クロックはアナログ信号です。
ジッターは
アナログ量です。

妄言多謝


2011

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「ON爺の独り言」2010こちらです。(読者のご協力で復元できましたが、一部文字化けが残っています。)
「ON爺の独り言」2009 こちらです。


「音楽再生専用機のためのUbuntu Studio 10.04LTS (Lucid)カスタマイズ法」




「ON爺の独り言」2012に移行します。



2011年12月31日  耳をすませて、鼻をくんくん。
●2011年も今日で終わります。世界的にも日本的にも多難な年でした。個人的には、まあ大体多難でした。
 来年はさらに多難な年になるでしょう。度重なる不況&バブルの繰り返しでマネーは溢れかえり、尻尾である金融が本体の実体経済を振り回すジェットコースター経済の中、第2次リーマンショックの震源地になってもおかしくない欧州、欧州とのデカップリング論を唱えながら実際は首まで浸かっているアメリカ、次期首席は?だし綱渡りが保つかどうなるか中国、パラダイムシフト時のビジョンの無さ、組織の硬直性や人材難があからさまな日本。

●オーディオに関しても前向きな話題はDSD再生くらいでしょう。ただこの秋にウイーンに行った経験からすると、音楽が滅ぶことは無いと確信していますし、それを聴きたいという欲求とそのかたちそのものが日本的問題なのかも知れません。
 個人的には、期せずして今年の僕のサプライズを独占したLinux/Ubuntuベースのプレーヤー/トランスポート ワイスのMAN202がようやく来年には登場しそうで、それに大きな期待をかけています。半年毎に変化・音的な進歩を遂げているUbuntuや、サンダーボルトという高速インターフェースを得て飛躍が期待されるMacにも、それなりに関わり続けるとは思いますが、そろそろ落ち着いて音楽を聴ける世界に戻りたい。
 プロフェッショナルが腕によりをかけてまとめ挙げた環境は、リファレンスとしても大きな意味を持つと思っています。

今年のオーディオ的サプライズ
1.ワイス ATT202
 これは単なるアッテネーターでもパッシブプリでもない。比較するものも並ぶものもない。この超高解像度・情報量を聴くと、いままで何を聴いてきたのか、アッテネーションの過程でどれだけ多くの情報量が失われてきたかを、まざまざと思い知らせてくれる装置だ。
 LPやSACDのニュアンスが著しく改善され、当然コンピュータオーディオの様々な音の違いを如実に伝えてくれる。全てのソースに効果があるというのがこれまた嬉しい。
 今年前半のビッグサプライズだ。

2.ワイス MEDEA+ OP1-BP(Firewire DAC) / JASON+(CD Transport)
 この2台でSTリンク(光)して構成するCDプレイバックシステムには、地獄の門も勝つことは出来ないだろう。精緻にして剛胆な底力、稠密にして広大な海のような音場、CD Transport特有のまとまりのある音。
 そしてMEDEA+ OP1-BPをFirewireでコンピュータ駆動したときには、文字通りに部屋が音の海になる。JASON+とも違ってやや分析的で美しく、麻薬的と言っても良いほどの深さの音楽的表現力には心底打ちのめされた。持って行かれる、としか言いようのない経験だった。お金もないし、あと5年後ならともかく今これに溺れるわけにはいかない、と心を鬼にして送り返したが、5年後生きていればまあその時に一応考えることにしよう、一応だけですけど。


3.ウイーン楽友協会(Wiener Musikverein)大ホールでのオーケストラサウンド
 オーディオそのものではないが、大きな驚きと喜びと影響がもたらされた。つまりは、この大ホール(Großer Saal)のオーケストラの音が僕の中で一つのリファレンスとなった。豊で良く溶け合い、それでいて透明感や音の分離を失わない奇跡的と言っても良い音だと思う。
 いずれどこかできっちりと書きますが、オーディオや音を仕事としたり、情熱を傾ける方は無理をしてでも聞いておかれる値打ちがあると思う。


●結局僕はATT202を選択し、同時にセレクター、プリアンプを製作し、アナ/デジ全ての機器の電源部中心に調整して、スルーレートを確保しながら整えた。つまりは従来的表現で言うところのアナログ領域を、ひとつひとつ全て聴きながらチューニングしたわけです。音を造り回したハイエンドとか何とかどうでも良くて、結局自分で一つ一つやる他は無かったわけです。事件は会議室ではなく、現場=実装回路上で起こっているんだから、臨床が急務なんですよ。

●来年こそ音を、音楽を聴く1年にしよう。
 来年はどうなるか。こればかりは聞かないと分からない。耳をすませて、鼻をくんくん

 それでは皆様、どうぞ良いお年をお迎えくださいませ。


p.s.今日大晦日はビルボードライブ大阪のカウントダウンライブに行きます。出演はブラザー・トムをはじめとするヴォーカル・ユニット「Real Blood」 。今夜の大阪は冷えそうですが、暖かくして音楽を楽しんできます。


2011年12月30日  理屈だけでなく音を!何よりも良い音楽を!
●我が家オーーディオの改良計画は順調に進捗しております。
 まずはプリアンプの入力抵抗10KオームをVishayの VAR-Series "naked" Z201 Z-FOIL RESISTORに変更。このヴィシェイのスケルトン抵抗については既に沢山の人が書かれていますが、満を持してこちちらも変更した次第です。
 やっぱり凄いです。一聴、厚みと音数の多さに驚かされます。そして表現がより濃厚になり、ピアノの左手など弦の震えやペダリングも見事なものです。思わず他に使えるところはなかったかな?と考えている自分に笑ってしまいます。

●Oneiric 11.10 ウブスタ君は、CDが自動でマウントされないとかまだこなれが悪いものの、Xfceデスクトップ環境にログインして聞く音はGnome(no effect)よりもずっと生彩感がある良い音です。Xfceに完全移行するという次の12.04はLTS/長期サポート版なので、おそらくは次で安定した環境が実現するかと。これからが楽しみです。

●そしてMacのサンダーボルト。今回はExpressCard34用アダプタでそこにSonnettのFirewire/USB Cardを挿入してオルフェウス君にFirewire接続してMuse Labs ToolsのBlack Playerで聴きました。いやあこれは素晴らしい。スケールの大きさと厚み感、そしてどんと来るエネルギー感に驚きます。HDDなど音源側を本体に挿したExpressCard34に入力してやるとさらに効果大です。ちょっとばかり悍馬という感じで、飼い慣らすには手管が必要になる気もしますが、それはこれからゆっくりと。
 
なお、同じMBP上のWindowsやUbuntu Studioではサンダーボルトはサポートされておりません。

 はっきり言って従来とは別物というくらいの別世界への扉が開いた感じです。ウブスタ君もちょっと負けてるかも、トータルとしての安定性はあるとしてもどんと来る感じでは負けてます。
 今後についてはいろいろと議論もありますが、音楽再生面でのMac with サンダーボルトは様々なインターフェースに対する拡張性とその性能という点で、一頭地を抜いた感があります。手元のMacBook Airでもそのうち鳴らしてみようかと思います。

p,s,音楽再生用にはLionは当分採用する予定なしで、当分雪豹君でまいります。

●早くてもeSATAのようにどうも音質は?というのもありますから、サンダーボルトは10GBpsが良いのだと理屈をこねるつもりは全くなくて、ただ眼前に展開する音の世界を認識して驚くだけですが、こういうのは例えブラインドで聞いてもすぐに分かるくらいのものです。

●今年はいろいろと厳しい年でしたが、コンピュータオーディオを「オーディオ」の側に、つまり「実際に音を聞く」側に少しだけ揺り戻せたかな、と思います。
 既にコンピュータや周辺機器用電源はいくつものメーカーから発売され、それらを使って音を聞いた方々のレポートもブログやサイトに続々と登場しています。これからもデジタルノイズに惑わされることなく、しかし理屈も大事ですからしっかり勉強しながら、勇気を持って踏み込んでください。そういう体験の蓄積こそがやがて共有さるべき経験知に連なる可能性(あくまで可能性です)を持つのです。
 理屈だけでなく音を!何よりも良い音楽を!


2011年12月26日  インタラクティブ
juubeeさんの掲示板で早速反応をいただきました。掲示板でご提案いただいた件、拝見いたしました。今後反映させてまいりたいと思います。ただ、こういうお話はメーカーさんなどに取材しなければ実際には確認が難しく、またメーカーさんでは「音質など考えたことも有りません。」と言うような状況で、たまたまその方がオーディオファイルであればともかく、まず大半は踏み込んでいただけないので、「理屈」と「音質」が果たしてうまく出会えるかどうか非常に難しいのです。またサムソンのHDD事業もシーゲートに買収され、HDDは完全に2大メーカー態勢に移行しつつあり、アメリカに取材に出向くわけにもまいりませんしその点も難しい面があります。まあ、コンピュータ業界的にはオーディオ再生なんてとっくに終わった問題ですし、なかなか私ども絶滅懸念種の声はか細く届かないようです。

●すみません私自身いろいろとややこしい状況にある中で、直接書き込みますとかえってご迷惑をお掛けする可能性がありますのと、juubeeさんがご指摘下さったようにできれば広くお伝えしておいた方が良いと考えて、自分のサイトに書きました。お許し下さい。
 ネットワークの世界はインタラクティブになってきましたので、私自身も思わぬ所からメールをいいただいたり,勉強させていただく機会がございます。この点は私自身も一ユーザーであり、所詮は素人ですので、前広にご意見をいただける場合は謙虚に勉強させていただく積もりです。どうぞ皆様、よろしくお願いいたします。


2011年12月24日  2.5インチのHDDが音がよいとは書いておりません。
●沖縄から昨晩帰ってきました。
 お宅を訪問したり飲み会に出たりと、友人達のおかげで楽しい毎日に感謝、
 暖かくて飯も旨かったし、ぬくぬくとした日々でした、

●まあ原稿の企画も動き出していますが、まずは己の足元から色々やって遊びます。
 10MHzアトミッククロック(Stanford SC-10)の電源改修とデータ録り、プリアンプの一部部品交換、ノーチラスがらみの予備作業、等々です。どれも情報量や音質、ノイズの低減に寄与してくれるでしょう。Macのサンダーボルト用ExpressCardアダプタももう届いていますので、これでも遊びたいと思います。
 ハードディスクもケースなども沢山揃っているのですが、とてもじゃないが年末にそんなことやってられません。

●と、沖縄でjuubeeさんの掲示板を「何時もながらに闊達な議論を展開しておられるなあ。」と拝見していると、[381]で「確か、PCオーディオfan No.5で御田さんは2.5インチのHDDが音がよいとおっしゃっていたと思うのですが、」と言及がありました。ご愛読ありがとうございます。

 しかしながらご指摘には少しく誤解があります。「ストレージ研究」の主旨は『「これが最高!」というのを安い値段でお示しできたら我々も嬉しいが、現実にはそううまくはいきません。なので、用途や必要とするスペック・性能、許容できるコストやスペースなどを事前に検討して、具体案をまとめ、セットアップして音源を収録し音を聞く、という作業経過を具体的に記して読者のご参考になれば、というのが本稿の趣旨なので、そういう柔軟な観点でお読みいただくと有り難いです。』ということです。「とりあえず価格も安めだしコンパクトで取っつきやすい2.5で具体論をちょこっと始めてみましょうかね。」という事で、「音が良いから2.5」ということではありません

 とても充実した掲示板で、今後の発展も大いに期待致しておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

実際にNo.4の日立GSTさんの取材記事をご覧いただくと分かるように、シークタイムは省エネ的制御がなくアクチュエータをぶん回す電力をフルに使える3.5の方が早いのです。
 では早ければ音がいいかというかと、そんな単純なものではないことは、No.5の記事では「最後の読者からの質問」にも書いておりますし、既にこのサイトでも少し触れております。3.5でもだめな音のもありますし、2.5でも音がいいものもあります。あるいはHiResの場合はサンプリングレートや音源データのサイズなども音質評価に影響するでしょう。

 No.5では「音質についての詳しいメカニズムは未解明」としたうえで「
音質に影響を与えると思われる要素」として以下を列挙しています。ある要素だけを取り上げて論議するのは虚しく、総合的な視点が必要だということはすぐにお分かりいただけるでしょう。
(1)HDそのもののアクセス速度
(2)HDDコントローラ自体のパフォーマンス
(3)データ伝送用インターフェースのパフォーマンス(外付けの場合。USBやFirewire、eSATAなど。)
(4)LANコントローラのパフォーマンス(NASの場合)
(5)ファイルシステムの影響
(6)電源の影響
(7)振動・電磁波などの影響


 スパッと言い切れるようなものには絶対になり得ませんが、いずれNo.6あたりでこの間のジタバタもレポートも出来るかと。光学ドライブ同様HDDもなかなか難しいもののようで、juubeeさんのご苦労の一端が分かります。トホホ。

●ついでながらフラッシュメモリーでは最大の問題はやはりファイルシステムだと思っています。OSの言うことを聞いた振りしてそのとおりにせず、「と日記に書いておこう」では、いつまでたってもOSと仲良くなれません。ところがファイルシステムというのは非常に難しくて、これをちゃんと書ける人は世界でも1,000人いるかいないかなのだそうです。頑張れSandisk!


