広がりのある録音も素晴らしい。暖かい人間の声は本当に素敵だ。

 在米の友人に教えてもらったTrio Meadivalはまだ全部聞けてないので改めますが、ザ・リアル・グループのこの1枚は絶対に買って損はないです。

 実はこのCDはjillartさんのブログで見つけて注文しましたが、Virgin Swedenだからか@Tower.jpで入荷まで約1ヶ月かかりました。雑音に惑わされず、音楽と自分だけで向き合う境地に、僕も早く達したいものです。


('09.7.18)■原稿1本上がりました。その合間に小人閑居して不善、もとい不全、もとい普善、もとい何かゴソゴソしています。
 まだ当分内緒ですが、なかなか可能性ありと思います。ふむふむ。

■Ayreの代理店AXISSが「QB-9ユーザーズガイド」をアップされました。以前書いたようにASIO対応機器ならとりあえずWindowsでの接続には問題はないが、ASIO対応でないUSB1.1のDACで、しかもASIO非対応の再生ソフトも含めてより高音質を目指すのは、Windowsの各バージョンの違いも含めて大変にややこしいです。いろいろと連絡を取らせていただいてるだけに、それらの点を整理する輸入代理店のご担当のご苦労はよく分かります。32ページにわたって大変良く整理されていると思うので、どうぞご覧ください。

■先日マイクロソフトの方からメールを戴き、いろいろな質問にも丁寧にお答えいただいているので、大変助かります。感謝です。その成果を何らかの形でまた還元していきたいと思います。

■地方在住者の心意気として、地方にいても十分やれると以前書いて、基本的にはその考えは変わらないものの、どうなるかわからないものをとりあえず聞く、経験する、というのはやはり東京にいないとできないことが多い。そういう意味では限界もあるが、まあはじめから足りない能力的なこととか限界はあるので、出来るだけの努力でアンテナも張って謙虚に頑張るしかない。


('09.7.17)今日@Towerから届いた内の1枚はハンニバルの「ライト」(日本盤CD紙ジャケ)。
 ただ正直あまり良いとは思わなかった。CD的なほぐれない音で、要するに吹っ切れない。マーヴィン・ピーターソンの熱さが来ない。

 で、ここは廃盤で入手難だけどやはり独MPS盤「Hannibal」のことを書こう。このトランペットの鼻をした像さんのレコードに出会ったのは京都の「十字屋」だった。全然知らなかったのだが、カルタゴのハンニバルがニックネームなんて少し格好良いな、と思って手に取った。で読んだんだな。ヨアヒム・ベーレントの解説「このグループの最年少メンバーは8才の少年、クリス・ハート、ドラマーのビリー・ハートの息子だ。彼は長期のヨーロッパツアー中で重要な役割を果たしている。(中略)
 数ヶ月の外国への旅に向けて子供を託すことが出来る、彼はそういう種類の人物なのである。」

 僕はこういう話に弱いので、すぐに買った。そしてとても満足した。70年代の高揚した雰囲気が伝わってくる。そう、チャールズ・トリバーなんかも僕は好きだ。「Song of the New World」。ビリー・ハーパー「Capra Black」。

 「ハンニバル・イン・ベルリン」はイギリスに行く前に、大阪の中古屋で忘れもしない4,000円で買った。LPとジャケは違うが今CDで入手できるのはこれくらい。最後の曲が「マイ・フェイバリット・シングズ」ということからも分かるように彼にはありありとコルトレーンの刻印がある。豪快とか音が大きいとか言われるけれど、スピリチュアルで熱いのだ。手兵のサンライズ・オーケストラを引っ張っていく牽引力が凄い。
 ジャズがこんなに熱い時代があったのだ。願わくばCDの音も熱いことを。


('09.7.15)■駅前の本屋さんで「Ubuntu9.04完全ガイド」というのを見かけて買いました。Ubuntu Studioを使ってみたいのだが案外と重たいそうで、まあ本家からやってみるという手もあるので、とりあえず合間にポチポチと読む。
 今Windows7をインストールしてあるチャイニーズBTO機はパーティションが一つしかないので、Ubuntu用のパーティションを切ってやる必要があるが、手元にはPartitionmagic7しかなくうまく動作しない。
 そこでUbuntuをCD-ROMからブートして、Ubuntuでパーティションを2つ新たに切ってみた。これが実にスムースに行き、Windows7も無事リサイズされている。
 まあ、合間合間にゆっくりとやりましょう。

■このところ少しずつ、いままでおつきあいのなかった方面からメールをいただいて、情報交換というかやりとりが始まっている。それぞれの司司の方とやりとりできるのは大変に有り難いです。

■この夏は遊びに来てくれるオーディオ系の友人達もいて、手帳を引っ張り出す頻度が高い。秋にはまた関東方面に行きたいし、沖縄の友人と京都の紅葉を楽しむという計画もある。


('09.7.13)■DAC2のついておたずねのメールを戴いた。我が家で聞いていただいたら分かると思いますが、おそらくOrpheusもDAC2も本来の性能を発揮した音を聞いた事のある人は、コンシュマーでは日本でようやく2桁に届くかどうかくらいのレベルでしょう。偉そうに聞こえたら済みません。本当のことばかり言うと嫌われますので、あまり言いたくもありませんが、多分事実でしょう。電源ケーブルで音が変わるのは当たり前で、その程度でどうたらなどというなら全く分かってないのです。

 いろいろ丸めて程ほどに音造りしているコンシュマー機器と違って、録音素材をプロが扱うのに使うので鮮度優先で、前段までの機器のパワーを当然非常に高いレベルで要求する。料理で言うならプロが磨いだ包丁のようなものだし、魚や野菜もとびきりのものが必要だ。そうでなければ出来上がりであからさまにそれを示されると思った方が良い。特にOroheusはそうです。片手間に鳴らすのではなく真剣に切り結ぶくらいの姿勢が必要です。DAC2にしても広い空間を聞かせてくれるでしょうが、その中の音達に気合いを入れるのにはやはりパワフルなシステムが必要です。

 また、コンシュマー機器に比べて価格はそれほどでないし、勉強が必要だという意識は薄いでしょうが、プロ用だからマニュアルに書いていないことも結構あり、要するにハイエンドの業務用機器は乗り手を選ぶきかん気のサラブレッドでかなり手強いのだ。
 メーカーもちゃんと情報はHPにアップしているので、事前事後のデジタル勉強が不可欠です。英語力も必須。

■実はいまもの書き仕事を3本抱えていて、結構期限が気になります。余計なことはうっちゃって、さ、仕事しよ。

ASIO、WASAPI、ASIO4ALLについてのメモ

1.ASIOのようにソフト・ハードウェア=サウンドカードの直取引をするためだけのものではなく、WASAPIというのはそれに近い事「も」実行可能な、Vista以降のWindows コアオーディオAPIの一部、要するに「バリバリのWindowsのパーツ」の一部です。現状でも結構バグを持っているようで、7リリース時には修正されると期待されているが、何せ「バリバリのWindowsのパーツ」なのでマイクロソフトがあまり張り切るとしんどいかも知れない。お願いだからバグ治しだけで、ASIOの脚を引っ張るような余計な機能追加には進出しないで欲しい。(アメリカではMSがオーディオ界からの情報も得ている様子も散見されます。)

2.いずれにせよ、ソフト・サウンドカード直取引のASIOに比べて、WASAPIの設計ではEndpoint Bufferという少なくとも1ステップは余分に経由する必要があるので、直取引度ではASIOに一日の長があるようだ。
 実際、DAWソフトで対WASAPI比較した友人の報告でも、フリーウェア+USB DACで実験してみた僕の結果でも、ASIOの方が情報量は高く音質は良い。まあ、この辺りは試聴ソフトの質と試聴時の設定も相当影響しますが。

3.ASIO4ALLというのはWindowsのカーネルストリーミング・ドライバを下請けにしてASIO風のAPIでそれを叩く、と言うもので、通常のASIOドライバのように「直接」ハードウェアを叩くのではないので、いわゆる「なんちゃって」だそうです。そういうからくり仕掛けなので、他の常駐アプリやバックグラウンド・サービスの負荷が高まると動作が不安定になる、という弱点がありがちです。一方WASAPIはMMCSSがサポートして優先度を上げるなど「バリバリのWindowsのパーツ」の強みがあるのでいざというときにはしぶといようで、環境によってはWASAPIの強みが発揮されるようです。

 どっちにしてもWindows7リリースとVistaのバグフィックスをみないと確定的なことは言えないかも知れない。ASIOだと少なくともMSに振り回されることはないが、USB1.1のようにWindowsドライバに依存する立場では、Windowsの出来具合やMSの動向に一喜一憂しなければならない。


('09.7.12)この週末遊びに来られた友人はXP 64bitを始められて間もなくで、そういう非常にHOTな話題でおそらく時間の1/5は音楽再生のためのPC環境作りの話をしていた。64bit環境が非常に安定していることなどを教えてもらったりして、僕も64bit移行は実行に移したくて仕方がないところなので、とても参考になった。
 OSやPCは非常に間口が広く、一人でやっていてはいくら時間があってもカバーする範囲が足りないということはしょっちゅう感じる。だから、チームとは言わないまでもこうして緩やかな連携で情報交換ができることはとても助かる。

 以前システム開発の責任者をやらされていたときに感じたことだが、開発SE達は実際の作業態勢では年齢やポジションに関係なく、一番そのソフトについて詳しい人間を実質的な作業リーダーにしていた。もちろん会社によって考え方ややり方は違うと思うが、切り口が多数あって難しい問題では、人の意見を十分に聞いて事前リサーチして、かつ「詳しい人にやってもらう」態勢造りが不可欠だと思う。この開発のときは名目上のリーダーが同時に管理者として人のアサインや様々な内部調整に当たっていた。つまりは開発と周辺雑務を柔らかく分担していたわけだ。何かを共同でやるとしたら、その辺りの態勢造りと分担を考えておく必要があるので、結構難しい面もある。
 
 で、音楽の話も沢山したのだけれど、それはまあいつものことで、2人が寄るとどうしてもPCがらみの話が中心になる。僕的な整理ですが、意見が一致したのは大体以下のような感じです。

1.現在のデジタル音楽再生は過渡期なので、いろんなやり方が可能だ。とはいえ、こうやってPCで高音質追求していくのはかなりのスキルと情報把握が必要なので、広く普及するスタイルにはならないだろう。実際には技術もデバイスもソフトも既にあるので、あとはそれをどうインテグレーションして「オーディオ」機器の形に落とし込むか、そのうちのどの機器の形がアメリカ市場などでブレイクするか、それによって普及のレベルが決まるだろう。
 メーカーもいろいろと工夫が必要でしょうが、僕らはユーザーとしてのニーズを把握し伝える努力をしなければならない。

2.軽量PCではなく軽量OSが必要。
 現状の重いOSで軽量PCを軽快に使いこなすにはOS環境の軽量化(つまり機能カット)が必要な可能性大だが、それにはスキルが要る。
 一方で、さほどのスキルなしに軽量OSが使いやすくうまく動く環境作りができれば、ハードもうまくこなせる。つまりハードからはいるのは概ね順序が逆。

3.PCで高音質追求という切り口なら、これからはソフト的にはマルチタスク環境、全体としては64bit環境実現が大きな課題。Macなら9月にはすぐそれに入れる。
 (何故Macユーザーの皆さんがそれを必ずしも真剣に考えないのか、僕的には不思議で仕方がないのですね。苦手なWindowsを自分でやることにこだわることはないので、そういうのは得意な人に任せる態勢を考えればいい。)


('09.7.11)話が通じるというのは本当に有り難い。横浜と大阪にいても、一度会って人間関係が出来たらかなりの事をやりとりできるだろう。

 ところでWindows7って音声に関してはVistaとほぼ同様のようで、XPとは全く違った構造なのでそれなりに勉強しないと使いこなせない場合があるのを分かっておられるだろうか?現在そのレポート造りは山は越えたとはいえ中断しているのだが、Windows7のリリースやその前にあると思われるVistaのバグフィックスもあるので中途半端にせずよく見極めたい。当分はお蔵入りにしようと思う。

 例えばSSDでググってみる。ざっと目を通せば現況くらいは分かる、はずだ。大した手間ではないし、続けていればポイントも分かる。手間を惜しむと、後で失うものが大きい。


('09.7.10)【オルフェウス君やワイス君のこと】

 忙しいっす。こういうキャパのある機器はポン置きでもそれなりには十分鳴るのだけれど、どうも皆さんがあまり意識しておられない事を幾つかメモ的に。

1.レベルは高めに。
 やはりサラブレッドは良い馬場や草原を思い切り駆け回らせてやりたい。ゲインは高めに出来ればMaxでホットに鳴らしたい。FF400もそうだが、出力のアンバラ変換の接続で実質的にゲインを帰ることができるので、音質が気に入ればそれも一法。
 ワイス君は特にレベルに敏感で、最新バージョンはメカニカルなアッテネーターが付いたようだ。おそらくソフトウェア・ボリュームの使い方が分かりにくかったのかと思われます。

2.デジタル・プリとして使えると思ってはいけない。
 前面ボリューム(エンコーダー)は録音の時に活躍するもの。既にCDやファイルはちゃんと0dB以内に管理されているはずなので、再生時にはデジタル的にボリューム操作をしてはいけない。
 CPU負荷を測るために毎回毎回ずっ~と演算させて下位ビットも切りたいたいなら話は別ですが。ディザを加えても音質は元に戻りません。

3.不要なバスを切ること。
 例えば同軸出力不要なら、Firefaceセッティングでバス帯域選択でAnalogを選択する。
 問題はオルフェウス君のように再生ソフト側から触らなければならない場合。聞き専なのに使わない入力を活かしておくのは勿体ない。Cubaseの場合、VSTコネクションから入力のバスを除去する。

4.HiRes.やそのマルチではマシンパワーが必要
 DAWソフトは「演算命」なので、浮動小数点などは当然として中間生成物までビシッと管理しに行くので、音質は良いが当然マシン負荷は非常に大きい。つまりマシンパワーを要求する。
 スペックだけでなく、どの程度不要機能やサービスを切っているかとか、利用できるリソースの幅も必要。CPUの速度だけでは決まらず、FSBなど全体が重要。

5.電源
 どの機種も電源には敏感。特にオルフェウス君などは消費電力35Wとされているが、実質的には大めし食らいな感じなので、ロスを少なくしたしっかりした電源環境が効果的だ。


('09.7.9)ワイス君快調。で、結構高解像度になってきた。まあ、CDドライブのクロック電源改造の効果もあるかも知れんが。


('09.7.8)■うむうむの新製品や見てびっくりの機器とかいろいろと書くことはたくさんあるのですが、忙しくて先送りしてます。請うご期待。

昨日発売なので書こうと思ってタイミングを逃している間に、早速「Music To Go」の佐々木さんがワオン・レコードのハイレゾシリーズ第1弾の「うつろな瞳」について書いてくださいました。

 「レコード芸術誌で95点満点の録音評点を得た優秀録音の生の音がそのまま手元に届くかのようです。ダウランドらのピュアで虚飾のない音楽が、古楽器の厚みのある音色とともに美しく深く心に染み入ります。

 録音はマキシマイズとかノーマライズもされていないので、レベルは低めに入っていて真にオーディオの力が試されるものになっています。良いアンプとHD800のような高い再現性の再生機器があると素晴らしい鮮烈な音の世界が広がりますね。

 いままでのオーディオは原音忠実とはいいながらも結局はCDのピット忠実と言ったほうが良かったかもしれません。オーディオファイルがCDの向こう側に一歩踏み出すという点でこうした試みは画期的だと思います。 」


■本当にその通りですが、引用しただけでは芸がないので(笑)少し書かせてください。

 CDでは倍音が入らないのでSACDで出して欲しい、と言ってこられるのはやはり管楽器の演奏家が多いそうです。この場合の倍音は高い方だけでなく、いろんな帯域にわたる「雑味」のようなものと言ったら良いかもしれません。ハイレゾはサンプリング周波数が高いから、と思いこまれている方も多いのですが、ビット数が上がる事によってローレベルを克明に再生できるメリットも大きいわけです。特にリコーダーは原始的な楽器ですから、もちろんアーティストはちゃんとコントロールしているのですが、そこここに独特の不安定さや揺らぎがこぼれ落ちてきて、それが豊かなニュアンスを生み出します。

 例えば1曲目の「グリーンスリーヴズ」はよくご存じですし、ソプラノリコーダーのくっきりした音なのでそれだけでも十分聞けるのですが、CDで聞いていると2曲目のパーセル「ソナタ」あたりから楽器が少し低いアルト・リコーダーに替わりなじみに少ない曲なので、少し単調に聴こえるかも知れません。しかしハイレゾだと、息継ぎの前後や延ばしているときの響きなどいろいろなニュアンスが聞こえてきます。3曲目の「うつろな瞳」になると、楽器がさらに低いテナー・リコーダーと音量の低いヴァージナルに替わり、深々とした陰影のメランコリーが漂います。会場のアートコート・ギャラリーはある演奏家が「笛吹の天国ですね。いつまでも吹いていたいなあ。」と言ってくれたように、長いけれどもぼやけない豊かな響きで、その中での各楽器の位置関係も見事に捉えられています。

 それにしても今回大塚直哉さんの凄さを改めて感じました。この若きチェンバリストはポツポツと切れ切れにしか鳴らないヴァージナルのような楽器で、豊かなメロディを歌わせて奏でることが出来るのですね。その本領は9曲目のジョン・ブル「メランコリー・パヴァーヌとガイヤルド」で遺憾なく発揮されます。才能と努力と思いと想像力。いや、人間は素晴らしいものです。上尾直毅さんと並んでおおいに注目すべき人です。
 この最後の3曲を続けて聞くのがお気に入りですが、おしまいの「イタリアのグラウンド」を聞いてみてください。グラウンドというのは当時はやった同じ音型を重ねていって、その上にメロディーを載せていく手法ですが、冒頭チェンバロが微妙精細なニュアンスでまるリュートのように奏でます。そして分かりやすい旋律がリコーダーやヴィオラ・ダ・ガンバで奏でられていく。いや、素晴らしい作品です。このチェンバロがここまでとはCDの時には感じませんでした。

 24/96を再生する環境がないのならともかく、もしおありになるなら、既にCDを持っておられても迷うことはありません。CDは日常のお総菜であり、このハイレゾデータはとって置きのご馳走なのですから。


('09.7.7)にしだやさんが反応してくれたWASAPIの件、チャイニーズBTO(Core Solo 1.66GHz)にクリーンインストールしたVista-32bitでアンチウイルスソフトは入れずに、ただしチューニングも一切せずに試してみました。デバイスは手持ちのStyleAudioのUSB DACでヘッドフォン(ゼンハイザーHD580)とカタツムリで試聴しています。まあ、とりあえずパパッと設定しただけなので、本格的評価は後の話です。

 そもそもは「WASAPIってなんじゃらほい?」で調べ始めたのですが、これがまたややこしくてドライバでもないし要するに各アプリが使う対象として低層レベルで動くAPI(Application Programming Interface)なんですな。だからドライバ「様」ソフトであるASIO4ALLなんかとは基本的な機能が違う

 で、排他モードとか言っても、WASAPIはAPIなので共有モードでも当然働いているし、じゃあボリュームコントロールはどうなっているのか、Vistaで音声環境に加えた変更の全体像がどうもびしっと見えてこんのよ。おまけに古いコンポーネンツは丸のまま残ってもいるらしい。

 これまたいろいろあるMSDNを読んでもいまいちぴんと来ず、結局開発者ブログ「Larry Westerman's Weblog」を読む羽目になった。しかも、オスターマンのおっさんやたら沢山、しかも結構チンタラコと書いているので、検索もしながら読む資料を選ばなければ行けない。Windowsってまるでフラクタルな九龍城のようだ。英語でテキストを引っこ抜いて自分で注釈を付けるメモを造りながら進めて、ようやく道半ばに見えてきた。

 オスターマンも「Windowsにおけるオーディオ品質は通常用途には非常に優れていたのに、熱狂的なプロオーディオ関係者はシステム固有のオーディオ・インフラは気に入らないことが明らかになった。我々はプロオーディオをサポートするために数々の変更を加えたが、その大部分はそれらのアプリにオーディオ・インフラをバイパスさせる事に焦点が当てられていた。」と不満たらたらなのからも分かるようにマイクロソフトはボリュームもミキシングも全てWindowsの中で対応しようとしており、結論としては、この間の録音制作の世界などでのDAWソフトなどの立場に立っては考えもしなかったし、おそらくはよく知りもしない、という事だ。

 だからややこしい。対応機器の固有のASIOが一番良いことは分かっているが、じゃあASIO対応でないインターフェースや再生ソフトの場合はどうすれば良い結果を産むのだろう。
 で、今はWindows7-32bitを走らせながら様子を見ているわけですが、バグフィックスは裏であったかも知れないものの、表面的にはVistaと同じなので、こりゃまたオスターマンの古狐のブログを読まにゃならん。そういえばブログの副題には「Confessions of an Old Fogey」(時代遅れの頑固老人の告白)と先回りして書いてやがる。
 そもそもなんで俺がこんなことせにゃならんのだろう?でもまあ、こうしてあちこち読むとやっぱりXPにも過去からの問題は多いようだし、64bitはお約束としても良い面があるならいつまでも同じOSってわけにも行かないよね。やれやれ。


('09.7.5)■この間いろいろと確認することがあり、チャイニーズBTOでVista Ultimate 32bitをいろいろとやってました。よく分からないところがあるんですが、Foobar2000、uLilithで確かめたところ、少なくともWASAPIはASIO4ALLよりも落ちる事が分かりました。で、ASIO4ALLで一番良かったというか情報量が多かったのが僅差でMedia Monkeyだった。好みもあると思うので、「ドバドバ」「蛇口全開」のレベルで判断しました。
 次はWindows7の確認、やれやれです。

■細かいところに着目すると、実はいくらでもすることがあったりするし、正直やっています。
 例えばクロック周り。当然電源のケミコンがすぐ近くにある。これをBlackGateNまたはNXの超電解接続に交換する。スペース的に無理ならシングル使いでも良い。
 より具体的にはCDドライブケースの中に入れたOCXO 33.8688MHzの電源。35V680マイクロNX*2を2箇所、これは効いた。しなやかにしかも空間的な情報量がぐんと上がる。ブレイクインに時間がかかるので音は変化しているが、いや笑いが止まりません。
 唯一ストックがあったpcxもどんどんアイテム数が減っているので、確保するなら今の内だと思います。

■批判のための批判というのは冷静に見ていると手に取るように分かりますね。
 特にPCオーディオの構成の仕方については、いろいろ根拠は在るにしても経済的・スペース的・時間的制約もあって全てのソフト・ハードを試せないので、結局頭の中で考えた何らかの理由付けで選んでいくしかない段階がけっこう多いわけです。ところが人間は自己を正当化する存在ですから、いつのまにか「この方式が良い。」「この方式が一番だ。」というふうに自分のやっていることを正当化してしまうわけです。他のを全て聞きも確かめもしていないのに、それをどっかに忘れてしまう。
 こうなるといわば神学的論争になって生産的ではないので、個人のサイトやブログでもそのあたりは意識して整理した方が良いと思います。

■どうも新MacOSになっても、MakBook Pro にWindows 64bitをインストール出来るかどうか分からないので、久々のWindowsデスクトップとしてこれを検討中です。無様(ぶざま)にでかいのは嫌だし、さりとて折角のデスクトップで拡張性のないのはもっと嫌なので、まあいじれるものとしてこれくらいが限度と言う感じです。
 ただPCIのオーディオインターフェースを使うつもりはありません。他のお宅で外付けと比較して聞かせてもらって特に魅力がなかったのと、これまでノートでもできるだけ機能を外出しして、それぞれ別リニア電源としてアイソレーションするのが効果的であることを実地に確認しているからで、PCIのインターフェースだと電源やノイズ、振動を共有してしまうは、S/PDIFやAES/EBUの出力は使いたくないは、で僕にはあまり意味がないからです。つまりデスクトップでもノート的な使い方と言うべきでしょうか。無論、全てきっちりと聞いたうえでの比較もしていない段階での判断ですが。すみません。(笑)
 ただこれらの問題がより効果的に処理されるのであれば、構成を変えることには全くやぶさかではありませんし、こだわりません。あとはIntelなどのSLCのSSDはやたら高価なので、HDDももう少し安心してMLCのSSDに出来ないかなあ、という感じで当分Sundiskなどの様子を見るっすね。


('09.7.1)さて今年ももう半年が終わり、今日から7月だ。昨年末からこっち疾風怒濤だったので、折り返し地点から向こうはイン・テンポで意識的にペースをキープしようと思う。生活を大事にして、睡眠を取り、音楽を聴き、本を読む。過ぎたことではなく、これから先を考える。(まあ残念ながら来年から5月の連休明けは、どこにも出かけないし訪れる人もないので暇になって良いかもしれません。海外でも行こうかな。うん良いかも)
.
 オーディオについては確認したりリサーチすべき課題はあるが、我がシステムについては今のハード・ソフト・設定で不満はないので、とにかく音楽を味わいたい。そこから見えてくるものがあるだろう。


('09.6.30)「ON爺の巡礼再出発」

 「PC オーディオ fan」はお陰様で、売り切れの店もあるようです。増刷にはまだまだのようですが、皆さん本当にありがとうございます。<(_ _)>

 で、やはり僕は一修行者という立場も持ち続けたい、とこの間ずっと考えていました。勉強して一つ分かったら、その何倍も分からないことが増えて、日々是勉強になるわけですが、やみくもに進むのではなく先達の智慧をお借りするのが一番です。何よりかにより、いろんな人との交流で幅を広げていきたいと思っています。「ON爺の巡礼再出発」というわけで、今回は東京のある方を訪ねました。

 非常にレアかつユニークなスピーカーをフルレンジで鳴らしておられるので、機種名を書けばすぐそれと知れる方ですが、どれくらいレアかと言いますと、確実には日本に12セットくらいしかないそうです。ちなみにカタツムリは全240セット程度の内、90セットあまりが日本にあるそうで完全に負けています。
 その「シームレスで速い」音もとても印象的で、いや~カタツムリの遠い親戚と出会えたようで嬉しかったです。ありがとうございました。

 実際はほとんど音楽とオーディオのお話を楽しくしていたのですが、LSIの測定とかもろにITの世界におられるので、四方山話だけでとても勉強になりました。
 「デジタル再生で一番重要なのはクロック、それもシステム全体としての」というお話がまずはインパクトありました。デジタル系では時間を区切っての作業ですから44.1とかのシステムクロック以外に様々なクロックが働いているわけで、ジッターを問うならばシステム全体としての対ジッター性能を考えるべきだとのこと。USBやFirewireなどの伝送系ステージにも当然ジッターがあるわけで、各ステージの動作をふまえて考えていかなければならないので、これはその通りだと思います。ちなみに、ジッターの測定はアルゴリズムも含めて大変で、高価な測定器は千万円単位なのだそうです。
 他にも実際の機器の動作では16Bitの再生精度でさえ量産品レベルで保障することは難しい、とかインパクトのある話をいろいろと伺ったのですが、この辺はこれから勉強していきます。「デジタルのことについていろいろと悩ましいときには、結局アナログについて詳しい方に意見を聞く必要がある。」と言うのもはたと膝を打ったお話です。「デジタルドメイン」というのがあると想定してですが、その中だけで議論していては大局は見えてこないと思います。


 実はセンサーの測定をする会社をやっておられる大先輩Ph.Dもいつも、アナログが分からんとデジタルの話は始まらない、若いもんは勉強不足だ、と言われるのですが、共通するものが多々あります。柴崎功さんも書いておられるのは同趣旨の事です。
 要は、ひとくくりに議論出来るわけではなく、各ステージ毎にどう動いているのか、着実に確かめていく必要があると思います。
 これから、どんな人達と出会えるのか、それが非常に楽しみです。

 と、思いながらホテルで雑誌を見ていると、思いもかけない海外情報が載っている。これって The Empire strikes back! じゃあないの、と頭の中のネジをぐるんと回して思いました。
 いやあ、やはり動いていくと、いろいろ出会うものです。やはり僕にはこういうクエスト=探求の旅が合ってます。


('09.6.27)昨日書いたPCオーディオユーザー層についての話は、それぞれの説に対しての批判ではないので、もし誤った印象を与えたとしたら申し訳ないと思うが、良く読んでいただいたら、まだ結論めいたことは一切触れていないことはお分かりいただけると思う。
 要は比較的若い世代が多いiPodユーザー層も、サラリーマン層も同時代の厳しい「経済的」環境にさらされているということを言いたかったわけで、ただ微妙な問題でもあるのでごく簡単に書いただけです。

 少しだけ敷衍しましょう。従来の日本の雇用環境は生涯雇用だった訳だが、これは会社や経済の規模が一定の速度で成長している時期なら十分実現可能だったわけだ。ところが、バブル崩壊移行の不況と、グローバル化の進行でこの雇用環境が壊れてしまう。企業は人件費削減の意図で能力給・評価主義を標榜し始めるが、これもそういう人事評価制度のない日本では定着しない。しかもグローバル化の進行に対応するための教育などは一切行われず、日本的な建前だけは残って、個々具体の対応は結局個々人の「力」に被せられていくという状況はいっこうに改善されない。

 結局、派遣雇用の利用でマンパワー・人件費の調整代を確保しに行くわけだが、こういう環境の中で若年世代は雇用の不安定化にさらされ、中高年層も既得権益的にポストを確保できた人は良いが、全体としてはやはり厳しい人件費削減圧力環境にあると言って良い。つまりは、どの世代も雇用問題を抱えたまま厳しい状況にあるということだ。


 一方シーズについて言えば、インテルとノキアの提携のようにスマートフォンや、あるいはネットブックが個人情報端末になっていくという可能性は十分にある。いわばiPodとネットブックの進化・融合形だ。ただし、それが十分なマシンパワーを持てるかどうかは今後の技術的な発展にかかっているわけだ。
 あるいはクラウドコンピューティングの一環として、「向こう側」のサーバに保存された音楽データを向こう側から供給されるアプリケ-ションで聴く、という形もあり得るかも知れない。つまりはDBも含めて「向こう側」に置くわけだ。
 夢物語と思われるかも知れないが、おそらくこういう段階にいたってそれまで必要だったPCスキルがようやく不要になり、「家電的」になるのかも知れないので、柔らかい発想が必要だろう、言いたいのはそういう事です。

■僕の周辺のPCオーディオを巡る状況は、とても現況を反映したものだと思う。
1.PCオーディオがアンダーグラウンド的な状況の時は、それだけで同志!、タワーリシチ!的な感じもあった。
 (つまりそれぞれに立ち位置の違いをある程度包んでくれる状況があった。)
2.しかし、とりあえず「PCオーディオfan」の刊行などで世に出てみると、本屋さんではPCの棚に置かれているところが大部分らしいこともあり、その反響も含めて恐ろしく多様化した状況が少し明確になった。(勿論、新しい分野だし、この多様性が持ち味なので、それ自体は驚くほどのものではない。)
3.まず各ユーザーの現況がまるで違う。機材保有状況、音源への志向、これから必要とする機材やソフトウェアなど。オーディオを持っていない人は例えばパワードのスピーカーが欲しいので機種を知りたい、とかニーズもものすごく多様である事が分かる。
4.様々なスキルも同様。


 僕がライターの立場を鮮明にしだしたから、いろいろネタを隠したり、小出しにしているのではないか、と思っている向きもあるやも知れない。しかし、例えばコアな自作であったり、ディープなOSのチューニングであったりはいちいち書く訳にも行かないし、書いても意味がないことが多い。で、そうでないものについては大抵もうオープンにしている。
 つまりは、ハードもソフトもある程度詰めていくと、自作電源であったり、クロックであったり、OSのファインチューニングであったりと、一般的でなくなりスキルを要するものになってくるのだ。これは致し方がないではないか。
 そこで、進む人はどんどん進むし、進めない人は進めない、と言う状況が発生する。すでにネットによって欲望は刺激されてバブリーになりつつあるので、進めない場合は欲求不満が残っていく。この超まだらな状況をどうするか?

 こういう状況では、「ぐっと飲み込む」事が、あるいは尾籠な表現で申し訳ないが「ケツの穴のでかさ」が一番必要だろうと思う。第一、自分の立ち位置を自覚していることは大事だが、それにこだわるだけでは、進展や方向性が見えてこない。全体像と大局観が今ほど必要とされる時期はないのだが、その議論自体が横やりを食らったら、何も出来ないではないか。僕がやりきれなくなるのは、このような偏狭さの一部あるいは全部だ。だが、こんな話はもうしたくない。Think Global,Act Local.とにかくトライしようではないか。

※明日・明後日と遊びに出かけるので、更新を休みます。


('09.6.26)いつも拝見している「ケンのオーディオメモ」に、「PC オーディオ fan」に関連してとても参考になる文章がありました。

 「新しいジャンルなのでまだセオリーもスタンダードも決まっていないし、むしろ色々なアプローチが取れることがPCオーディオの面白さでもある。しかし、初心者に何でといっても困るばかりなのでお勧めを提案することは良いことだと思うが、ある日これが権威になり、いつの間にかこうするべきだと言う風に変るのが常。(というかもう既にそのような書き方も一部あるが)

 その訳は各自の音は自分で決める人が少ないというところだろうか。何事も人を頼りきりで安心できるのだろうか?もちろん音の差なんて解らないというならそれでOK。別にそれ以上こだわる必要は無い。自分がわかるポイントで追求してゆけば良いはず。自分で試してもいないのに人の意見を振り回すのこそ最大の害悪。理論も重要だが理屈で音が聞けるわけでもないし、経験と理論の相互補完がオーディオの要かな。まずは自分で聞き、試すことにオーディオの面白さがあるんだと思うのだが。」


 我々ライター陣は前半の言葉をかみしめる必要があると思う。いつも繰り返しているように、多様性こそ発展の母なので、それを大切にするよう決めつけないことが必要だと思う。一方で、自分でやってみて確かめる批判精神とトライアル&エラーの心意気。hyroさんが時々吼えるように、健全に疑ってご自分の耳で確かめてくださいね。 

PCオーディオのユーザー層がどうなっていくか、これは一番決めつけてはいけない事であり、柔軟な頭で考えなければいけないことだ。
 最近PCオーディオの今後のユーザー層について対照的な意見を2つ聞いた。

 一つはiPodユーザー層が主力だというもの。確かに、既に楽曲をダウンロードしたり、既にPCオーディオに近いところにいるという見方は当たっていると思う。ただ問題は彼らが「いい音への欲求」をどれだけ持っているか、と言うことが一つ。もう一つは携帯しか持たない人達がかなりの数いるということとも関連するが、彼らの生活がPCを持つ生活になるかどうか、と言うことだ。

 もう一方の意見は、企業などでITをばりばり使いこなしているサラリーマン達が高いPCスキルを持っており、彼らならPCオーディオを苦もなく使っていくだろう、という見方だ。だが、大事な問題が残っている。「音楽を聴きたいという欲求」を果たして彼らがどれくらい持っているかだ。団塊の世代の退職金を宛にしていたオーディオ業界はほとんど空振りに終わっている。つまり、音楽を聴きたいという人は既に聴くことを続けているのであり、組織や生活の中でいろんなものをすり減らし音楽を聴くことを止めた人達は、もう音楽に戻ってこないことが多いようなのだ。

 人にはそれぞれ事情ってもんがあるんで、世代や環境でそれぞれ大変なことはいっぱいあるのだと思う。

 「音楽を聴きたいという欲求」「いい音で聴きたいという欲求」「PCを使えるスキル」「PCを使う生活」というこれらが全て揃って、PCオーディオに開花していくのであれば、これは結構大変な事だと思う。
 しかし少なくなったが幾つかの新製品を見ていると、技術的にはもうかなりのものがあり、重要なのはソフトウェアやビジネスモデルとも連携してそれらを形にしていくインテグレーションでありインテリジェンスなのだ。それによって、かなり敷居は低くなるだろうとも思う。
 やはり必要なのは柔らか頭と多様性を尊ぶ遊び心だ。


('09.6.25)クロック入力とアナログ出力をきっちりと整備できたので、オルフェウス君でCDを夕方少し聞く。
 セリーヌ・フレッシュのJ.P.ラモー/組曲集(仏アルファ→別途書きます)、チック・コリアと上原ひとみ、キース・ジャレット・トリオ、アンサンブル・ジル・バンショワ、マリア・ヒタなどなど。とても安定して声の深みと説得力、緩急強弱のグラデーションが素晴らしい。音楽のことだけを考えていればいい、というのはとても幸せなモードだとしみじみ思う。勿論、することはいろいろあるけれど、今は音楽だけに浸りたい。それだけで良い。

 今日のお薦めはアマゾンで買えるファビオ・ビオンディ(Fabio Biondi)とエウローパ・ガランテのヴァイヴァルディ/ヴァイオリン協奏曲集4枚組ボックスセット。Vivaldi: The Four Seasons; String Concertos (Box Set) [Box set] [Import] [from US](仏Opus111)。\3,362
 勿論「四季」は入っていて、ジュリアーノ・カルミニョーラ/ヴェニス・バロックorch.が出てくる前はこれが最も過激な演奏と言われていたものだ。ビオンディの一瞬のタイミングと旋律の美しさに賭ける気合いの入った独奏とアンサンブルの緩急掛け合いが見事だ。とにかく美しくユニーク。溢れこぼれるような「春」が好きだ。4枚組でこのお値段は絶対買いです。

先日、Windows7のRC版を32bit/62bitともにダウンロードしておいたので、32bitでVistaとも比較しながら、パフォーマンスと動作を確認していきたいと思っている。休眠していたチャイニーズBTOマシンを引っ張り出して、クリーンインストールしよう。問題は再生ソフトなどアプリケーションだが、これはやってみなければ分からない。


('09.6.24)■シンタックス・ジャパンがチュートリアルメニュー で、「TotalMixガイド」などビデオも交えて公開しており、同時にデジタルオーディオデータをテスト、計測、解析するユーティリティーソフトである「DIGICheck」の説明も載せています。
 僕はもうFireface400を手放してしまったのですが、このDIGICheckは十分に活用しなかったという後悔は残念ながらあります。いまFireface400や800をお持ちの方は、「データを目で見る」と言うことを試していただきたいと、つくづくと思います。それによって随分と理解が深まると思います。

■「データを目で見る」と言えば先日オシロを買いました。恥ずかしながら「たもそさん」と同じくTEXIOのアナログ・オシロCS-5400の中古です。最近まで封印していたのですが、最近オシロで遊び始めました。
 まずはクロック関係。Antelope OCX にはBNCの他、RCA同軸(S/PDIF)とAES11(XLR端子)の合計3種の出力があります。一方、オルフェウス君にはこれら3つの入力があります。(AES11は付属のAES→S/PDIF変換ケーブルで入力して同期します。)
 44.1KHzでこれらBNC(ワードクロック)、RCA同軸(S/PDIF)とAES11(XLR端子)3つのうち、どれが一番好ましいか、規格とオシロ実測から考えてみました。

【規格】
まず規格ですが、
1.BNC入力のワードクロック正式に規格化はされておらず、75Ωで1~5Vp-pの矩形波です。
2.AES11については規格があり、3~5Vがそのレベルだそうです。
3.S/PDIFについては規格が無く、0.1~0.3Vが実態だそうです。

【実測】
Antelope OCXからの各種クロックをいくつかのケーブルでOrpheusに注入し、受けのOrpheus内部端子側で測って見ました。数値はリードアウト表示です。

1.BNC  2.8~3.78V弱 44.1KHz
2.AES11 3.35V 1.4135~6MHz
3.S/PDIF  300~400mV近辺  1.4135~6MHz

という結果でした。S/PDIFとAES11では波形もリンギングやオーバーシュートが若干見られましたが、BNCは右の通り綺麗な波形でした。(済みません、デジカメの方はシャッタースピードを含めてもう少し設定を練習します。)

 TTLデバイスの入力しきい値(スレッショルド・レベル)はだいたい1.0Vから1.6V間のどこかにピンポイントで存在する、とのことですが、低ジッタにするにはp-pの中央付近をしきい値とした方が良いので、出力はその倍程度あれば良いという事で2~3.2Vくらいあれば良い、と言うことになります。と言うことで、OCX→Orpheusの場合、BNCとAES11はほぼ適正レベルにあると言えます

【考察】
 AES11とS/PDIFでサンプリング周波数が1.4135~6MHzとなっているのは、実際の信号データはビットクロック64bitのうち1ch分の32bitというデータ単位で信号の変化を読んでいるため、周波数が約32倍と高くなるということのようです。
 つまりこれがHi Resだと、「サンプリング周波数の倍数*256【=8bit(24bit-16bit)】」となるため、この周波数がどんどん高くなりワード長(ビット数)もアップし、トータルでケーブルにかかる負担というか、伝送精度が非常にシビアに要求されるわけです。

 という状況をふまえると、これまでAES11やS/PDIFでも問題なくロックして普通には鳴っていたのですが、やはりワードクロック周波数で伝送されるBNCを使うのが一番伝送負荷が少なく無難と言えると思います。その次がAES11と予測されます。

【対応】
 常用のAET SIN DG75は非常に音の良いデジタルケーブルですが、同軸構造でないなど確信犯的な音質第一主義がかいま見えます。今まで、手持ちのメーカー不詳のBNCへの変換アダプタではどうもいまいちだったので、ちょっと高価ですが高品質で有名なユウエツ精機の BNC RCA変換アダプタを購入しました。Orpheusでは一発でロックしましたので、これで鳴らして様子を見ました。
 
【試聴結果】
 Orpheusではやはり音の安定度というか腰の据わり方が良くなり、いままで少しあった神経質な部分が綺麗に拭われましたので、BNCをオルフェウス君の常用と決めました
 また、WEISS DAC2にはBNC入力がなく、S/PDIFとAESだけなので、WinderLink1とカナレDA206でそれぞれクロックを供給することにしました。結果としては、やはりAES11でのカナレDA206の方が安定度が良く、AET程ではありませんが空間の情報もよく再現されるので、ワイス君ではカナレDA206でのAES11を常用と決めました。

 いやあ、周波数カウンタほどの精度は望めないかも知れませんが、オシロは有用です。PCにUSB接続するデジタイズのオシロは数万円で入手できますが、やはり波形を見るにはアナログオシロが良く、中古で安価に入手できる間にこだわりのコアな方々には導入をお薦めします。カウンタと言えば、SRSのルビジウム・タイムベースの周波数カウンタは非常に高価なので、外注でそれを使って測定してくれるラボはあり、クロックジェネレーターのメンテ要否の確認は可能だそうです。


('09.6.23)お世話になった海外の各方面に連絡を取る。香港のKentには「PC オーディオ fan」を1冊small packetで送り、WnvelengthのGordonやCEntranceのMichaelには該当ページをスキャンしてメールで送った。Gordonからは「Thanks.多分良いことを書いてくれてると思うけど、僕は全然日本語を読めない。AyreのCharlie Hansenが自分とこの製品の写真を見るのが好きなので、とりあえず彼んとこに送っておくね。」というお返事。ちゃんと下のメールに英文の内容載ってるんだけど。
 どっちにしても情報をいただくばかりでなく、形で返せることはやはり嬉しい。

 日本ではどうも皆さんいろいろとご要望がおありのようで、ただコンピュータ雑誌じゃないもんで、今後もその関係は載せるのに限界があると思う。まあ1600円でPCやらiPodやらオーディオやら、全ての要望を満たすのは流石に無理だと思っていただけるでしょ?
 だから、ご自分でどんどんと発信していただいたら、トータルとしては情報がいろいろあって、良い感じになるんじゃないでしょうか。誰が先だとか、デフォルトだとかそんな色気や助平根性はなしに、爽やかに発信していただけるととても清々しくて良いと思います


('09.6.22)昨日は神戸・御影の酒心館でアイルランド音楽のコンサート。素晴らしかったのは民族楽器のイリアン・パイプス。スコットランドのバグパイプに似ているが、イリアンとはゲール語で「肱」の意味だそうで、ふいごを肱で押して空気を送り、チャンターという中心的なメロディー演奏用パイプ、ドローンという長い響きを作り出すパイプ、そしてレギュレーターというハーモニーを追加する機構など、かなり複雑な楽器だ。おまけに発音体のリードはオーボエと同じように長期間乾燥させた木質材で、その結果チューニングはもの凄く難しいようだ。
 ダンス音楽など速いテンポも弾けるが、一番感銘を受けたのはフルに各パイプを鳴らした「スローエア(ゆったりとした情緒深い曲)」。中でも僕の大好きな「ワイルド・ギース」にはまいった。貧しい故に他国のための戦争にゆく男達を送り出す女達のための歌、あるいは国外に逃げざるを得なかった志ある男達の望郷の歌、哀しい歴史と心のレイヤーがゆっくりと重ねられていく様は圧倒的だ。

 終わってから友人ご夫妻と夙川のイタリアンレストランでディナーをいただく。美味しい食事と、弾む会話。いい晩だった。

 そして帰宅したら激励の長文メールを戴いていた。深謝です。

土曜日の音と戯れる会例会ではモバイルPC機器やノートPCを中心に様々な聞き比べと実験をしたようだ。僕は脚が悪いので出歩く事が少なく、もともと外で音楽を聴かないので、iPodなどは持ったことがない。これからも持つことはないだろう。だからそちらはいわば担当外で、室内でどういい音楽をHiFiに聴けるように出来るか、それを基本として追求している。その一つとしてのPCオーディオがあるわけで、それは多様なスタイルの一部だ。多様性は発展の母だと思います。

もう一度整理しておきたい。
 ASIOというのは再生ソフトとインターフェース(サウンドカード)を直取引させるためのものなので、ASIOドライバの機能は、再生ソフトとインターフェースの両方がASIO対応していないと働かない。
 ASIO4ALLというソフトでインターフェースを擬似的にASIO対応させる事は可能で、USB DACもASIOに対応した形に出来る。
 ところが再生ソフトがASIO対応していなければ、ASIO4ALLをプラグインとして設定できずASIOドライバは機能しない。

整理すると
  ASIOが機能するのは
ASIO対応の再生ソフト→ASIO対応のインターフェース、またはASIO4ALLをインストールしたASIO非対応のインターフェース
の場合だけである。

ASIO非対応の再生ソフト【iTunesやWMP(Windows Media Player)など】
          →ASIO対応のインターフェース、またはASIO4ALLをインストールしたASIO非対応のインターフェース
では機能しない。

 
 ASIOというのはどんな時にでも使えるものではないので、ややこしいが十分に理解していただければ、と思う。


('09.6.20)夕べはワイン飲んでたら、急速に眠くなって早々に爆睡。朝6時前に目覚めて、ちょっと課題のAES/EBUについてお勉強。途中で目に付いたので、郷土の、もとい日本の誇り hyro さんのブログを、急に消えたりしたら見れなくなるのでいまのうちにアーカイブしておいたりした。昔はワシも変態を志した時期もありましたが、能力がついて行かんので今はこの有様です。う゛う゛。
 MacBook Pro でWindows64bitが駄目なら、かっくいいケースでWindowsマシンでも組もうかな、とPrismSoundからのお返事を読みながら考えてしまいました。でもPCまでやったら、なんかごつすぎるかなあ。それよりも音楽聞くべえよ、と思ったり、朝っぱらからちょっと真剣モード。

昨日ちょこっと鳴らしながら、Orpheusのアナログ出力のバランス~アンバランス変換ケーブル(自作)の配線を元に戻しました。回路的にはColdをGroundに落とした方が出力がバランス出力とおなじレベルに増して良いのですが余裕分を食ってしまい、いかんせん音が分厚くしかし丸く、ダイナミックさに欠けて面白くありません。元のだと浮かせるので、Hot側の回路が主に働き出力はバランスの半分になるもののまだマージンがあり、浮いたCold側は回り回ってややお荷物になるのですが、こっちの方がずっとスリリングで、来て欲しいときにビシッと来てくれるので、これでなくっちゃ、と言うわけです。
 その辺りを教えてくれたプロの人も、最終は聞いてみなくちゃ分からない、と言うことだったので、耳で決めました。いやこの方がずっとよろしいと思います。マシンパワーにもよりますが、試聴する人は両方聞かなきゃ損です。
 まあ、接続問題ではPrismSoundからのお返事はまだない(忘れてるんかなあ?)ので、返事があったらまたそのときに考えましょう。

それにしても、この世界なんでこう小児的性格の人間が多いのでしょう。周りの状況や文脈も考えずに感情を剥き出しでぶつけるのは喧嘩を売るのと同じで、ガキのすることデス。まあ、そんな人の居るところには僕は絶対に脚を運びませんからね。仕事でやってるんじゃないから、楽しくないことはしませんので。

そうか、メールに返事をくれたdCSのDavid Steven氏は、Managing Directorでこの2月に亡くなってたんだ。返事が途中から来なくなったので、?と思ってたんだが。丁寧に説明してくれる人だったのに、色即是空。


('09.6.19)今日発刊された「PC オーディオ Fan」を手にとって見ると、実にいろんな人達が登場しておられて、それぞれに書いておられる。そして「困難を極めました。」という編集部や、デザイナーさん達、いろんなパワーが集まってようやくひとつの形になったのだと実感する。というか多様性を保ちながら、それをまとめるのが大変だったと思う。

 そしてその多様性がPCオーディオというものの持ち味だろうし、多様性がいろんな進展を育てるのだと思う。マニアックに先端的にやられておられる方から見れば、「ふ~ん。」とか「ん?」ということもあるかも知れないけれど、初めてのまとまった出版物であり、そういう出たての初々しさを大切にしたいと思うのです。
 要は音楽をどう生活の中で楽しむか、いろんなスタイルがあるわけで、いろんな持ち味の人が、いろんなかたちで楽しみ、それを伝えることが出来る、そういう賢い棲み分けが必要だし、自分のポジションを決めやすくするような全体像の提示も大切です。一方、人間は自己を正当化したい動物で、すぐに自分のが一番、これがフツーなのだ、と言いたくなるので、そこを懐深く受け止めて大人でいけるかどうかが、オーディオというものの将来を決めると思います。オーディオ、ハイエンドが故に尊からず、エントリー・ミドルが故に軽んずべからず。バック・トゥー初心。

 願わくば、みなさん全てが良い音楽生活を送られんことを。


('09.6.18)■英PrismSoundのそれぞれの技術担当者から答えが返り始めた。うむ、面白いです。

 1.OrpheusはミキサーモードでなくてもDAWモードで内部24bitで動作可能で、それはWindowsの場合にはOrpheusが24bitのWDMドライバーを備えているからであり、24bitをサポートしているDAWソフトなど送り出す再生ソフトとの連携によるもの。
 2.やはり再生時にはボリュームはアッテネートしない状態が「transparent」だが、モニタールームでの音量調整ぐらいには一応使える。
 3.精度に関しては24bitが上限で、32bit floatはソフトウェアでのミキシングやプラグインの動作を容易にする余裕をもたらす。


 (続く.....。はじめは再生ソフトのソースコードを書いてる人にでも話を聞かなきゃ、すっきりとはせんなあと思ってましたが、今回のやりとりで結構見えてきました。でもまだ全体は見えない。)

■カナダPCXが20%Off Everything Sale。ヒューズやコンデンサなども安いまとめ買いの好機。BlackGateなど欲しければ今のうちだろう。Bursonの小型電源基板もコンパクトで使いやすそうだ。コンデンサなど早速注文しよう。サイトもリニューアルしたようだ。

 安く買うこつは小分けして、100ドル余りの単位で買うこと。そしてUSPS(郵便局)のSmall Air Packetを指定すること。価格が上がると保険の関係もあってUPSやFedexになり、この場合キャリアーが内国消費税を先に代納するので、きっちりと請求が来ます。


('09.6.17)いかん、眠くて眠くてどもならんです。昨日はPCの前で寝てました。遅れてくる一人時間差攻撃です。しばらく休みますね。
 (中略)

 浅い眠りで寝たり起きたり、まあ何とかリカバリしました。考えれば来年もう還暦ですからね。赤いちゃんちゃんこの爺さんに無理させちゃいかんのです。

 で、いくつか資料を整理したり、読んだり、Webページもちゃんとアーカイブしたり。まあ、僕はこういう勉強が好きなんでしょうね。因果な事です。
 んで、イギリスPrismSoundにメールしたりしました。どんなお返事来るかなあ。


('09.6.16)と言うことで、発売の運びとなりました。ただいま予約受付中です。できれば綴じ込みアンケート葉書でご感想よろしくであります。<(_ _)>

内容紹介
AUDIO BASIC特別編集

新しいオーディオのスタイルがここからはじまる!
コンピューターを使って音楽をいい音で楽しみたい人のためのガイドブック

新次元デジタルオーディオを楽しむには、まずここから!
PCオーディオ基礎の基礎

ハードルは高いが、リターンは大きい。趣味の醍醐味ここにあり!
PCオーディオ上級者への道

MY PCオーディオLIFE
高品位音楽配信の魅力
デジタルファイル音源を「いい音」で聴くためのスピーカー選び
Q&A PCオーディオの疑問にお答えします
PCオーディオ用語集

オリジナル・ハイレゾリューションCD付録
「ヨーロッパ古楽の調べ」

巻末特集:iPodをかなりいい音で楽しむ


('09.6.15)なるほどプロ用機器についての情報把握はなかなか難しい。まずコンシュマー用とは違って広報をする必要があまりないので、ネット上にもアップされない情報が非常に多い。結局、具体的には(運良く公開されていれば)マニュアルを良く読み、可能なら機器そのものや代理店・メーカーに当たり、スペックや機能、必要に応じて回路構成を調べるという作業をして行かなければならない。取材という形なら情報は得られやすいが、事前リサーチや興味の範囲と言うだけでは得られる協力には限界がある。

 総体当たりというのもこちらの身も懐も保たないので、できればアメリカ辺りのようにプロ側がもっと発言してくれればいいのだが、こちらのエンジニアのブログなどを見ても当然だが具体的な事はあまり書かれていない。
 結局は地道なリサーチの努力を繰り返すしかないようだ。がむばるぞー。
 
Safari4リリース。さて明日はどんな発表があるのだろう。


('09.6.14)先日、ちょっと必要があってWindows Media Playerでの再生フォーマットについてマイクロソフトに問い合わせたときのこと。

 まずWMAと言っても誰一人通じない。ロスレスといったら「DOSですか?」と返される。漫才ちゃうんや。で、あまりに話が通らないので、「XPは無償サポートが切れて、有償になっている、エンジニアと話すには1件につき最低4,200円必要です。」と言われた。よっしゃ払うたろやないか、なんでも良いからエンジニアにつないでくれ、と言って出てきたエンジニアと話をすると、さすがにWMAは知っていたが、ロスレスといったらまた「DOSですか?」!!!「お調べしてお返事するのに時間がかかります。改めて多分後日電話します。」ということだったので、「もうええ。」と有償サポートをキャンセルして終えた。もの凄い徒労感。

 Appleも結構ひどいが、マイクロソフトは輪をかけたひどさだ。まあ、音声とか音楽というのは、コンピュータの中ではその程度のもんかも知れんが。


('09.6.13)【UHCIとOHCI~USB1.1の2つの規格】

 今日は音楽を鳴らすパワーなし。まだへばってますが、リカバリしつつあります。
 前から気になっていた項目をひとつ、この間に確認したのでMOOK発刊前に整理しておきます。

 大分前にPCI Expressカードを買ったと書きましたが、右の写真のFireWire/USB ExpressCard/34。今までのカードでも問題なかったのだけれども、ミソは左端のUSB端子の方です。

■実は「ももかんさん」のサイトのUSBの項目(Column→USB)を読んだときからずっと気になっていたのがUSB1.1に2つの規格があるという話でした。(「」はサイトから引用させていただいてます。ありがとうございます。)

●USB1.1
 UHCI(Universal Host Controller Interface) → Intel、VIA
  「インターフェイス部分がシンプルになっておりその分コストが低くチップセットベンダーにとっては良いのですが、シンプルが故にCPUの負荷などが高くなります。」
  「UHCIは2社だけですが、いかんせんこの2社でPCのチップセットシェアを大多数持っていますので必然的にPCではUHCIが標準になっています。


 OHCI(Open Host Controller Interface) → nVIDIA、Sis、ALiなど上記を除くほぼすべてのベンダーが採用
  「UHCIと比べてバスマスタ転送をサポートしているためCPU負荷がほとんどかかりません。IntelとVIA以外はOHCIを採用しているためNECなどもこちらになりUSBの拡張カードはほぼすべてバスマスタをサポートしているOHCIになります。」

●USB2.0EHCI(Enhanced Host Controller Interface)
  「EHCIはUHCIとOHCI双方の上位互換となっていますのでUSB2.0ではどのプラットフォームでも同じになりますので安心です。」

 という構図で、USB2.0は統一されているが、1.1には転送方法が異なる2つの規格があるわけだ。で、我がMacBook Pro はIntelのチップセットなので、当然にCPU負担が大きく遅いUHCIということになる。で、当分の間Ayre QB-9などUSB1.1のインターフェースがトレンドになる可能性が高いとなると、放っておく訳にもいかず、いろいろと探したらこれが「USB規格 1.0/1.1/2.0対応 OHCI (Open Host Controller Interface)およびEHCI (Enhanced Host Controller Interface)に準拠」となっていたので、ものは試しと買ってみた次第です。ちなみにFirewireはOHCI標準なので、バスマスタ転送です。

■CPU負担が違うとなると、当然音にも影響があるだろうという見込みで、我が家のUSB DACであるStyleaudioのCARAT-PERIDOTでExpressCardのUSB端子とネイティブのUSB端子で聞き比べてみよう、というお話です。なお、デバイスマネージャー上の表示では「USBホストコントローラ」の項目には見あたらず、「PCI to PCIブリッジ」などのドライバの詳細にusb.sysが表示されるだけ、全体としてOHCIの項目は特には見あたりませんでした。しかし、もともとOHCIのチップなので、当然その動作はしているはずだと考えられます。