2011年12月19日  ちょっとばかりご報告を
●音楽を聴く以外にはパソコンも全く開かず機嫌良く休暇中ですが、誤解があってもいけないので、MacBook Proについてのご報告を載せておきます。

(1)まずMacBook Pro 8.3については、「バッテリーを外す」というのが僕の基本です。
 そのためには底板を精密級ドライバーで外して、リチウム・ポリマー電池から右側に出ている基板とのコネクタを外さなければなりません。これが実現してはじめて音質的に追求するに足るものになると、僕は判断しています。
 まあ、パソコンと音質の関係については「ソフトとハードと聴感の関係」の具体的メカニズムはほぼ未解明ですから、理由はあくまで推測ですが、ノートパソコンのメーカーはバッテリーを少しでも長い時間保たせることに血道を上げてスペック追求しており、そのためバッテリー付きの状態だとCPUなどの動きを落として省電力するための仕組みが沢山設けられておりますので、まずはこれが大きな要因と思われます。いわばランナーが全力疾走しようとしているのに、「まあ、あんさんゆっくり行きなはれ。」と袖を引くようなものでしょう。
 それとバッテリー単体がオーディオ用電源としてどの程度向いているか分からず、一方バッテリー付きだとおそらくはノンリニアな特性のバッテリーが回路にパラに付加されている、という状況も充分あり得ます。

 無限に低いノイズと出力インピーダンス特性、無限に高い負荷に対する高速応答性、無限に高い電圧安定度、無限に近い電流供給能力など、理想電源は未だに実現されておりません。

(2)8コアのCPU周波数設定
 MacBook Pro 8.3はクアッド・コアでハイパースレッディングしているためUbuntuからは8コアと見なされます。で、もともとUbuntuは省電力志向なので、付加が低ければバッテリーを外してもCPU周波数をできるだけ下げようとします。改めて書きますが、筆者はindicator-cpufreq、cpufreqdも3つのソフトをインストールして8コアの周波数を最高に設定しました。またはindicator-cpufreqは画面のあるGUIソフトですが、この状態だと外見からは現状が分からないので、cpufreq-utilsをインストールし、
$ cpufreq-info
を実行して端末で8コアの状態を把握しています。
 まあ最高の周波数が音質的にどうかはさておいて、やはり音楽再生用には一定の状態をキープしたいので、こういう設定にしています。このあたりも、ご一考下さい。

(3)MacBook Pro 4.1は充分に音楽再生用途に耐えるものだと思います
 王座を明け渡したと行っても、安定感のある腰の据わった音で良い感じです。しいていえば僕のようにDAWソフトを使う人間は音場の「隅々まで」感じ取りたいので、そう言う点で8.3にはややアドバンテージがありますが、4.1も充分に使用に耐えるものだと思います。またUbuntuはThunderboltをサポートしていませんし、将来サポートされるとしてもその時期は全く分かりません。
 ボーナスシーズンですが、資金計画に無理をして急ぐ、となれば、考える余地はあります。

Ubuntu 11.10のデスクトップ環境について
 ウブ君つまりUbuntu 11.10のデスクトップ環境はあまり評判の良くないUnityですが、僕もiTunesをはじめケバいのは嫌いで、男は黙ってサッポロビール(サッポロ以外も好きです)、アプリは黙って良い音再生、というストイック派ですのでUnityは勘弁して欲しいと思います。
 ウブスタ君つまりUbuntu Studio 11.10のデスクトップ環境は、従来のGnomeよりも軽めのXfceです。よしよし。
 また12.04からXfceに完全移行するそうです。正直使い勝手にはいろいろあると思いますが、僕はこちらの方がずっと良いと思います。なので、ウブ君とウブスタ君は顔立ちが違う従兄弟達、というふうに、ちょっと区別して捉えて下さい。

 んで、今回のウブスタ君はあれやこれやの結果、
Ubuntu2D
Gnome
Gnome(no effect)
Xfceセッション

の4種のログインが可能になり、
XfceGnome(no effect)のどちらかを使っています。

 このあたりは先日発刊のUbuntu Magazine Japan vol.06にお世話になりました。筆者の皆さん、ありがとうございました。またVol.5までの内容は同サイトでPDFにて公開されています。


Ubuntu 11.10とトリプルブートについて
 先述したように4.1と8.3とも、Ubuntu 11.10を新規インストールすると、たまに成功するときもありますが、殆どのケースではMBR(マスター・ブート・レコード)の先頭に極々小さいパーティションが勝手に出来てしまい、Windowsが起動できなくなります。(各種インストして確かめました。ああ、しんど。)
 これは
①起動管理ソフトであるrEFItの問題。
②11.10に何か問題のあるモジュールが含まれている。
③ホストOSであるMac OSのパーティション管理の問題。
のいずれか、または複合的な問題かと思われますが、定かではありません。
 まず11.04で安全にインストールして、その後11.10オルタネートDVDを使ってアップグレードするのが一番良い方法だと、現時点では考えられます。


●明後日から沖縄です。久しぶりに友人達に会えるし、飲み会にはなんと9名出席だそうで、嬉しい限りです。わくわく。
  それでは皆さんも良い年末を。Have a good Holiday!


2011年12月8日  暫時休憩
●明日9日発行のオーディオ・ベーシック1月号には米Antelope AudioZodiac Goldを中心とした製品群の紹介を書いています。詳しくは本文を読んでいただくとして、この夏創業者のIgor Levin氏と大阪でお話できた内容を踏まえたものです。
 その中の一つに「ジッター・コントロール」というコンセプトがありました。ジッターはゼロには出来ないが、しかし良くないジッターを出来るだけ減らすよう努力しなければ行けない、という考え方です。ジッターはアナログ量であり、周波数領域では側波帯のような、つまり雑音歪み率ライクな形状になるが、その良くないジッターには周波数や波形か何か特徴やポイントがあるのかと聞きましたが、「う~ん。」と唸って「非常に説明が難しい。」という事で具体的なお答えにはなりませんでした。いずれにせよ、ダニエル・ワイスをはじめ実践的に音の良い機器や録音を製作するというプロオーディオの世界では、具体的な探求が続いているのだという事が良く分かりました。
 ちなみにレヴィン氏はWindows派でVAIOがお気に入りとのことで、やはりこの世界も多様です。多様性は発展の母なのだと改めて思いました。

●ある方が「結局デジタルオーディオの音質については、最終的にはノイズが問題になる。」と言っておられましたが、けだし名言・慧眼だと思います。
 思い出すのは現在整流ダイオードの中では音質的にショットキーバリアダイオードが採用されますが、その前にはファースト・リカバリーダイオードが主流だった時期もあると言うことです。ダイオードといえどもスイッチング時に微量ながらスパイクノイズを出すわけで、シリコンダイオードよりも高速にあるいは緩やかな波形で立ち上がるファースト・リカバリー(あるいはソフトリカバリー)だとそのスパイクノイズの量が減少し、ショットキーだと殆どそれが出ない、という事が測定結果にも示されていたと記憶しています。
 このような具体例があるので、素人考えながらデジタルノイズは量だけでなく波形も大きな問題になると思われます。この点の研究が今後とも必要なのだと考えます。
 そして電源回路やアースなどを通じてそれが残存し伝搬するならば、その点の追求も必要なのでしょう。この辺りは電源を製作するメーカーなどにお話を伺わねばと考えています。

●続いてUbuntu Magazine Japan vol.06 が10日に発刊されます。記事を書いておられる方とも少しお話をしましたが、やはり大変なのだそうです。でも若いから、まだ無理が利くのでしょうね。

●さてこれで書くべきことは一応書き、一区切りつきました。大変に疲れました。この間各サイトやブログもほとんど拝見しておりません。残りの人生に向けていろいろと立て直す必要があり、とりわけ体と心を休めたいので、当分の間、本サイトの更新をお休みします。


2011年12月7日  MacBook Pro 8.3の17インチ
●激務で超多忙のおっしょさん(お師匠さん)からメールを戴く。師匠宅も光学ドライブはSCSIで、すこぶる音は芳しとのこと。まったく、技術の進歩って何なんでしょうね?

Ubuntu Studio 11.10《Ubuntu11.10 / 64-bit Mac (AMD64) desktop CD からUbuntu Studioにアップグレードしたもの》は順調に動いており、音質はこれまでで一番良いと思います。始めたときの9.04から、ぎったんばったん有りましたが、2年半でこれだけ進むのも考えると凄い。
 実はこの春の最新モデルMacBook Pro 8.3の17インチを入手して、バッテリーを外し、そこにもウブスタ君を仕込んでおります。Corei7(quad core)をはじめとするマシンパワーは流石に大きく、常用機のMBP 4.1を予備機と化して我が家の現用機に納まりました。
 現段階では電源を奢りまくったVoyage MPDもちと顔色なしといった所ですが、はてさて。


 4.1と異なって全ての端子は左側にあり、Firewireケーブルなどの引き回しがこれまでと変わりますが、年末には大幅な拡張計画が実現するので、その時にケーブル長を考えながら配置をフィックスする予定で、この佇まいは仮の姿です。

●実は上記の「大幅な拡張計画」については、9日発売予定のオーディオ・ベーシック2012年1月号の新連載ページにも詳細を書いておりますので、是非ご覧ください。






 その一つはThunderbolt端子の活用です。我が家的には、①元から付いているネイティブのFirewire800と②ExpressCardで挿しているFirewire400+USB2.0に加えて、③Thunderboltからのアダプタで更に高速なもう1系統のExpressCardを増設できるので、オルフェウス君とワイス君にはここから接続する予定です。

 僕も秋葉館で予約をしており、年末には入手できそうなので、非常に楽しみです。

●いろいろ書いていますが、当然のことながら僕は問題提起しているわけで、何でも分かっているわけでは全然ありません。誤解無きようお願いします。
 オーディオ全体に理論的・実証的には未解明な部分が圧倒的に多いわけです。確かにモデル構築・測定・実験などのレベルまで踏み込めないものが多くても、その点の洞察なしに良い製品を作ることが出来るものでしょうか?
 例えば最終的にはメモリに上げて再生していくからこれでジッターも何もないし万々歳、というのはデータストリームしか見ていないからでしょう。コンピュータも実装回路として動作しているのですからね。あるいはFIFOメモリに一旦蓄えてジッターをクリーニングするとしても、それだけで良いのでしょうか?
 果たして余ったジッターは何処に行くのですか?空気中に消えて無くなるのですか?

 ソフトウェア技術者、ハードウェア技術者の各々方(おのおのがた)、皆さんの出番ですよ。

●ところで「グラウンドノイズ」って知ってますか?コンピュータや周辺機器もアースは総じてツーツーにつながっているわけで、電源側の容量結合と合わせて機器間漏洩電流も発生しているようです。つまりスパイク状の高周波デジタルノイズなんかも機嫌良く流れていくようですね。ノイズフィルターやアース、あるいは機器のアイソレーションが総合的に必要です。
 アースって何かご存じですか?物理的なアースは0Vでもないし、ただの回路図上の太線じゃあないんですよ。電圧は電位差だから絶対値ではないんですよ。

 って、こういうのがアナログ回路の知識の、僕程度でも分かる基礎の基礎です。20年ほど前には錚錚たる方々がおられたものですが、「アタマの中の『こうなるはずだ』デジタル」に振り回されて、すっかりオーディオ方面でも情報が減りました。しかしIT関係企業の方は実際に動く製品を作らなければならないので、アナデジ両方が分かる技術者を一番求めているんだそうです。
 アナデジ、ソフトハードこれら4方面の目配りが必要なのだそうです。


2011年12月4日  ハードディスクでこれだけ音が違うと..............
●ウイーンの友人はPC オーディオfan No.4の「ストレージ研究」を読むまでは、HDDによる音の変化なんて考えたこともなかったが聞いてみると確かに違う、とメールを下さった。実際にあれこれHDDをケースに入れたり、電源を切り替えたりして聞いていくと、音の違いに驚く。
 過去数年の市販HDD各機種総当たり特集なんて事をいう人もいるかもしれないが、しかし、諸条件の順列組み合わせだけでも物理的に不可能だし、技術進歩が早い分野なので、ある時期の常識はあっという間に陳腐化するという事も知っておいていただきたい。
 例えば回転数が早いほうが良い、と思い込んでおられる方は多いと思うが、記録する磁性体配置はある時期に水平から垂直に、つまりより高速な垂直磁化記録方式に変わっており、この場合は実効的な速度そのものが変化している。

●で、総当たりなどやる資力も時間もエネルギーもないので、詳しい友人達や録音のプロにいろいろ聞き始めている。
 プロやベテランが口を揃えるのは、HDDも光学ドライブもSCSI(スカジー)=Small Computer System Interface 接続が最高だと言うことだ。
 以前は小型の外付けハードディスク・CD-ROM・MO・イメージスキャナなどにSCSI接続も用いられていた。手軽でないことや高価さゆえにだんだん廃れていってコンシュマー機ではもう使われていないが、現在ではワークステーションや小規模サーバの一部に、高信頼型HDDやディスクアレイ、テープバックアップ装置などの接続目的に使われているそうだ。

 実際古いSCSIドライブを大事に使っているプロは結構いるそうな。

●実は僕自身は現在主流のSATA(シリアルATA)よりもIDEあるいはPATA(パラレルATA)の方が落ち着いた音で何となく好きだ。IDE/PATAはamazonなどでもまだ数機種程度入手できるがとてもメジャーとは言えず、おまけにケースというかインターフェースも少ないので、広くお薦めというわけにもいかないのだが。先日のAuralityネットワーク・トランスポートでも、SATAのノイズ対策が紹介されている。いずれにせよ現段階では理屈だけでは整理できないので、結論はあまり軽々に出すべきでもないだろう。

●また、ショップ筋や録音のプロも言っているのだが、IDEでもSATAでもメーカーや機種による音の違いはかなり、というか僕個人の経験でも相当にある。加えて先日書いたようにexFATでのフォーマットをお試しいただければ、ディスクのファイルシステムでも大きな違いがある事がお分かりいただけるだろう。
 ということで、理屈で「これ!」と白黒のように決め打ちするわけにはいかないわけだ。とはいえ、できれば一般的な傾向ぐらいはまとめておきたいと思う。できれば。

●もうお気づきかと思うが、これはリッピングされている方には、相当な問題になるだろう。「どのストレージを使えば良いんだ!?」という声が聞こえてきそうだ。ダウンロードなどHiResデータの音質評価でも、これは大きく結果を左右するだろう。CDのようにアーティストやプロデューサーがOKを出したブツ自体が無いわけなので、音楽評論する人達はどのようなストレージに入れて聞いたか、明記するべき時期が来るだろう。
 別項で報告するが、番組配信の著作権問題は国際著作権機構によって来年の夏、欧米の妥協が条約化される方向なので、音楽配信も国際的に本格化していく可能性が高い。

 また国際的な著作権保障に伴ってちゃんと対価を払うようになれば、もうHiResだから何でも良い、という浮かれた話はそろそろ止めて、「データのソース(出所)」と、「どのようにデジタイズしたか(例:マスターテープから1対1、ステレオ音源ではなく元のマルチ音源から再度ミキシングetc)」もちゃんと表示を求めるべきだし、サプライヤーも提示すべきだと思う。
 
●そしてこれはCD再生かリッピングか、という問題に波及するかも知れない。そもそもリッピングは音質改善目的で行うものでは全然なく、利便性から始まっているのに、CDの読み取りが.....などというデマもあって、話がややこしくなっている。
 この場合は、もう現在は音質の良いCDドライブが市販されていないこと、電源によって最終的なHDDや光学ドライブのパフォーマンスは大きく変わるのでその点も考慮に入れなければならないこと、などさらに条件が錯綜するので、論議自体が難しい。理屈で結論を出せ、結果だけ言え、などという不毛な方式論議はもう願い下げにしていただきたい。
 結果だけよこせ、というのは、とても大人の言とは言えないと僕は思います。ケース分けもちゃんとした、冷静な議論が必要です。

●電源で音が変わるはずがない、という人は、「ノイズ」のことなど理解しておらず、ましてや「電子回路」そのものを知らないのが丸わかりの今日この頃です。「はずがない」というのは、何も実験や検証しなくても、思い込みだけでとりあえず言い切ったように出来るので、素敵に便利な言葉ですね。作文例:「音として違いが分かるものが、オカルトであるはずがない。」「違いが聞こえないとしたら、その耳と環境自体がオカルトであるはずだ。」僕もこれから使いまくろうかな。嘘嘘。

●USB などのローカル接続のHDDと、LinuxのOSを内蔵してLAN接続で別の部屋から、あるいは外部からネット経由でデータが取り出せるNASとは、そもそもの目的や仕組みが違うわけで、それぞれに得失があり、単純に比較すべきものではないと思います。
 逆に言うと、ネット経由の使用目的がなければ、NASを使うメリットは薄まると言えるでしょう。またNASを使う場合でも出来るだけ近接配置、あるいは直結が音質面からは好ましいと言えます。是有経験的裏打。

●とまだまだ延々と続くので、これ自体を整理していかねば。やれやれ、正直言ってうんざりします。どこかで切り上げないと、本当に切りがない。でも今日なかなか素敵な2.5インチSATAを聞いたので、これを少し追いかけようかと。
 ちなみにここでは音源ストレージしか考えておりません。システムのストレージだと、メモリとの関係をはじめ考慮しなければならないファクターが多すぎて、もっと複雑な論議になります。
 
 しかしまあ大変ですが、行きつ戻りつ果てしのない理屈、いや仮説と推測のごった煮よりは、よほど明確に違いが具体的に「音」として聴こえるので、オーディオしていて良いかも、と思います。
 できればネット上でも冷静に音の面も含めて整理して下さればいいのですが。


2011年11月29日  嫌いなのは嫌いですけどね。
●心配された何人かの方々から、メールや電話を戴きました。
 いやあ、お心遣いありがとうございます。ブーたれながらも、ネット上の定点観測ポイントの数を大幅に減らすなど、全体にペースダウンしながら自分の環境や身体の整備をしみじみとやっております。

最新のffadoドライバーで、Ubuntub Studio 11.04(Natty)がワイスDAC2を鳴らせるようになりました。といっても24bit/96KHzまでですが、なかなか良い感じでDAC2の新しい魅力が見えてきました。
 
●実はUbuntub Studio 11.10(Oneiric)でインストールを始めたのですが、/dev/sda3に設定しているにもかかわらず、何度方法を変えてやってみてもMacBook Pro4.1上に新しいEFIパーティションを勝手に作ってしまうので、Windowsが起動できなくなってトリプルブートが壊れます。これはおそらくUbuntub Studio 11.10のバグだと思われます。

●そこで11.04 Nattyインストール直後に11.10にアップグレードをかけたのですが、やたらでかいアイコンのUnityデスクトップは幼稚園に閉じ込められたようで、やってられません。
 そこでUbuntu 11.10のオルタネート版「64-bit Mac (AMD64) desktop CD」を焼いてあったので、これをインストールしてから、Ubuntu Studioにアップグレード

$ sudo apt-get install ubuntustudio-desktop;

 audioとかはインストールせず、desktopのみです。
 これがUnityとはいえデスクトップ環境は従来通りのGnomeで、一番使いやすく感じた次第です。
 で、これでArdour→jackd→ffadoでワイスDAC2を駆動すると、外部ワードクロックでもこのウブスタ君の画面からきっちり変更でき、これは有り難い。

 実はMocchiさんにも協力を仰いで、実機でUbuntu Studio 11.10 ディストリビューションで24/192まで動くが、マシンパワーは必要との結果を教えていただいた。
 我が家のMBP4.1でも、結局24/192ではDbusが対応しないのでjackが起動できません、という事だったので、もう少し環境が進めば対応出来るだろう。
 DAC2の1394チップはDICEⅡなので、ffadoドライバーは最新のDICE Jrにも対応していくだろうし、これでRMEに対応すれば、Linuxがカバーするシェアはかなり高くなるだろう。夜明けは近い。


●あ、そうだ。「Ubuntu Magazine Japan」vol.6」が12月9日刊行されるそうで、これは楽しみだ。みなさん予約をポチっておきませう


2011年11月24日  やーめた
●今年はいつまでも寒くならず秋のままで、喘息が続いて結構辛かった。寒くなったらなったで、血行不良がひどくなり、まとめて眠れなくなってしまう。QLクオリティ・オブ・ライフという言葉があって、要は生きているだけでなくその生活の質が大切だということ。その意味では、僕のQLはどんどん低下しており、もうアホみたいなことはやってられなくなる。もうアホな無理はしない。アホらしくてそんな事できない。自分の頭で考えてちょうよ。

●分かってる人からのメールは楽しい。と思えば、ちゃんと応えたのに、なしのつぶて、という御仁もおられる。また半年がかりの返事なしもあって、みんなどげんなっとるね?

●明日が誕生日で僕は61歳になる。分からん人には分からんだろうが、去年の還暦はネットワークストーキングまがいの目にあって、とにかく最低だった。考えたらあれから1年もよくこんな世界に居続けるよね。我ながらアホだと思う。

●とにかく当分休みます。あ、気は使わないで放置しておいて下さい。独居老人の引きこもりですから。


2011年11月18日   ハードディスクが溢れかえる今日この頃
●12月発売のオーディオ・ベーシック誌の原稿を出し終わって、ほっと一息です。

●この間ずっと「ストレージ研究」をやっていて、ハードディスクだけでも自費で何十個買い込んだでしょう。HDDもメーカーによって、機種によって、スペックによって、外付けの場合はそのインターフェースによって、電源によって、電源によって、電源によって、電源によって、電源によって、電源によって、電源によって、電源によって、どれだけ音が変わるか、ご存じでしょうか?
 スタジオエンジニアなどは音の良い機種のHDDをごちゃまんとストックしたりしています。一方、コンシュマーのコンピュータオーディオはまだまだよちよち歩きです。

●PCオーディオfan No.5に書いたファイルシステムexFATについてはもう試されましたか?
 一度何千曲かリッピングされた方が、「しょうがないもう一度やるか。」と溜息をつきながら取り組まれること請け合いです。とりあえずUSBメモリなどでお試しあれ。
 まあ、そもそもリッピングは音を良くするためにやるもんじゃありませんからね。それに、いいCDドライブの正規品はもう昨年には市場から消えてしまったし、そもそもがCDに関してはそのデータ形式がバイナリでないことすら理解されておらず、世の中間違った認識が溢れていますのでね。


2011年11月5日  TIASに行ってきました。
2011TIASに行ってきました。

 いろんな人に久しぶりに会い、いろんな話をしました。良い話も、辛い話もありました。
 DSDについては方式乱立を憂えていましたが、案外とまとまっていく可能性も見えてきました。
(ただしUSBオーディオクラス2.0標準ドライバーの関係もあって、有力なのは今のところMac OS上ですが。)

●コンピュータ・オーディオに関しては、選択肢や方法が沢山ありすぎて、ユーザー側の戸惑いが大きく、さらにUSB DAC以外は商品が限られており、特に製品としての「プレーヤー」がごく限られた機種しかなく、USB HDDを音源として使えないなど機能的な不足もあり、マーケットの活気が戻っているわけではなさそうです。
 全体にユーザー目線に立った工夫が求められています。

●いい加減にネットワーク・プレーヤー=DLNAという「短絡」「狭い視野」は願い下げにして欲しいものです。技術的にもユーザーが使いやすく「売れる」機器はどういうものか?という発想がもっともっと必要です。NASにこだわる限り、購買層が一般化するはずがありません。
 ネットワーク・プレーヤーについては、ネットワーク環境やNASなどの設定の簡略化・専用化も含め、オーディオ界での横断的取り組みが必要になるでしょう。


2011年10月31日  DSD音源
●ワオン・レコードのHiRes攻勢のことを書くのを忘れてました、済みません。
 これまでリコーダー集「うつろな瞳」(ヒット!)、日本の名手たちルストホッファーズ「オランダバロックの愉悦」、大阪が世界に誇る鍵盤楽器奏者が奏でる恐ろしく多彩な5オクターブ、上原直毅「ベートーベン 61鍵の時代」などHiResが出ていますが、最近立て続けにリリースされています。

松原葉子(リードオルガン)「甘き喜びのうちに In dulci jubilo」96kHz, 24bit WAVE

  富山鹿島町教会 礼拝奏楽より、これからの季節にぴったりなアドヴェント~クリスマスの優しい音楽。
  リードオルガンってこんなに凄い楽器だったんですね。


上畑正和作品集2「光のしずくThe Drops of Lumiere」96kHz, 24bit WAVE

  上畑正和(リードオルガン) Masakazu Uehata - reed organ
  崎川晶子(チェンバロ) Akiko Sakikawa - harpsichord
  橋本薫明(鳳笙) Yoshiaki Hashimoto - sho no fue
  亀井真知子(ハンドベル) Machiko Kamei - english hand bells
 チェンバロとリードオルガン、通奏低音的に奏でられる雅楽の笙(しょう)、そして時折響くハンドベル。
 この多彩な楽器群から伝わる音は、思いも掛けずとても日本的な叙情です。いつまでも遊びたいのに、友達も帰ってしまって、おうちに帰りたい気持ちもあって、ちょっと泣き出しそうに胸を締め付ける夕暮れ。ちょっとこわいような、でも無性に懐かしい路地のほの暗さ。子供時代の思い出がゆっくりと蘇ってくる。おかえり、今日は良い日だったかい?

寺村朋子(チェンバロ)「お気に召すまま Capriccio」192kHz, 24bit WAVE(96kHz, 24itダウンコンバートデータも同時収録)

 これはカプリッチョのタイトル通り、才気煥発の一枚。チェンバロってこんなに面白い楽器、音楽だったのか?と思うこと請け合い。音も素晴らしく24/192の切れ味炸裂です。




●しかも凄いのはこれらHiResと同時にDSD版もリリースされている事です。フォーマットは標準的な2.8224MHzの DSDIFF 盤。いやあ素晴らしいですよ。受注生産・直販のみ(税込¥5000)なので、関心ある方は是非お問い合わせください。

今日は傅信幸さんもお気に入りで、先日の試聴対談でもリファレンスにした崎川晶子(チェンバロ)「夢見る翼~Dream of NIKE」のテスト版DSDを聞きました。
 我が家ではKORG MR-1000を使ってますが、今日は完全にオーバースペックですが、バッテリーに代えて先日製作した12V4A電源「PowerCube 12」を使って見ました。なんとこれが大化けしました。全帯域にみなぎる非圧縮DSDの力感と空気感、テスト音源で声やノイズも入っているので、生々しさの極致。
 PCオーディオfan No.5付録の2LのDSD音源も、Waveより自然に響きます。
 素敵です。僕はこれで良いです。我が家のDSDは当分これで行きます。




左が12V4Aのずしりと重い電源「PowerCube 12」

上が接続ケーブル。DCプラグは規格がなくてサイズバラバラなので、一体何本作ったかな?

右がKORG MR-1000
ヤフオクで落として良かった。





12V4Aの安定化電源「PowerCube 12」の内部。Plitronのトロイダルトランスは何VAか忘れました。重いっす。
出川式第2世代整流、CPM、Muze KZケミコンの他、フィルムとBlackGate NXで高域応答性をチューニング。











●一昨日(29日)のヘッドフォン祭りでフォステクスの新2ch DAコンバータ + ヘッドホンアンプ「HP-A8」が発表されました。
 2012年1月31日発売予定で¥100,000(税込¥105,000)と本格的なお値段。

・SD(SDHC)カードドライブを内蔵しDSD(DSFフォーマット)の再生に対応
・USB High Speed サンプリング周波数最大32bit/192kHz (Windowsは24bitまで)。
・大容量トロイダル電源トランス搭載。

をはじめ意欲的で素晴らしいのですが、なんでDSFフォーマットだけなんでしょう?SONYがVAIOでDSDディスクなどを作成するのに使っているフォーマットで、それはそれで良いのですが、録音製作での標準DSDIFFも搭載しないとしたら、音源を含めて使えるユーザーが限られませんか?