 結果:音はかなり違いがあり、UHCIの方が全体にべたっとしたややエネルギー感の低い感じなのに対して、OHCIのほうは全体に音が立ってエネルギーが来る感じです。可能ならば、PCのUSBポートを拡張カードでOHCIに入れ替えると効果的かと思います。
 ただ、ExpressCardのUSB端子はPCI Expressなのでそれだけでも優位にあり、以前Firewireでネイティブのポートと比較したときにもExpressCatrdの方が音はかなり良かったので、それがある程度は効いていると考えられます。まあ、OHCIとUHCIとが環境によってどれだけの音の違いがあるかはきっちりと掴めませんが、USB1.1のインターフェースにとって今のPC環境があまり良いとは言えないらしいのは残念な事です。
 ただ、恐らく大多数のユーザーは気にされずに、大らかに鳴らされるとは思いますが。念のためでした。


('09.6.12)編集部の仕事はまだまだ佳境だけれども、とりあえず原稿は今日で校了。何人もの人達の手を経て、これから世に出て行くものがある。一路平安。

 ライターにもいろんな人がいるもんで、その辺りも含めて頼まれたことは何とか対応したつもりだ。活字で固定して残ることの怖さがよく分かれば、テキトーに書くことなど出来ない。
 サイトなら仮説は勿論、「....と思うんだけど。」「...という気がする。」などといろいろ書けるし、最悪は修正するか削除すればよい。お金を払ってもらって、しかもものの形で残るのはやはり重い。

 村上春樹の言う「文化的雪かき」なのかどうか、よく分からないが、少なくとも伝えたいのは「文化」につながる何かであり、今何が起こりつつあるかについてであり、可能性についてだ。
 例えそれが僅かなものであれ、あなた達にお伝えしたいことがあります。受け止めていただければ、大変に嬉しく有り難く思います。


('09.6.11)校正を待ちながら

 僕はいまワイスDAC2と再び恋に落ちている。いろいろあってイライザを引き取ったヒギンズ教授のように、手を付けた責任感と思い入れを持たざるを得ない立場、と言う事もあるが、なによりかにより音楽表現が素晴らしい。少し控えめな、あるいはホールのやや後ろの方で聞くような響きだが、出るときはどんと出るし、消えていくピアノや弦の余韻の美しいこと。耳をそばだてて音楽に入り込んでいくしかない、そういう深い情の濃さ。バックにある文化と教養の奥行きと深さ。Clear Water from Mountainside. 許せ、正妻オルフェウスよ。

 僕は結婚していたときも、人間相手は面倒臭すぎて、気は動いてもそんなことをしようとも思いもしなかったが、機器は簡単につなぐことができるので、こうなってしまった。なってしまったものは仕方がない。とはいえ、間を揺れ動くのは僕の好みではない。

 オーディオ機器は音楽に入っていくための道具立てであり鏡であり、音を楽しむものではないし、呪文をいくつも唱えるのは御免蒙りたいので、複数機器をとっかえひっかえ使い分けるようなことは僕はしない。しかし、この2台のFirewire DACについては、絶対にどちらも必要だ。だから、おつきあいの仕方として、少なくとも1日に鳴らすのはどちらか1機種だけという事にした。それが、これほどまでの機器に対する礼儀だと思うし、第一世界が一瞬で変わってしまったら、こちらの身が保たない。


('09.6.9)■WEISS DAC2 を導入した友人がいろいろやってみて、僕が言ったようにレベル設定を上げた方がずっと良くなったと、嬉しそうにメールしてきた。
 これはOrpheusでも同じ事で、プロ用の+4dBをコンシュマー用の-10dBに落とすと、力感がなくなりややハイ落ち傾向のおとなしい音になる。(ロータリーエンコーダーで絞っては絶対に行けない。)

 できるだけmaxの+4dBまたはそれに近い状態でオペレートさせてやる方が、ハイもきっちりと出てエネルギッシュな音になる。プリアンプのレベルを多少絞っても、トータルではこの方が良いケースが大部分だと思う。こういうホットなアナログ出力部の持ち味をわざわざ殺いで鳴らすのは、大変に勿体ない話で、こういう使いこなしの情報が行き渡るのはこれからのことだろう。

「Mac OS X Snow Leopard」はアップグレード価格29ドルで、9月に発売

 『2009年6月8日から同年12月26日までにSnow Leopardが搭載されていない対象のMac/Xserveを購入したユーザー向けに、Snow Leopardへアップグレードできる「Mac OS X Snow Leopard Up-to-Dateプログラム」も提供する(詳細は6月16日に発表予定)。』とのことで、当面はこれが楽しみだなあ。EFIなんかどうなるかしらん。

 13インチProは良いアイデアだと思う。でも、SDカードのために貴重なPCI ExpressCardスロットをなくすなんて、ほとんど狂気の沙汰だとしか思えない。しゃーないeSATA用のカードを1枚確保しておくか。


('09.6.8)明日はオーディオベーシック誌7月号が発売される。今回は「ラウドネスウオーの終わりはいつ来るのだろう?」というタイトルで書かせてもらった。売らんかなの大細工・小細工の行く末が、またマーケットを小さくしていくように思えて仕方がない。
 終わらせる方法を僕なりに期待して提示してみたが、お読みいただければ大変に嬉しいです。問題は果たして間に合うだろうか?という事です。

オーディオベーシック誌編集部はこの19日予定のPCオーディオMOOK「PC Audio Fan」の刊行に向けて佳境に入っている。

 一方、僕自身は小さなコラムならともかく、MOOKに執筆するなどという物事の成り行きに、つくづくと不思議な驚きを感じている。他に誰もいなかったとはいえ、お引き受けした以上は言い訳はせず、ひたすら頑張るしかないと思ってこの間ずっと走ってきた。
 僕は自分が浅学の身であり、いかに物を知らないか、はっきりと自覚している。だから勉強して、分からないことは教えてもらって努力するしか無く、また、あれこれ理屈も知りたいが、まずはPCオーディオの基本的な情報提供が第一だと思うので、ベーシックなことを中心に、しかしできるだけ全体像を出そうとしたつもりだ。
 そして、これからだが、まずは今回の反響次第とはいえ、智慧ある人々に礼を尽くしもっといろいろと教えを請わなくてはいけないと思っている。皆さん、よろしくお願いいたします。


('09.6.7)やってきました、ぎりぎりでの駆け込み追加記事。スペースをにらみながら、内容を考えてひねり出す。僕はアドレナリンが流れる非常事態が好きなので、こういうのはスリルとサスペンダーの乗りでアクセルを踏む。まあ、後でツケを払うときには少し後悔するんですけど。

実は気になることがあってどうにも落ち着かなかったので、ワイス君にちょっくらドーピングしました。ただいまブレイクイン中です。あー忙しのBGMで鳴っております。Oh Yeah!


('09.6.6)さて、うち的には機器の面子も出揃い、もうあれこれオーディオ談義にも飽きたので当分は書く気がしない。音楽を聴こう。

■経緯は複雑だが、結果としてPhilipsは1962年からGramophonと提携して同一資本下にあり、さらにDeccaに統合されており、仏Vivendi資本傘下のUniversal Music Groupの一員になっているのはよくご存じと思う。

 で、問題はばらばらにCDなどをプレスするようなことは当然せず、おそらくはDGGの最新スタジオ「エミール・ベルリナー・スタジオ」あたりに1本化されるだろうということだ。その際には次のことが懸念される。
1.各レーベルとも特色が薄まって、音が均質になっていく可能性が高い。
2.リマスタリングで音が変わる可能性が大きく、「ラウド」になっていく可能性もある。
(=元音を録ったPhilipsのエンジニアもいなくなり、会社や新しい担当エンジニアがいろいろ余計な事をやりたがる可能性があること。1995年あたりからリリースされたDGGリマスターシリーズ「オリジナルス」で相当音が変わっているという評判を考えるとありそうなことかと。)

 で、これもグローバル化と言うよりも、音楽産業が再編統合しなければやっていけない状況が問題だが、まあ考えても仕方ないので例えば内田光子のモーツァルトやシューベルトなど欲しい物はこの機会に早めに入手しておこうと思ってます。皆さんも円高傾向の今の内にどうぞ。

■んで、まずPhilipsは有名なV.ゲルギエフ「春の祭典」の話。あちこちで話題になっていましたが、この録音は本当に凄い。序奏の管楽器群の絡みだけでも実にカラフルで、空間の中での響きのニュアンスが克明に捉らえられていてゾクゾクする。その後の緩急自在で圧倒的な展開ぶりは、もうよくご存じの通り。
 大阪でR.シャイー/コンセルトヘボウを、ヘルシンキでS.オラモ/FRSO(国立フィンランド放送響)も聞いて、前者の流麗な洒脱さや、後者の森の響きのような底力にも打たれたが、ハルサイというずしんと来る腹ごたえを堪能させてくれるのはなんと言ってもゲルギエフだ。

 僕の持っているのはAmazon経由のA Universal Music Company/日本プレスなので、この際EUプレスも入手しておいて比較して、今後リマスターが出たらまた比較して音質チェックしてみようと思う。いわば定点観測だ。ちなみにAmazonで見ると、上の写真は2009年だそうで、DECCAのロゴがありありと。これも買わねばいけんかの。下のは2001年Philipsプレスのようだ。

 ついでに「NHK音楽祭2007」での2007年12月NHKホールでのBSアナログ録画(音声Bモードステレオを16/48LPCM記録)もあるので、それも聞き比べしてみませう。
 もしクラシックCDもリリース時点に近くて古い方が音がいいんだ、とか常識になったりしたら中古マーケットの様相は変わるだろうなあ。

 明日はワイス君とカタツムリたちとゆっくりしっとり過ごす。


('09.6.5)■で、友人がお土産にもってきてくれたのがこれです。Deep Purple「In Rock」
 こっちではどうもご縁が無くて、あってもギタギタとか買いそびれていることを話したら、見つけて持ってきてくださったLP。ラウドなリマスタリングが増殖中のCDを買うよりも遙かに安全率が高く、またこの盤はとても状態が良くて、いや嬉しかったです。やっぱパープルのハードロックバンドとしての原点ですなあ。深謝。

■友人との話の中で、DACの役割認識が日米では随分と違う、と言うことも話題になった。欧米ではDACの役割はまず「jitter rejection」である、という共通認識があるように思う。それはS/PDIFは勿論、FirewireでもUSBでも同じ事(当然にjitterはある)で、要はそれをいかにして入れないようにするか、という工夫なのだ。
 まあ、折良くAyreのUSB DACが出てきたので、理解されやすくなると思う。

■オカンが帰ったが、疲れが出て今日はお休み。ぽつぽつとトランジスタ技術を読んだりする。うう、早く最終校正を終えて遊びに行きたい。


('09.6.3)月曜日には帰国中の在米の友人が、東京からわざわざ日帰りで遊びに来てくれた。
 「近しいひと」という言葉があるが、機会があれば会いたい、こんな話をしたいなあ、と思いつつ、会えばみんな忘れてにこにこたらたらと時間を過ごしてしまう。ウチナーンチュはみな結構頑固で固有のリズム感を持っているようで、僕はそのリズムと流れが好きだ。都の人々は西も東もどうも計算が多すぎる。

 オーディオ話で面白かったのは、DACチップの複数使いって本当に良いんだろうか?と意見が合ったこと。あのもの凄く微細なタイミングでちゃんとマッチングが取れるんだろうか。理論的にはSNとかデータがぐんと良くなるが、正直僕にはあまり信じられない。1チップでビシッとやった方が清々しくて良い気がするのだが、どんなもんだろう。

 それと彼がワイス君の方が好きだ、と言ったのには、やっぱりという気がした。オルフェウス君は実に立派な音でスペクタキュラーに聞かせてくれるが、ワイス君はやや小ぶりで控えめに鳴る。その清冽な表情に思わずこちらから聞きに行くわけだ。デザインもシンプルだし、コンパクトで納まりが良い。
 どちらも良い製品だが、家庭でシンプルに使うならワイス君の良さは引き立つと思う。


('09.6.2)昨日は在米の友人が遊びに来てくれた。今日はとりあえず校正稿出したぜい!


('09.5.30)WEISS DAC2ドライバの新バージョン Ver.3.4がリリースされています。以前はWDMドライバを選択できようになっていたのですが、今回は当初から組み込んでいるようです。
 その方がいいっす。Orpheusもそうですが、結局WindowsはWDM側で認識するようです。

校正がどっと来たので、そっち優先で作業します。横書きでなく縦書きでした。(笑)更新は少しお休みデス。


('09.5.29)スピーカーが4ウェイマルチなので、チャンデバには関心大です。これからの時代デジタルだろうなあと思いつつ、しかしクレル製のチャンデバは15年耐用とみてあと10年くらいは大丈夫だろうし、まあぼちぼちいくべか、という感じではありますが。で、オーディオデザインのコラム「チャンネルデバイダーの最初の一歩」が面白いです。

 アナログのある市販製品を取り上げているのですが、いやはや何とも、次回以降に期待が持てます


('09.5.28)疲れた。爆睡、また爆睡。

 僕の知る限りでは、PCオーディオという代物には、活字の世界ではまだまとまった全体像という物が提示されたことがあまりないようデス。ネット上ではいろんな方々がそれぞれに取り組んでおられて、その熱意と努力は本当に多とすべきもので、僕らも有り難くいろいろ勉強させていただいた。そういう意味ではトータルには成果は上がっているものの、PCオーディオを知らない人たちや既存オーディオのメーカーなどに、上手く集約した形でイメージをお伝えし、そこから発展して、またそこへ帰って再度展開していくようなベースになるコンセプトは少なくとも活字の世界ではあまり提案されていないと思う。
 来月発刊のオーディオベーシックMOOK「PC Audio Fan」(共同通信社)では今回、結果的にそうなったのですが、僕が一番大きなスペースを戴いた。はっきり言ってかなり厳しいなところもあったのですが、周りを見渡すとお断りするわけにも行かず、覚悟を決めて一から勉強し直し、膨大なリサーチに着手したわけです。
 そして、ハード・ソフト・コンテンツの各部門にわたって具体的な使いこなしなどにも触れながらサーヴェイした記事を主軸に、用語集なども用意して、初めての方にも具体的なイメージを持っていただけるよう努めたつもりです。また無理を言って横書きにしていただき、関連サイトのURLを沢山載せました。思いは「開かれた・広がっていくテキスト」というか、まあハイパーテキストといった感じです。これがいささかなりとも成功しているかどうかは今後の皆さんの評価に待つべきものですが、それが契機となって様々な提案がなされることを心待ちにしています。綴じ込みの葉書でお返事ください。<(_ _)>

 初物なので遅れ気味ですが、いずれこれが出てくれないと、お話できない事もあるので、今はちまちまと校正をしながら、発刊を待っているところです。

 ここで改めてネット上で活躍されているパワフルな諸賢に、心からの敬意と謝意と連帯の挨拶を送ります。それぞれの音楽生活、それぞれのPCオーディオ。ヴ・ナロード!
 


('09.5.27)MacBook Pro には勿論アイソレーション・トランスとパワータップをあてがっているが、例えば近くでDACのアイソレーション・トランスをオンしたときなど、画面が一瞬揺らぐ事がある。トロイダルトランスの突入電流が非常に大きいからだが、この対策でCSEのアイソレーション・レギュレーターを買おうか、置き場所がない(あるけど納まりが悪い)なあ、と考えていた。
 メールをくださった砂町の仙人にちらっと相談したら、「んなもん一瞬の話だから要らんよ。」と言われて、「そやな、止めよ。」とあっさり決めた。iTunes や MediaMonkey の時はどうって事ないが、CubeseやNuendoなどDAWソフトを走らせるときのPCはそれはキンキンに張り詰めた状態なのだ。つまりは32ビット浮動小数点処理で大きな桁数範囲の演算を高速で行っているから、PCを全面占拠せざるを得ないのだ。つまりはPCオーディオのパワフルさはこういう所にも由来する。

英米のサイトやフォーラムを見ていると「dedicated computer」という表現によく出会う。例えば music であれば音楽専用機となって、専用機は必要かどうか、などと議論されている。
 面白いのはMacユーザーには兼用派が多いらしいことだ。これは通常の手法では Mac のネット接続機能を無効に出来ないなどカスタマイズの範囲が限られていることによるのだろう。一方、Windows派の場合、dedicatedというのは「捧げられた」という意味なので、文字通り全ての機能が「音楽に捧げられたコンピュータ」を目指す人も結構いる。我が家のMacBook Pro のWindows側はこれです、まだ修行中の身で途上ではありますが。
 で、Orpheusなんかは、こういうマシンでないと、ちゃんとというか迫真の音で鳴らない。全身全霊で取り組むべき機器だと思う。そういうスタジオユーズの機器特有の凄みを持ちながら、素晴らしいのはそれでいて音楽的な美しさや陰影のグラデーション、佇まいをちゃんと持っているという事なのだ。

p.s.Orpheusの初回限定円高差益還元特価はもう売り切れつつあるので、50万円台の価格が無くなるのは時間の問題のようだ。

「僕はオーディオマニアではなく、音楽マニアだ。」と言うと、皆「え~。」というい感じで全然誰も本気にしてくれない。でも、一度でも我が家に来てくれた人は大なり小なり分かってくださると思う。
 つまりマニアックにオーディオをやるのは少しでも音楽をいい音で、つまり良い状態で音楽を聴きたいからだ。だから僕の場合、レコードの紙ジャケとか機器とかにはほとんど愛着というか執着がない。いい音で音楽を聴けるなら明日にでも手放してもかまわない。機器のなかを触るので、形有るものは日々移ろい変化し、いずれ壊れていくことは骨身に染みて分かっている。だから一切が流れていく無常の中のひとときの出会いとおつきあいだと、原始仏教を世界観とする僕は感じながら一緒にいる。
 まあ、こだわりがあるのはカタツムリたちくらいかな。こいつらはでかくて変な格好でつぶしがきかないからなあ。でもって、凄いんだよ。つながれる機器の中身やグレードを、さりげなくだけど全部さらけ出してしまう。「こんな感じだけど、いいですかあ?」といともあっさりと出してしまうので、録音のアラや機器の音色やエネルギーバランスの偏りなどすぐに分かる。だがこれも過ぎてゆくひとときの大事なおつきあいの時間だ。そう、僕はこのへんてこなカタツムリたちが好きだ。

※あまり東京に行きたい気がしない、と言うのは本当ですが、「あいつは偉そうにしている。」と誤解されないようにはっきりと書いておきます。僕が今遠出を控えているのは、第一には身体的事情によるものです。ったく。


('09.5.26)■電源の件後半は再度整理したいと思います。奥が深いです。

■追加の原稿依頼が来たので、雑事は終わり。そーだ、あれもやんなくちゃ行けなかったんだ。

■スタジオの設備などをカスタマイズするのはプロにとって当然の作業なのだそうだ。ただ、コンシュマーと一番違っているのは、よりクオリティの高い最終製品を作り出すためのカスタマイズ、あるいはより効率よく作業しやすくするためのカスタマイズであって、「音造り」のためのものではないという事だ。「音造り」をすると、録った音の判断にかえって邪魔になるので、あまり癖のない様に、あるいは癖があっても十分それをふまえて善し悪しを判別できる程度の癖にとどめる、そういうものであるらしい。

■コンシュマーでもカスタマイズできる分野がある。PCオーディオだ。ただ、機器固有の音の幅がもの凄く広くなって、それに不安を覚える人も出てくるかも知れない。
 そういう意味では、結局はどれを良しとするかは難しく、しかし上手くいったときの喜びと面白さはとても素晴らしい物がある。一方で、撤退する勇気を迫られる場合もある。振り回されず判断し、行くときは行き、とどめるときはちゃんと止める。本機で求めたときには使い手の力量を問うてくる。結構大人の道楽だと思う。


('09.5.24)電源は単独では存在し得ないので、負荷となる回路との関係で最終的には設計あるいは選定されるべきものだ。
 アンプなどアナログ系のオーディオ機器などの電源造りが、案外とオーディオマニアのイメージの中心となっている。例えば別筐体電源からケーブルで本体=負荷側へ給電する、と言う風なイメージでである。そこで、誘導・トランスの振動などからSNのためには別筐体が良いとか、DC給電ラインが重要でこれを短く負荷に近いところで給電するには一体化がよいとか議論される。しかし、DCラインも適切な対策(シールド、アース電位)を講じれば外出ししても特に大きな問題は生じない。問題が生じたときにはアースラインとの関係や他機器との関係を個別環境的に詰める必要があるだろうし、それでほぼ対応できるだろう。いずれにせよ、全体の中での位置づけであって、どの方式がよいなどいってもどれでもそれぞれの問題は残るわけで、方式論だけで決められない性質の物だと思う。

 それと何処でアースを落とすかも慎重に考えなくてはならない。たとえば光学ドライブの場合、回路5Vとモーター駆動用12Vは最終的にドライブ内で同一アースに落ちる。ドライブの場合、当然別筐体電源になるわけだが、これをよく考えて別筐体でのアースをどうするかきめる必要がある。あるいはD-Clockのようにクロック出力をパルストランスでアイソレートしている場合、クロックケーブルのシールド側もちゃんと先の方でアースに落とすのが基本だ。

■一方、表面実装(SMD)を基本とする現代のデジタル電子回路は発想が全く違う。一つは消費電力抑制のためのデバイス自身の低電圧化と機能の多様化だ。個々のデバイス毎に電源に対する要求(電圧精度、消費電流、ノイズなど)が大きく違う。そこでは電源を何階層かに枝分かれさせて分散供給し、POL(ポイント・オブ・ロード)と呼ばれる負荷であるデバイスのすぐ近くにLDO(低飽和型レギュレーター)やスイッチング電源素子が置かれる「分散電源」が当たり前になっている。
 例えばデジタルオーディオ機器などその最たる物だろう。一部にはディスクリートの部分もあろうが、表面実装(SMD)がコスト面からも主流になっている。

■そこで、こういうデジタル機器への給電を考えると、それはパワーアンプなどとは別の要素が求められる事が見えてくる。パワーアンプでは電流の変動が激しく、しかも瞬時に反応しなければならない。だからトランスにもピーク時を含む大きな容量のマージンが必要になる。

一方、DACなどのデジタル機器はスタートアップ時はともかくとして、安定稼働時にはなによりも低ノイズの安定して低インピーダンス・広周波数帯域の高品質な電圧供給が求められる。
 ここでデバイスの「低電圧化・大電流化」を考えると、LDOは発振しやすいため大容量のパスコンが必要となり、実装スペース上の問題も増えているようだが、一方、回路図にない部品と言われる浮遊容量などの影響にもセンシティブで緻密な基板設計が求められているそうだ。


('09.5.24)■昨日一昨日と書いていることは、何も僕の所に1回くらいは挨拶に来いとか、そんな下らないことを書いているわけではないので、これは既に分かっていてくださると思う。
 要は何とかして閉塞感を打破して行きたいわけで、いろいろな可能性について知りたかったら、切り口を広げたかったら、もっと目を広げていただいたらどうか、という事です。PCは「ソフト無ければただのハコ」なので、PCオーディオはハード・ソフト・コンテンツの各分野に目配りをしていなければ、うまくバランスが取れなくなってしまうこともあるという事で、そういう場合にはうまく鳴らないケースについて切り分けなど出来ないからです。それは来月発刊のオーディオベーシックのMOOKをご覧いただければお分かりいただけると思う。おしまい。

■閑話休題。
 Mac OS Ⅹの音楽用最適化を試みたので、初回報告します。

【Mac OS Ⅹ Leoprardのカスタマイズ】

 この間英米とメールのやりとりをし始めたことは既に書いてますが、ダニエル・ワイスにしてもゴードン・ランキンにしてもみなMacが良いと勧めるのですね。香港のKentもMac使いだし。
 勿論、デフォルト状態では確かにMacの方が安定感があって良いのですが、カスタマイズしていくとWindowsはある時点からMacを抜き去ってしまう、と言うのがこれまでの僕の認識。

 で、リリース時期は分からないが、次のMac OS では音声エンジンであるQuickTimeが完全64ビット化されるそうなので、この機会にMac OS軽量化のカスタマイズにチャレンジしてみる。マシンはMicBook Pro 15インチ(late2007モデル)。DAWソフトはNuendo4。

●軽量化のカスタマイズ

1.アイコンプレビューを切る。

2.メニューバーを半透明から不透明に。
 合成して半透明にしているので、表示しているだけで負荷がかかってしまう。

3.アニメーション/エフェクトを最小限にする。
(1)DOCKの環境設定から「しまうときのエフェクト」を、ジニーエフェクトからよりシンプルなスケールエフェクトに変更し負荷軽減。
(2)Finderの各種エフェクトを切る。
 これはカスタマイズ&メインテナンス用の日本語対応フリーウェア「Onyx」を用いて、「各種設定」→Finderタブで実行する。
 なお、設定の基づきワンクリックでやってくれるクリーニングも定期的にやって、キャッシュのクリアなどメインテナンスしておいた方がよいようです。

4.キャッシュのクリア
 新たなフォントは本機ではインストールしてないが、場合によっては移動・セーブして起動時に読み込まないようにした方が良いそうです。フォントキャッシュやシステムキャッシュ、カーネルキャッシュなどのクリアもOnyxで出来る。数ヶ月に1度はクリアした方が良いそうです。

5.ログイン項目(起動項目)を減らす。
 システム環境設定→アカウント→ユーザーでログイン時に自動的に起動させるアプリをカット。
 本機ではMicrosoft Muse Helper と iTunes Helper を切りました。

6.仮想メモリを働かせないようにする。
 本機では物理メモリはリミットの4GBまで増設済み。仮想メモリの状況を監視するソフトもあるが、こまめに再起動する事を心がけて、当分は導入しない。

7.デスクトップのバックグラウンドを変更する。
 おそらく白¥が一番軽負荷だと思われるが、少しは色気も欲しいので、薄いパープルにしました。

8.英語環境で走らせる。
 英語版のMacOSやWindowsを使うプロもいるそうで、そりゃ-英米の連中はネイティブだから良いよなあー。とブーたれずに、ここではシステムの言語環境を英語にしてログインする。これは一番効果があり、サクサクと動くようになる。どうしてもメニューを日本語表示したい場合は、「情報を見る」GET INFOからJapanese以外の言語はlanguageのチェックを外して日本語表示する。今回はNuendo4、DVDプレーヤー、iTunesなどは日本語表示しました。

【注】Mac OS ではAudioMidi設定、ハードウェアの操作画面、DAWソフトの3つが三つどもえでクロックを含む設定を握っている。これに外部クロックソースを入れるとなんと四つどもえになりすぐにループになり処理が出来ず収拾が付かない。
 だから、Nuend4のプロジェクト設定には、内蔵クロックのDACでなおかつMacと相性の良い物を使わないと、とんでもない手間をかけさせられる。

 設定後のNuendo4の起動についても、Windowsのときのように1回毎に終了しては駄目で次が起動しない。、順送りに次のファイルを開いて前のを消していく必要がある。
 ま、どの世界にも癖はあるさ。はあ~~。

●カスタマイズ後のMacの再生音質

 デフォルトでは骨太いがニュアンスがいまいち出ない感じでした。カスタマイズ後は全体にきびきびした感じが出て、Mac特有の濃いスープのようなシームレスな一体感が出て、なかなか良い感じです。少し沈んでいくようなところもあり聞かせる場面も数多くあります。
 しかし、音場の出来方は全体に小ぶりで、空間の中でのダイナミックスというか表現などスケールの点では我が家のカスタマイズしまくりWindowsXP SP3には負けます。結局本気で聞くなら後者。残念。

 しかし、この後64ビット化によって何処まで化けるか。期待を持って雪豹の到来を待ちましょう。Macのカスタマイズの勉強も引き続きやりますので。


('09.5.23) 今年からちょっと考え方を変えて、自分で出している音をできるだけ友人達に聞いてもらえる機会を積極的につくりたいと思っている。我が家であれば、中部は勿論、関西の人たちに声をかけて集まれる機会を作ってデジタル最前線シリーズなどやれたらと思う。オーディオベーシックのMOOKが出れば、当面それがテキストにもなるし、きちんと内容も説明しますし機材だってお借りできる物は借りるよう努力します。電源製作講座も良いかも。近場だとお互いの負担も軽いし、例えばケーブルの貸し借りや、週末の行き来なども気軽にやれるでしょうし。

 このHPを読んでくださったり、会って話をしたりして僕のことを知ってくださっている方でも、我が家の音を聞いたことのない人は沢山おられるわけです。勿論何度も来てくれてる人達もいます。で、時々音のことも言われると、分かったようなこと言うのは正直聞いてからにして欲しいなあ、と思うときが時々いや結構あるんですね。聞かなきゃ分からないこともたくさんあるんですよ。

 東京とかへね、俺も野越え山越え情報収集も兼ねて何十回も行ってるんだからさ、そりゃーお忙しいだろうし、大阪堺まで時間とお金はかかるけど歓待するから、PCの使い方とか知りたければ一生の間に1回くらいは来て欲しいなあ、と思うわけですよ。関西出張のついでだってOKで、オカンもいたりするからどうしても週末になるけど、平日でも出来るだけ日程も会わせるし。関西近辺の人達ともお会いできる機会も作りますし。それでようやく大事なコミュニケーションが片側通行だけでなく両側で成立するんだからね。
 でないとね、もう東京くんだりまで出かけていく気がしなくなるんですよ。東京近辺の人に分かって欲しいのは、努力して東京まで来る地方の奴らだっている、と言う事です。だから片恋いのまま放っておくというのは、はっきり言ってさぼってませんか?どうする?アイフル?