PCオーディオfan No.5の「DSDファイル再生って何?」でも基礎知識篇を書かせてもらいましたが、もともとファイル形式自体がDSDIFF/DSF/WSDと3種類ある上に、フォステクスも加わって、いま再生方法は多様化というか乱立気味です。早くユーザーが安心して聴けるよう、どうにか収束して欲しいものです。

 溜息と共に詠みける
 「DSD 盛り上がるのは 良けれども 方式乱立 落ち着くはいつ?」


2011年10月29日  いよいよNo.5本日発刊です。
●いよいよNo.5本日発刊です。昨日届いたので読みましたが、正直いろいろと考えさせられました。
 ま、それはそれとして僕的には今回の真打ち記事は、傅信幸さんとの試聴対談 p.104 『特集 デジタルオーディオの最新動向を聞く 「USB DAC+クロックジェネレーターの巻」』です。

●「またクロックかい?」と言うなかれ。このデジタルオーディオのキモ中のキモについて、その意味をちゃんと説明した記事や業界プロパティがこれまでありましたか?

 No.4のアマゾンでの書評(ありがとうございます。)で「私がPCオーディオに期待するのは音や利便性だけではなく、オーディオにおいてしばしばオカルトと揶揄される旧態依然としたモヤモヤとした部分を明らかにしたり無効化したりすることである。」というご指摘を戴いてます。まあ、過去のデジタルオーディオのツケまで払えというのは殺生な所もありますが、今回は傅さんがぐいと踏み込んでくださったので、シンプルながらこちらも気合いを入れてお答えしました。
 傅さん、率直なお話をどうもありがとうございました。

●以下は主旨です。
1.クロックはアナログ信号である
 水晶という自然の産物をカットして加工しているので、どれ一つとして完全に同じものはなく=発信周波数は微妙に違い、しかも回路はアナログであり、クロック信号もアナログ信号で揺らぎを持つ。

2.アナログ回路の上でデジタル情報を処理している
 デジタルとは離散量であり、本来は離散した2値の信号で処理すべき所、そのような回路を作れないので、アナログ回路の上で、異なる電圧値(=電位差)を2値比較して、デジタル情報を処理している。当然アナログ回路上なので、電源変動や外部・内部ノイズなどいろいろと影響をうける要素がある。

 この件について香港のKentがうまい言い方をしておりました。「Everytime data is the same, but timing is not.」=「どの時点でもデータは同じだ。しかしそれが処理されるタイミングは異なっている。」
 僕もデータが変わるとか一切言ったり、書いたりしていませんからね。作り言をしないようにお願いいたしますね。

3.クロックのそれ自体の揺らぎも、外部変動の影響も含めて、ジッターはアナログ量である。その周波数領域の姿は雑音歪み率と同じです。もちろん波形によって少量でも耳に付くノイズもあるようです。先日お会いして話をさせていただいたアンテロープオーディオのイゴール・レヴィン氏は、「ジッターにもいろいろあるんだよ。それをゼロには出来ないので、その質に対応してコントロールしなければいけない。」と言っておられました。
 以前引用したダニエル・ワイスが言うように、それはどこにでも潜みうるものなのです。アナログ回路ですから、アースや電源などいろいろと潜伏場所はあるわけです。

 全体像は雑誌を見てください。あ、電源篇はまた追って。

で、素人のくせに、ついに大きなフレームというかイメージを書いちゃったわけです。
 しかし、我々ユーザーの「データは同じでも、何で音が変わるんだ?」という疑問は長い間ず~っと未解明のままです。ですから、いまだに未解明な点がまだまだあるのは当然の話です。いまさら「サーボ電流が....。」などと宣うのはあんまりだし、技術屋さん達(皆さん苦労して、努力されてるのは知ってますよ!)のように測定できる物だけを議論しているならば、いつまでたっても解明は始まらないでしょう。誰かが言い出さなきゃ何も始まらないじゃないですか?

 んで、はてさて、これからどうなるのでしょう?僕?決まってるじゃないですか、当分死んだふりしてますよ。他にもやること一杯あるしね。


もしデジタルをアナログとは異なる別の高みに到達させたいならば、絶対に必要な物はクロックと電源です。ソフトウェアの世界にも限界があるし、第一パソコンはその外にまで出られない。デジタルオーディオのインフラであるクロックと電源に、物量とアナログの知恵をきちんと投入しない事には究めることは不可能でしょう。アナログから逃げるのは、オーディオから逃げることとほとんど同義です。
 ワイスのJason+とMedea+のCDプレイバックなど聞いたならば、方式論がいかに無意味か分かることでしょう。


でもその前に、前回の記事でご紹介した小泉由香さんの本「マスタリングエンジニアが教える音楽の聴き方と作り方」で勉強していただき、耳を鍛えていただく必要があるかも知れません。彼女のスタジオでは「デジタル上での再演算を防ぐため」に、「音の補正についてはアナログで行ない、DAWに録り込んだあとは一切いじらない。」ようにしているそうです。ですから、ある帯域やポイントを上げたりするのもアナログのEQで行うわけです。
 同書の、例えば「世代落ちのコントロール」では、「大本のマスターから1回コピーすると”1世代落ち”になります。」ということで管理をしておられるとの事で、このあたりはデジタルコピーやリッピングの音質に関係するのだろう。と、人ごとのように言っておこう。HDDにもクロックは搭載されているし、第一HDD自体メーカーや機種で音が違いますが、一方で全体を見なくちゃ行けません。音の違いはあちこちにありますし、それぞれの再生環境の違いもありますから、直ちに大騒ぎすることではないと思いますが。


 というわけで、秋深まるこの候、雑誌も本も買って読んでくださいね。


2011年10月27日  必読文献
●明後日発売の「PCオーディオfan #5」には、パイオニアN-50紹介記事やDSD関連、フェーズメーションHD-7A・ワイスDAC202使いこなしとか、他にもいくつか書いているのですが、それは見て戴くとして、僕的な真打ち記事については明日か明後日に書きます。

●さはさりながら、花丸2付きの良い本をご紹介。小泉由香「マスタリングエンジニアが教える音楽の聴き方と作り方」(リットーミュージック)。
 先月下旬発売のほやほやだ。音源CD付きの「耳の解像度を上げるための特別な指南書」。現役トップのマスタリング・エンジニアがかなり本音で書いただけあって、書き方は優しいがずばり直言してくれていて、聞き専の人にも役に立つこと請け合い。
 
 またエンジニアとの本音対談(3氏)や、実際のマスタリング過程のアウトプット音源をCDにも収録し、それについてのクライアント(プロデューサー&エンジニア)との談とか、語りの中で現場の本音を引き出しているのは、多くの切り口を提供してくれていて大変素晴らしい。

 そしてPhile Webのブログで話題になったように、「PART3 音楽制作に役立つ10の常識」には、「え?」という内容も含んでいる。よくぞ書いてくださった。拍手。
  どなたにも、孤独なオーディオファイルには特にお薦め、必読文献です。PCオーディオfanと一緒にポチしてくだされば、面白さも数倍増かも。(amazonはまだか?)


2011年10月24日  PCオーディオfan #5
PCオーディオfan #5は、10月29日発刊です。

●「音を聞く」という、オーディオでは当たり前のことが、PCオーディオだと後回しになりがちだというのは、やはり切り口が沢山ありすぎるからでしょう。

●もうコンピュータを使うのはフツーの事になってきたわけで、「USB DACつなぐと楽しいよ。」だけでは駄目な時期なんですが、一方でいろいろありすぎて整理が難しい、という現実もあります。
 そこを理屈も「加味」しながら掘り下げて整理して、実際に鳴らして音の違いを確認しながら次へ進む。その作業をご自分でやるのが、オーディオの醍醐味の一つだと思うのです。

その手助けになればと、力を入れて書いた一つが「ストレージ研究」です。今回はCDクォリティ音源の収納用ストレージを、ある程度の性能を求めつつリーズナブルな価格で実現する、というコンセプトで実際に組んで「音を聞く」作業をしています。一つの作業経過の報告をして、皆さんがご自分の環境やニーズに合わせてストレージを組まれる際の参考にしていただければ、という記事です。

 この間電源の自作やクロック換装、機器改造も含めて、高音質・性能追求のためスペシャルなことをいろいろとやっていますが、これは音質を求めればきりのない世界です。もちろんその成果は反映しているわけですが、この記事では市販品で再現性のあるものに取り組んでいます。
 そして、大事なのはそのプロセスです。コンピュータとその周辺機器はいろいろと多様で、選択肢も多様なので、自分のニーズや環境の特徴を把握した上で、どう選択して組み合わせていくか、という考え方を持たないと、そこを人に頼ると、結局整理や切り分け自体が出来なくなるからです。

連載の予定です。
 またNASについてはメーカー取材もしております。


2011年10月22日  校了しましたっ!29日発売っす。
●本日「PCオーディオfan No.5」校了いたしました。音源DVD付きで29日(土)発売です。いろいろ書いておりますが、内容はぼちぼちと。

●さあ遊ぶぞ~、って読みたい本があります。昨日出た五代ゆう「クォンタムデビルサーガ アバタールチューナーⅤ」完結編です。昨年は榊一郎「ザ・ジャグル」、今年は小川一水「天冥の標」などSF界は大作揃いで、あと基本は警察小説ですがシリーズ化しつつある月村兵衛「機龍警察」なども楽しみです。
 スケールのでかさと深さは小川一水が年の功という感じです。ゲームの世界から始まるとは言え、五大ゆうは「神」を主軸に据えており、どこか切迫したものを感じて気になって仕方ありません。さて完結編はいかに?

原稿書きの合間に接点管理などしたので、今日は音楽を聴きませう。我が家のプリアンプは現在の6dBゲイン設定で、SN比は-112dBと恐ろしく静かなアンプですが、プリもフォノイコもRchはアースに落とさず、0~10MHzまでゲインがあるので、どこか甘い接点があると分かってしまいます。オルフェウス君とワイス君の切替は、都度都度セレクタにつながるケーブルを差し替えしていましたが、頻繁に動かすのはまずいのでジャンクションボックスを作って、そこに差し替える事にしました。セレクタ~アンプ側は一切動かさないという事です。
 「アバタールチューナー」を読んで、仙台から届いたLPなんぞも聞くことにいたしませう。


●ふむう、京都に行きたい。


2011年10月20日  聞こえていますか?
●先日D-Clockを使って作ったのは、手持ちのパーツをかき集めてまとめた3.5インチHDDです。ATAPI(PATA)→Firewireアダプタの24.5760MHzクロックをD-Clockに換装しました。CDドライブと同じ3トランスのスペシャル電源で駆動します。落ち着いたら、写真もアップします。
 ストレージはこの間いろいろと音を聞きながら作ったり、アッセンブルしたり試しております。音源のストレージは音質上とても重要なパーツなのに、あまり取り上げられないのは何故?ってしかたないから雑誌には書きましたが。

●DSDがいろいろと動き出しているので、今年から来年は分水嶺になるかも。インターフェースがどうなるかにもよりますし、規格や音源など悩ましいです。こればかりは事態の推移を見守らないと。

●オーディオって音を耳で聞くことですから、耳という測定器を鍛えなければいけません。こぼれるようなニュアンスや、精緻きわまりないディテイルが音場の中から聞こえてきたときの悦楽は、スピーカーが消えてしまうなんてものを遙かに越える体験です。
 あくまで一例ですが音場に関してなら、ビル・エヴァンス「ワルツ・フォー・デビー」の24/192を聞かれた方は多いと思います。バックの会話はリアルに聞こえますか?
 矢野顕子「ホームガール・ジャーニー」はCD/SACDとも極少ないマイクでの優秀録音です。ペアマイクやワンポイントなど少数マイクでの録音でしか録れない「サー」という会場の中の空気の音は聞こえていますか?(ヘッドフォンだとよく分かります。)

 そんなの音楽そのものに関係ないじゃん、ってその通りなんですが、トランジスタラジオで聞いてもモーツアルトはモーツアルトだ、という話になっちゃうともうオーディオじゃないんですね。(でも音楽の話してくれてありがとう。嬉しいです。)ピアノのタッチはどれくらい細部まで聞き取れているかって、アーティストの意図、あるいはわかりやすく言いかえれば音楽表現の仕様みたいなものと関係深いんですよね。別にメカノイズは聞こえなくても良いのですが、ペダリングは聞きたいよね。ピアノって、ペダルなければただの打弦楽器ですからね。何よりも演奏されているその「場」に居合わせたいよね。
 


2011年10月17日  うたかたの.......。
●プロは理屈をこねない。良い音を出すには理屈の勉強も絶対に必要だけれども、最終的には出音をどう出すか、どうまとめるかが最優先だからだ。淡々と、粛々と、延々と音を聞き、考え、選択して、また音を出す。
 音を聞く時間の方がずっと大切だ。僕は1コンシュマーだが、良い音を出すために、音楽を鳴らすためにオーディオをやっている点では、スタンスは同じ所にあると思う。

●オーディオにはとんでもない組み合わせとか、最悪の組み合わせもあるが、物理的・スペース的・経済的に人間が一生の間に触れられる機器や環境は限られている。その意味ではみな環境依存だ。みなそのパラメーターを明示せずに理屈をこねようとするから、バベルになる。

●そして自分を、言葉を、その環境を問い続ける事が必要だ。言葉は音それ自体を伝えることは出来ない。だから言葉がインフレになれば、いつかバブルが弾けるだろう。鶴亀鶴亀。

●今日D-Clockを使ってある機器を組んでみたので、明日以降その音を聞く。そのうち書くかも知れないし、書かないかも知れない。あまりスペシャルな物は書いても仕方が無いかもしれないが、結局は音次第、音楽次第だ。
 「一期は夢よ。いざ狂へ。」(閑吟集)
 音楽になら狂っても良い。全ては浅く、深く、過ぎていく。うたかたの.......。


2011年10月15日  仕方な~い
●今日予定していた最後の原稿を出しました。良い知らせもあったし、まずはほっと一息。
 観葉植物の植え替えなどしました。夕暮れ近くの光の中で見ると、なかなか幽玄な風情であります。

フランクフルト空港にて。
(ちなみにこの空港はでかくて、やたら遠くて、やたら人が多くて大嫌いだ。それにくらべてウイーンの空港のちっこくて、めんこいこと。)

 列の並びについて訪ねた男性から、「英語お上手ですね~。」と日本語で言われて、思わず「あなたの日本語の方がずっとお上手ですよ~。」と始まった会話。
「なんでそんなに日本語お上手なんですか?」
「日本のITの会社で働いています。もう京都に4年住んでいます。」
「日本の会社は大変ですね。」
「挨拶、根回し、とても大変で~す。」
「よろしくお願いします is almost meaningless.」
「よろしくお願いします、は『私の邪魔はしないでください。』の意味ですね。」
「I hate Japanese Conformism too.」
「仕方ないです。日本の会社これからも絶対に変わりません。」
「なんで日本なんですか?」
「日本人の奥さんと結婚しました。」
「そりゃあ奥さんの方が強いですね。仕方ないですね。」
「そう仕方な~い。カナダにもいましたが、奥さんはすごく不便でした。」
「ご出身はどちらですか?」
「ブルガリアです。今回は実家に帰ってきました。」
「そりゃあ大変ですね。」
「そう大変。でも仕方な~い。」
と見る間にルフトハンザの搭乗手続きが始まり、彼とはそこでグッドバイ。
 なかなか考えさせられた一幕だった。


 この日の教訓 「日本の会社は、組織はこれからも変わらない。」


2011年10月11日  あれこれ
●すみません、すっかりのご無沙汰です。取材や原稿書きに精を出していましたが、ヤマを越えたので社会復帰しました。

ラトックシステムのPCオーディオセミナーのご報告ですが、一番印象が強かったのは、初心者コースでは超ビギナーの方が沢山おられた、ということです。大部分がパソコンに関する問題ですが、そこにぶつかったままフリーズしておられるような状況で、個々にお話をしてその切り口でほぐしていいかなけれならないので、雑誌やネットではカバーできなません。もし詳しい方があるいはショップがそばにいてくれればもっと進んでおられたろうに、ととても勿体ない感じが致しました。急遽質問コーナーに切り替えて、個別の質問を整理させていただきましたが、少しでも進んでくださればと願っております。
 こういう方達をどのようにサポートしていくのか、とても大きな問題ですし、これからのマーケットにも影響があるでしょう。

●僕はPCオーディオの推進者ですが、同時にオーディオそのものの推進者でもあります。なので、取っつきは難しそうですが、PC環境やネットワーク環境が必要な点は同じなので、ネットワーク・プレーヤーなどもショップに勉強してもっとプッシュして欲しいのですが、残念ながらそこまでショップのサポートも進んでいません。
 超ビギナーの皆さんは、とりあえずPCと何かがあればHi Resを再生出来る、というイメージで来られているのですが、逆にパソコンの隘路に捕まっておられるようにも思えます。
 パイオニアN-50/N-30のようなネットワーク・プレーヤーもリリースされることですし、ショップやユーザーサポートが真剣に考慮されるべき時期に来ていると思います。

●友人ご夫妻に連れて行っていただいたウイーン郊外の葡萄畑。1時間あまり車で遠出すれば、見晴るかすこのような風景が広がり、ワイナリーでのテイスティングや屋外レストランでの気持ちよい食事など、リフレッシュする楽しみがあります。かつての王者ハプスブルグ家、現在は小国のオーストリアに学ぶべき所は多々ある事でしょう。


2011年9月29日  君よ知るや...........
火曜日早朝にウイーンから帰国しましたが、早々に10月の取材日程とかセミナーの準備とかバタバタしておりました。
 この3年間海外へはどこへも行っていなかったので、現地ではマイペースでゆっくりと、と思いきや、ご友人夫妻が親身に世話を焼いてくださって、小さなおもちゃ箱をぎゅっと詰めたみたいな素敵な街の何分の一かを歩いてこれました。深謝。(新しいステッキも買えましたし。)
 凄かったのは帰国前夜の楽友協会大ホールでのオーケストラの音。機会があったらちゃんと書きますが、艶やかでよくなじむ暖かい響き、しかも綺麗に分離して透明感を持ちながら抜群のまとまり方。いやあ驚きました。高純度な音と音楽が同時に迫ってくる。空前絶後の体験です。
 やはり音響はまず箱=ホールです。そして優秀な演奏家群。
 モスクワ・チャイコフスキー・シンフォニー・オーケストラ/V.フェドセーエフの妙技は素晴らしく、感動的なショスタコービッチ5番とチャイコフスキーVn協奏曲(独奏アラベラ・シュタインバッハー)でした。これだけでも行った甲斐がありました。

 これはオーディオにも真っ先に言える事です。フロントエンド(コンピュータはその一部)ばかりちまちまとやっているのではなく、やはりオーディオ全体をちゃんと見なければいけないのです。


2011年9月17日  ユーロはどうなの?
●もうウイーン行きが来週月曜日になりました。友人を訪ねての私費旅行ですが、やはり国内と違って準備も少し物々しいのは致し方ないかと。いろいろ細やかな心遣いに感謝。
 できればスイスのワイス・エンジニアリングなど訪ねたかったのですが、これはまた次回のお楽しみに取っておこうかと。

●現地のオーディオショップやレコード屋さん(CD、中古LP)は勿論行くつもりなので、10月1日のラトックシステムのPCオーディオセミナーでは、ほやほやの土産話が出来るかと。

●しかし経済情勢は荒れ狂っていて、向こうは月曜日は平日なので、ウイーン空港に着いたら何か変事が始まっているかも知れません。

 景気低下・不況到来
 → 目先の票目当てに国債を資金源(≠財源)に政治家・政府は大盤振る舞い
 → マネーが市場に出回る
 → 政府赤字が蓄積し、財政政策の余地がどんどん小さくなる
 → マクロ経済が分からず責任を取りたくないアホな政治家は、中央銀行の責任にして金融を緩和させる
 → マネーがさらに市場に出回る
 → 財政赤字がどうしようもなく大きくなり、金利を下げる余地も限られてくる
 → 中央銀行は「量的緩和」に走り、じゃぶじゃぶに貨幣を供給する
 → マネーがだぶだぶに市場に出回るが、「取りはぐれる不安」がある限り銀行は結局金を貸さない
 → どこかでバブルが弾けて資産調整に入るため、需要は低下する。
 → また景気低下。また金融緩和。
 → マネーだけが実物資産の何倍も出回り、弱気が支配的になるとすぐに株価や為替が乱高下する。
 → かくして世界経済はジェットコースター化する

 日本なんて先送りできる状態じゃあとても無いです。でも何もしない。ただの先送り。節電したところがバカを見るような結果になるんじゃないかと。

●Financial Timesは大抵のホテルにあるので、朝飯を食いながら分かりにくい新聞を読むことになるかも。

●まあどっちに転んでも、僕は日本に帰って来ることができるとは思いますが。


2011年9月15日  聞いておかなきゃ損?
●イベントをやっていて質問タイムに入ると、皆さん「初心者なのですが、.....」と遠慮がちに質問なさることが多いです。「こんな質問してはずかしくないかな?」という感じはPCオーディオにありがちなようですが、皆さんちゃんとそれなりの質問をしてくれます。
 聞いている方々も「うんうん」という感じですから、どんどん質問して下されば結局は皆さんの為にもなるわけです。どうせなら聞いておかなきゃ損です。

ラトックシステムのPCオーディオセミナーでは今回初心者と中上級者の2コースに分けましたが、それは皆さんの関心事によりきめ細かくお答えしたいからで、もちろん実際に音を聴いていただく時間も設けます。初心者コースだからといって一からの味気ないお勉強などしませんし、最新情報も含めてそれなりのポイントをコンパクトにお伝えしたいと思っています。
 学校のクラス分けではないので、ユーザーの皆さんはご自分の興味でお聞きになりたいコースに参加いただければ良いわけで、気軽にお越しになって下さい。

●既報の通りWindows8の発売情報がアナウンスされています。
 まだ詳細は分かりませんが、こちらとかこちらではオーディオドライバーについてのいろいろな情報が出ているようで、何か変化がありそうですね。このあたりラトックセミナーで何か情報が得られるかも?


2011年9月13日  いつも何かと
 取材で東京に行っておりました。
 有り難かったこと、申し訳なかったこと、いろいろと抱きかかえて、しかし何かを実現すべく頑張ろうと思います。

 一方、今度行くオーストリアもハプスブルグ家の昔はともかく、いまやれっきとした小国なので僕等も勉強するところがあるように思います。もっとスローな何かを心がけなければいけないのでしょう。


2011年9月6日  ALSAとpulseのお勉強
 こちらのページにALSAカーネルモジュール/ライブラリーやPulseAudioサウンドサーバー,JACKサウンドサーバーについての参考ページがまとめられています。
 便利なので、引用させていただきます。《技術評論社「第184回 アナログシンセサイザー・ソフトウェアamSynthで音作り」から。http://gihyo.jp/admin/serial/01/ubuntu-recipe/0184

 とにかくいろいろあって、複数のストリームを並行して取り扱うという音楽制作の感覚がうかがえます。
 一方、音楽再生用にはポイントを押さえてきちんとルーティングを設定する必要があるわけです。我が家では現在DAW環境である Ardour+Jack(リアルタイム優先度設定)+ffado(Firewire)、またはVoyage MPDで再生しています。


2011年9月5日  10月1日名古屋でお会いしましょう
●我が家の音は生き物でどんどん変化します。水曜日のお客様にVoyage MPDを聞いてもらったんですが、Alix 3D2の電源が調整途上で、前に出る音だけれども空気感がない、などと結構厳しい評価でした。僕にとってはVoyage MPDは再生専用機の製品にもつながる大事なものなので、Alix 3D2の電源を再検討して、600V6Aのショットキーダイオードをブリッジで入れて改良し、昨日のお客様に聞いてもらいました。2日間ほどのブレイクインでかなりきめ細かい音の方向に行き、これならまず問題なしというところでほっと一息です。

ラトックシステムの「PCオーディオセミナー2011 in 名古屋」が10月1日開催されます。今回は内容を集約するために中上級者コースと初心者コースに分けて、同社サイトの申込ページに当日聞きたい点や質問事項などを記入していただき、皆様の要望を事前把握できるように努めています。話題のソフトWave File Playerの制作者の和田芳道さんや、ラトックシステムの岡村社長にもご登場いただき、幅広い情報の提供に勤めたいと思います。
 またラトックシステムのリニア電源の他に、自作のPC本体用電源などもいろいろと持ち込んで聴いていただこうと思っております。ひょっとして間に合えばサプライズもご用意できるかも。
 10月1日名古屋で皆さんとお会いしたいものです。


2011年9月2日  ALSAもあれば、pulseもあるさ
●ちょっとご無沙汰している内に9月になっていました。
 先週末には東北の方に取材に出かけていて、前後の日程が詰まっていたので寄り道もせず、東北・東海道新幹線を乗り継いで帰ってきました。
 人と会うことは僕自身にとっても勉強になりますが、ひょっとしたら将来的に何かが動き出す事になるかも知れません。やはりオープンソース的に人と人を繋ぐ、情報と情報を繋ぐ、というのはやりがいのあることに思えます。お金じゃなくて、志です。

●火曜・水曜と東京からお客様がありました。なかなか刺激に満ちた2日間でした。機器も貸していただき、お陰様で経験値アップにつながりそうです。感謝。

●この間LPだけでなくオーディオシステムのアナログ面では大改装しましたが、デジタルオーディオ(コンピュータ・オーディオを含む)に関しては、個人的にはさほど大きな進展変化はありません。Linuxカーネルが進化しつつあり、ffadoドライバーやUbuntuの開発も進んできて、やはり新しい11.10 Oneiricが良さそうです。Voyage MPDもバージョンアップやffadoドライバーの進展を見て、次のアクションを相談中です。

Voyage MPDをベースにしたAuralitiのネットワーク・トランスポートが話題になり始めていて、価格もこなれているし、超円高なので今後個人輸入される方も増えるかと思われます。また少し価格は上がりますが、BrystonのBDP-1も市販されています。国内メーカー&輸入代理店もがんばれ!新マーケットを失わないように、製品作りや有望製品の輸入に頑張って下さい。頑張り時は今しかないかも。

●ちなみにLinuxのサウンドアーキテクチャーはかなり複雑な要素を内包し、我々聞き専オーディオ観点からの整理が必要で、僕もその一環で司々にお願いしているのですが、Linux/Ubuntuの内部構造についての高度な知識を要するため専門家による作業が待たれています。
 例えばALSA(Advanced Linux Sound Architecture)こちらにあるLinuxのサウンドシステムの概念図をご覧いただくと分かるように、大きく2つの部品から構成されています。

ALSAカーネルモジュール
 Linuxカーネルのイメージに組み込まれており、カーネルを経由してサウンドデバイスにデータを伝送する。
ALSAライブラリー
 ソフトウェアがサウンドデバイスを扱うための手続きをAPI(Application Program Interface)の形で提供する。
 パッケージ「libasound2」の形で提供されている。