('09.5.22)■いろいろと考え様子を見ていたんですが、いま僕個人にとってはオーディオについてはほとんど得られるものがなさそうなので、当分無理を押してまで東京に出かけて行く気分にはなれませんね。
 ガラパゴス日本の場合、事件は東京だけで起こってるんじゃ全然ないんですね。海外のことも知らない、日本の何処かで起こってることも起こっていたことも知らなければ、その程度のもんです。美術展とかコンサートは別ですが。

■いくつかブレイクスルーになるかも知れないネタを見つけてあるのだけれども、整理したり確認したりするにはそれなりに時間とエネルギーが要るので、まーいいや、という事になってしまう。同じく整理するのなら、オーディオベーシックなどに載せてもらったほうが良いのではないか、という気になるのですね。俺が分かっていていい音聞けてりゃそれで良いじゃないか、と思えてしまうのが、寂しい今日この頃です。
 「ハイエンドショウトウキョウ 2009スプリング」も盛り上がってなさそうだし、何か閉塞感があるなあ。まあ、でも伝えられることや手業は伝えていきたいという気持ちはあるので、お互い負担を感じずに行き来できる小さい範囲でいいからフェイス・トゥー・フェイスでやって行きたいですね。

■今週は臨時の原稿を2本送って、情報収集の整理をした。後はぎりぎり追加の原稿と校正だ。PCオーディオのMOOKは6月19日発刊予定としてもぎりぎりの日程なので、各種ライターを沢山抱えて形にする編集部は本当に大変だろうと思う。頭が下がります。m(_ _)m


('09.5.21)■今日はワイス君を中心にDACの電源回りをいろいろと模索しながら強化。Plitronのアイソレーション・トランスも容量を変えていろいろ試してみる。デジタル系はあまり大容量を要求せず、ワイス君で最大7W、オルフェウス君は35Wというのが消費電力のスペック。100VAでは音的にも 少し小ぶりな感じでこれは上げなくてはと思うが、実際にアイソレーション・トランスの容量を上げていくと、すぐにさっきの小さい方が音の切れは良かったなあ、と思う事になった。あくまで我が家で僕の耳での選択ですが、その最適容量を越えるとアナログチックに豊かになりはすれども、スピード感が鈍って低域に引きずられる感じでかえって決まるべきところで決まらなくなる。
 アナログ機器では好みによってはかえって面白い音になる可能性もあるが、恐らくデジタルの場合低電流で電圧変動率が大きいのは機器側の電源の負担の面で好ましくないのではないか、という気がしてならない。
 勿論、個々の判断と好みと選択であります。

■今日はMac OS のカスタマイズというか軽量化を試みる。うむ、結構変わるではないの、と思ったが、電源をやり替えているときに間違ってクロック(Antelope OCX+Satanford SC10 10MHz)の電源を落としてしまい、おまけに30分ほど放置したまま気づかず、あちゃー、とあわててオンしたが、音を聞くとやはり甘くなっている。グス。
 SC10はコールドスタートで最低72時間の暖機が必要なので、音で明確に確認できるのは日曜日以降になるだろう。その間はLPもSACDもあるし、映画を見ても良いし。
 でもまあ、在米の友人が遊びに来てくれる前でまだ良かったと言うべきかも。

■他にも今日届いたExpressCard34の事などあるが、これも後日に。

 ああ、何かと疲れる。世は全て斯くのごときか。日曜日まで更新はお休みします。


('09.5.19)■今回はPlitronのサイトで余剰在庫のカスタムパーツのページがあったので、ラインアンプの電源に好適だと思い、48VAで24V0.5Aを4巻線もつトランスをオーダーしてみた。届いたのはデフォルトの黒のテープ仕上げの上にさらに透明テープを巻いた物。それをのぞき込むと「Wadia Degital」と書いてある。Wadiaの製品用に開発された物だろう。結線図を見るとコアの両側にシールドが入っているようで、さすがにデジタル機器用だけのことはあるようだ。
 送料は正味かかるが、お値打ちもありそうなので一度のぞかれてはいかがかと。

■おお、今日メールが来て、沖縄の友人に続いて今度は地元大阪でオルフェウス仲間が増えてしまった。発売記念特価の威力は凄い。それでも高価な物です。僕も今は節約中です。
 特価がチャンスといっても、これさえ買えば後は当分何も考えずにマルチも含めて音楽を聴くことに専念できる、そう思える人にしかお薦め出来ない。人皆それぞれにペース配分やタイミングといった事情があるのは当然のことだし、誰彼かまわず勧めるようなものではないと思っているので、ご安心ください。


('09.5.18)■5月も半ばを過ぎたし、自分だけ自己規制してるのも面倒っちいのでお名前くらい書いてしまおう。
 もう1台のインターフェース&DACというのは英PrismSoundの「Orpheus」だ。プロがみな音の良さではダントツだというので、数年前から注目していた。実は今、限定の発売記念特価で売り出されており、それに飛びついたという訳だ。
 詳細は当分書けないが、これ1台あれば、設定次第で殆どなんでも出来るくらいの多機能で、しかし基本はシンプル・ハイスピード。音は本当に凄い。僕のインターフェース・DAC探しの旅はようやくこれで終わった、というのが導入時の感慨だ。何せこの上になると、デジタル卓やDSD/DXDのレコーダーの世界になり何百万仕事なので、とてもそこまでは行けない、という事もありますし、ワイス君との2枚看板で頑張りますです、はい。

■今日はPlitronのトランスも届いたし、いろいろと忙しい日だった。で、どうしても音を聞きたいという事でお願いしていたAyreのUSB入力専用DACであるQB-9も届いたが、オカンがいるので今日は動作確認のみ。明日返送することになるが、半日だけでも聞かせていただけるのは本当に有り難いです。


('09.5.17)今日は原稿の修正をしたりしながら、1日音楽を聞いたり、雑誌を読んだりした。

 HiVi6月号に面白い記事があった。「ブラッド・ザ・ラスト・ヴァンパイア」という2000年公開のアニメのブルーレイ版で24bit/48KHzの「DTS-HD マスターオーディオ」というロスレス(可逆型)フォーマットが用いられている音を聞く、というもの。
 DTS-HD MAは用語解説サイトでは「プロフェッショナルスタジオで作られるマスター音源を、その品質のままに伝送することを可能にしたロスレス(可逆型)フォーマット」となっているが、一方この記事では他のフォーマットも含めて「いろいろと比較視聴も行ったのですが、DTS-HD MAで圧縮・解凍した音がマスター素材に割と近かった」との事で、もともとのマスターが24/44.1(書いていないが当然LPCMと思われる)なので同一フォーマットでの比較ではないにせよ、ロスレスであれ圧縮・解凍のフォーマットによって、みな音が異なるという状況が示されている。

 また、映像の方もフィルムからのテレシネ版と、デジタルデータからフルHD変換したデジタルマスター版の2種類があり、それぞれに音声も違う物が採用されている。この音声の作り方が、すこぶる面白い。
 「ふたつの違いはプロ・トゥールスの電源ケーブルを替えているんです。」とのこと。これだけではよく分からないが、あとの説明を読むと成る程と思う。
 「もともとの作品の音声素材は44.1KHz/24ビット素材だったのですが、DTS-HD MAは48KHz/24ビットだったので、どこかでサンプリングレートを変換しなくてはなりませんでした。しかし、デジタルマシンの中で変換すると、経験上音が悪くなるのを知っていたので、それは避けたかった。結局、2台のプロ・トゥールスをアナログ接続して録音し直したんですが、その時に電源ケーブルを替えてみたんです。」
 つまり途中でアナログダウンミックスして、再度ADしてマスターを作るのと同じ事で、その際に電源ケーブルによる音質変化を利用したわけだ。

 つまりはデジタル・デジタル変換は音質劣化の可能性が大きいということで、それはロスレス圧縮・解凍のフォーマットによってみな音が異なるということと同じく、デジタル固有の問題点があることであり、現場ではそれをふまえてトータルに音質の確保に努力していると言うことだ。
 製作現場での智慧がここにも示されているのだと思う。


('09.5.16)音楽&映像再生用MacBook ProのOS設定(WindowsXP SP3)をいろいろと試しながら、結果が良かった物を全体バランスを考えながら採用して一部変更した。もーいいかい、と思っていたら、まだまだやる事があるので、楽しみが残されていると言えば残っているわけだ。

 音楽再生とPCのセッティングという点で有名なところでは、Soundthraphyさんとか、DAW環境では「ももかん」さんのサイトとか既にいくつもある。また、PCは1台ごとに環境が違うしアップデートでどんどん変化していくし、ある設定が常に良いとは一概に決めつけにくいし、場合によってはトラブる可能性もあるので、細部に亘ってこのHPに載せるのは控えている。  
 以前PC_AudioさんにLilithのフェイスはどれが音が一番いいか教えていただいた事がある。確かに、こういうのはただで出来ることなので、辛抱強く取り組めばそれに報いられるだけの音質向上がもたらされる。一方、こういう作業はとても時間と人的パワーを食うので、良い情報があればちゃんと感謝してありがたく使わせていただくものだと、僕は思っている。

我が家の2代目Firewireインターフェースはイギリス製だが、場所と再生するシステムが違えば受け止め方もかわるもので、あるところでこれがアメリカン・サウンドだと評されていて、ちょっと驚いた。もちろん音的に英国風の香りがするわけではなく、僕の印象ではどちらかと言えばdCSに通じる凄味があって、何よりもエネルギー的に来てほしい時にちゃんと来てくれる反応の早さと音の伸びが印象的で、空間に彫り深く空気感を伴って音を表現していく様に惚れ込んでいる。おそらくそういうところが明るくオープンな感じになったのではないか、となんとなく想像している。
 まあ、少しPCの設定を触っただけでビシバシ反応するからね。見かけはいまいちですけど。


 注文していたPlitronのアイソレーション・トランスが多分来週には届くので、ワイス君と含めていくつかの容量の物を試して、良い物を選ぼうと思う。次はワイス君の逆襲だ。切磋琢磨して頑張ってもらいたい。


('09.5.15)先日のオフ会で十分お話しできなかった「なぜ一体型インターフェースなのか?」について、忘れない内に整理しておこう。

 「Firewireインターフェース→S/PDIFケーブル→DAC」という形も、後でDACを追加するときなどに十分に意味を持つのだが、僕は現在ワイス君始め2台のDAC一体型Firewireインターフェースを使っている。これにはいくつか理由がある。

1.「Firewireインターフェース→S/PDIFケーブル→DAC」という形にするとS/PDIFケーブルが全体の音質に決定的な影響を及ぼすし、PCオーディオではDACだけでなくケーブルやインターフェースの費用も必要になる。
 実際にFireface400→AET SIN DG75ケーブル→WEISS DAC2という形で、DAC2と比較したが、S/PDIFケーブルの影響が非常に大きくクロックケーブルよりももっと直接的に支配力を持ち、、かつ一体型と比べてもやや音が膨らんだり滲んでいるところがあった、特に音場感、空間の表現では結構差があった。
 逆に言うといいケーブルを1本確保できれば、一体型の場合はクロックケーブルにそれを使える。

2.S/PDIFケーブルはシステムクロックに同期して読み出されたPCM信号をインターフェースからDACへ伝送するのだが、安定的な伝送方式かどうかについては論議のあるところだ。一方、一体型の場合はDACネイティブのフォーマットであるI2S(インターICサウンド・バス)でデータとクロックが基板上で別に伝送され、その距離はたかだか数cm程度である。

3.WEISSなど現代インターフェース・DACの基本的な考え方として、いかに入力段階でジッターを入れないように防ぐか、あるいは各ステージでどれだけジッターを抑えこむかを大きなテーマとして取り組んでおり、一体型基板上でのクロックのディストリビューション技術も含めて、それらの効果への期待が持てる。

 勿論、トータルでイメージに近い音が出る事が重要で、方式さえそれであれば良い、と言うことではないので、これはあくまで基本的な整理である。


('09.5.14)ワイス君もそうだが、オーディオインターフェースは結構追い込みというか持っていき方にスキルが必要な場合がある。専用電源がなければ外部クロックが、とかいうことではなくて、PC(ハード、ソフト、設定)を含む基本的あるいはテクニカルな使いこなしスキルだ。ワイス君始め僕が今使っているオーディオインターフェースで、結局は試聴段階で使い切れずに良さを分からずに終わっているケースが僕の知っている範囲でも結構あるので、このあたりの情報もちゃんと拡げる事が望ましいだろう。
 結局、オーディオベーシックから発刊予定で作業中のPCオーディオMOOKあたりがどれだけブレークするかだろう。こういう広く行き渡る媒体にちゃんとまとまった情報が載るようにしないと、個人サイトなどでは限界がある。これもまた、これからの話だ。

 とはいえ情報は待っていればよいと言うものでもない。自分でやってみて苦労しなくちゃ分からないことも多いので、まずはトライして苦労されるよろし。

人は僕のことを時として「改造派」と読んだりする。けれども、そういう主義というか方針でやってるわけではなくて、いつもより良く音楽を聴くためにやむにやまれず手を加えている訳で、またメーカーとの関係についてもそれなりの覚悟もしなければならないので、誰にも特にお勧めはしないし、これまでもしていない。で、どうも誤解されやすいので、あまり書かないようにして写真ものせないようにしているのは、それなりに気を遣ってもいるわけで、とかく世の中は難しい。
 
 と、こんなことを書いたのもラジオ技術の2009年6月号「私のリスニングルーム」に大先輩の「徹底した電源強化と振動対策こそが音の決め手」という記事が載っていて、それを読ませてもらったからだ。時としてにやっとしてしまったり、うなずいたり、でもなあ、と思ったりしながら楽しく読んだのだけれど、多分、それは同じ改造派シンパ(?)として揉まれてきた身の、ちょっと独特の受けとめ方かもしれない。

 大先輩はエヴァンゲリストと呼ばれる事もあるが、「予言者は長生きしないよ。不幸になるよ。」と普段から笑いながら言っておられる。このことの意味をちゃんと理解できる人が一体何人いるのだろう?
 認知症の老人は、内容よりも語られる口調の優しさとかの方に反応する。人間は世界や環境を経験と欲望とに基づき仮構しているという意味では、みんな仮想現実を生きている点では程度の異なる認知症なので、でも人は皆やっぱり自分が認知症なんだということを自覚はできないんだよね、皆自分のことを基準に考えて自分はフツーだと思っているからね。


('09.5.10)楽しい時間はあっという間に過ぎる。昨日はほぼメンバー全員、予定通り確実に幸せになった。いいコンサート(名演、熱演)、いい焼き肉、いいワイン、幸せにならない方がおかしいくらいだ。メールでやりとりさせていただいたMinimaさんとも出会ったりして、また交流の輪が拡がっていくのも嬉しい事でした。
 グルメの関東人Mさんは「日本一旨い焼き肉。」というのに首をかしげていたが、はじめのロースであっさりこけて「日本一認めます。」と言うことになり、ハラミで感動の渦にはまり、ヘレではただただ随喜の涙という感じであった。うむ、分かればよろしいのであります。
 久方ぶりのバール「ウーノ」もシチリア産のシラーという凄いものを出してくれ、それでも食費は2軒合わせて合わせて9千円に届かなかったので、大阪というのは実にリーズナブルなものであります。

 きょうは朝から我が家で音出し。皆さんそれぞれに感想をもたれたと思う。PCオーディオやデジタルのこれからに皆さんの関心が深かったのでシステムクロックなど少し話をさせてもらい、最近書けないことが多いのでこちらも伝えることができて嬉しかったが、きっちりやるとなるともの凄く時間がかかるので、とは言ってもせっかくだから今日は聞いてもらうのが中心。「CDはどうもアナログのような滑らかさに欠ける。」と言うYさんも、24/96には「これなら行ける。」と手応えありの様子で、当面の目線の先はやはりPCオーディオのようだ。
 昼間は福島直送の感動ものの生酒と、当日クール便で届いた香り高い山菜とで、中華粥やパスタを囲んで盛り上がりの時間でした。食わないかんし、飲まにゃいかんし、聞かにゃいかんしで大忙しの、でも楽しい時間でした。
 皆さん遠方からよくお越しくださいました。お土産ありがとうございます。また、遊びましょう。


('09.5.8)さて、明日からいよいよ「大阪ツアー」。というのは3年前に福島に遊びに行ったときから、隔年でお互いに行き来して交流しようというもので、今年は大阪つまり僕の担当。

 あすは福島から2人、東京方面から2人、愛知県から2人が来られる。

【カンターレ編】
 まずは録音の会場にもなった、佇まいも響きも美しいアートコートギャラリーでの「ヘンデルの音いろ 福永吉宏(フルート)/上尾直毅(チェンバロ)」のコンサートを聞きにいく。

 CDは沢山持っていても、実際にはチェンバロの音は殆ど聞いた事がない、という人は実はかなり多い。しかも響きのデッドな会場だとなんか音の小さい楽器だなあ、くらいの印象しか残らない例も多い。低音もボリュームはともかく「ズーン」と来る結構深い音が出るのだが、それを味わえる会場はそんなに多くはない。

 今回は古楽演奏にはもってこいの天井高7.5mで響きの美しい、いわば貴族のサロンのような会場なので、美味しい響きに出会えるだろう。くわえて関西出身・阪神ファンの名手・上尾さんなので、まず間違いはない。福永さんも木管、銀管を持ち替えて流麗な音色を聞かせてくれるだろう。


【マンジョーレ編】
 その後はすぐ近くの日本一旨い焼き肉屋「同心亭」に行く。冗談抜きに昔せっせと行っていた鶴橋など比べものにならない。タレでつけ込んだ肉を焼くのではなく、切っただけの肉を焼き、塩またはタレで食べる。いや、ある人いわく「これは反則ものだわ~。」というくらい旨い。とりわけハラミが絶品。主人のお薦めは美味しいが高いものが多いので、そこをうまく切り抜けて注文すれば、もの凄くリーズナブルな金額で幸せになって帰れる。

 で、幸せの総仕上げにそのまた向かいのイタリアン・バール「ウーノ」にいく。美味しいワインを飲みつつ大阪の夜は更けるという次第であります。


('09.5.7)■ゆとりが出来たので、溜まっていた録画など見る。昼でもカーテンを閉めればプロジェクターは十分に実用になる。

 見ながら思ったのだけれど、AVというのは具体的な趣味だ。目で見えるものを、どう扱うかと言う点が比較的はっきりしている。テストDVDだってあるから、画質調整のガイダンスもある。
 一方、オーディオというのはガイダンス的なものが少ない。あっても接続やスピーカー極性位相、周波数スイープなどある程度までしか役に立たない。目に見えず、しかも全てを再生できるわけでもないオーディオというのは、結局そこからどれだけの音楽的リアリティを得られるかという想像力の産物だからだ。にもかかわらず求めるものは演奏者がそこにいるかのごとき息づかいであったりして、非常に高いところを求めてしまう傾向が強い。それを実現するには、イマジネーションや感性や音楽的・オーディオ的経験など、聞き手の側にも「行」のごとき努力を必要とする。

 成る程、そりゃこういう七面倒くさい道楽は流行らんわなあ。昔は来日公演も少なかったし、音楽的体験を得るためには密室に籠もってレコードを聴くというのが不可欠な時代が確かにあったが、いまや来日公演も結構増えて、映像付きの具体的な情報が氾濫して音楽体験には事欠かないわけで、確かに「オーディオ離れ」が起こっても不思議ではない状況だ。ブルーレイディスク音声はAV側の商売優先でHD何とかの変な方向に走っているが、良い映像とHiRes音声(24/96LPCMやその5.1)、それをちゃんと再生できる機器(規格も含めて)で勝負に来られたら、ひょっとして負けていたかも知れない。一方で、ブルーレイのおかげで当分光学系ディスク全般は延命するだろうというのは、ある意味では皮肉な話だ。

■在米の友人が4/28のこのページで書いた全米レコード協会(RIAA)の資料を送ってくれた。感謝。

 Digitalつまりデータでは「Download Album」は売上高こそ「Download Single」の半分ぐらいだが、伸び率はアルバムがシングルを結構上回っている。つまり「ダウンロードのシングル志向」というお話は、このデータでは必ずしも確定的とは言えない気がする。
 しかしなんと言ってもPhysicalつまり物理的CDでいくと、CDシングルの減少率はCDよりもずっと大きいい。さらに、そのCDの売上高はここ3年ほどで半減しており、異常事態といっても良いくらいだ。
 どの記事も「本当はダウンロードを真犯人にしたいのに、そうできないからどう結論づけて良いか分からない、とりあえず報告はしておきます。」という雰囲気だが、確かにこの整理は難しい。

 いつも権利者団体が言う「違法コピー」もデータがないとは言え、当然無視はできないだろう。しかし、基本的には「オーディオ離れ」が進行しているのではないか、ということを感じるのは僕だけではないだろう。
 少なくとも音楽が時代的な「現象」になったのはもう過去の話で、今や一コンテンツの位置づけでしかないが、「音楽離れ」という問題もあるような気がしている。

 在米の友人は月末に貴重な帰省の1日を割いて遊びに来てくれるそうなので、その辺りも話を聞かせてもらおうと思っている。やはりオーディオというのは文化なのだと思う。

■実使用電流の測定はヒューズの規格選択に役立つ。ヒューズは基本電流値が効くからだ。

 皆さん機器のヒューズを短絡したりはしないのに、温度ヒューズを避けるのはどうしてだろう?当然、他に安全措置は講じられていることと思うが、まあ連休も終わりやしどっちゃでもよろしか。


('09.5.5)先日、RSコンポーネンツで測定器のセールをやっていたので、横河のクランプメーターを買った。今日はそれでMacBook Pro の消費電力を測ってみた。クランプメーターは磁性体コアでACの片側の線を囲んで磁束から電流を割り出すので、バラ線にした測定用の短いACケーブルを作って壁コンに接続し、それで測っている。取説を見ると結構確度は高い。

 で、スタート時は0.26Aから始まり、ビジーな起動時でも0.4Aには届かず、起動後落ち着いたアイドリング段階では右の写真の通り0.28Aに納まった。
実はMacBook Pro にはPLitronの100VAアイソレーション・トランスを経由して給電しているので、その銅損・鉄損などのロスも含まれているし、パワータップ内でのロスも少しあるだろう。さらに、電源を切ってはいるがドライブ用電源のPLitronの100VAの1次側もパラにつながっているので、そこにも少し流れているだろう。

 ということを総合すると、AppleのMagSafe85W・スイッチングアダプタを使ってはいるが、実質的にはmax.35VA程度と考えられる。ドライブは外付けだし、マウスも使わず、RAMDiskにアプリを搭載してページングファイル無し状態なのでHDDが回る頻度もかなり少ないと思う。

 買い込んだ測定機は他にもあって、電源回りを中心にシステムの状況を整理・把握したいのだが、それは勉強して計画をたてながら、落ち着いてからやろうと思う。


('09.5.4)近々のMacOSスノーレパードのリリースに伴いEFI2.0化(?)→Windows Vista 64bit導入、という夢を持っているだけに、32ビット環境ながらOSチューニングについてはあまり進めてはいません。しかし先日の「てますぺ」ブログに載っていた「OSのフォント」については、起動時に読み込むフォントを削減するというもので、フォントによってはサービス1本程度の大きさのものもあり効果も期待され、有り難く実行させてもらいました。

 一方、コンパネ→システム→詳細設定→パフォーマンスでのプロセッサ時間割り当ての「プログラム優先」選択については、今日もいろいろやってみましたが、やはり「バックグラウンドサービス優先」を選択することになりました。
 「プログラム優先」だと全体として穏やかな方向になり、空間の広がりや切れ味のようなものが減退して、耳当たりがよい、といえば良いのですが正直少しさびしくなります。ただ我が家の環境は①MacBook Pro②メモリ4GB(XPなので認識されるのは3GB)③RAMDiskを1.96GB切りNuendo4など音楽関係アプリはそこに収納④仮想メモリはRAMDisk Tweekerの仕様である「ページングファイルなし」設定で、1.5GB程度残っているRAMDiskなどのメモリを活用しているようです。⑤また、メモリ使用量は「プログラム優先」をすでにコンパネで選択済みです。
 という環境で、プログラムはメモリ上で走るなど既に十分に優先されているので、「バックグラウンドサービス優先」の方が良い結果が出たのではないか、と思います。


 まあ、こういう設定は一つの限られた資源・環境の中でのトレードオフですから、環境や装置が違い、聴く音楽も違えば結果が違ってくるのは当然だと思いますし、それぞれがより音楽的に好ましい方を選択すれば良いわけです。重要なことはこのときのベクトルの変化方向や変化量を自分の引き出しに入れておいて、何かの見直しの際に使えるようにしておく、という事でしょう。そして、既存の考え方を常に見直し、リフレッシュしていくという姿勢はとても必要かつ重要なことだと考えます。


('09.5.3)原稿と依頼されていた資料は全て提出し終わった。あとは早めに出した原稿の時点修正と校正だ。校正が怖い。今から体力・気力を蓄えておかなくては。

 合間を縫って、写真のパワータップを製作した。小さく作るにはそれなりの技術も要る。新しいオーディオ・インターフェースのスイッチング電源につないで改善するためだ。ところが滑らかになったり良い点もあるのだが、これまで聞けていたダイナミックレンジの大きな切れ味がどこかへ行ってしまう。Antelope OCXやMacBook Pro ではかなり効果があったのだが、これはスイッチング電源そのものの質が全く違うレベルのようだ。

 滑らかな音の方向ではワイス君もいるわけだから、やはり優秀なスイッチング電源を活かして、元の形でアイソレーション・トランスから直接給電するのが正解と判断して戻す。うむうむ、これでなくっちゃ。まあ、この2台を使うのはそれぞれの特性を最大限に生かす、ということになる訳だ。

 それにしても、バラすのも勿体ないし、余ってしまったパワータップはどうしようかね。


('09.5.1)先日大井町で実施した「リニア電源製作講座」は大成功で、試作品はめでたく会場を提供してくださった方の所へ嫁入りとなった。
 実は皆さん、すでに断片的にはある程度知識はあるので、それを整理した切り口でみていくと見えてくるものなのだと思う。見方が分かれば後は本人の努力で、それなりのことは出来ると思う。

 その際に持っていったCDが大好評で、鳴り出して少しすると皆さん携帯でバシャバシャしたりメモを一斉に取られる事になったので、HPで詳しく紹介する約束をしたのだが、忘れていた次第です。

 1枚目はポーランドのシマノフスキのヴァイオリン曲集。SAPHIRというフランスのマイナーレーベルで、弾いているのも仏蘭西も若手のヴァイオリニストとピアニスト。かけたのは9トラック目のヴァイオリンソナタの2楽章アダージョ。柔らかいピアノのイントロの後、ヴァイオリンが鳴り出した瞬間皆さんには凄さが分かってもらったようだ。いやあ、世界は深いです。これは銀座の山野楽器の新譜コーナーを見ていて、シマノフスキ+フランスのマイナーレーベルというところで、山勘で掘り出しました。

  もう1枚はジェームス・カーターのライブ「アウト・オブ・ノウウェア」。NYブルーノートでサックスとオルガン、ドラムスという編成に、ゲストにジェームス・ブラッド・ウルマーのギターなどが加わったトラック(3曲目。ご機嫌!)もある。ライブにしては近く濃い音。ProToolsで録られているが、あのらしき癖は全然無い。結局はマスタリングエンジニアのセンスと腕なのだろう。そう「センス」と「腕」です。
 当日かけたのは1曲目のタイトル曲。サックスの吹き上がり加減も良いのだがオルガンの厚みが何とも言えず良い。そして最後にサプライズがあるのだが、これをちゃんと聞き取れるシステムは非常に少ないと思う。5月10日に遊びに来られる方々にはちゃんと聞いてもらおうと思っている。「ジュラシック・クラシックス」のフリーキートーンが強烈だったので、そのイメージが強かったがやはり「治にいて乱を忘れず」的雰囲気で頼もしい感じが良いと思う。

 他にも良い録音の良い音楽のディスクはいっぱいあるのだが、ばたばたで書いている間がない。その内に、ぼちぼちと。


('09.4.29)世間様がGW突入なので、まだ最後の1本大物の仕事が残っていて作業中とはいえ、コネクタなどカナダに発注して、久方ぶりにオーディオマニア気分をちょこっと味わう。
 言い忘れたが、RME Fireface400は自作電源共々良い方の所に嫁入りしたので、いまインターフェース(DAC)が2台態勢になっている。どちらも僕には必要で、両方があればどんなものでも対応できる。

 あ、バランス・アンバランス変換アダプタも買ってチェックしなくちゃ。出川式第2世代モジュールなどでパワータップを製作したり、少しだけ大きめのアイソレーション・トランスの発注もしなくちゃ。