●また「サウンドサーバー」と呼ばれる常駐ソフトウェアがあります。通常はUbuntuにログインするとPulseAudioが自動起動し,JACK(Jack Audio Connection Kit)を起動させるとPulseAudioは働きません。サウンドサーバーの主な役割としては。
 1.サウンドをミックス
 2.さまざまな種類のデバイスへ接続
があげられます。



 Linuxのサウンドシステムの概念図
  技術評論社「Ubuntu Weekly Recipe 第177回 サウンドシステムの使いこなし」から引用させていただきました。
  (http://gihyo.jp/admin/serial/01/ubuntu-recipe/0177
 ちょっと、ちょっと、そこ!「サウンドをミックス」というだけで「ビットパーフェクトじゃないんだあ!」などと騒ぎ立てないように。設定により「できる」というだけで、「常にする」というのではないのです。またそういう役割はjackならばその前段階のDAWソフト「Ardour」などが通常はそれを行うのです。《juubeeさんのテスト(2011/6/6)ではVoyage MPDはデフォルトでバイナリ一致したそうです。》

 jackが起動しなければ、通常はALSAとpulseが機能して、その両方でフォーマットを規定するので、Linuxに関しては少なくともALSAだけでは論じきれない問題だと考えられます。これらをまとめて簡単に切り替えできるようなツールが、普及にはまず必要でしょう。おまけに古いモジュールも沢山残っていますし、ALSA関連のモジュールは数多く、年々増える傾向なのだそうです。

 Ubuntu とUbuntu Studioのサウンドシステムはこちらの図に見るようにかなり入り組んでいますし、エンディアンのような問題(LEとBE間でやりとりすると「情報」は正しく伝わるが、外見的にはバイナリは不一致)もあって、専門家にお願いしてひとつひとつ解きほぐしていかねばならないでしょう。落ち着いてまいりましょう。


2011年8月20日  アンダーステイトメント
●アンダーステイトメント understatement という表現がある、控えめな物言い、という感じだろうか。僕は最も深いことは、最も低い声で静かに語られるものだと思っている。長い年月をかけて確かめに確かめた事であっても、それが万人に自明で普遍的なことであろうはずがない、と思うからだ。そして長い年月を掛けたことであるからこそ、流されないようにゆっくりと確かめながら語らねばならないからだ。

●映画「西の魔女が死んだ」に出てくるおばあさんが僕は好きだ。イギリスからお嫁に来て、連れ合いを亡くし、田舎でほぼ自給自足で一人で暮らす。
 自分が好きなスタイルを守り、自分が信じる価値や生き方で静かに生きていく。その一貫した生き方と、常に自分と対話するという姿勢にとても共感を覚える。理屈さえ立てば基本的な立場さえころりと変えるような人を僕は信頼しない。ころりと変えられるようなら、その程度の深さのものでしかなかったということだ。

先日名古屋サウンドピットに行ったときに、映画の主題歌である手嶌葵の「虹」を聞いて気に入ったので、すぐに「虹の歌集」を買った。
 久石譲さんは自作を何百回も修正したとむかし自慢げに語っていたが、彼女の「テルーの唄」はそのジブリ関係だろうから、相当手が入っているようで、必ずしも彼女の真価を存分に発揮していないんじゃないか、と思っていた。人間の声は「息」がそのエネルギー源で、口腔や鼻腔だけでなく胸も含めて全身で発するものだ。彼女は決して声量のある人ではないが、声量のない歌手など山ほどいるのでそんなことは問題ではない。彼女は情感を込めて全身で深いブレスをして歌っていく人だが、口元だけがポッと浮かぶだけの状態にするのは勿体ないと思うのだがどうだろう?

 「虹」では全身で深いブレスをして歌っていく様子がちゃんと録られている。手嶌葵にちゃんと会えたようでとても嬉しかった。大きな声でなくても、息や沈黙に至るまでの控えめな声の領域でも、声のグラデーションや思いさえ深ければ、良い音楽は成立するのだ。ゆっくりと歩んでくれれば、いつか彼女のベストアルバムができれば、それは宝物になるという気がする。


●息は声の一部である、という有力な証拠?、というか、そんなに有名ではないが熱狂的なファンがいるトーリ・エイモスTori Amosの「Hey Jupiter」。この最後に入っているライブの「Somewhere over the Rainbow」を聞いていただきたい。息と声は同じものであり、深いものには強いインパクトがあるということが如実にお分かりいただけると思う。


2011年8月19日  ここには、こういうことを書きたかったのです。
●ジェットコースターのような1週間あまり。まあ経済の方はもともとデフレ>金融緩和=量的な貨幣供給拡大の繰り返しで、どんどんマネーが溢れているので、簡単にジェットコースター化してしまうのは以前から分かっていた話。しかし難儀だ。

●オーディオの方も、考えても仕方が無いことは捨て置くことにした。一貫してぶれないこと。それが大切だ。急ぎの原稿は出したし、もう1ヶ月後に迫った欧州行きの準備も本格化せねば。

●ここには、こういうことを書きたかったのです。東欧やジプシー音楽に強い興味を持つフランスの若いチェリスト、フランソワ・サルクが、様々なジャンルの音楽に長けたアコーディオン奏者、ヴァンサン・ペラーニと出会って生まれたコラボレーションアルバム「EST~東へ」(仏ZigZag/マーキュリー扱い)。1曲目のチャールダーシュからして度肝を抜かれるでしょう。ジプシーヴァイオリンは聞いたことがあってもそれをチェロでやってのけるとは。
 あるいは4曲目のマシュー・ネヴェオル作曲の「夢」。フォーレ達の夢を現代に引き継いだかのような柔らかな響きと、タンゴのように刻むリズム。いやあ面白い、楽しい、しかも良い録音。素晴らしい。

 ライダーにとってドラゴンは生死を共にする相方だが、カタツムリ達はまたこういった知的冒険の世界にはうってつけのお供だろう。解像度と情報量高く、しかも音の実体感がきわめて高い。
 音だけではない。音楽がそこにある。


2011年8月10日  これはやばい
 悠長なことを言っている場合では無くなってきた。まだ終わりではなかろうし、タワーレコードが安くなっても、これはやばい。いつもの円高怖いの固定観念を越えて、日本経済は確実に空洞化しそうだ。何の準備も心構えもなしになしくずしに、つまりは日本的に。

「ドル離れの大波 超円高、長期化の恐れ」

 とにかく個人で出来るだけの対処をしていく他はない。要沈思黙考長考。更新暫時中断。


2011年8月9日  多様性
●このサイトは友人達に動向を伝えようと始めたのですが、段々とオフィシャルな感じになってきて、まあそれでも僕の感想や現況などをぽちぽちと書いております。
 大体が雑誌の刊行など以外にはPRの意図など殆どなく、営業用でもありません。またサイトから音が出るわけでもなく、一方「~のはずだ。」という理屈の塊では絶対なく、それを押しつけたりする考えも毛頭無く、僕の書いていることは基本的にはパーソナルな経験を踏まえた感想などです。
 大体がひとそれぞれによって再生環境も、聴く音楽も、聴き方もみな違うのですから、物理的心理的に聞こえたり聞こえなかったりも含めて、違った感想を持たれても当たり前のことだと考えています。マシン一つを取ってみても低スペック・ローノイズだとか、ハイスペック・マシンパワーだの喧しいのですが、まずはここらで印象が違っても不思議ではないでしょう。
 オーディオは科学をバックグランドとする音楽再生のアートです。結局はパーソナルなものですが、科学だけでもアートだけでもない、いわば双曲線を描くように、広がりを持って多様性を受け入れることは、そんなに困難な事なのでしょうか?

●プロオーディオへの言及も、皆さんにそういう世界がバックグラウンドにあることをお忘れいただかないように努めているわけです。ついでに言いますと、数は少ないながら探せばドキュメントもありますし、コンサートに行ったらその会場の専門家もいるわけで、要は意識を持っていただけるかどうかだと。

 だから参考になるところだけを、適当に取っていただければ良いのであって、ここは大人の器量で、ぐっと呑み込んでいただいて.........。 


2011年8月5日  空に架ける橋
●Wowowの録画を見たり、資料を整理しながら過ごす。オーディオばかりやっているわけではないし毛頭そのつもりもないが、昨日久しぶりにいい話を聞いたので、機嫌はすこぶる良い。
 「ロリー・ギャラガー アイリッシュツアー ’74」Galagherなので、ゲール語ではギャラハーではなかったか。いずれ彼等はケルト族であり、アングロサクソンではないので、「ケルト十字」と呼ばれるアイルランド独特の十字架があるように音楽の伝統にも独特の物がある。基本はブルースだけど、バックで吹くフルートなどは「ああアイリッシュだ。」と思う。
 「L'Arc~en~Ciel 20th Anniversary Live」ラルクも20周年か。しっかりおっさんじゃないの。しかしhydeも歳取らんなあ、ま、どこの世界でも化け物はいるもんで。しかし彼の表現力には恐れ入る。「空に架ける橋」。異世界への広がりを感じさせてくれるラルクはプログレだと僕は思っていて、べたついたCold Playなんかよりは余程好きだ。

●この間いろいろとストレージの探求をしていて、ようやくこれならリッピングしても良いかな、というHDDが出来た。プロにも評価が高いOxfordのチップもあろうが、何よりも電源だな、これは。それとフォーマット。
 先日東京で「ケンのオーディオメモ」で名なケンさんやaplayexのNさんと会っていて、ケンさんは「HDDへのリッピングではリップしたときの電源の影響も音質上残る。」と言っておられたが、その通りだと思う。
 もういろいろあるので、これはまとめて記事にします。お待ちあれ。


2011年8月3日  Ubuntu Studio 11.04でラトックシステムRAL-24192UT1が認識されました。
●Ubuntu Studio 11.04でラトックシステムRAL-24192UT1が認識されました。Voyage MPDもOKだったので、ALSAの開発でLinux対応の幅が今後も広がりそうです。
 またMocchiさんの情報では、次の11.10ではリアルタイム・カーネルのサポートが強化されるようで、これまでのUbuntu Studio関係コミュニティの努力が実を結びそうで期待が持たれます。

音楽大手EMI予備入札、買収額40億ドル迫る (2011年8月3日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

 アビーロードスタジオはどうなるんやろうねえ?
 「ある関係者は40億ドル以上の予想はあくまで「希望的観測」とする一方、最終的な売却額は、EMIが完全買収されるか、音楽出版部門とレコード部門に分割されて部分買収されるかで異なってくると語った。」

 「業界関係者は、ワーナー売却時の関心の高さと買収資金の調達状況からみて、EMIの入札でも高い買収額が示される可能性があると期待する。ロシア出身の富豪レン・ブラバトニク氏の持ち株会社であるアクセス・インダストリーズは5月に、ワーナー・ミュージックを33億ドルで買収することで合意し、同社は先月、クレディ・スイスとUBSの仲介で、買収財源となる債券の発行を完了した。」

アップル製サーバーはPCより脆弱か 専門家が警告 (2011年8月3日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

 ある事情があってこれはほんまにほんまやと思いますなあ。


2011年8月2日  はじめてのPCオーディオ
●MOOK「はじめてのPCオーディオ」「音楽データをいい音で楽しむための最初の一歩 Your First Step to PC AUDIO」というタイトルで、8月6日に発売されます。

 今後も定期刊行されるので、いわばユーザー層を分けてよりきめ細かく情報提供する方向にようやく進めるようになりました。刊行物が倍に増えても編集部の態勢はさほどは増えないのですが、本当によく頑張っていると思います。是非ご一読のうえ、ご意見もいただければと思います。

この間、いろいろと将来を思う事も多かったのですが、方向としてはオーディオの一分野としてのコンピュータ・オーディオは決して一過性のものではなく、今後も継続して残っていくと思っています。
 コンピュータの形態や機能も今後大きく変わるでしょうが、一方で「規格」というものはある程度は継続性を保っていくので、コンシュマー用ではUSBをベースルートとして音楽が再生がされていく、という事には変わりはないと考えています。


 「はじめてのPCオーディオ」にはラトックシステムから発売されたiPod/iPhone DDコンバーターRAL-1648iP1を使ってiPadで再生するシステム例を書いています。後発世代としてAppleと綿密に詰めた新しいデータ伝送方法を使い、あっけないほどしなやかで流れるような良い音です。iPod/iPhone用とありますが、USBバスパワー充電が出来ないだけでiPadも使えるというわけです。iPadは画面も大きいしシンプル操作の割には大抵のことが出来るので、パソコンを使いたくない人にもお薦めです。ちなみにDDC本体は24/192対応なので今後のiOSの進化が楽しみです。ご一読ください。

●物思いながらも手を動かす事にしてプリアンプも完成したので、我が家のアナログ系のラインアップもこの間に一新しました。
 写真で真ん中の段がプリアンプ、その下でSACDプレーヤーの上で青いLEDが一際輝いているのがその電源部です。
 上段左がワイスATT 202です。その右がセレクター&ダウンミキサーで、下の段でLEDが点灯していない一回り小さいのがその電源部です。

 プリアンプ基板回路の内容は一切公表されていませんが、DACT CT-101は1chあたりオペアンプ1石の超ショートシグナルパスの回路で、f特 0Hz~25MHz、chセパレーション-120dB、SN比-115dB、出力インピーダンス0.1オームといった物凄いスペックで、音がまたそれに見合った良い音です。最大出力振幅±14Vだそうで、来るときはバシッと来ます。まあ、相当良い電源を使わないとそこまで行かないのですが、今回は当然LR別にDACT CT-102電源基板を2枚使い、デュアルモノでいろいろと試しまして、いろいろと高価かつ高音質な部品も奢りました。詳細はまたそのうちに。
 情報量は皮何枚分か剥けてダイナミックレンジがぐんと上がった感じです。真空管的な温度感も確保しています。まだ細部は触りますが、基本はもう当分これで行きます。

 実際に今回はかなりの部分を電源部で調整し、音の佇まいや姿、響きは文字通り千変万化していきました。その中でこれまで目星を付けたチューニング法を使って最終的な音決めをしたわけです。
 といっても本体はオリジナルの基板から変えていないので、落ち着いたらまたファインチューニングするつもりです。

 PCオーディオが定着しつつあるのも自作でここまでの音が得られるならば、という面があるからでしょう。

いろいろあって我が家もUbuntu Studio 11.04 Natty Narwal環境(-lowlatencyカーネル 64bit)に移行しました。3台のMacBook ProのうちNattyで、もう1台は10.04Lucidで置いておき、11.10が安定したらそちらに移行してチェックする予定です。
 11.10にはリアルタイム・カーネルのより高度なサポートやffadoドライバーの充実(=ワイスDAC2への対応)を期待しています。(10.04用の-realtaimeカーネルは既にBoganiさんのppaから消えています。)

 11.04Nattyの音はこれまた良いですよ。新しいFirewireカーネルスタック(juju)のためか、それ以外の改善か10.04よりも鮮度がアップしています。もう11.10のリリースまで2月あまりなので、11.04はメモ程度を残して

●ストレージ研究
 この間QNAP TS-110のNASに始まって、バッファローの500GBのNAS(LS-WSX500L/R1WH)やいろいろなストレージを試しています。いずれまとまった記事にして、具体的な提案もしたいと。

●DAW環境
 そうそう、あれこれ手を掛けたHDDからの音がかなり良くなったので、リッピングもボチボチ試していますが、DAW(Digital Audio Workstation)ソフト Nuendo4のフツーに読むノーマルモードでの読込み(Windows)が総じて良いです。セキュアモードで強制的にリトライ読込みさせるとガチガチに肩の凝った音になるのが、いとをかし。高価なDAWソフトですから使わなければ損です。
 Ardourのことといい、皆さんハードウェアも含むDAW環境のことをご存じの方は非常に少ないのですね。プロがお金を稼ぐために現実に使っている道具ですから、それなりの手応えがあるんですがね。サイズだけで片付けてしまうのはあまりにも勿体なさ過ぎる世界かと。
 例えばMacのCoreAudioベースでのDAW環境は、しっかりとちゃんと動いとりまっせ。皆さん、いずれはプロオーディオをもっと勉強しなはれや、と言いたなりますなあ、いやほんまに。


2011年7月25日  竹林の中で清談をしたい
●先週は東京にゆったり目で行っていました。会いたかった人にも会えたし、クレー展はこぢんまりでしたが大好きなチュニジア時代の水彩画もあったし、なかなか素敵な3日間でした。

●この週末はコミュニケーションブレイクダウンでとても辛い状態で、原稿を書く以外は横になっているしかなく、とはいえ今日から仕事も再開しました。
 人は皆そのポジションによって思惑があるので、正直に腹を合わせておかないと、なあなあで始めると後で必ず問題が生じます。だから、誰の気分も損ねたくはないけれども、最初に頑張ってそれをやるしかない。と、バカ正直なのが僕という人間でして、すみません。

●気分は竹林の中で清談をしたいのだけれど、そうもいかないのでまたコミュニケーションの輪を広げに掛かります。今日は大阪は天神祭で、行きたいところもありますが、静かにするべき事をしようかと思います。
 東京でも聞いたのですが、あちこちで「この10年」が一節だという認識がひろまりつつあるようです。がんばり時は今しかないかも知れません。

●カーエレクトロニクスのソフトウェアで欧州にデファクトスタンダードを奪われ、新興国でヒット商品がないトヨタの状況は、日本にとって象徴的です。


2011年7月19日  雲さん
アップルもiクラウドまで設けるんだから、一定本気だと思うよ。

トヨタがThe Linux Foundationのゴールドメンバーに、自動車メーカーとして初

車をクラウド端末に トヨタ・日産が進む「道」 走り出す自動車クラウド


2011年7月15日  ログイン
●書き忘れてましたが、ラトックのUSBシリアルコンバータ「REX-USB60F」でALIX 3D2/Voyage MPDのRS-232Cポートからログインできるようにしています。終了時は当然「shutdown -h now」で、フツーに電源を落としています。
 このシリアルコンバータはUSBに挿すだけだし、Win/Mac両対応なので便利です。

『「3年内に海外移転」4割 社長100人アンケート』
 「円高の是正や税制の見直しが進まなければ3年以内に海外へ生産拠点などを移さざるを得ないと回答」
 アホな政治と経済無策で、かくて日本は空洞化する。ものづくり日本とやらはどこへ漂流するのでしょう?
 そういえば昔「15少年漂流記」とか、わくわくしながら読んだっけ。まあ「わしらは漂流しとるんじゃ。」と考えておけば、さほどの失望感はないってか。


2011年7月14日  デジタルだけで良い音を出せるはずがありません。
●原稿はあと1本というところまで来て、一方でプリアンプの一次電源部の調整がほぼ完了しました。この後は、2次電源とアンプ回路基板のチューンナップです。これについては、後報します。オーディオ屋さんは何かしらこういうところを、体の中に入った経験値の引き出しを使いながら調整しているわけです。分かってない人もままおられるようですが、アナログをちゃんとやらないとデジタルだけで良い音を出せるはずがありません。

●今回の夏風邪がえらく堪えたのは、失望感とセットになってしまったからです。根が人を信じたいので、期待してしまう。まあ明るい兆しかすかにもあるし、なんくるないさあ。

●「パソコンはまもなくデジタルライフの主役ではなくなる。」(S.ジョブズ)
 いや、思ってましたけどね。じゃあコンピュータ・オーディオってどうなるんでしょ?
 誰かアンドロイドを担当してくれるのかな?スマホかスレート(あるいはタブレット)か。どっちにしても音源は雲のこちらか、あちらかだし。面白いのはグーグルの「クロームブック」が大した話題になっていないことです。勿論、すぐにどうこうではないでしょうが。乱世ですなあ。やれやれ、わくわく。
 でもデータ受けの所で解は見えてるんですけどね。ソフトウェアベースで対応出来るなら、レンダラーでも早く製品作っちゃった方が勝ちなんですけどね。あ、そこが問題なのか。

 まあ、どうせすぐには全部変わりませんよ。というか何も変わらないでしょう、一見は。当分は、いろんなものが併存していくので、トレンドはトレンドとして見極めながら、各自持てる手段で腰を据えて音楽を聞けば良いのです、なんと言ってもこれはオーディオですからね。ええい、わしゃあ老い先短いしね、流れるままの人生よ。


2011年7月12日  何とか原稿を書いてます。
●夏風邪をこじらせて体調最悪でしたが、何とか社会復帰して原稿を書いてます。

●いま書いているのは来月刊行予定の「はじめてのPCオーディオ」用の原稿です。コンピュータオーディオもオーディオの一分野ですから、オーディオ的に解きほぐして行けたらと思っています。初心者向けの文章を書くにはきっちりとした整理が必要なので案外と難しいのですが、この世界に入って来られる方々のことを考えるととても楽しいです。基本を大事にしつつ、たとえ話やイメージなど、いろいろと分かりやすくする工夫をしなければ行けません。

●電源では各メーカーもいろいろと努力されているのですが、PSEの話を聞くとブラックホールがどっかりと潜んでいるような気分になります。

●異なった環境にVoyage MPDを持って行って今回分かったことの一つが、QNAPのNAS TS-110は設定と事なるネット環境に接続された時点で、それまでの設定がひっくり返ってしまう点があると言うことです。これはその都度リカバリするしかないようで、まあこれも勉強です。


2011年7月6日  ばいなり、ばいなら。
●Voyade MPD 収納の ALIX 3D2 の基板を写真上部にあるように別ケースに移しました。もともと柔いケースだったのと、スロットインでは基板の支持強度とアースが心許なかったからです。新ケースではジュラコン樹脂のスペーサー3個とメタルのスペーサー1個で支持しています。ALIX基板では4箇所の支持ポイントに全てにベタアースが来ていますが、ここではLANと電源入力のすぐ近くに設けたメタルのスペーサーからから1箇所でアースを落としています。
 テスタで当たって、アースちゃんと確認してますか?

 ケースの強度はまだまだ不満ですが、当分はこれでいこうかと。インストールしてくれた友人にいろいろ確認すると既に相当チューンアップ済みなので、今回はこれ以上の環境設定はいじらないことにしました。

 その下は12V4A電源のpower CUBE 12です。Plitron 225VAトランス、出川式第2世代、CPM、おなじみLM338レギュレートなどフル装備でずしりと重いです。ALIXにも使えますが、当面は電流食いのQNAP NAS TS-110用です。以前は非安定化のリニア電源を使っていましたが、俄然音が違います。



●こんな風に、PCでの経験から言ってもデフォルトで既に相当削り込んでいるMPDでは電源の方がもっと効いているでしょう。
 オーディオグレードでVoyade MPDの「音」を語るなら、このような電源は不可欠です。厚み、実在感、空気の熱さ、ディテイル etc、 恐ろしく違います。

●自作した電源類。左に2段重ねはプリンアンプ用とダウンミキサー用48V。その右が5V1.5Aのpower CUBE 5で、デザイン的にはこれが一番好きです。ラトックシステムのRAL-24192UT1用。
 さらにその右がpower CUBE 12(上記)です。右端の黒いのは、プリンアンプ用LR/ダウンミキサー用48V×2の予備用スイッチング電源。
 そのすぐ上、QNAPのNASの隣がVoyage/ALIX駆動用で逸品館のスイッチング・モジュールを使ったマグアンプ方式電源です。

 電源や金属加工の話は、これでおしまい、一巻の終わりです。忙しいから、もう書かない。

●何度も言いますが、僕はオーディオ、それもデジタルオーディオをやっているだけで、たまさかPCMベースでコンピュータを使っているだけです。実際にハコばっかり増えて来るのにも飽きたので、ワイスMAN202が良ければ、そちら中心でシステムを組みに行っても良いとさえ、考えています。いろんな意味ですっきりして、清々するだろうなあ。

 とはいえ人間の性根はほぼ絶対と言って良いくらい変わらない事はよく知っているので、警戒おさおさ怠りありません。大阪生まれのラティーナ関西人なので、結局み~んな大なり小なりアホやん、という前提で。

●急な話だったし、特殊な構成のシステムに充分に準備も出来ていなかったのですが、逸品館さんの方からVoyade MPDの件でを収録したいとのことで、Uストリームに放映されました。
 まあ、志でやっているのでいろいろあっても普及のためにはピエロも客寄せパンダもやろうとは思っていますし、外へ出した話なのであれこれ言いませんが、お手柔らかに受け止めていただければ幸いかと。
 まいった、まいった。ばいなり、ばいなら。


2011年7月5日  とんとご無沙汰しておりました。
●翻訳仕事が一段落と思ったら、原稿依頼が次々に来て、その合間に電源やプリアンプも自作もしなければ行けないしで、とんとご無沙汰しておりました。

●以前紹介したパワータップが遊んでいて、東京の友人が聞きたいというので送ったら、iMacの音が激変と、そのまたお友達も聴きに来られたりと大騒ぎになって、遂に友人自身も自作に乗り出しました。パワータップは現在沖縄に出張中です。

要するにコンピュータやその周辺機器の電源はハードウェア的にまだオーディオグレードには達していないので、多くの人に音質改善の見込みがある事になります。

 あ、そうだ、友人にはタカチのプラスチック製のシールドケースを紹介しました。僕は使ったことが無いので、効果は確認出来ておりませんが、あれこれの基板剥き出しのままで使われている方は相当数おられると思うので、試されると良いかもしれません。


●電源はこの間何個作ったかしら?と数えたら6台も作っておりました。最近の2台(5V1.5Aと12V4A)はルックスも考えて格好良いシルバーのシャーシに入れ、「power CUBE5」と「power CUBE12」と銘を打ちました。「power CUBE12」がもうすぐ完成するので、これで電流食いのNASを駆動すればVoyage MPDの電源総グレードアップ完了と相成ります。
 電源関係はいろいろとネタがありますが、書いてる時間がありません。そのうちに。

●金属加工は完全に経験だと思います。いまや穴開けに関しての電動ドリルの使い方も、ボール盤なしでの限界も含めて概ねマスターし、不定型な穴でも2mmと3mmのドリルビットでかなり実用的に正確に開けられます。無駄な力を使わないので、疲労も少なくなりました。
 考えてみると人間の一生は短いので、あれこれマスターしてもすぐに一巻の終わりとなる。伝承もされなければ勿体ないが、致し方無いことです。

●毎日タスクが減っても次に控えたのが繰り上がるだけで、あまり変わらない。デンマークとカナダから部品が来て自作が一段落すれば、腰を据えて音楽も聴けるでしょう。今はとりあえずいろいろ仕上げてしまわねば落ち着かない。


2011年6月25日  シンプル構成のVoyage MPD
●一昨日の記事でのUSBとFirewireポートを両方備えるVoyage MPDについては、実はワイスやオルフェウスを鳴らすという事だけを考えているのではありません。

●下記の図を見て下さい。鳴らすのはUSBインターフェースでもFirewireでもどちらでも良いのですが、Voyage MPDの1ポートに1インターフェースを接続すればオーディオ・パフォーマンス的にはもう満杯です。
 ですので、音源はもう一方のポートにローカルのHDDなどを接続してそこから伝送します。実際、NASはLinuxマシンですからコンピュータ同志の接続はやはりもどかしいところがあります。
 とどめにHUBも使わずにコントローラーのPC/MacとVoyageをLANで直結します。