('09.4.28)米音楽ソフト市場、4年連続で前年割れ 配信増加もCD不振

 「全米レコード協会(RIAA)がまとめた2008年の統計によると、米国の音楽ソフト販売額は前年比18%減の84億8020万ドルだった。前年割れは4年連続。ネット配信は30%増と好調だったが、市場全体の6割以上を占めるCD販売が27%減と不振だった。
 ネット配信はアルバム、シングルを合わせたダウンロード件数が28%増の10億8990万件となった。金額ベースでは15億9160万ドルに達した。1曲単位で購入できるネットの特性を反映し、配信全体の64%がシングル曲の売り上げだった。
 一方、CDは販売枚数が25%減の3億8470万枚と低迷し、音楽ソフト市場が縮小する主因となった。
ネット配信市場の成長ペースは速いものの、市場全体に占める割合は2割程度。CD販売の落ち込みを補うまでには至っていない。」

 でもこれってオーディオのあるいは音楽の退潮傾向を示すデータそのものものじゃないの?音楽の聴き方も変わっているし、アーティストもレコード会社も発想の転換が必要かも知れない。ポチポチとブログなどと連携してリリースしていく、なんて方法もありかも。
 このうちどれだけがCDクオリティを越えるグレードなのか、その比率の推移はどうなっているのか、自分でRIAAの資料を読んでグラフにする時間がない。誰かやってくれないかなあ。


('09.4.26)3台のオーディオインターフェースがあると、電源のとり方などかなり平均値的な把握が可能になる。勿論、我が家での平均ですが。試聴の合間に、今回はアイソレーション・トランスを壁コン側に置くか、機器側に置くか比較してみた。

【我が家での結論】壁コンから長いACケーブルを引っ張るとしても、アイソレーション・トランスはインターフェースなど機器のすぐ近くに置いて給電した方がよい。AET SIN ACのようなケーブルでさえ、アイソレーション・トランスから機器までの間に使うよりも、トランス直出しのケーブルで給電した方が全体としての鮮度感は上がる。

業務用機器のアナログアウトは基本的に3PのフォーンジャックかXLRと相場が決まっている。オーディオインターフェースの場合もそうだ。これをアンバランスで受けるにはちゃんと2芯+外皮シールドのケーブルを使うなりして、それ用の結線で変換してやらなければならない。
 バランスアウトがトランス式か電子回路かによって、実は結線の仕方が違うのだが、スタジオユースの機器でない限りトランス式はまず無いので、電子回路アウト前提とすればRing(pin3)は必ずオープンにするのが基本だ。3Pの出力端子に2Pのジャックを差し込んでRing(pin3)とSleeve(pin1)をショートさせるような乱暴な使い方は、機器によっては故障の原因になる。
 フォーンジャック3P→RCAはもう作ってあるが、今回試聴した中にXLR出力のインターフェースがあったので、XLR→RCAのケーブルをAETの旧型SCR Lineで製作した。今後業務用機器の試聴も増えるだろうし、これで全て対応可能だ。まあ、本当はオーディオメーカー製の機器試聴が増えて欲しいのだけれど。


('09.4.25)■今日はLINNのDS使いの友人が、そのまたお友達のご夫妻を伴って遊びに来られた。我が家ではソースが何種類もあるので、実はひととおりやると相当時間がかかる。さっと飛ばしても大体何処かで質問とかリクエストがあるので、時間切れになることも多い。

 ご夫妻はPCオーディオにも関心をお持ちのようで、いろいろと質問されたが総じて
1.CDドライブとCDトラポの違い
2.オーディオインターフェースの役割
の2点が、わかりにくそうな感じだった。
 実は皆さんそうで、これは不思議でもなんでもないので、さりとて説明を聞いても今ひとつ腑に落ちないという感じもこれまた一般的な反応だ。はてさてスタイルはいろいろあるので、とりあえず来月末発刊のオーディオベーシックのMOOK読んでくださいね。

■オーディオインターフェースは電源の質にとても敏感だ。プリズムサウンドのOrpheusにしてもワイスのDAC2にしても、どこからどのように給電するかでどんどん音が変わる。
 おまけにPCサイドの設定も敏感に反映する。試聴評価は結構難しいが、それでもある絶対的なクオリティのような素性は程なく分かる。良いものは良い。


('09.4.24)で、人のふんどしで、オーディオデザインのコラム「オーディオアンプの電源はどうあるべきか(その1) -左右独立電源がいいって誰が言ったの-」をご紹介。

 僕はアナログアンプの回路は20年前には基本的に完成されているなどとは全然思いませんが、今回のテーマはアースループの図が示されていて分かりやすく参考になります。いつもこの通りになるかと言えばそうでもないのが面白いところです。でも、発想の転換はとても重要です。
 自分の使っているラインケーブルやACケーブルのアースの落とし方はどうなっているか、例えば前落とし両落としか、各機器のシャーシアースや回路アースは3Pコネクターのグランドに接続されているかいないか、それをちゃんと熟知していないと結局この解は見いだせないし、でもやってみないと分からない事もあるので、単純にすぐ適用してはいけない、というお話でもあります。


('09.4.16)まだまだ途上で、それでもいろんな事が分かってくると、分からないこともその何倍か増えてくるのがこの道の辛くも面白い所だ。だが、専門家に聞ける機会が増えつつあるのは嬉しい。
 USBにも問題点があり、何でもかんでもUSBでつなぎ出すと支障が出る可能性が当然ある。ドライブ、インターフェース、マウスとトラックパッド、キーボード、おまけにドングル。それを何とかするのはPC側だと思うのだが、ホストコントローラの事なども出来れば知りたい。誰に聞けば良いのだろう?USB2.0&ASIOのDACもあって当然だ。操作画面なんか工夫できる分野だから使いやすさもいろいろある。

 そんなもんつないで音が出たら良いじゃないか、というのは確かにその通りだが、一方、そこで止まったらそこから先へは行けなくなる。行き止まりの思考停止だ。問題はどこを目指すかと言うことと、大局観だ。見て求めるから道が開ける。デジタル録音のフォーマットと一緒だ。はじめから器が一杯一杯なら、それ以上は入らない。先を見て多少の余裕があるから、いろいろ対応できるのだ。
 まあ子供に大きめのランドセルを買ってやるようなものです。子供はすぐに大きくなるんだけどね。


('09.4.14)■毎日のようにネット上をうろついていると、何となく見えてくるものがある。例えばアメリカでは「**フォーラム(Forum)」などという掲示板が整っていて、情報としての玉石混交はあるものの、時には実名で時にはハンドルネームで皆一応整然と議論しており、そこに時たまプロが混じって一挙に質が上がったり、議論を引き締めたりする。掲示板は基本的に投稿だけで成立しているわけです。

 例えば「USB ジッター」でググると、何かの商品の紹介ページが延々とと続く。「USB jitter」だとこれらのフォーラムが出てきて、もう何年か前に「アシンクロナスモード」とか「USBの伝送ジッター」が論議されている。Firewire(1394)でも同じ状態だ。これらはAyreの最新USB DACにつながる議論で、要はPCの伝送路にもジッターが存在するという事だ。チャールズ・ハンセンのレポートは内容が凝縮されていて、読むに値します。

■といっても僕も最近メールのやりとりしたりしてその間に分かってきたんですが、様々な場所に様々なジッターが存在していてそれらがどう影響してくるか、ということが大事なんだろうな、と。デジタル系にはクロックもあちこちにあるし、ふむ。

 まあ、とにかく平均してですが、あちゃらの方は情報が多いです。こちゃらにも多士済々おられると思うのですが、場が無いのかも知れません。

■僕は管理組合理事をしているときにマンション中が揉め倒したのにぶち当たった経験があるので、どうも日本人は整然とした議論に向かないんじゃないかと思っとります、はい。ちょっと違うネガティブな意見が出てくると、全人格を否定されたかのごとく逆上する方もおられますし、面倒臭いから自分の意見は言わずにうなずき太郎して、いざ自分の不利な話だと思うと最後の決議の場になって「聞いてない」と平気で言ったり、人生の縮図です。何も言わず関わらない方が賢いかも知れません、ホントに。


('09.4.12)昨日のお茶の水でのFirefaceコンサートは大盛況で大インパクトだったらしい。よく知ってる曲がHiResで鳴ったという事の凄さだろうね。そう、結局はコンテンツの問題なので、コンテンツさえしっかり供給されれば安心なのだけれど、そういう時代になるまでには、実は沢山の法制度整備やリストラ(レコード会社、レコード店)が必要な訳で、それなりに時間もパワーもかかるのは間違いない。
 僕らは先見鳥だからそういうのを頭の中に描いてやってるけれど、普通は音を聞いてもらえないと実感できないというのは、凄くよく分かる。

 そうコンテンツの問題なのであります。


('09.4.11)音は凄く良い。なるほどプロ用機器の凄い奴は凄いのだ。ま、そのうちに書けると思いますので、しばしご勘弁。(この項終わり)

 風邪が少し楽になったので、最近入手したCD、SACDを聞くが2枚ともハイ上がりで疲れる。これらはボツ。国内の名だたるところが録っているのに、何でこうなるんだろ。いい音でリリースするためにこの間あんなに努力をしていたのに、どうも録音業界を中心にひそかに病魔にむしばまれているのではないかという気がしてならない。密かな戦争の敗北は必至のようだ。大手の録音は古いCDを大事にしよう。あれば中古LPまたはダウンロードデータ。あるいはマイナーレーベルだ。オーディオを滅ぼすのは、金融危機を招いたのと同じ、人間の競争欲とどん欲さではないかとしきりに思う。
 闇があるから光りは輝き、沈黙があるから音楽が響くのに、全てを塗りつぶしてどうなるというのだろう。


('09.4.10)風邪ひいてぐすぐすやりながら、インストールしたり、足りないケーブル継ぎ足したり、TRSフォーンジャックを付けたり。
 ふ~む、これで音が悪かったらお笑いだなあ。ま、なんとかなるっしょ。


('09.4.9)■Jillartさん健在
 書いてもいいんだよね?Philewebで「Steinberg Cubase 5 バージョンアップ」について書いておられ、独特の文章は健在で何か懐かしく嬉しくなる。 

 結果は「かえってよろしくない感じ」で、4.5に戻されたという。理由はご明察の通りで、アプリケーションとして重くなっているためだと思われます。ヴォーカルの声の高さと時間をコントロールする「VariAudio」や、下手なヴォーカルのピッチのハズレを自動的に補正する「Pitch Correct」など、新しい諸機能が付加されており、下手くそなヴォーカリストのために我々が聞く音が悪くなったんじゃ、堪ったものではありません。

 例えば下の方に出る「トランスポートパネル」はAlt+F4で消せるので、一応単体のアプリと思われますが、こういうものを消していくほど音は良くなっていきますので、やはり今回のアップグレードは同じサウンドエンジンへの付加機能を増したためだと考えます。うっぷぐれーどはもっと先で良さそうです。

 ということで聞き専の皆さん、こらえ性のないJillartさんに感謝!
 そちらもいろいろあるでしょうが、こっちもいろいろありますが、とにかくがんばりまっしょい。

■みんなアホや。(on爺のつぶやき)
 わしゃいつも思うねんけど、みんなで力合わせてやったら大抵のことはなんとかなるはずなんや。せやけどそうならんのやね。

 なんでかと言うと、ひとつは「おのれの対面にこだわりすぎる」こっちゃ。大阪の人間は自分はアホやし、まわりのもんもみんなアホや、というところから出発するねんな。(超大まかに言って吉本が受けるのもそこやろ。)ところが言葉では自分のことを笑っていても、本音は違う奴があまりにも多い。
 例えば「僕はね、普段こういう事をしないんだけど、時にはこういうお馬鹿なこともやっちゃうんだよ。はは、僕ちゃんって可愛いところあるでしょ?」というような関東系に多いかっこつけ野郎。こういうのは自分のことを笑ってる振りして、自分を守ろうとしているだけだ。わしらは「アホ、ボケ、カス、インケツ(あ、オイチョカブの1ね。サイテーの意味。)!」と腹の中では思うとる。

 「すまんのう。」と言うたらええんじゃ。おのれのアホを自覚したら済むのに、それが出来ん。ホンマモンのアホになってどないするねん。


('09.4.7)前から考えていたのだが、デジタルに新しい角度を盛り込みたいのと、価格的に今しかないと判断して機器を1台注文した。良いと思えば機器は自分で購入するというある評論家のポリシーを少し真似してみたと言うこともある。それに世の人々は機械の値打ちを所詮は価格で判断する。だからそういう価格帯の商品も我が家にあって良いだろう。
 はてさて我が家に新風を吹き込んでくれますやら。


('09.4.4)とりあえず元気出して頑張ろう。もとより逆らうつもりも何もないが、流れに逆らわず、信じて委ねる。それしかない。

 昨日書いた壁コンのベースの件などは、その気になればいくらでも出来る。もっと重く固くして、全てのタップにコーリアンで15mm厚くらいのコンセントプレートを付けても良いだろう。しかし、ものにはきりがなく、一方でバランスと塩梅というものがある。例えばワイス君の上のダンベルも、個数によって響きが固まらずオープンな感じでバランスがよく鳴るときとそうでないときがある。

 こういうのは耳で判断していく他はない。だから良い音楽を良い状態で聴いて耳を鍛えるほかにはないんじゃないかと思う。耳で判断できなければ理屈でそれをやる他はなく、理屈でやっても行き着くところまで行き着けるわけではなく、何分スペースやおさまりやお金や使い勝手やいろいろなファクターでその人なりのバランスで納める他はないので、欲求不満が残ることが多いだろう。


 で、いろいろやってCDの音の吹っ切れ加減というか、それはとりあえずほぼ解決した。ワイス君の内蔵を拝見した際にメカニカルに若干チューニングをやりなおしてみた。というと格好いいが、実態はBDRのコーンなどを付けていた両面テープの協力タイプへの貼り替えだ。それとテスト的にS/PDIF同軸出力に挿していた75オームターミネーターを外した、と言う事もあるかもしれない。
 元気な音が戻ってきて嬉しい。


('09.4.3)4月になった。相も変わらず1日の半分近くはPCの前に座ったり、音楽を聴いたりしている。

 写真は右chのパワーアンプ群の壁コンで、コンセント3個の埋め込みボックスになっている。うちACコンセント2個についてはこちらのステンレス製4個口コンセントベースを取り付けたが、ケーブルTVのコンセント部分がぼこっと空いてしまい、強度的に弱くなっていた。地デジも必要なので同軸ケーブルを通すようにコーリアン端材を穴開け&カットして、コンセントベースの右端を上から押さえ込むようにしてネジ止めした。これで壁はかなりしっかりとなった。

 たったこれだけの事だが、音にはかなりの変化がある。ほんの少しだがブーミー気味な膨らみがおさまり、ソリッドな感じに変わる。自分で言うのも何だが、アナログは素晴らしい。ヤマモッさんもムンドのSTUDIETTOを手元に残すことにしたそうだが、リニアトラッキングのアームというのはちょっと別物の音場感や空気感を聞かせる。
 で、問題はCDですんじゃ。とても良いンですが、ホンの少し、ホンの少しだけ足りないものがある。どうしたもんかのう。


('09.3.31)■ロックで欲しい物があっていろいろ考えて、復刻盤などにこだわらず中古LPで探すことにした。盤質でハズレもあるかも知れないが、結局それが近道のようだ。

■昨日、久しぶりにHDDからHi Resファイルを聞いた。MacでフォーマットしたFAT32と、これまで使ってきたNTFSでは同じファイルでも音が違う。FAT32の方が少し切れがいいが、きらびやに過ぎる所があり、NTFSの落ち着きも好ましい。ただ、HDDケースは以前の物より剛性が高く、IDE->Firewireアダプタも違うので、その面の影響もあるだろう。文字通りケース・バイケースかも知れない。だから、単にフォーマットの問題だけを取り上げる気にはならない。

 他にもファイル変換での音質変化など、いくつか確かめて見たところがあり、細々したことだがそれなりに面白かった。

■いまは壁コンのベースやタップなどメカニカルな事で音質がどんどん変化するので、あまりオーディオ、オーディオせずに済むように、ゆっくりと落ち着きどころを探っているところです。


春夜喜雨     (杜甫)

好雨知時節    好き雨は時節を知り
當春乃發生    春に当たりてすなわち発生す
隨風潛入夜    風にしたがいてひそかに夜に入り
潤物細無聲    物を潤し細やかにして声無し


('09.3.27)■かねてから話題のカメラータ・トウキョウからの音楽配信がスタートする旨、プレスリリースがあったようだ。日本でも動き出した訳です。ほらね。

 不思議で仕方がないのは一般的なイメージではPC=お手軽=安物という事になっているらしきことだ。でも、対象となる録音が基本的にPCを使って製作されているという重要なポイントを、誰も知ろうともしないし押さえようとしない。
 本当に驚くほど皆分かっていないのだ。

■今日は親父の墓参りから返ってきて、CDを中心に少し聞いた。アナログと比較すると思ってしまうところはあるが、これはこれでなかなか良いバランスだと思う。いずれにせよ今は忙しく触っている時間はないので、もう少し考えようと思う。


('09.3.26)作業の合間に気になっていた事を片付けた。チャンデバ&パワーアンプ洋の4ケ口のコンセント2系統にコンセントベースを取り付けることです。
 大体が高いものが多いので、リーズナブルな値段のこれを買ったまま置いておりました。

いやあ、もっと早くやったら良かったと後悔しました。低域がしまってボリューム感が出る。PCオーディオは少しバランスが低域寄りになったので、Windowsのサービスを1本切ってバランスを調整した。
 何よりアナログが凄い。こいつあまいった。だったらワイス君いじるしか対抗手段ないじゃん。
 


('09.3.24)キーボードを叩きまくって、頭の中のあれこれを淡々と吐き出している。ちょっと頭でっかちになっていたので、ようやくこれでバランスがとれてくる。

 で、ヤマモッさんと今年のマーマーレードのことなどチャットしていると、代理店ではらちが明かず問い合わせていた返事がアメリカから返ってきたりして、おおグッドニューズ。やはりサイトだけでは本当のことは分からないこともある。率直に聞くと率直に返ってくる。洋の東西を問わず、やっぱり人間同士相通じるところは同じだなあ、と思う。まっしぐらに飛ぶ射手座としては、これからも正直に積み重ねようと思う。


('09.3.23)■ヤマモッさんも書いているが、結果として今回の取材行のメインイベントは逸品館の清原社長との話し合いだった。いきなり白熱のガチンコになってしまい覚悟を決めかけたが、結局音楽コンテンツの話で一気に共通理解が開けたと思う。やはり出会いはスリリングだ。
 そう、僕らは廉価品普及のためにやっているのではなく、時間の問題で押し寄せるコンテンツの荒波を乗り切れるように、そしてより良い音でいろんな音楽を聴けるようにしたいだけなのだ。

■夕べは疲れて帰宅するやバタンキューだったので、今日は早起きして夕方までの間、結構音楽を聴いた。信じてくれないかも知れないが、今我が家で一番良く鳴っているのはレッド・ツェッペリンだ。ロックとジャズはほとんどLPなので、これまではふてぶてしさのようなものが微妙に足りなかったが、アップグレードしたエミネント2.5のおかげでブリティッシュ・ハードロックが安心して聞けるようになった。ジョン・ポール・ジョーンズのベースのクールな凄さがよく分かる。ブルーズのうねりに身を任せられる。よっしゃ、次はテン・イヤーズ・アフター行ってみよう。


('09.3.22)取材終わりました。実に中身の詰まった濃い週末でした。疲れたあ。


('09.3.20)■明日明後日と取材なので、その前にいろいろと整理したりして、合間に音楽を聴きました。電源タップを触って一度全体的に音が膨らんだのですが、第2弾を手がけて余計な膨らみは消えて低域のエネルギー感はかなり残っている感じです。第3弾も残ってるし。
 合間合間のオーディオとしては上出来かも、とまあうちはこれくらいで。

■書きたいことは頭の中にいっぱいあるのですが、そんなこんなで時間がありません。

■気になるもの。WEISSのAES/EBUデジタルケーブル。コンバーターを介して光で伝送。うむ~、しかしうちでは必要なさそうな。


('09.3.18)青柳いづみこ「モノ書きピアニストはお尻が痛い」文春文庫』をちびちびと楽しみながら読み終えた。

 『ドビュッシーは、音を使って事物の描写を試みたわけではない。昔読んだお話、おいしかったスープの匂い、ばらの色、海のきらめき、雨の音、版画でしか見たことのない異国の寺院・・・・。彼の五感にさまざまに訴えたものが、記憶のフィルターを通して音に姿を変える。
 それはまた、その響きを聞いた人すべての記憶と夢の扉を開ける鍵となるのである。扉の奥に沢山のイメージを隠している人だけに通じる「暗号としての音楽」をドビュッシーは創った。』
(「音楽の情景」)
 すとんと胸に落ちてくる文章。お薦めです。曲げる指と伸ばす指、のピアノ奏法ところは成る程だし、フランス音楽が好きな人間にはとても面白いのです。
 
 『普段の私は、分筆が主で演奏が従の生活を送っている。理由は簡単で、聴衆の絶対数が少ないクラシック音楽は、よほどの売れっ子でないかぎり、全く商売にならないからである。年に一度の自主リサイタルは、会場が満員でも赤字である。いくら不況でも、本はまだ出版社が売ってくれるからいいが、CDは、これまたよほどの売れっ子でないかぎり、買い取り枚数というのがあり、マーケットに乗っているものですらかぎりなく自費出版に近い。』(「演奏することと書くこと」)

 一人の演奏家を育てるのにどれだけの時間とお金と手間がかかるだろうか?しかも浮かび上がれるのは極めて少数という過酷な世界だ。ピアノの先生は家で教えるという手があるが、お嬢ちゃんお坊ちゃんの数が減る一方ではそれも当てにならない。僕の知っている範囲でも親御さんが走り回っている例も多く、女性演奏家の場合結婚するというのが確実な生活基盤の確保につながる。
 子供の絶対数が減っていくなかで、果たして音大もどれだけ学生を集められるだろう。しかもヨーロッパと違い、またアジア諸国はこれからますます伸びていく可能性が高いなか、日本は音楽で飯を食う、というのはもの凄い才能か努力か、なにせ不可能事に近いパワーが要るのだ。クラシックだけではなく、ジャズもロックもなにせ音楽商売は大変なのだ。好きだからやっていられても、いずれ限界がある。

 こりゃ、だいぶん先のことだろうが音楽の世界も結構危ないような気がする。単なる心配のしすぎだと良いんだが。


('09.3.15)え~ご報告であります。

 僕は電源コンセントはHUbell 8300IGのクライオ済みのものを基本として使っており、IGというのはアース端子がコンセントのフレームとつながっていないIsolated Groundの事です。で、その上のコンセントプレートはかなり以前に各種聞いてみて、プラスティック・プレートが一番開放感があって良かったのでずっとこれです。JIMBO(オヤイデ扱い)のベージュのプレートです。
 何故非金属が良いのかというのは、恐らく「磁束を切らない」からではないか、と推測していますが、これはあくまで推測です。

 で、ケースの方は本来はコーリアン辺りで作りたかったのですが、うちはやたらにタップの数が多く、東急ハンズにオーダーしたらかなりの金額になるので、これまた日本橋の何処でも手に入るMIRAIあたりの樹脂製ボックスを使ってきました。

 で、ケースも強化せにゃと思いつつ過ぎゆく幾星霜というお定まりのパターンで来たのですが、昨年何かの機会に余ったコーリアン板を樹脂ケースの下に両面テープで貼ってみたのですね。そうすると音が変わる、それも良い方に変わるじゃありませんか、ご同輩。
 ところが東急ハンズもコーリアンは今や扱ってませんから、他のケースの下に入れるとなると、手持ちのごついコーリアン板を自分で切らなきゃならない。そうるともともと財力はないから、気力・体力の充実したときでないと出来ない、と言う事でぼっちらと内職し続けて、今日ほぼ手持ちを切り終わって張りました。あー、しんど。
 いや、低域方向への充実感と音が「飛び出す」エネルギー感の向上が好ましいです。

 次はドリルで穴を開け、コーリアン板にM4のタップを切り、しっかりとネジ止めするつもりです。

 樹脂ケースで使用されている方、非金属で重くて内部損失もそこそこあれば他の素材でも良いと思うんで、一度おためしあれ。


('09.3.14)■香港のKentが録音のプロとオーディオファイルを対象に「專業製作與發燒音響入門課程」=「HiFi & ProAudio Course」を開催している。

 2日間に亘って70人以上の参加者があり、こちらの写真に見られるように、盛況だったそうだ。
 こういう風に体系的に学ぶとプロもアマチュアもいろんな知識が整理できて実地の体験もできるし、何より拡がった人脈で随分と得るものがあるだろう。日本でもこういう催しを定期的に続けてくれたら、少しは違っていたかも知れない。まあ、香港でも同じように将来に不安は多々あるのだそうだが。
 がんばってるねえ、好了 Kent。

■エリック・ハイドシェックの「宇和島ライブ1」と「子供の情景・子供の領分」が届いたので聞いてみた。宇野功芳さんはちょっと入れ込みすぎるところがあって、時々胃がもたれる事がある。「宇和島ライブ1」はDAT一発録りのライブ感が凄いが、用意したB&Kとショップスのペアマイクが両方とも不調で会場の3点づりマイクで代用したせいか、弱音のニュアンスが不足気味でゴツゴツした感じがする。正直違和感が残る。

 僕にとってのハイドシェックは名門シャンパン醸造メーカーの御曹司ながらあっさりとコンサートピアニストの道を選んだ粋人。ロマンティックでテンポ・ルパートの人。つまりテンポを動かすことを恐れず自由な演奏をする人。
 およそ伝説には一番なりたがらない人だと思うんだが。

 という感じは「子供の情景・子供の領分」で氷解して、正直ほっとした。
 
 レコーディング・アーティストとして不幸なのは若いときの録音にマイナー・レーベルが多いこと。(多分、本人は大して気にしていないような気がする。)
 「カシオペ」というレーベルにはLPでフォーレの他にラヴェル、ドビュッシー、シューベルトなどを吹き込んでおり、僕の宝物の一つだ。どれも目の覚めるような音で本当に本当に素晴らしい。これらはCDで出ている。

 今日のお薦めはまだ20代の時にEMIに録音したフォーレ「ノクチュルヌ(夜想曲)集」。僕は昔仏パテ盤2枚組LPを8千円で買った。覚えているのはそれまでに買った最高の金額だったからだ。(当社比最高記録のコルトレーン/ヴィレッジ・ヴァンガード・アゲインの初期盤を入手するのは、ずっと後のことだ。)
 フォーレと言えば、真っ白な、どちらかと言えば淡雪のようなあっさりとした演奏が多い。ハイドシェックのこれは香気溢れる夢幻が漂う素晴らしい演奏。CDとしてはお安いし、多分そのうちカタログから消えるだろうから、今のうちに買っておかれるよろし。極上のBGMにもなるし、ちゃんと向き合えばそのうちどこかに連れて行ってくれる。

 いずれ秘やかな夢が、あなたの上に訪れますように。


('09.3.13)【電源の話 その2】
■勿論、スイッチング電源だから悪い、と言うことを申し上げているのではなく、良質なスイッチング電源の製作には良質な部品が必要でありリニア電源並のコストがかかる訳で、その点コストを抑えて世界各地・各種の電源電圧で「動作」することを重視したアダプタとは質の面で違いがあるという事です。

PCオーディオのPCデータ領域でも電源で音が変わるのは何故か?
 で、いささかアナログ的な感覚ではあっても実感できる面があるのでこういう話は比較的受け入れられるわけですが、では何故コンピュータデータの世界なのに、電源でPCオーディオの音が変わるのでしょうか?不明にして、この点をきっちりと検証・実測されたような記事には今のところお目にかかったことがありません。
 例えば別機器、別電源
 ドライブ->ケーブル->PC->ケーブル->オーディオインターフェース&DAC
にまで至る経路を考えると、ジッターや高周波ノイズが電源を経由して悪さをするという説も、実際にはどこをどう伝わってどう悪さをしていくか「全体フローの中でDA変換にまで至る詳細なプロセス」が明らかになっているわけでもなく、いまのところ感覚的なものでしかないわけです。例えば、機器によっても違いますが、USBやFirewireの電源やアースはインターフェース・ケーブルを介してどうつながっているのか?。アイソレーションはどうか?ノイズはノルマルかコモンか?全体のアースは?
 勿論、解明は大事な事ですし、考え続けることは必要ですが、我々シロートにはおのずから限界があります。第一、オーディオの他分野でも絶対これしかない、なんて答えありますかね?デジタルだから、コンピュータだから何となく論議しやすそうに見えているだけかも。

「オーディオ用汎用電源」の提案
 そこで少しでもいい音で音楽を聴きたい、というオーディオファイルの基本的立場にかえりましょう。「良質な電源をどのようにして手に入れるか」です。
1.市販リニア電源もありますが、無骨な産業用組み込み電源か測定器用電源で、「オーディオ用」のグレードは見あたりません。

2.自作ですが、これは先達やそれなりの環境がないとなかなか踏み切れません。安定化電源のキットは結構売り出されていますが、トランスや整流回路は自分でスペックを判断して調達しなければならないものが多く、そこが敷居の高さになっています。

3.本当に期待したいのはあまりコストを跳ね上げる事なく、バランス良く良質なパーツを使った「オーディオ用汎用電源」をどこかのメーカーで販売してもらえないか、と言う事です。
 出力電圧・電流は機器類に合わせて何機種か設けることにして、アルミ削り出しは不要、高価なコンデンサのオンパレードもそこそこにして、液晶表示もカットして出力電圧をスイッチで何段階かに切り替える、数万円で買える安定化電源。出力端子はネジ止めなどにして、プラグを自分で付けたり、音質改善用のコンデンサをパラ付けしたり、ユーザーが工夫できるようにすれば良いと思います。
 
 ニッチなようですが、例えばDSのNASやルータ・HUBなどにも使えるので、結構需要はあると思います。どこかのメーカーさんで検討してもらえないでしょうか?


('09.3.12)【電源の話 その1】
■CD/DVDドライブ用4トランス5系統電源のケースが届いたので、いろいろと検討する。底板は6mm厚アルミ板にしたいので、東急ハンズにオーダーしなくてはいけない。

■jilartさんが「何々だから良い、何々だから悪い。」と書いておられる件は同感です。いろいろ難しいし錯綜しているので、方式で決めて楽になってしまいたい気持ちは分かりますが、実際にはそう簡単には決まりません。

 また、jilartさんが「クロックを載せ替え電源を強化したドライブでストリーミング再生とHDD再生を聴き比べてから判断してほしい」と書いておられるのも誠に同感です。

 以前2種のドライブ、2種の電源、4種のリッピングソフトで実験をして、バイナリは同じでもそれぞれに音が違う事を確認しましたが、あれこれのCDをCubaseのノーマルモード、セキュアモードでリッピングしても、バイナリは同じでしたから、ちゃんと読めている事になります。また、リッピングの場合はCD-DAを読んでWAVに変換して、同じく回転系メディアであるHDDに記録していることもフローとしてちゃんとふまえる必要があるでしょう。
 そして一番変化量が大きかったのはHDD電源を付属スイッチングアダプタから自作3トランス・リニア電源に換えたときでした。

 PCオーディオにおいても良い電源がなければ良い音は聞けない訳です。

(注)上記実験の際はCDドライブの内蔵クロックは既に交換済みでしたのでその点は比較していませんが、過去の諸記事をご覧になると分かるとおり相当な音質改善がありました。
 Firewireの伝送用のクロック24.5760MHzも交換していますが、これはPHY(物理レイヤー=物理層)でのデータ送り出しのためのクロックで、この換装も音質に大きな影響があります。

 USBインターフェースにおいても同様に伝送用クロックがあります。12,24,48MHz。USBインターフェースについては実に多くの通信モードがあるし、チップやファームウエアによって対応できる範囲が違い一括りに出来ない面もあるので、いろいろ混乱が見られます。これはいつかどこかで整理いたしましょう。


('09.3.11)音というのは分かるかどうかではなく、「感じる」かどうか、あるいは「どう感じる」かであり、音楽も同じ事だ。だからオーディオの衰退というのは、趣味分野や社会的変化はいろいろあるが、結局は感性の衰退だと僕は思っている。感性というのは人の評判やアクセスの多さで測られる言説ではなく、自分の中の譲れない何かであり根っことなる軸だ。例えば民族音楽のように、ナショナルに突き詰めたものがいつの間にかインターナショナルな支持を得る。だからまわりの空気より、まず自分と向き合わなければならない。自己と出会えない者は、他者と出会うことなどさらに出来ない。結局の所、人の心を打つのは器用さではなく、その人ならではの真実味だと僕は思う。それを尊重する「文化」が感性をはぐくむのであり、そういうものは希薄化してしまうともう取り返しが付かない。しかし、もちろん、それを乗り越えていく頼もしい人達がどの世代にもいる。

 傷つくことを恐れては、何も出来ない。守るだけでは何も作れぬ。空気を読むのではなく、間を取るのではなく、もちろん他者を尊重しつつ自分の中の音楽的真実をどう表現し実現していくか。オーディオなどそのための道具・ツールに過ぎぬ。そうでなくてはお互い話す値打ちもないではないか。時代遅れと言うならそれも良し、この短い人生で思いのこもらないただの音など聞きたくはない。


【業務連絡】
 PartsConnexionでBlackGate N/NXの欠品が発生しています。超電解接続を試されたい方は早めに入手される事をお薦めします。高価なので、クロックとかフォノイコとかここぞという機器での使用が良いかと思います。
 あまり沢山買うとUSPS(郵便局)の航空便ではなく、Fedexでの発送となり内国消費税をきっちり取られますので、100ドルあまりの金額で小出しに注文することをお薦めします。


('09.3.10)「無線と実験」MJ1月号がアマゾン他でも売り切れのようです。柴崎功さんの文章は端的に分かりやすくまとめられたものなので、引用しようかとも思いましたがやはり直に読んでいただきたいと思います。子供さんと一緒に手近な図書館など行かれたときにでも是非読んでください。
 デジタル論議で何か都合の悪いときだけ引っ張り出されて責任を持たされる電源や、言及は少ないですがアースがどのような役割を実際には果たしているのか、そして「デジタル情報とアナログ回路」と言うものが簡潔に説明されていますので、是非お読みください。デジタル再生におけるMissing Ringが見いだされますように。

 僕自身も残念ながらこれらをさらに敷衍したり、実験検証する能力があるわけでもないのですが、今まで読んだどの文章よりも実感を持って受け止めたデジタル再生についての全体像だと考えています。

 実にあっさりと書かれているこの最初の2ページ(p110~111)だけでは「?!」と思うこともありましょうが、その後のJVCのK2インターフェースについての文章を読まれるとこれは実態に即した話なのだな、と分かります。高周波ノイズなど無相関成分やジッターが載った波形を一端取り込んでしまうと、整形やリクロッキングしても見かけ上きれいになるだけで完全に取り除けない。光に変換してアイソレーションしても高周波ノイズなど無相関成分やジッターが載った波形はそのまま入力される。
 そこでK2インターフェースはフォトダイオードで受けたときに、通常はフォトダイオードのアースを落とすところを電子スイッチで入り切りします。そしてデジタル情報のデータ符号(1か0か)を判別するときだけ10ns程度オンしてすぐオフに戻す。CDの44.1KHzのサンプリング周期は約22.7μsなので桁違いに短い周期です。
 つまりここでは余計な成分が流入しないようアナログ的に「アース」の入り切りで制限しているわけです。このあたりも本文で確かめてくださいね。

 12月号ではソニーのRAMレコーダーの記事がありますが、2台用いる場合でも干渉を防ぐために電源もアースも別にするなどの工夫が必要なのだそうです。

■念のため申し上げておきますが、これはベースとなるアナログ回路にも関心を持ってデジタルを読み解いて欲しい、ということでの情報提供であって、それ以上のものではありません。

僕個人としてそこに付け加えるならば、個々のプロセスにアナログ的な変化を来す要素やデジタル的なデータ変換・演算があれば、それはやはり一つのプロセスとして全体フローの中で受け止める視点が必要ではないかと考えます。プロセスをふまえない飛躍や読者のことを配慮した上にせよ行きすぎた単純化は問題を残さないでしょうか?(僕個人としては誠に不十分ながら「全体フロー」を既に提案済みです。)

 願うべくは、良い音で良い音楽を家庭で楽しむオーディオという「文化」を残していきたい、という事です。


('09.3.9)花粉の関係かアクティビティ低下傾向、眠い。
 韓国からUSB DACが届いたので、これを核に寝室のサブシステムを組もうと思う。インターネットラジオなどちんたらと楽しもうかと思います。

 メインシステムの音は良いです。プリアンプの電源のBG超電解接続ですが、ここまで鳴るとは思いませんでした。アナログもいきなりスイートスポット近くにはまったみたいで、ほぼ絶好調っす。「沈める寺」(ドビュッシー)のグランドピアノの一番下のCもちゃんと鳴ります。見通し大変よろし。

 問題はデジタルだなあ。溜息でるからあれこれ見んとこ。


('09.3.7)オーディオベーシック春号が発売される。面白い記事がいくつもあるので手に取ってご覧いただきたいが、個人的に僕が一番印象に残ったのはショップの最前線で活動しておられるオーディオスクエアの石峯さんの記事だ。ハイファイオーディオは一つの文化であるが「今やその文化がなくなりつつある」という認識。そう「文化」です。僕はあきらめてはいないが、僕らやその後の40代くらいの世代が消えていくときにはその可能性はあると思う。だから危機感を持ってPCオーディオに取り組んでいるわけです。この時代にオーディオベーシックのようにそこに注力しようという奇特な雑誌は他にありません。

 春号ではラスヴェガスのCESで音源にPCを使っていたブースが多かったというの記事もありました。それは間違いなくガラパゴス日本のオーディオメーカーにも影響を与えているでしょうが、大きく舵を切って変わろうとしている流れに今はまだ乗れないでしょう。

 こういうときに大切なのはトレンドを読み解くことと、同時に「育てる」ということです。僕にも個人的に追求したいことや、確かめたいことは山ほどありますが、いまはこの育てる方に微力を注ぎたいと思っています。


('09.3.5)「著作権料を集中処理 JASRACなどが新組織」

 う~む、いくら公取の排除命令が出ているからって、文化庁にしてはやけに素早い。素早い役人には何か魂胆があるのは絶対に間違いないから、恐らくこれは若干形を変えた現状維持だろう。天下りも当然増えるだろう。第一、欧米とどこで折り合いを付けるのかな?

■僕はコテ先の酸化がいやなので、半田ごての電源をマメに入り切りする方だ。で、工作をしていて複数の半田ごてを使い分けるときに、どうも電源の扱いがスムースに行かないのも嫌だし、今電源が入っているのかどうかパッと見て分かるようにしたい。。
 で、作りました半田ごて用2系統入り切り可能な大型ロッカースイッチ付きタップ。写真では15Wと25Wを使い分けるパターンです。125V20Aのスイッチなので、他の用途にも使えるかも。ほんでもって何作ろうかね?

(注)ケースはカナダhamondのアルミ製。穴あけにはフリーコッピングソーが大活躍しました。ロッカースイッチは自照式ではありませんが、方向がすぐ分かります。


('09.3.4)このHPなどで本や雑誌などの活字メディアを引用したり、内容に触れたりしたときの反応は大きく2つのパターンに分かれる。
 一つは全く反応しないというもの。要するに本や雑誌などを読む気がはじめからない。
 一つは書かれている事だけに飛びついて、論議するパターンだ。これも読む気がない。公開前提のサイトやブログと違い、本や雑誌は買っていただくものだから、よほどの事がない限り引用は控えめにして、一番美味しいところはざくっと要約したりして、あとはご自分で読んでください、とお楽しみは残しておくのが僕の基本的考え方だし、基本的な礼儀だと思います。一次資料に直接あたって味わい考えていただきたい。つまり引用は「氷山の一角」。

 まあ、最近の活字離れは凄いものがあるらしく、アマゾン辺りですぐに買えるものも買わず、ただでいきたいなら手近な図書館に行けばすぐに読めるのに、それもしない。中途半端に飛びついて、底の浅い議論をすれば結局は墓穴を掘りかねない、というような学習効果はないんでしょうか?(面倒臭くてどっちでも良いですが、この項続くかどうか。)


('09.3.3)■久方ぶりにプリアンプに手を入れる。接触不良を起こしていたトグルスイッチを交換。
 電源部も強化したが、スペースの余裕がなく離れた配置になったので、効果は余り出ないかも。まあ、コンデンサ追加して悪くはならんでしょう。(笑)

 いろいろ見ていると疲れる。寝よ。


('09.3.2)最近「無線と実験」を繰り返し読んでいる。前から思っているのだけれど、録音・製作技術とか光学ディスクとかに関心がある人は「無線と実験」MJなども読んだ方が良い。柴崎功さんのデジタル技術についての連載など特に。

 例えば「熱時定数」という概念を僕は2008年12月号(p.90~)ではじめて知った。「時定数」というのはオーマニがお好きな「位相」にも関連するがご自分で調べていただくとして、要は実際にカッティングマシンのレーザー照射で形成されるCDのピット(≠ビット)配列は教科書に載っている図形とはかけ離れている、と言う事だ。
 「もしフォトレジスト剤の熱時定数などがなければ、ピットはレーザーを照射した通りに形成され」るが、「現実には、熱が周囲に逃げるし、レジスト剤やガラス基剤に熱時定数があるため、レーザーを照射してもレジスト剤が反応温度に達するまで時間がかかる。」
 「このためピットの先端と尻尾が尖った形にダレてしまい、一番短いピットなどは菱形に近い形状になる。その結果、読み取った信号の1、0判別点がずれて、形成されたデジタル信号の立ち上がりや立ち下がりのタイミングが狂い、信号のジッターが増加してしまうのである。」(「無線と実験」2008年12月号p.90~)
 勿論、製作・メーカー側ではカッティングマシンのレーザーの癖を逆補正してジッターが最小になるよう照射するなど、我々素人が思うよりもずっと前から取り組んで工夫をしているわけだが、完全にゼロに出来るわけではないようだ。

 このピットの話は何処かで聞いたような話です。そう、ゼロ時間で立ち上がって立ち下がる理想的なパルス信号は存在せず、実際の矩形波信号は歪みに歪みを重ねて作られるアナログ信号である、というあれです。だから元来からナチュラルにジッターは存在すると考えた方が良いのでしょう。
 結局柴崎さんが2009年1月号に書いておられるように、全てはアナログ回路であるというか、デジタルドメインというのは概念上の区分で、単にアナログ回路の上にデジタル情報(符号)を乗っけて送るだけなので、アナログ回路や実装技術のことある程度が分からないと話が通じないし分からない、という事でしょう。

 ファイトのある方は、Bit Brainにならないように、毎月10日に千円投資しましょう。


('09.3.1)■昨日は若き数学者をお招きして音楽・オーディオ三昧。

 Wadiaの「デジマスター」がラグランジュ、スプラインの多項式で音楽データを近似してDA変換している事について。
 「いわゆるデジタルフィルターでの補間をさしていると思いますが、補間としてはよくある方式でそれ自体特別なものではありません。ただ、それが音楽的に正しいかどうかは分かりませんし、別の話です。」

 S/PDIFについて。
 「測定してみた事がありますが、S/PDIFはあまり安定しておらず良い伝送方式とは言えないと思います。」

 う~む、例えばWadia 27ix ver3.0でファイルターのアルゴリズムが3種類選べるように、補間方式は一意的には決められないだろう。音楽的、と言ってもフルトヴェングラーの信奉者が書くアルゴリズムと、トスカニーニの信奉者が書くアルゴリズムが同じであるとは思えないわけです。

 ならば、44.1の隙間でジタバタするよりも、隙間を少しでも小さくするようにした方がより少ない労力とコストで良い音が得られるはずだ。つまりはHi Res。鳥肌立つよね。

p.s.彼の話の中で一番楽しかったのは、チック・コリアが好きで高校生時代にCDを聞いていたところ、母上が独身時代に買い集めたLPがあると言って「リターン・トゥー・フォーエヴァー」の盤を持ってこられた話。なんか嬉しくて和むなあ。

(少しだけの)酒とアナログの日々
 昨日いろいろと鳴らした中で、「スーパーギタートリオ」などで本人も驚いたのがアナログの音。エミネント・モデル2.5アップグレードでエアーベアリングの本体とスピンドルを一回り大きいものに換えて、それに従来通りのアームパイプ&ウエイトを取り付けてみたのだが、驚くほど彫りの深いパキパキの音に変わっている。これまではやや柔らかくてしかも精密な感じの音で、VTA(垂直トラッキング角度)を調整してスイートスポットの達したときに、フォーカスやスピード感がビシッと合って来たもののだが、今回シリンダーを太くしただけでVTAの調整が終わったかのような音が出る。
(下記の図の新型アームパイプは未装着)」

 こういうリニアトラッキング&エアーベアリング方式の問題点は支点が曖昧になりやすい事だそうです。やはり支点が太くなり、かつエアーが支え制震する表面積が増えてより安定することにより、音質も改善されるのだろう。


 今日は朝も早よからLPを聞いて確認する。やはりその通りで、VTAが合ったときと同じような、しかし低域の安定感などは段違いの音がでる。
 で、いろいろ聞きました。いろいろ。省略。VTAの調整にはピアノ曲が判断しやすい。右手の粒立ち、全体のフォーカス感、スピード感など。

 んで、夕方には新型アームパイプに交換しました。モデル2.5ではアームパイプはカーボンファイバー、アルミ、テフロン強化の複合素材となって強度はぐんと上がっているそうだ。そのため従前のパイプよりほんの少し重い。これでModel2.5アップグレード完成。
 「ケルンコンサート」など聞きましたが、従来よりサーフェィスノイズが少し抑制されピアノ全体の鳴り方がよく聴こえる一方、キースが蹴るステージの位置や方向感が見えてくる。今日はここで時間切れ、というか疲れた。

 まあ、これからぼちぼちとラテラルバランスをもう少し追い込んで、VTAを細かく調節していきましょう。

 まずはややこしい作業をこなしてくださったアサヒステレオの梅川さんに感謝。乾杯!

【雑感】
1.こういう調整をする上でハードウエアやソフトウエア(マニュアル類)も大切ですが、一番重要なのはウエットウエアつまりはユーザーそのものです。ユーザーが身体に感覚をしみこませないといけません。数です、数。

2.がちがちに強く締めすぎるとスピンドルが変形して動作しなくなるそうです。また、実際にそうしてしまった人がいるのだそうです。締めれば良い、固ければいいってもンじゃないことが分かってないのね。アナログは結局「仕掛け」(gimmick)ですから、あちこちに少しずつ「遊び」を設けて、余計なエネルギーを逃がしてやるような工夫も必要です。いろいろやって結果は耳で判断すればいいのです。

3.ヨーロピアン・ハイエンドのプレーヤー類は、板バネ系統が好きなようで、これで全体を何気に調整する傾向が強いようです。LP12、ザークシーズ、ウイルソン・ベネッシュなど。
 アメリカン・ハイエンドはそういうものを「可視化」することを、もの凄い執念と努力で実現しようとします。スプリングを使って外側から細かく水平調整できるようにしたり、VTAの調整をレバーで(プレイバック中にも)調整できるようにして、目盛りで再現性を持たせようとします。
 勿論、何かの拍子に動いてしまえばまた一から調整ですが、基本的な考え方は、伝統的なアームやプレーヤーと結局は同じ事です。


 これ読んでるあなた、分かっておられますね?


('09.2.27)新兵器現る、超高性能DAC!うそうそ、独Meier Audioのヘッドフォンアンプ Corda Arietta です。USBもなく単にアナログ入力1系統とヘッドフォン端子のみのシンプル設計。

 ワオン・レコード小伏さんの推薦にも入っていたメーカーで、他にもっと本格的なお高いものもあったけど、WEISS DAC2に接続してちょこっとCDを聞く時用ぐらいの目的で使うので、Music To Goでもこのモバイル版が高く評価されていたこともあり、安価な路線で行きました。といっても結構きっちり作り込んでる感じで、ずっしりと頼もしい感触です。
 左右の音を電気的に一部ミックスしていく「Crossfeed filter」(真ん中のトグルスイッチ)もあり、確かに音場は少し変化しますがこのあたりはもっと聞き込んでから。

 ドイツに注文したら少し安くなるんでしょうけど、元々の単価が低いからさほど大きな差にはならない上にかえっていろいろ手続きが煩わしく、忙しい時期には便利さも大事なのでAiryから買いました。1年保証もあるし。
 
 DAC2のアナログ出力はクロスカップルド・バランスアウトだそうで、RCA/XLR同時にドライブできるそうです。RCAは既にプリアンプに行っているので、XLRの2番ホット、1番グラウンドからRCAのホット、コールドに変換するケーブルをAET SCR Line(初期型)で製作して接続しています。安定性の問題なく複合負荷をドライブできると言っても、実際にはヘッドフォンアンプ を外した方がメインの音は良いので、聞くときのみ接続です。

 音質的にゼンハイザーでちょっと聞きにはFireface400のダイレクトさと違って、音楽的にまとめる感じがしましたが、まあこれからです。

沖縄の友人から借りているdCSのAES/EBUケーブルを、カナレ+ノイトリックAES/EBU、AET SIN DG75(同軸)とクロックケーブルとして聞き比べ。
 結論から言うと空間的な広がりと空気感のあるディテイルでAETが抜けだし、dCSとカナレではdCSの方が少し沈んだ端正なまとまり感があり、カナレは色彩感がやや上回って躍動感がある。どちらかと言えば楽しい方が良いので、価格から言ってもはカナレを選ぶ。カナレも大分こなれてきて良い感じになってきたので、我が家のAES/EBUクロックケーブルはカナレで決定。


Model2.5にアップグレードしたエミネントを載せたSOTAのターンテーブルをアサヒステレオの梅川さんが届けてくださった。

 なるほどシャフトが一回り太くなっている。とりあえず旧のアームパイプとウエイトを付けて水平を何度も取り直しては慎重にゆっくりと追い込んで、ターンテーブルとアームを合わせて1時間弱でセットアップした。エアー供給のポンプが現行のものでちゃんと動くのが何よりも有り難い。夜中なので、ノーハムであることと電源の残留ノイズを確認し、シベリウスの1番の冒頭を極低い音量で鳴らして1日を終えた。
 明日からLPを鳴らしながら、ゆっくりとファインチューニングに入ります。


('09.2.25)SSDを外したケースには2.5'HDDを2枚マスター&スレーブにして収納した。枯れて安定したデバイスは流石で1発で認識され、これで約230GBの1394NASができあがった。新しく追加したHDDはMacでフォーマットしたFAT32なので、これまでのNTFSと音質の比較もしてみよう。ま、あくまで参考程度ですが。
 そうそう、那覇の友人からdCSのXLRデジケーを借りたので、クロックケーブルとしてどんなパフォーマンスを示すかも楽しみです。

どうも僕らは「自分の音がそれぞれ一番だと思っている。」、と思っておられる方がおられるようだが、それは大きな間違いです。例えば僕が誰かに何か批判めいたことを言うときには、その音を云々すると言うよりも、そこにある問題点やリスクをしっかり認識して欲しいという主旨で言っているのです。ご本人がそれを理解した上で、確信犯的に「おれはこの音が好きなんだ。」と言われるのならば、そのとき何も問題は無いのです。このことをちゃんと整理できていない人とはどうも話がしにくいので困ります。

 その人にとっての音楽的真実を一番良く伝えてくれるシステムが、その人にとっての一番だと言うことです。音楽の楽音はあまりに複雑で、それを再現するにはオーディオ機器はあまりにも不完全すぎる。(そうでないと思っておられる方はほとんど幻想を抱いていると言ってよろしいでしょう。)
 だから、いろんな意味で選択と集中が不可欠なのです。

 繰り返します。僕は「自分の音が一番だ。」というようなことを思ってはいません。良い音はそれぞれに相対的なものでしかないからです。僕が語っていることは基本的には「当社比」の文脈の話です。そして頭の中のスイッチを切り替えて人の音を聞かせていただく。そういう事が出来なければ、こんなことを仕事の一部には出来ません。
 まだ分かってもらえないかなあ.......。


('09.2.24)沖縄ではクロックやHi Resの音を聞いてもらった。良い音は聞く人が聞けば分かる、ということの好例のような試聴会だったと思います。クロックでは50オーム出力の10MHzルビ・水晶(SRS製)からAntelope OCXまで、50/75のインピーダンス変換器を噛まして75オーム「オーディオ用」デジタルケーブルで送るよりも、50オームの業務用ケーブル(外径とPE外皮から恐らくRG174相当)で送る方がずっと開放的で良かったのが印象的でした。

 パソコン連れで旅行したのも初めてで、結構ホテルでいろいろ調べ物をしました。新しい事やややこしい事は糸口を見つけるのに時間がかかります。結構力業です、はい。


知性とは屹立するものだ。そして、それに耐えることを「潔さ」と呼ぶ。
常に立ち位置をシフトして、己を世界を確かめ見直しながら考えて進む。
その余のことは殆どどうでも良い。


('09.2.19)■ワオン・レコードの小伏さんから教えてもらった話。

 『eBay傘下のSkypeは米国時間2月17日、世界最大手の携帯電話メーカーNokiaと提携し、インターネット電話ソフトウェア「Skype」をNokiaの携帯電話に搭載すると発表した。Nokiaはまず、ハイエンドのスマートフォン「Nシリーズ」でSkypeの機能を提供する。最初に組み込む機種は6月発売予定のNokiaの主力製品「N97」になるが、Skypeの機能は2009年第3四半期から搭載される。
 SkypeはN97のアドレス帳に統合され、Skypeの連絡先がオンラインになったことが表示でわかるようになる。また、Skypeのインスタントメッセージ(IM)クライアントも利用できるようになる。何より重要なのは、N97ユーザーは3G携帯電話ネットワークとWi-Fiネットワークのどちらを利用していても無料または低料金でインターネットを介した通話が可能になることだ。Skype間の音声通話は無料。Skypeから固定電話ならびに携帯機器への通話が可能な「SkypeOut」サービスには、多少の料金がかかる。』

 いよいよ携帯無料化の時代が始まる。ずっと前から分かっていたことだが、果たしてガラパゴス日本の携帯各社はいかがアイなされるのでありましょうや?

 んでもって、著作権の方もこりゃやっぱりDRMフリーかな。

■手短に。SSDはやはり問題点を多々抱えているようだ。実験モードでいじりすぎたのか、我が家の64GBはダウンして一部のパーティションしかうまく認識されない。よって音は聞けずじまい。忙しいし、これ以上付き合う気なし。
 夏頃のリリースされるSanDiskのがねらい目かも。

※20~23日沖縄に行きますので、更新を休みます。


('09.2.17)時間がない。やりたいことや書きたいことはあるが、すべきことがたくさんあってとにかく時間がない。当分は更新できない可能性大です。


('09.2.16)ちょっと体調不良でしたが何とか社会復帰しています。

嬉しかったこと
 minimaさんのMininma's favorite thingsのブログに「ワオンレコードさんに感謝。Waon Records High Resolution Audio Data Sampler」とあったのが大変嬉しいことでした。

 そしてハイエンド・ヘッドフォンオーディオで名高いささきさんの「Music To Go!」のブログにも「ワオン・レコードの高音質音源サンプラー」について紹介していただき、波形エディターでワオン音源と「ポップスやロックで使われる一般的なコンプレッサーを使った録音」と対比されていたのは驚きましたが、確かにそのとおりな状況だと思います。
 以前大手のレーベルの「ラウドネスウオー」が話題になりましたが、音源制作側も「いい音」を大切にして、ユーザー尊重に認識を改める必要があると思います。

 実はこのブログをはじめからずっと読んでいて、「ヘッドフォンアンプが欲しい!」という物欲がむくむくとわき上がってきたので現在物色中です。ゼンハイザーのヘッドフォンをずっと愛用してきて現在HD 580を使用中ですが、これまでヘッドフォン用にしていたFireface400に切り替えるときと、ワイス君に戻すときにPC側の設定をあれこれ触らなければならないのが面倒で、ここらで専用アンプを一つ、と言うわけです。真空管にも心動きましたが、DACなしで気軽にコンパクトに確実に据え置き型で使用したいので、MUSICA hpa40などを考えています。ヘッドフォンオーディオの愉しみ方にも本当にいろいろあるわけで、良い悪いではなく結局は使う方のライフスタイルと志向によるところ大でしょう。

考えさせられたこと
 ある方の音を聞かせていただいていろいろと考えています。解像度高く空間が見えてそこから音が来るようなのは好きだしとても良いのですが、温度感というか熱さをもう少し欲しがっている自分に気がついたからです。
 こういうものは実はシステムのどこをどう触ったら、というよりもいろいろと一生懸命あれこれやっているうちに、気がついたらそういう音が出ていた、と言うようなものなので、あまり明確にプランは出来ていないのですが、DACTのラインアンプ製作は少し先にして、現在の真空管プリ Music Reference RM5 Mk2の電源などを少し触ろうか、などと考えはじめています。


('09.2.13)jilartさんがSSDやCF、HDDなどいろいろ試してくれているので、とても参考になります。ただやはり音や体感的な使い勝手は自分で経験しなければいけないので、作りましたSSDドライブ。

 以前ヤフオクで買い込んでおいたnovacの「つなが~るKIT」というIDE->1394変換アダプタ(Oxford911)を使って、1394伝送用のクロックをD-Clockに換装したものです。マスター(SSD)・スレーブ(HDD)で2階建て使いをもくろんだのですが、結局2台同時にはうまく認識できず、SSDだけにしました。まあ、もう1枚買ってSSD同志ならマスター・スレーブ出来るんじゃないかと思ってるんですが、どうなりますやら。

 データの移し方を工夫しなければならないので、音を聞くのはもう少し先です。

 ちなみに今回は貴重なnovacの基板にクロックケーブルを半田付けする際、大事なXIのランドが取れてしまい1枚が使えなくなってしまいました。まあ、一度に4枚買ったからまだ大丈夫ですが。やっぱりこの世界難しいもんです。トホホ。


('09.2.12)何とかリカバリして今日は目に見えるものを片付けようと、SSD/HDDドライブの製作に手を動かす。工作していると何も考えないので、気分転換には良い。

 そしてCDを何枚か聞く。今あるきっかけで、ポーランドのシマノフスキに注目していて昨日4枚ほど届いたCDとキース・ジャレットやジェームス・カーターなど。この辺は追ってまた書きまする。

 正直言って今くらいでCDは何の不満もない。勿論、もっと良くなることは分かっているが、あまりに鮮明に出ると例えばDENONのシマノフスキの弦楽四重奏などかえってきつく響いてしまうかも知れない。DENONは総じてシャープ目の音でオーディオ的に気持ちいいときもあるが、今でぎりぎりの1歩半~2歩手前くらいだ。それでなくてもいろいろ押しているし、ワイス君のハイパードーピングは当分延期に決定。準ノーマル仕様で、ファームウエアのアップグレードなど愉しみにいたしませう。

 となるとSACDだな~、こりゃ。ま、ドック入りしているEminentがアップグレードしてどう響くか、そのあたりを機器ながらゆっくり考えますか。


('09.2.11)香港のKentはブログ用のサーバーが落ちたり、プロオーディオ養成講座を組織したり、スタジオの拡張と機器移動・新モニターSPのチェックなどてんてこ舞いで頑張っているらしい。加油!

 
MacとWindowsを行ったり来たりするが、FAT32の120GBHDDは問題なく動いているのでexFATはOKのようです。こちらによると、単に大容量FATのサポートだけでなくいろいろ効用があるらしいが、あまりにも見事な翻訳ソフト文章なので、原文を読む気にもならず、そのうち良いことあるだろうと使っとります。うう、十二指腸が痛い。


('09.2.10)あちこち連絡などに時間を取られてSSD/HDDドライブの製作はあまり進まないが、その準備としてPC_Audioさんが教えてくださったexFATを常用iMacのWindowsサイドにインストールして実行してみた。

1.120GBのNTFS外部HDDを右クリックしてコンテクストメニューからexFATでフォーマット。
 (コントロールパネルの「管理ツール」->「コンピュータの管理」から論理ディスクマネージャーを立ち上げても、NTFSでしかフォーマットは出来ないので、そこまでの統合はなされていないようだ。)

2.無事フォーマット完了して、Macで再起動。ところがマウントされていないため、認識もされない。
 ->ディスクユーティリティを立ち上げてMS-DOS(FAT)でフォーマットすると、無事Macで認識される。

3.Windowsで再起動するとMacで付けたボリューム名称のFAT32ドライブ(約120GB)がWindowsからも認識された。

 以上から推測されることは少なくともexFATはMac側でフォーマットした32GB以上のMS-DOS(FAT)ドライブをWindows側でもFAT32ドライブとして認識させることが出来る、と言うこと。
 これで
・Windows XP で FAT32 の理論上最大ボリューム サイズが、32 GB より大きなボリュームのサポート
という仕様は一応確認出来た。
 後は
・4 GB、Windows XP で FAT32 の理論上最大ファイル サイズより大きいサイズのファイルのサポート
というのを、実際にHi Resの音楽データを収納しながら確認していくことになる。

 これで共有する32GB以上の外部HDDに、Mac側でダウンロードした音楽ファイルを直接書き込むことができる。
 また、実際曲間は音楽的にとても大事で、一つの大きなファイルにHi Resの音楽を続けて収納したいというマスタリング・エンジニアの思いはよく分かるので、これでDVD上の収納法の選択肢が増えることを喜びたい。おそらくWindows7では標準装備されていくのではないかと思います。


('09.2.9)昨日は帰り道で時間調整して大阪に帰り、たこ揚げ打ち上げ兼新年会に顔を出す。メンバーの一人はある大手スタジオの管理者だ。彼と最近の音楽業界が厳しい話をして、最近の若い人達のいい音への関心の無さの話をする。でも言ってみれば文化だから、頑張っていいものは残していかなければならないという点で強く一致する。
 そう、おじさん達はそれなりに良いものを残そうと努力しているのですよ。


('09.2.6)ちゃんとした情報を伝えるために書きたいこともいろいろあるのだが、いろんな絡みで書けないのは立場上まあ仕方がないので、とりあえず目の前の仕事を片付ける。そのうち分かる人には分かってもらえるでしょう。

 調べ物は連鎖的に広がっていくので、なかなか面白いが時として大変です。一番厄介なのは「無いこと」の確認、不在証明。全部当たれんし、どこでどう判断するかだ。最近分かってきたことの一つはオーディオと音楽の関係だ。同時代に共有する大きな音楽がないときには、オーディオも断片化し些末化するようだ。

 いずれ各家庭にホームサーバーのようなものが置かれて、全てのデータ(TV電話やメール、ヴォイスメールなど)やコンテンツ(映像、音楽、ディスプレイアートなど)は全てそこに蓄えられるようになるだろう。それは当然、ディスプレイとスピーカーを備えており、何不自由なくAVコンテンツを楽しめるだろう。映画の時にはシアター仕様、ライブの時にはライブハウス仕様などとプログラマブルな効果も選択できるだろう。
 そういう状態の中で、なんで音楽だけ別ラインで立ち上げなくてはならないのか?それをさせるものは音楽への要求しかないだろう。音楽への要求が、モチベーションが低下していったとき、それはネットの海に埋没する時であり、オーディオが完全に滅ぶ時だ。
 僕らはPCを片手に、ネットの海から宝物を探し求めて奪い返す海賊にならなければ行けないのだと思う。世界の果てまでも。 So we are all Pirates!

※この週末は更新を休みます。


('09.2.5)SSDとHDDの二段重ね重箱1394NASのリアパネル。配線前。
 左が各種電源関係コネクタとセレクタスイッチ(トランス電源⇔携帯用スイッチングアダプタ)、12V→5降圧用三端子、右の大きなケーブルストッパーは1394ケーブルを2本通すためのもの。まあテキトーにレイアウトしただけですが、例えばポイントはパネル上下端に薄く張ったスコッチの銅箔テープ。これはタカチのOS型ケースで前後のパネルははめ込むだけなので、ガタが出やすい。で、銅箔テープを貼って導通を確保しながらがたつきを無くしています。
 まあ、両サイドに穴を開けてタップでねじ穴切り、ネジ止めしてやればほぼ完全ですが、そのあたりはおいおいと。

 頑張って今日完成させたかったのですが、ちょっと風邪気味で週末は遠出するしその準備もあるので、今日はここまでで終えました。

PC_Audioさんが'09.1.30に提起してくださったexFATもやって見たいので、週明けに慎重に仕上げます。このexFATってMacにBootCampでWindowsをインスチールするときにうまくいけば32GB以上でもFAT32を使えるので、Mac側からもファイル操作できる(ダウンロードしたAIFFファイルを書き込むとか)とか、いろいろメリットありそうです。

 そんなこんなで、いま音楽データが入っている大事なHDDはそのままにして、そこからSSDとHDDにコピーするという同一条件で音質を比べたいと思います。

DSDという録音フォーマットがどういう風にPCMを含む録音製作過程の中で駆使され活かされているのか、それを知ると単純にDSDとPCMを対比してしまうのはちょっと難しくなります。
 ペアマイクでのナチュラルで広大な音場などという良質なソースは実のところまだ少ないし、聞いた人も限られています。Hi Res では音の操作がバレバレによく分かるので、細工している向きにはなかなか厳しいようです。ま、がんばりまっしょい。


('09.2.4)調べ物の傍らに、今やっていること。SSDとHDDの二段重ね重箱1394NAS製作。用途はコンテンツ、つまり24/96や24/192のデータファイルの収納です。
 NOVACのIDE->1394変換アダプタを使って外付けし、SSDとHDD間は仕方ないのでIDEケーブルで接続。SSDをマスター、HDDをスレーブに接続。どうも世間ではSSDやCFのことを「メモリー」と呼ぶらしく、音質に与える影響を確かめるためにも作ってみますバイ。
まずシャーシにHDD(Sumsung 120GB 5400rpm 8MB Cashe)を取り付け。両サイドにはスペーサー。

スペーサー上にアルミ板に載せたSSD(64GB Transcend)を取り付け。右端はNOVACのIDE->1394変換アダプタ。
 このあと、24.5760MHzのD-Clockを取り付け、電源関係の配線、リアパネルに1394ケーブル2本通すためのケーブルストッパーなど取り付けます。

 ちなみにリッピングは今のところしない予定ですが、EACは基本的に好きではないので、もしするならNuendo4で、それもセキュア・モードでやります。それかオフセットは変わりますが、PlexToolsですね。
 なぜリッピングしないかというと、毎回違うと言われるCDドライブの読み取り状況や電源に大きく影響されるからと言うこともあります。
 媒体の音質評価テストをするなら例えば2Lのサンプルサイトからダウンロードした「データ」を使った方がより不確定要素が少なくなると思います。


('09.2.2)■そこそこ高価なCardasのAES/EBUは、材料費2千円ほどのカナレDA206+ノイトリックデジタル用XLRに結局勝てなかった。ブレイクインで良くなりはしたのだが、こじんまり気味で音数・色彩感で少し及ばない。な~んだ、という感じでお蔵入り。実に勿体ない。
 先日toku1209サンのお宅でDTR179W+カナレ75オームプラグにあっさりと押しのけられたオヤイデデの同軸ケーブルDR-510(1.3m)で、それなり高価なものだ。オーディオ系ケーブル勢あかんがな。

 総じて業務用ケーブルは規格と特性確保を前提に設計を進め、一方オーディオ系ケーブルは特性と構造・材質から設計を進めているような気がする。Hi Resの時代にはマシンやケーブルへの負荷も大きくなるから、いろんなことが明らかになり変わっていくだろう。

■電源を製作できるようになると言うことは、いずれ機器の電源もメンテ出来るようになる、ということにつながります。メーカー保証の関係があるので無闇に改造を勧めたりはしませんが、代理店やメンテ先が無くなって未だ現役の機器もかなりあるでしょうから、ケミコンなどライフが過ぎたものを交換するのは、良い機器を大切に末永く使う事につながります。
 自分の手で音もリフレッシュできたら、これは嬉しいことです。


('09.2.1)昨日は久方ぶりにオーディオ復帰された大先輩が来られて、デジタルの世界でいろいろ遊んだ。Hi Resの音もいたくご理解いただいたが、残念なのは大のオペラファンのためのコンテンツが近々に供給される見込みが薄い事。年齢を考えるとそれは厳しい、とのこと。でもPCオーディオはやられるご様子でお役に立てば何よりだ。

 そう、ある年齢になったら、残り時間を考えてやらないと、本当に人生さほどには長くないのだ。

■閑話休題。PCオーディオにはいろんな可能性があるが、楽ちんにやろうと思う人には向かない道楽だ。僕もPCは素人なので、分からないことは山ほどあります。誰かの首根っこをぎたぎたに揺すぶってでも聞き出したい事も腐るほどある。皆それぞれのフィールドで悪戦苦闘しているのですね。過去ログもあるしね、勉強してガンバローね。


('09.1.29)今日はエミネントのアームのシリンダー交換のためアサヒステレオの梅川さんが来られた。この機会にHi Resのデータの音をきいてもらったので、今後どういう風にショップで展開されるか楽しみです。

('09.1.28)■ちょっと風邪気味だったのですが、お仕事もあり今週はお客様もあるので、なんとかリカバリ。明日はお茶の水から特効薬候補も届くので、期待して待ってます。
 まあ体調優れないといろいろ考えてしまうもので、キャラなんでしょうけど、なんで踏み込んでしまうのかとしみじみ思うことあり。でもまあわざわざ僕宛にメールくれる人や相談かける人は、むにゃむにゃした答えを求めてないんだろうな、と思い直して考えつつもはっきりと言う。そして言葉で追いつかないことは、実際に音で判断していただければと思う。

■徒然なるままに無線と実験など読んでいたら、探し続けていた答えの糸口がようやく見つかりかけた気がする。まてまて、確かめてから次に進もう。そうかパルスというのは符号情報なのだ。電源とアースか。それに分布定数とコモンモードノイズが加わるとややこしい。
 そしてクロックの位相雑音とジッターでおなじみの周波数領域と時間領域、これは凄く参考になる。このサイトは情報の宝庫だ。

■わかりにくい日本語表現で申し訳ない、Kent。でもこのページはすごくわくわくするよ。12人のきら星の一人として君が招かれたことを僕はとても誇りに思う。
Sorry for complicated Japanese expressions, Kent. Woo, these are very exciting pages and I'm proud of you to be invited as one of 12 bests & brightests.

■というようなことが頭の中をぐるぐるしていて、この間風邪うつつでありました。やれやれ。


('09.1.27)■東京で自宅を会場に提供してくれることもあり、音と戯れる会「リニア電源製作講座」は10人に達する盛況となった。やる気出ます。

■ここんとこいろんな事をあれこれチェックしているので、頭の中が情報であふれかえっている。ちょっとは吐き出しておかないと身が保たない。
 で、今日一番面白いと思った話。録音エンジニアへのインタビュー。なるほど内部バウンスせずにアナログアウトする手もあるんだ。内部バウンスしたら音が変わるのに、皆あれこれ工夫して使い続けるとは、シェアほぼ100%のいかにもPro Toolsらしい話のようです。こんな風にして録音現場では音質のことを考えているんですね。

藤本健のDigital Audio Laboratory 第356回:KORGの据え置き型DSDレコーダ「MR-2000S」~ 開発担当者と録音エンジニアにインタビュー ~

「藤本:実際、どのような利用法なのですか?

赤川:インディーズなど予算がない制作の場合は、ミキシング後、マスタリングまで私がやってしまうこともありますが、そうでない場合は、マスタリングスタジオに持っていき、マスタリングエンジニアに作業してもらいます。ところが、このマスタリングスタジオに持っていくための手段がないんです。ProToolsの内部バウンスで持って行くと音が変わってしまう可能性があるし、そもそも同じProToolsでも再生する機器によって音が違うため、いろいろ問題があるのです。MR-1000以前はそれでもProToolsのファイルで試行錯誤しながらやっていました。ProToolsのアナログアウトをProToolsのアナログインに入れてみたり、バウンスする際、外付けの別のHDDに入れてみたり……。その間、ProToolsの内部バウンスの性能も向上して、そこそこいけるものにはなったのですが、それでも音が変わってしまうという問題はあったのです。

藤本:そこでMR-1000が登場するわけですね。

赤川:そうです。ProToolsのミックスダウンした2chをアナログでMR-1000に入れ、それをそのままマスタリングスタジオに持ち込むわけです。とにかく目的は聴いている音をそのまま固定化して、マスタリングスタジオへ持っていくこと。録った機材をそのまま持っていって再生させるのが一番いいわけですからね。その意味でMR-1000は今まで使った機材の中ではとてもよかった。」

■そうかー。「SONYの中級AUDIO製品ですら、このような映像・音声統合チップセットを使うようになってきて、信号処理プロセスのブラックボックス化が進んでいます。HDMI送受信機能に加えて、近い将来AUDIO DACまでもがオンチップ化されてしまえば、メーカーごとの差別化もできなくなっていきますね。それこそ100万円のアルミ削り出し筐体に入れるとか…。」
 衣装、もとい意匠で勝負!ま、「形」があるんですし。


('09.1.26)前の住まいで親しくしていた大先輩が長年のブランクを打破されて遂にスピーカーを購入された由、メールを戴いた。数学の学位を持ち語学も堪能なPCの達人ワグネリアン。お帰りなさい。音楽がいつもあなたと共にありますように。

 本当はこの不況で数学などに長けた人材がオーディオの世界に入ってきて欲しいのだけれど、もうオーディオは斜陽産業ともいえないほど規模が縮小した世界になってしまったし、いま起業できる資金の手当てがつくはずもない。センスとスキルを持つ人材が少しでも加わってくれると本当に嬉しいです。PCオーディオやりまっしょ。

8年ぶりの改良版である「USB 3.0」(SuperSpeed USB)の正式仕様が,ついに公開されたそうだ。「最大データ伝送速度が5Gビット/秒と従来の10倍以上に高速化されるほか,各種の低消費電力モードを採用したり,電源供給時の電流値を大幅にアップさせるなど,これまで以上に多数の機器への採用を狙っています。半面,回路設計が複雑になったり,電磁雑音対策の難易度が高まるといった可能性が指摘されています。」
 そうノイズ対策は大変でしょうね。

USB DACが扱えるフォーマットは概ね24/96までと考えられているらしい。何人かの人に試したもらった結果では確かに再生できたそうだ。
 これまではUSB1.1は16/48が規格的にリミットと説明されており、USB2.0でドライバの作り込みをしているEdirol UA-101などは24/192に対応できる、途聞いてきたがそうでもないらしい。

 いずれにせよ、USB DACで手軽にHi Res再生が楽しめるのなら、これは普及に向けての素晴らしいニュースだと思います。お手元にあれば是非おためしください。


('09.1.25)音と戯れる会の「リニア電源製作講座」関東版は4月に行う事になった。

 何回かお会いして音も聞かせていただき、ブログやメール等で現況を聞かせていただくと、今後必要な情報・スキルや今後はまりそうな問題点は大体見当が付く。僕は先の先まで考えてしまう人間なので、「放っておけばいいのに。」といつも言われるのだけれど、ついつい口を出してしまう。先方にはまだ先まで見えているわけではないから、凄くお節介に感じることもあるだろうし、勿論僕の読み違いだって十分ありうる。僕が強引な所のある人間だと思われているとしたら、そういうところに一因があることは自覚しております。
 しかし、誰かが言わないと決めないと物事が変な方向に行きかねないとき、少しばかり背中を押さないと物事がスムースに動き出さないとき、そこからは信条と生き方の問題だとあきらめて己の心の声に随うしかありません。といっても見込みのありそうな相手しか選ばないのですが。ままよ、一期は夢ぞ、いざ舞い候え。

今日はいろいろと荷物が届いたり発送したりでばたばたした1日。チック・コリアのDVD(日本国内盤)が中国から届いたのには恐れ入った。中古だから外箱が日に焼けていたり、ディスクに若干傷や擦れがあったりするが、何とかなるだろう。これは来週末の楽しみだ。
 
今日はお仕事を少しするつもりだったが、疲れたので結局音楽を聴いた。4日間これだけ聞いたのは最近では珍しい。どれも良い感じに鳴っているが、手を入れるとしたらやっぱりSACDプレーヤーからかな。でも着手し出すとかなり手を取られる可能性大なので、もう少し余裕が出来ないと無理かな。

WEISSのDAC1 Mk2はDAC1のチップ2個をアップグレードしたものらしい。で、176.4KHzと192KHzについてはLRを2本のデジケーで送る「デュアル・ワイヤー」で接続しなければならない。ところがDAC2の場合、RCA端子とXLR端子を使うので、バリ業務用でXLR端子オンリーのDAC1とは接続できないし、仮に変換して接続しても同一条件のデュアルではないので、どうもすっきりしない。これは神様のお告げだと考えて、一体型であるDAC2のメリットを活かした使い込みに励むことにしました。

WEISS HighEnd ユーザーグループのHPでMinerva/DAC2のファームウエアが更新されていて、新たに音量コントロール機能が付加されている事を知った。といってもわかりにくくて少し戸惑ったが、要はパワースイッチなどの「長押し」で機能を切り替えていくわけで、結局「音量コントロール」だけでなく、XLR入出力を使ってデジタル・イコライザーのような外部機器を挿入できる「インサート・シグナルパス」機能まで付加されたことが分かった。すげ。

->Minervaマニュアルのp.19参照。

 興味深いのは「音量コントロール」はデジタル領域で「ディザ」を使いながら行われていること。(すんません、説明省略)そうかそれでマニュアルに「ディザリング」の項目があったのか、ビット長を触るのだからね。
 0.5dBステップで120dBに渡ってアップダウンできるそうな。「dim」つまり20dB音量を下げるいわばミュート機能もある。そして勿論、最大音量又はその付近がもっとも具合良いのだそうだ。機能を解除したのと聞き比べるとやはり音量をアップした方が音が良い。そうか、これまでは0dBで聞いていたわけで、本領発揮はこれからなのだ。
 いろいろ遊ばせてくれますねえ、ダニエルさん。ま~だなんかあったりして。

 しかそこの辺の事が分かるようになったのも、Bob Katz「Mastering Audio」を読んだりしたおかげだ。在米の友人に感謝。


('09.1.24)音楽を聴いたり片付け毎をしながらいろいろと構想を練っている。初物分野は何かと難しいことが多いが、だんだんと形が整ってきた。これからアウトプットだ。

シンタックス・ジャパンの催しは盛況だったようだ。PCオーディオについてはいろんな考え方があるが、もう数少なくなってしまったオーディオの世界なのだから、なるだけ前向きに行きたいと思う。

アイソレーション・トランスの容量は大きいものの方が低域中心にレンジが伸びて良いが、一方で音が立つ音量レベルがやや大きくなる傾向があり、機器によっては音が沈む傾向がでてきたり、100VA、200VA、500VAの範囲でも結構差があった。
 壁コンと同じではなくVA容量の範囲内での電力伝送なので、電圧・電流の関係はグラフで言うと右肩下がりの二次関数になる。その場合、電流が容量に対してあまりに小さいと左側のレギュレーションの良くない範囲に入ってしまうので、いわばダンピングファクターの低いパワーアンプでスピーカーを駆動したときのように、ざわざわとした賑やかで固有の音が強く出る傾向になるのだと思う。ある程度レギュレーションが良くてなおかつ大容量という、機器との相性の範囲が存在するのではないかと思う。

 容量が大きくなることは音質的に良くなる可能性が高い、ということは事実だと思います。しかし、大きければ大きいほどよいかどうかは、今のところそこまで大容量のものを実験する気がありませんので、今後の課題とさせてもらいます。でも、次回注文するときには、居酒屋さんで思い切ってビール2本注文する感じでちょっと大きめのも頼んでみようかな。カナダドルの安い内に。(笑)


フォノイコDACT CT-100の感度を0.25mVから0.18mVにアップした。ワイス君のアナログ段の例からホット、つまりハイゲインな方向に少し振ってみたわけです。アイソレーション・トランスを250VAから500VAに倍増し、フォノモーターを別トランスにした効果もあるようで、腰が据わってきて音の伸びが良くなっている。
 SACDプレーヤー電源のブラックゲートNX超電解接続もブレイクインが進んできたようで、これはBGの中でも別格だと思います。PCオーディオも合わせて我が家のオーディオの音質傾向は、情報量が前に出てくる方向にまとまってきた。ソースが違ってもシームレスな聞き方が出来る。とりあえずは一段落だ。


今後の主要タスク

1.PCオーディオ
(1)4トランス・5電源のドライブ用電源の製作  この中で12V電源でいろいろと試して、その成果をSC10クロック用電源に反映する予定。一部にブラックゲートNX超電解接続なども。
(2)SC10クロック用電源  レギュレーター用素子をFETに、基準電圧源にLM329。
(3)SSD/HDDドライブケースの製作 Hi Resコンテンツ収納用。SSDとHDDでどれだけ音質の違いがあるか?
(4)ワイス君のハイパードーピング
(5)新Mac OS「雪豹」とEFIの64bit化  Vista64bit導入なるか?

2.SACD
(1)SA12 S1 電源の改造  スイッチング、リニア共に検討して慎重に進める。
(2)マルチ用にノイボックス(ダウンミックスアンプ)の製作  電源にはDACT CT102 を使用する予定。これでマルチがもっとダイナミックになるか。

3.アナログ・プレーヤー
(1)Eminent Model2の2.5化  アサヒさんに近日依頼予定。
(2)上記の調整・音質の見極めをしながら、フォノイコ電源部のコンデンサーなどを取り換える。ブラックゲートNなど。

5月には福島の友人達が来られる予定だが、それまでにどれだけが実現しているだろう?まあ、ぼちぼちと行くわさ。

4.ラインアンプの製作  今年度後半の主要課題
(1)DACT CT101  チャンネル・セパレーション120dBの世界を体験したい。どんなサウンドステージが出来るだろうか?
(2)知る限りのノウハウと物量の投入予定。しかしシルバーのシンプルな薄型にしたいので、別電源をどこに置くか?


('09.1.22)■PC_Audioさんから電源関係でいろいろと情報をいただいた。ありがたいです。
 先日のリニア電源製作講座の流れで、皆さんそれぞれに製作に動いておられて誠に嬉しい限りです。そのうちに第2弾もやりますかね。あ、関東地区の人は関心ないのかな?

Cardas AES/EBUはクロックケーブルとして聞いたがまだまだこれからという感じで、いまはカナレの方がやや情報量が多いかと。AETはダントツに良いので、Cardasががその差を埋めてくれたら助かるのだが。

■先日届いたアイソレーショントランスを使って、フォノイコ関係のトランス容量を2倍の500VAにアップ。今まで1機器1トランスを優先して設置していたが、今回から余裕が出来たので玉突きしながら効果の高い容量を選んでいくことが出来る。
 フォノイコ本体で22mA、その前の電源のロスを入れても10VA以下の消費電力なのに、今日やってみたところではまことに効果大。最大7VAのワイス君とは結構違う効き方なので、デジタル系とアナログ系とでは違いがあるかも知れない。
 明日はSACDプレーヤーのアイソレーショントランスを100VAから500VAにしてみよう。一体どうなるだろう?

 それにしても聞く時間は短かったが、久しぶりにとても充実感のあるリスニングだった。音楽に集中できて嬉しい。


('09.1.21)■ワオン・レコードのHigh Resolution Audio Data Samplerの1stロット30枚の予約が満杯になって、次回予約待ちも出たらしい。早っ。

Cardas AES/EBUが届いたので、明日オカンが帰ったら聞いてみる事にしませう。ブレイクインに時間かかるらしいんですが。

CDなどのドライブ用4トランス・5電源プランをとりまとめ中。金田明彦氏の5Vレギュレータ回路が発表されているので、ドライブ回路とIDE/1394変換基板要にはそれを使おうと思う。クロック用の12V/2トランスは今後新しいものが出る可能性も考慮しながら、秋月電子の基板付きの「実験室用 定電圧安定化電源キットVer.3」など使おうと思う。現在、高精度水晶SC10の駆動に使っていて、専門家に測定してもらっても順調に動いているので、とりあえずこれで行こうと思う。基板があるのは楽だし。

 ともすればレギュレーター回路の方が派手なので、そちらに目がいくことと思う。しかしレギュレーターはベースである整流回路が理想電源であることを前提に設計されるので、整流回路のグレードは大きな意味をもつ。今回もPLitronのトランス、整流回路は出川式第2世代+CPMでいく。勿論、予算やスペース、グレードなどそれぞれに工夫すれば良いのだけれど、ここの質は絶対的に効くので今回のようなファイナル的電源では最良のものを揃える。

■現行のDACには全部と言っていいくらいアップサンプリング機能がある。近い将来デジタル・コンテンツのHi- Res化に伴って起こる変化の一つとして、DACのアップサンプリング機能が不要になるだろう、と僕は予測している。
 
1.なんでHi- Res化で不要になるかというと、例えば88.2KHzや96KHzの24ビットHi Resデータは、業務用のADコンバーターでちゃんと処理されていればそれ自体十分に高い鮮度を持っているものが大部分だ。これを例えば96KHzや192KHzにアップサンプルするのはどんな意味があるだろうか?つまり、せっかくハイサンプリングで録音されているのを、ダウンサンプル&アップサンプルを経由させると演算で別データに変換されてしまい、結果として出てくる音が悪くなる可能性大だからだ。元の食材が高鮮度なのにわざわざ加工を加えるようなもので、鮮度を愉しむならそのまま食べた方が美味しいに決まっているわけだ。
2.おまけに10MHz高精度クロックの導入など考えておられるとしても、そのせっかくの高品位クロックをDAC内蔵のクロックで打ち直してしてしまうので、2重の意味でお邪魔虫なのだ。

3.「自由自在に」「思い通りに」サンプルレートなどのDD変換が簡単に出来る、などというのは、少なくとも心ある録音製作関係者の間では信用されていない。安易にDD変換をすると音質が変化し、しばしば悪くなることも多い。アップサンプラーというのは本物のHi Resデータが登場するまでの、いわば「代替品」あるいは「つなぎ」であって、すでにその賞味期限は過ぎようとしつつある、と思います。

 メーカーさん・輸入代理店さんのご商売の邪魔をするつもりは毛頭ありませんし、これらは少し先の話かもしれません。だが、悪いことは言いません、これから外部DACを導入しようというのなら
1.アップサンプリング機能がなくて、192KHzくらいまでの入力に対応出来るもの(コンシュマー用では選択肢は限られます)にする。
2.もう少し待つ。

方が良いと僕は思います。


p.s.勿論、モニターに使う業務用DACについてはアップサンプリングが残るものも多いと思う。これはエンジニアが音の善し悪しを判別できればいい、という目的なので、基本的なコンセプトが異なるものだ。


('09.1.20)ワオン・レコードのHigh Resolution Audio Data Samplerが今日1月20日(火)より予約受付開始ですが、メールがどんどん来てすでに20枚を超えたそうです。

  1stロットは限定30枚で1月26日リリースですが、これは増産(といってもハンドメイド)必至で嬉しい悲鳴のようです。でも、まあ、30とかの世界だから可愛いと言えば可愛い話ですが、こういうことに関心を持ってくださる方がちゃんとおられて、おそらくは増えている、というところに時代の手応えを感じます。

 わしらもやる気出てくるなあ。



以前にも紹介して、オフ会や16日の音と戯れる会例会などでも大好評のアンヌ・ケフェレック「バッハ名演集」。ペダルやキータッチなども使ったピアニスティックな演奏でありながら、まるでこれらの曲がピアノのために書かれていると感じさせる説得力と素晴らしく自在な表現力。

この機会にチェンバロとピアノの違い、について少し触れておきましょう。
 両者は鍵盤があって全体の形が似てはいますが、実際には似て非なる別の楽器です。せいぜい先輩であって、間違っても「前身」ではありません。

 チェンバロの場合、鳥の羽の根っこ、またはプラスチックの爪が下から上に金属弦(ピアノよりずっと細い)を「はじいて」音を出します。ものすご~く大まかに言えばギターの仲間ですね。
  http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%81%E3%82%A7%E3%83%B3%E3%83%90%E3%83%AD

 構造上、キータッチによって音の強弱がつけられませんし、弦が一本だけ(単弦)の楽器も多いのです。復弦の場合、複数鍵盤で上下を同時に鳴らすようにして、下鍵盤では強音演奏、上鍵盤では弱音演奏の弾き分けが可能な機種もあります。音色や音量の幅を広げるために復弦の楽器も好まれますが、全て木製でピアノのような全体での大音量は出せないので、比較するといわゆる軽い音になりがちです。
また、音の長さのコントロールは基本的には出来ないので、装飾音を入れたりして連続性を出したりします。

 で、そういうチェンバロ曲をピアノで演奏する場合、よく用いられるのは「ノンペダル」で「均一な強さの音」ですが、それは楽器の特性を再現しようとする場合が多いと思います。
 ところが楽器の特性・限界はあってもチェンバリストはかならずしも「タラタラと」弾いているわけではないのです。キーを押しながら微妙なバイブレーションをかけに行ったり、音の「間」をコントロールする事によって強調する部分を作ったり、ともかくいろんな努力をして表現しに行っているわけです。

 D.バレンボイムがラン・ランにベートーベンの熱情の指導をしたドキュメントはもの凄く勉強になります。ピアノは打楽器ですからペダルを使ったとしても音は減衰していく一方です。
 「だからレガートを弾く場合には、前の音の頭のレベルに合わせるのではなく、今響いている音に合わせて次の音を弾くのだ。」
 「ピアノでクレッシェンドを弾ける!」と教える場面は感動的ですらあります。「
まず君自身が、クレッシェンド弾くのだと言うことを明確に思い、イメージせよ。」「そして、前の音よりもより強く次の音を弾け。そうすればそれはクレッシェンドになる。」
 
 実際に、ポツポツとしか音の出ないはずのチェンバロでも、それが見事なレガートとして聴こえる、そういう演奏を目の前で聞いたこともあります。要は演奏者が明確なイマジネーションを持っているか、それを表現しに行く気迫と意欲を持っているか、結局はそこにつながっていくのだと僕は考えています。

 バッハの場合「トランスクリプション」として一つの曲を別の楽器に移して作曲することもたくさんあるわけで、その際当然ながら移行先の楽器特性を活かして、音符も削ったり付け加えたりしながら、表現の幅を広げているわけです。
 ピアノとチェンバロが別の楽器である以上それは実質的にはトランスクリプションであって、ピアノの特長であるペダルやキータッチを使って表現をしていくのは、当然あるべしだと思います。要は楽譜や楽器があったとしても、音楽というものは演奏者のイマジネーションや表現力に多くのものが委ねられている、ということだと思います。

(まー、ピアノも良く理解されてるとは言い難いかわいそうな楽器なんですが、それはまた別の機会に。)


('09.1.15)今日は昼の間、音楽専用MacBook Pro 以外は立ち上げず、いろいろと聞いてみた。例えばPlitronのアイソレーショントランスの容量は機器によって聴感上の最適値があるような気がする。取っ替え引っ替えしましたが、ワイス君は200VAがベスト。まあ、お好みでいずれなりとも。

※16~18日と東京方面に行きますので、更新を休みます。


('09.1.14) (承前)さて、リニア電源製作講座。
 昔はリニア電源が当たり前なことに加えて、メーカーも広告で説明したり、初歩的な工作雑誌もあったりで、情報が溢れていたわけです。ところが今日、スイッチング電源が当たり前になってきて、レギュレーター電源のキットでさえトランス、ダイオード、平滑用コンデンサなどは自分で用意しなければならず、とても敷居が高くなってしまっている。
 で、既製品のスイッチング電源を改造したりするのが、やりやすい形となったりするわけですが、それはそれで限界もあるようです。要は情報がものすごく不足あるいは限定されているという事です。また、年配者はともかく若い世代などそのことに気づいてもいない人が多いようです。そういう環境では、やはり手ほどきのような導入編が必要になってくるということが、この間大分見えてきました。

 人により経験や理解度が違う、という状況の中で全ての人が100%満足するものは出来ないので、長期的に役立つ知識やノウハウも入り口だけでも触れておくようにしました。負荷に必要な電圧・電流から逆算して、トランスなどに必要な規格を割り出して、パーツを選定し実際に製作できるプランを作れるようになる、という基本のシナリオは押さえたうえで、少し掘り下げた形にしてみたわけです。感想は様々だったみたいですが、まあ、何かが動き出すきっかけになればそれだけで意味は有ると思います。

 実際に配線ボードを使って製作してもらった結果は、オシロなど測定結果はドンぴしゃなのにいくつかトラブルが発生し、解決は持ち越したのですが、実に簡単なことを忘れていて、僕がもっと早く気づけば万々歳で終わったわけで、ご心配をおかけしました。その後のメールのやりとりで、再設定して正常動作することを確認しており、ちょっともたつきましたが工作は成功でした。皆さん、ご協力感謝です。


Executive Audiophileへ捧げるワオンレコードからの贈り物...
近い将来訪れるPC-Audioの世界。そこへ足を踏み入れたパイオニア達へ。
Waon Records Hi-Resolution Audio Data Sampler
限定30枚
 2009年1月26日リリース 176.4kHz, 24bit / 96kHz, 24bit WAV
詳細は近日中にアップします。ご期待下さい! WAONXA-001 予価¥3560(税込・直販のみ)

やったね~、ワオン・レコードからHi Res サンプラー発売!日本初?なんてことはどっちでも良くて、良い音楽を良い音で聞けるのが嬉しいですね。
「近い将来訪れるPC-Audioの世界。」う~ん、すぐ目の前やと、ずぶずぶに足を踏み入れたわしらは思っとりますけどな~。


('09.1.12)週末は愛知方面でオフ会&リニア電源製作講座。

土曜日はtoku1209さんのところに久しぶりにお邪魔する。前回に比べて随分と情報量が増え、この間の努力と研鑽がよく分かる音でした。課題も方向性もよく分かっておられる人なので、これからも着実に歩まれることと思います。
 面白かったのは夕方に合流されたKさんが持参して聞かせくださったLINN Majik DS。PCではなくiPod Touchでコントロールできるのはとてもスマートで、確かに楽そうな感じ。音は情報量よりも全体のバランス、奥に引いていく穏やかで柔らかい音場をリーズナブルに提供するという感じで、やはりLINNという世界。
 あと持参したDTR179W+カナレ75オームプラグのデジケーをオヤイデのと交換すると、さっと音場が広がりベールがとれた感じで、即toku1209さん御用達と相成りました。
 合間に本格的な茶道具で美味しい烏龍茶を戴く。明晰にして緩やか。げに風雅の極みなりと。

 夜は豊橋泊なので、3人で駅前の「つみれ屋」で打ち上げ。飛び込みで入ったにしては大当たりで各種つみれとビールで舌鼓を打つ。

翌日曜日は朝10時にjillartさん宅に面々集合し、午前中はオフ会。部屋がぐんと大きくなっただけに、スケール感はぐんと向上し、ディナウディオのサファイアが真価を発揮しだした様子がとてもエキサイティングだ。エネルギー感の伸びが素晴らしい。 部屋の天井に段差があり、前方と後方の音質の違いや響きに悩んでおられるとのことだが、ファイト溢れるヴァイタリティで何とかこなされるだろうと思う。というか間違いなくそうなるはずだ。持参したHDDでHiResデータを再生したが、皆さんその魅力はよくお分かりいただけたと思います。

 面白かったのは、DTR179Wがここでもさわやかな中高域を聞かせて魅力有る音質だったこと。原価3千円余りにしてはとても良いと思います。カナレDA206+ノイトリックXLRデジタル用は比較するものがなかったのでワンポイントでしか聞けませんでしたが、トータルの品位はなかなか良いんじゃないか、と思いました。これは後日jillart邸で本格的に聞ける環境が出来たときに聞かせて下さいね。
 結局オーディオ系メーカーのデジタルケーブルは規格をきっちりと押さえずに耳で作ったものが多く、そういうのはHiResでのクロックに使うとロックすらしない訳で、業務用の高周波ケーブルは真面目に作っており信頼性が高いという点で、jillartさんと強く意見が一致しました。
 Hi Resはケーブルや機器を淘汰していくことになるでしょうが、それは16/44.1でもパフォーマンスの高いものを選ぶことにつながる思います。

 美味しいお昼ご飯といつに変わらぬおもてなし、ありがとうございました。(続きます)


【速報】ラスヴェガスCESからのKentの速報では、WEISSのMinerva(=DAC2)が「Ultra Audio's Product of the Year for 2008 / Ultra Audio magazine」を受賞したそうです。
    Congratulations!

 右はCESのブースでのJazz3のフルパッケージの展示風景。いよいよ動き出しましたね。加油!


('09.1.9)電源に手を加え2日間ほど通電して、PADのシステムエンハンサーを10回ほどかけたSACDプレーヤー マランツSA12 S1 をじっくりと聞く。前回CPMとAuricapをパラっただけでも別物になったが、やはりコンデンサ本体を交換した今回はさらに効果があり、音の広がりと空間やディテイルの表現力がずっと良くなっている。
 ただローエンドの凄みのようなものがもう少し欲しいが、この辺りはブレイクインでまとまってくるのかも知れない。久しぶりに次々とSACDを掛け替えながら、電源基板を外して本格的にハイパードーピングすることに決めた。良くなる可能性が目の前にあるのにチャレンジしないのは勿体ないと思う。
 もし駄目になったらその時はDENONのプレーヤーにでも買い替えるさあ~。

ヒューズをHiFi Tuningに買えてブレイクインしていたワイス君を本格的に鳴らしてみました。いやあ良くなってる。これならほぼデフォルト状態でも、ヒューズや脚部のコーン・コーン受けなどライトチューニングで十分いい音だと思います。

 でも可能性を求めてハイパードーピングしちゃうもんね。

トモカは通販対応が早くて早速に各種パーツが届いたので、AES/EBUケーブル1mを何種類か作りに入った。といってもすぐに多数作るつもりはなくて、見極めながら順番にですが。

 ワオン・レコードの小伏さんに教えてもらってカナレDA206、モガミ3080、ベルデン1801、ゴッサムといったケーブルです。プラグはノイトリックのデジタル用NC3FXCCNC3MXCCにしてみました。カナレのDA206は35m延ばしてもちゃんと動作したそうです。でもみんな安いなあ。

 ということで最初はカナレDA206とノイトリックのデジタル用プラグ。ここで良く眺めるとフツーのノイトリックとの大きな違いは左側のブッシュの中のスペーサーが、通常品は樹脂でブッシュと一体化しているのに、デジタル用は金属製(写真でブッシュの右側に見えます)であること。DA206は結構太いので外皮を剥かないと入らないが、そうするとメッシュシールド線とシェル(ケース)が導通してケース外側もアースにつながってしまう。そこでまさかの時の小伏さんに聞くと「ケース外側までがアースに落ちることでシールドとインピーダンスの整合をとっています。」な~るほど。デジタル用はそこが違うのね。

 でクロックケーブルとして鳴らしてみましたが、驚いた事に非常に良いのですね。AET SIN DG75の広大な空気感には敵わないのですが、分厚さもエネルギー感も良く出るし、空間表現がかなり優れています。材料費2000円程度とは思えない音です。例えば矢野顕子の「ホームガール・ジャーニー」1曲目冒頭の彼女のヴォイス・パーカッションと3回のハンドクラップ(手拍子ですが、ピアノに近づいていくのか少しずつ腕の振りが小さくなって音も小ぶりになっていきます。)、そして息を吸ってからピアノを弾き始める、そんなスリリングなところがちゃんと見えるのは大したもんです。(このCDはオーディオ的には皆さんだいたいこうなんでしょうけど、例えば「雷が鳴る前に」(槇原敬之)「しようよ」(ご存じSMAP)など名演揃いでとても素晴らしいアルバムなのです。)
 これはフツーのプラグを付けたのとどれくらい違うのか試してみないといけません。

 これら一連のケーブル・プラグを試した後もう少し求めたいという事になれば、円が強い今、Kentも使っていた中でVitusはあまりに高いので、カルダスでも買ってみますか。ただしKentが使っていたGolden Referenceなどはカタログにないので、Cardas AES/EBU にでもしますか。海外通販でプラグ付き3万円ほどで買えるものなので、まあ、新春のおまけとして「今日はこれくらいにしといたるわ。」的にちょうどいいくらいかと。

※10~11日とリニア電源製作講座などの関係で愛知県方面に出向きますので、更新を休みます。


('09.1.7)今頃Kent Poonはもうラスヴェガスに着いているだろうか。CES(コンシュマー・エレクトロニクス・ショー)に出展するために2ブース確保してあるそうだ。そこには彼の最新Jazz3のCD-R&データDVDと一緒にワオン・レコードの各種CDもディスプレイされ、デモ用音楽でもKentのJazz3とともにワオン特製の24/96や24/176のHi Resサンプラーも再生するそうだ。
 つまり僕が訪問してお土産にワオンCDを持っていったら、「知ってる、知ってる。これ音良いんだよね。香港・中国・台湾地域のディストリビュートを僕にさせてくれないだろうか?」という話が始まって、そういう縁で日・香港合作の動きがいろいろと動き出しました。その一環としてのラスヴェガスという訳です。いや、人生というのは面白いもんです。


KentのJazz3はもうリリースされています。彼にメールすれば送ってくれますし、日本でもファインソース(047-354-7196)から販売されています。出来れば「ワオン特製の24/96や24/176のHi Resサンプラー」を発売してくれないかなあ。いろんなアーティストのいろんな曲を、そしていろんな会場でのいい録音をHi Res で聞けるのだから、これは欲しい人もいると思うんですが。

「Macworld Conference Expo」は低調気味だそうで、ジョブズの不在、最近の製品内容を見るとそんなもんかな、という気もする。
 ただ注目はiTunesストアの価格がこれまで1曲99セントで固定化されていたのを、4月からは69セント、99セント、1ドル29セントの3段階に広げること、そして「今四半期の終わりにはDRMフリーを1000万曲まで増やすとともに、ユーザーが所有する曲もDRMフリーにできるようになる。」という辺りだ。
 やっぱりDRMフリーがデフォルトになっていくのだろうか?要注目。

■で、ちょっと昔のMacBookクロですが、縁あって3台目のMacとして我が家に来る事になりました。今日届くはずなんですが、まだかな~。

ソニー、64ビットOSモデルを多数ラインアップ 09年春のデスクトップ
 ノートでもメモリ4GBの上位機種はVista 64bit採用とのこと。メモリ全面利用という目的での64bit拡大ですか、なるほど。


('09.1.6)11日のリニア電源製作講座に使う配線ボードが出来ました。半田付けを繰り返すのはパーツに負担をかけますし、できるだけネジ止め圧着端子で切り替えていく、というやり方です。
 かなりスペースには余裕があるので、今後いろんな講習などに使えそうです。(^^)

 今日いただいたメールを見ると、講習早めに済ませてオフ会の方どんどんやりまっしょ、という気分にもなりますが、まあちゃんとやらせてもらいますので。

1970~80年代のアメリカを中心としたオーディオの発展は何よりもNASAの縮小による技術者達のガレージメーカー創業だった。とりわけ、デジタルの世界では1988年ワディアのでコーディング・コンピュータの登場は今思っても刺激的だった。DSPとアルゴリズム(フレンチカーブ→デジマスター)によるフィルタリングというのはまさにコンピュータ&数学的展開そのものだったと思う。ラグランジュとスプラインの多項式。うう、聞いただけで何かときめくものがあるではありませんか。

 で、最近までもっとも優秀な数学者たちは大学か、さもなくばゴールドマン・サックスのような投資銀行かヘッジファンドにいた。「クオンツ」と呼ばれる金融工学者たちだ。今回の金融危機でいろんなヘッジファンドが解体したorするので、そういう人達の一握りでもオーディオ例えばデジタル技術の世界に入ってきてくれないだろうかと夢想している。
 やっぱりDAコンバーターでしょう。そこがもっと発展すればデジタルアンプの音だってもっと良くなるだろうし。

 でも、先行きの見えない業界で、起業資金にも事欠くような金融情勢では無理かなあ。

実は今回WEISSにしたのもダニエル・ワイスがアルゴリズムの専門家だったからです。彼は最初期にアップサンプリングのソースコードを書いたそうで、ただ当時のコンピュータの性能があまりにも遅かったため普及はしなかったのだそうです。
 現在ADC2とDAC1(-MK2)にはSHARCのDSPを積んでいて、その上のアルゴリズムで①デ・ジッタリング(リファレンスと比較して入力信号のジッターを低減抑制)、②フィルタリングという2つの大きな役割を果たしているのだそうです。
 で、
AFI1(Firewireインターフェース)+AES/EBUケーブルDAC1-MK2という路線も考えたのですが、ケーブルを除いてもKentから直接買って80万円を超えます。(ケーブルに良質なものを求めれば100万仕事。)また、Fireface400の上後継機種探しという流れもあったので、それからすると業務用バリバリの世界になり過ぎますし、あれこれ考えて結局DAC2にしたわけです。
 勿論DAC2をFirewireインターフェースとして使って、将来DAC1-MK2(約60万円)を買ってつなげる事もできる訳です。ま、とにかくWEISS行ってみよー、というわけで結果はOKだったと思っています。デフォルトでも音の良さは歴然だし、シンプルでデジケー不要な一体型だし、いろいろと手を加えて音質アップという楽しみもありますし。

 ま、しかしチップはどんどん良くなっているものの、DSP+アルゴリズムという夢は見続けたいのであります。


CDメディアの興亡などと言っている僕ですが、CD、SACD2ch、そしてできればSACDマルチがかかる音の良いプレーヤーはやはり必要だし価値あると思います。
 それも一体型が良いと思う。内部では例えばワディアのクロックリンクのようなDACとトラポの連携がかなり工夫できるし、外部デジタル入力とワードクロック入力があれば単体DACとしてもいろいろ活用可能だからです。そういうのを1台持っておくのはいろんな意味でいいと思う。だから既に持っておられるのなら、そういうのを処分してPCオーディオを勧めると言うような気は全然ありません。
 でも高価なので僕は今からは買いませんが。(笑)


('09.1.5)日曜日にオカンを送り出して、今日夕方またお泊まりに来るという慌ただしい合間にいろいろ聞きました。 HiFiTuningのヒューズを入れて3日ほどウオーミングアップしていたワイス君ですが、全体としてぐんと濃く力強い方向に変化してきました。チック・コリアとにデュオでは上原ひろみが唸る音がより生々しくなり、二人のピアノの音も浮き立ちながら艶やかに落ち着いています。これまでの経験からまだもう少し変化するはずなので、この週末にはほぼまとまった音になると予測しています。
 となると本格的にドーピングしたときの音も想像がついて、いやー楽しみです。

さてSACDプレーヤー、マランツSA12 S1 ですが、右の写真がアナログ電源用にデフォルトでついていたELNA HiFi 25V 3300μです。これ自体それなりのグレードのものですが、以前CPMとAuriCapをパラ付けして音質がかなり変わったので、今回に至った訳です。

 左の写真がブラックゲート(BG)の無極性NXの35V 680μを2本超電解接続し、それを2本スタックしたもので片ch当たり2720μで、それを2組それぞれCPMとAuriCapをパラ付けしています。hamondさんのアドバイス通りに被覆を剥こうと思ったのですが、何せクリティカルな場所でぎりぎりの納まりしか無く、缶が接触するのも嫌だし、巻くと厚みで天板が納まらないなどいろいろあって、ゴム系の接着剤も使ってるし、テフロンテープ巻いても同じようなこっちゃろ~、とデフォルトのままにしています。決して忘れてはおりませぬので。

 で、「超電解」だからハイパードーピングという訳です。これについてはPC_Audioさんが2008.2.25、3.2、3.6と書かれていて、またカウンターポイントのメンテをなさっているvinさんのブログでも一定評価されていたので、前から気になっていたものです。

 メーカーの超電解の説明はあまりよく分かりませんが、とりあえず単体でプリアンプの電源に使ってみたときの音質には感心したので、まあそれより良いのならやってみるべえ、という事です。 

 これまでもSACD特有かと思っていたふわっとした感じは良く出るものの、力強さやメリハリが今ひとつ、という所だったのですが、前回のCPMとAuriCapで引き締まった良くなりました。今回のBGはブレイクインに時間がかかるのに定評があるので1日半程度の暖機ではまだ片鱗程度ですが、非常に良くなる方向に行っています。例えば弦のざわざわした感じなどなかなか良いものの今まではそれが塊となって響いていたのが、もっとディテイルが見えてくる形になってきた、しかも力強さは向上してクライマックスの盛り上がり感などずっと良くなっている、という感じです。これも暖機とPADのシステムエンハンサーなどでさらに良くなるでしょう。

 こうなるとSA12もいつでも元に戻せるレベルを超えて、電源基板も外して本格的にドーピング&ガンダム化(何のこっちゃ)したくなります。そうしたらEMM要らないかも、いやこれは冗談ですが。(笑)

で普段こういう事をあまり公開しないのに何でしたかというと、BGが既に生産中止になっており、正確にはわかりませんがこれによると2006年生産中止で既に3年くらい経っている、と言う事です。
 ケミコンは使用時の経年劣化よりも、常温保管時の劣化の方が早く進む(松下のある産業用ケミコンで4年とありました)ことは間違いなさそうです。つまりは使うなら早めに使わないと寿命の問題に直面する可能性があるという事です。
 
 標準品の有極性BGなら代替品もたくさんあるし特にこだわらないのですが、NあるいはNXというのは他のメーカーにはないようで、それならこの機会にご紹介、という訳です。ま、僕はケミコン必要悪説に立っていますが、これはまさに必要だろう、と言うことです。

 ちなみにメーカーHPにあるように当然日本でも買えるのですが、どこぞで買い占めた、というような話も聞きます。ドルが安くてセールをしていた事もあり、僕はこちらで購入しました。


('09.1.3)今日はマルチのデータを米サイトからダウンロードしたが、非圧縮24/96PCM/5.1のファイルだったためかなり時間がかかった。でもファイル変換しないで済むのはとても清々しくて良い。
 e-Onkyoさんは「著作権保護技術(DRM)が組み込まれているため、ダウンロードを行ったパソコン以外での再生はできません。ダウンロード楽曲はダウンロードされたパソコンでのみでお楽しみください。」ですか。MSのSilverLightですかね。じゃあHDDに入れてダチんところに持って行って「どーだ、これが新しい時代の音だべ。」ってのをできないじゃん。こりゃー、やっぱ意欲削がれるなあ、ということでやんぴしました。

ダウンロードの合間にむくむくとクラフト意欲が湧き、一番シンプルなSACDプレーヤー SA12 S1 のハイパー・ドーピング、といいますか電源コンデンサを交換しました。といってもすぐに元に戻せるのですが。今夜通電してから明日音を聞いてみて写真など載せましょう。いろいろ考えて、必要な場合、ある程度のことは具体的に載せていこうかなと。どこまでという判断が難しいのですが、まあいろいろとやってみようかなと。

いろいろと防護策を張り巡らしているのに、オカンがオーディオシステムの近くに来るようになって危ない危ない。こりゃ工事が必要だな~と考え始めています。親を恨みたくないからね。


('09.1.2)しばらくブログの更新が途絶えていた東京方面の方から、新年のご挨拶かたがたPCオーディオに引き続き関心を持っておられるとのメールをいただいたのは大変嬉しいことでした。
 そう、CDプレーヤーではHi Resは聞けないわけで、つまり今はCDというメディアの興亡期にさしかかっているわけですから、新しいメディアとさらに映像などのメディアの受け皿としてのPCの役割は重要なものになって来るのは間違いないことだと思います。

1月11日予定の「リニア電源製作講習会」のテキストができあがったので、参加者にメール配布しました。
 電源はノンリニアなものだそうで、コンピュータでもきっちりとシミュレーションン出来ないのだそうです。そりゃトランス一つとってもそうですよね。

 文系の方から内容的に「ちょっとハードル高すぎかも。」との感想あり、確かに少し欲張ってます。(^_^;)
 それはレギュレーターなどの回路ばかり注目される一方、平滑回路は電圧波形くらいしか紹介されないことが多いので、その辺のイメージを整理したい、という考えからです。整流回路のコンデンサ充電電流(→導通角)や出力電流の流れ方は電圧とは全く違う対時間特性を持ち、電源の奥深さを物語っています。ACから脈流をコンデンサで整流して、あとはレギュレーターで電圧調整すればよい、などというのはまことに浅い理解でしかないことを、イメージだけで良いですから把握していただきたいわけです。
 あるいは最近のデバイスやチップの高機能化・高速化、そして低電圧・大電流化に伴い、集中電源ではなく分散電源で負荷直近にレギュレーターを配するPOL(Point of Load)が定着しているのも、従来の電源のイメージを大きく変えるものです。


 いずれにせよ、負荷がどういう要求をしているのか、それに対して何に重点を措いて電源を用意するのか、まあ、その勉強も必要ですが、一方でともかくまずは「基本線」を把握し、作ってみる。 パーツも変えて音も聞く。それらの繰り返しでしょうね。

年末年始にかけて聞いたCDの中ではニコラウ・デ・フィゲイレドのチェンバロがやはり印象的でした。今回はアルケミスタのもう1枚の「スカルラッティ/チェンバロ曲集」。

 彼の演奏で一番の特徴は装飾音も含めて全ての音が音楽として活きている事だと思います。つまりピアノではペダルで音を延ばしてレガートを弾けますが、チェンバロの場合鳥の羽(の軸)で鉄線をつま弾くという構造上、装飾音を使ってつなげていく必要があるわけです。
 このことはピアノでチェンバロ曲を弾く人達の演奏を聴くとよく分かります。(この分野ではアンヌ・ケフェレックとかツイモン・バルトのような凄い人達がいるのですが、その話は改めて。)
 ペダルを殆ど使わずにピアノで弾く場合特にあらわになるのですが、様式観的にリズムが意識されると基音がどうしても強調されたりする傾向があります。


 ブラジル的というのかスコット・ロスの影響かよく分かりませんが、このブラジル出身のチェンバリストの場合は全体としてエモーショナルな緩急自在な表現力で、あるいはささやくような柔らかな響きでどんどん歌っていくので、ぎくしゃくとなりがちな要素が全然無いのですね。いや、実際聞いていると、おおそうだったのかあー、と笑ってしまうほか無い場面、そして「ふうむ」と考えてしまう場面に出会います。
 宮沢明子さんの演奏で覚えたK.380(Lつまりロンゴでは何番でしたっけ?)なんかも入ってます。ホロヴィッツとも全く違う名演の一つかと。あ、こっちは在庫僅少だそうでまさかのお問い合わせはワオン・レコードへ。


('09.1.1)あけましておめでとうございます。

変化と出会いの年であった昨年に引き続き、今年もいろいろ事の多い年になるでしょうが、初心を忘れずやっていきたいと思います。

 初心というのは、僕は「音楽第一」の人間であって、そのためにオーディオを一生懸命やってるという事です。

 先日さる忘年会でデンマークの人達と出会いました。ヨーロッパの人達と話をしていると、比較的小さな街あるいは近い距離でコンサートや教会、ライブハウス(北欧ジャズ!)などという形で音楽が非常に身近にあり、オーディオを一生懸命やらなくてもいい面があるようです。
 でも既にこの世にいない人達の音楽に、あるいは生涯訪れる機会もわずかしかない地の音楽に「も」恋いこがれている僕らは、とりあえず、いやひょっとしてオーディオを通じてしか持てない音楽経験を必須のものとしているのです。

 だから手探りで未知の海にも漕ぎ出しましょう。So we are all pirates!

 
(訳注)デンマークとはデーン人の国(マルク)、つまりヴァイキング達が作った国のことです。皆がハムレットというわけでも無いようで、彼らは自分たちがヴァイキングの子孫であることに誇りを持っていました。




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