これらは無線LANよりも普通のスイッチングHUB(いわゆるバカHUB)の方が良かったという経験にも基づきますし、マランツNA7004でもNASとの直結が一番良かったので、再生機であるVoyageに音源ストレージを直結すればさらに良かろうと考えるのは当然の話でしょう。そしてNASを止めてローカルHDDにすればHUBすら不要になり、コントローラーのPC/MacとVoyageをLANで直結することが出来ます。
 そしてそれぞれの接続経路を見ていただければ分かりますが、LANケーブルには制御信号のみが流れ、USB/Firewireケーブルには音楽データのみが流れます。

 実際にMac内蔵HDD内の音源フォルダーを共有し、LAN1本でVoyageと接続した友人は、この形が一番良かったと言っています。まあ、内蔵HDDの音源フォルダーの共有をせず、VoyageにローカルHDDを繋ぐのがこの形のミソです。


 果たして、結果はどうなりますやら、ぼちぼちと進めますので、まあ気長にお待ち下さい。


2011年6月23日  久方ぶりのお客様
 昨日は久方ぶりのお客様2人。SACDマルチもLPも含めて幾つか聴いていただき、その後はVoyageでFirewire出しするためのハードウェア選定。僕等はワイス狙いなので、ffadoの対応はもう少し先の見込みで、ゆっくりと取り組めば良く、ゆったりと行こうと話し合う。

 世の中いろいろと厳しいものだとも、お得意のスペック訴求してもユーザーが物を買ってくれない状況は何とかする必要があるとも話し合ったが、結局は製品で勝負するしかないようです。
 これはどこかの雑誌で読んだのだですが、バブル期を経験した人はその夢を忘れておらず、そこから脱却できないのだそうです。アルミ削り出しなんか止めても性能は充分確保出来るんですけどね。


2011年6月21日  「PCオーディオはプロの世界にあった“パンドラの箱”」
●6月9日発売のオーディオ・ベーシックには連載コラムの「グローバルに楽しみましょか?」だけを今回は書いています。といっても「プロフェッショナル・オーディオにもっと目を向けてみる」というタイトルは、かなり万感を込めた内容です。

●幸い、和田博巳さんがPCオーディオfan.com連載の第4回「PCオーディオがCDやレコードと同格になる日」「PCオーディオはプロの世界にあった“パンドラの箱”」という表現でプロオーディオとコンシュマーの関係を取り上げていただいています。LINN DSはコンピュータそのものではないのですが、その先見性は素晴らしいものがあったと僕も思います。
 和田さんはミュージシャンとしてプロオーディオの側におられたこともあり、特にこの辺りには敏感に反応しておられるのだと思います。僕の記事を読まれてかどうかは定かでありませんが、いずれにせよ、同意見の方がおられて嬉しい限りです。

●コンピュータオーディオについて発言したり書く場合は、20年以上の実績がある先輩ですから、プロフェッショナルな世界もちゃんと調べなければまずい事になりかねません。ただしプロは何でもかんでもブログに書くわけではないので、直接聞かなければネットだけでは情報はほとんど得られないと言って良いでしょう。

●「サウンド・クリエイターのための、最新版デジタル・オーディオの全知識-柿崎-景二」

 その点でこの本は全般に亘って良いバランスで整理されており、まずもってお薦めです。もちろん全部細部まで説明しているわけではありませんので、疑問を感じたら検索などして補って下さい。その意味では折に触れ勉強が必要な本でもあります。
 具体的には大瀧詠一のLong Vacationの歴代マスターの話など、具体的なケーススタディになっていて、とても参考になります。


2011年6月16日  快挙!
「USB DUAL AUDIO基板、略してUDAが世界で最初にUSB Audio class (アイソクロナス転送) でのDSD再生に対応。」
 これは文字通り快挙です!
 ElectroArtさんはコンピューターのプロですが、今の時代DSDや様々な分野でユーザーが先行しておられます。ElectroArtさんとNさんにリスペクト。
 「並行してLinux版の開発も進行中」とのことで、これも嬉しい限りです。

●こちらも朗報。FFADOのRME用Linuxドライバーで大きな進展があり、現在開発終盤のテストが進行中というニュース。Fireface400ユーザーはもう少し待ちましょう。


2011年6月15日  反省
●ラトックシステムのセミナーが終わったので、機材が帰ってくるまでの間、この何日かはオーディオのことはほとんど考えない毎日でした。といってもプリアンプの製作などは続けていましたが、これは何も考えないための手業/工作と言えなくもありません。
 昨日は母(93歳)の所に行って、一緒に仏壇の供花を買いに行きました。お店は車の多い所なので、何度も同じ話をしながら、母の手を引いてゆっくりと歩きながら、こういう穏やかに日々があとどれくらい続くのだろうとも思いました。まあ、日々は穏やかに過ぎていき、よく眠れました。感謝。

●セミナーでのアンケートを拝見いたしました。大阪では実質的に11月のハイエンドオーディオショウ以外にはイベントがほとんど無くなっています。そのような中で初めてのラトックシステム・PCオーディオセミナー開催で、これから始めようかという方からかなりやっておられる方まで、非常に幅広い層が一堂に会されたので、参照用のテキストとしてPCオーディオfan No.4を個々人に配布いただいてますものの、盛りだくさんなメニューも人によってはあまり意味が無かったかも知れません。これは私案ですが、例えば個々のスキルやニーズに合わせて内容を絞った複数メニューを用意するとか、次回からの開催内容に活かしていきたいと思います。皆様方からの声は受け止めさせていただきました。

●ただ、セミナーにお越しになった方は、例えばパソコン本体の電源だけでどれだけ音質が変わるか、もっと言えば「化ける」か、あるいはOS環境やソフトウェアでも音が違うか、つぶさにお聞きいただいてご理解いただけたかと思います。
 これらのうち電源について申せば、パソコンはまだ「オーディオ機器」グレードには達していないのです。いい電源やそのアイソレーション、加えて振動対策などオーディオ的なサポートをしてやってはじめて「オーディオ機器」グレードになるわけです。
 そう言う意味では、ハードウェアを選ぶ際には電源抜きでは決められない、という事も重要なポイントになります。いろいろとメニューを用意したのもご判断の基準となるポイントを具体的な「音」で聴いていただきたかったからですが、いろいろな意味で少し早かったのかも知れません。反省。


2011年6月13日  ラトックシステム・セミナーは盛況の内に無事終了いたしました。
 6月11日(土)のラトックシステム・セミナーは盛況の内に無事終了いたしました。既にコンピュータオーディオを始めておられる方、一体どんなものかと聴きに来られた方など、関心の度合いは様々ですが、Windows、Mac、Ubuntu Studioだけでなく、Voyage MPDやiPadからの再生、電源など熱心に聞いておられました。鹿児島や長野からもお越し下さった方もあり、終了後にも熱心な質問や意見交換が続きました。(こちらにレポートあります。)

 ご来場いただいた皆様、ありがとうございました。またお会いいたしましょう。


2011年6月6日  あれこれ
●この間、Voyage MPDの電源まわりなどをあれこれ改善していました。いやあ、随分と変わるものです。結局パソコン本体の電源を換えるのと同じ効果ですからね。

友人が送ってくれたVoyage MPD/ALIXは香港のVoyage Storeが扱っている「Starter Kit」とはソフトウェア環境が異なっている。最新のMPD0.17を使い、リアルタイムオプションを使ってコンパイルし、不要機能を削除、割り込み優先順位を変更している。また、本体の電源オンオフによるトラブルや起動の失敗は「Getting Started Guide」を見てもいろいろあるようだが、Linuxだからオンオフについては本来はRS-232Cからログインしてシャットダウンさせなければ行けないので、その辺りも安定動作のためにいろいろと措置してトラブルを回避しているそうだ。
 プロの技による作り込みが行われているわけで、なるほど至って安定してだけのことはあります。

 沈滞気味の斯界にいろいろと刺激を与えるためにも、製品化はやって欲しいですね。


●NASの中身はネットワーク越しのLinuxサーバだし、USB HDDのVoyage/ALIX直結の方が良いかなと考えて、IDEのHDDを使ってALIXに接続してみましたが無事動作しました。IDEがOKとなれば、ATAPIのCDドライブもOKでしょう。NASの設定はややこしいので、USBが使えれば一般的により使いやすくなるのでは、と期待したわけです。
 ところがUSB HDDの音がいまいち冴えないので、聞いてみるとやはりALIX 3D2のUSB2.0のコントローラーは1個だけでした。USBオーディオクラス2.0のインターフェース(我が家はラトックシステムRAL-24192UT1)に加えて、USB2.0のHDDが接続されると当然バス帯域の食い合いが起こるわけだ。なるほど、それなら近接配置のNASの方が結果が良いわけでしょう。

 Voyage MPDを聞いてもらいたい人がいて、2.5インチのUSB HDDならさらに軽くなって良いな、と思っていましたが、まあNASを含めて全部足しても何とかなる重さと嵩なので大丈夫です。

●我が家ではもともとVoyage MPDはメインになりにくい状況があるし、USB光学ドライブからのCD直接再生もパフォーマンス上出来ないとなれば、HiResファイル専用のサブ環境になるわけだが、サブと言うには立派すぎるもので、今後とも切磋琢磨していくことになるでしょう。

●さて、Mocchiさんも「Ubuntu Japanese Team」の公式メンバーになられたことだし、来週のラトックシステムの「PCオーディオセミナー2011 in 大阪」が終わったら、Ubuntu Studio 11.04などにも取り組みましょう。

●昨日Ubuntu Studio10.04 のアップデートをして、PCオーディオセミナーの機材確認は終わったのですが、まだソースの方など整理しなければなりません。最近になっていろいろとネタが増えたので、盛りだくさんな内容になること請け合いです。会場でお会いできるのを楽しみにしております。


2011年6月3日  localy made in new york
 閑話休題。バッグの話を。仕事の関係でどうしても機材を持って外出したり、1泊2日くらいで出張する場合があって、ショルダーバッグ一つでできるだけコンパクトに動きたいので、どんなバッグで行くかは結構難しいです。Lands Endのキャンバス地の大小トートバッグはかなり詰め込めますが、もう年だし荷物は少ない方が良いので、そうなると少し大きすぎる。ヌメ皮のバッグは見た目はよいが収容力が足りず、せいぜいiPadと書類で日帰りのキャパでしょう。

 てなことで何となくもやもやしていたのが、Sundance Catalog のサイトを見て「これだ!」とひらめきました。ニューヨーク "Jo handbags" のValenciaメッセンジャーバッグ。実は20年くらい前からユニセックスで使えるようなバッグをここで何回か買ってました。もう使い潰したのですが、今回のはまた産業用素材と皮の配色が結構渋くて、タフそうです。

 届いたバッグの中に入っていたメッセージカードの文章がとても素敵だったので、何とか字体を真似してメモっておきますね。

 take me wide    city wide    worldwide
 
take me take me take me    out about    fill me stuff me
 
overload me I can take it    designed to take it
 all of it   
whatever is in you is in me    your creativity
 
security  anxiety    it fits me to a T like an upside down T
 
sturdy and strong    versatile    functionality
 with personality    
thats the new luxury
 take it to go    here we go    here goes
JO

 旧式な滲んだタイプの字体を大小取り混ぜて、リズミカルに配置したところが素晴らしい。
 言葉的には"whatever is in you is in me"というのが、ぐっと来ます。


 で、ですね、Voyage MPDは、NASもiPadもAirMac Expressもこのバッグの中に一式すっぽり入るんですよ。良いっしょ?


2011年6月2日  Voyage MPDは素晴らしい!
Voyage MPD関係

 いくつか改善策を講じて非常に充実した音になりました。これは本当に素晴らしいです!

1.マランツNA7004でいろいろやってみて、LANケーブルの長さも効くと感じたので、HUBをオーディオ側に移しMPDとNASについてはHUBとの距離はケーブル長で1~2mに短縮。

2.Voyage MPDはHUBからルータ側にネット接続しなくても動作することが分かったので、AirMac Expressも含めてHUBオンリーで試しました。ところがAirMac Expressがネットワーク接続なしには動かないので、元に戻しました。残念。

3.LANアイソレーター(日本光電 HIT-100)をVoyage MPD/HUB間に接続しました。また逸品館で評価の高かったオーディオクエストの緑のLANケーブル(RJ45-G)も方向性を確認して、空間・音場表現が良くなる方を選びました。


 今後の改善策としては

4.ALIXに搭載のクロック(25MHz)を換装すれば、ハード的にはこれが一番手っ取り早い改善かも。要検討。

5.ALIXにはRS232Cのシリアルポートが付いていて、MacやUbuntuの端末からコマンドを入力してVoyageにログインする方法を教えてもらったので、これでMPDの中身の勉強も出来ます。先達の成果をフォローせねば。

6.ALIXにはUSB端子が2つあり、USBメモリも認識されるそうです。となるとUSB HDDや光学ドライブも使えそうで、Linux越しのNASよりも良さそうな気もします。とりあえず、ピコブーストを挿してみた感じでは「データベース更新」を押してもすぐに認識してくれず、結局MPaDの表示が変になったりして少し慌てました。要研究です。


 音質についての評価ですが、価格から見れば致し方ないとは言え、ラトックシステムRAL-24192UT1のクロックの質感にやや不満があり、例えばAntelopeの Zodiac Goldや今月リリースのフェーズメーション HD-7A 192のような高品位クロックを内蔵したUSBインターフェースで、10MHzアトミックを入れて是非聞きたいところです。勿論、Voyage MPDのオーディオクラス2.0のドライバーに対応していればですが、どちらも聞く機会がありそうなので楽しみです。

 しかし現状でもVoyage MPDは非常に良いと感じます。例えて言えばVoyage MPDはステージのかぶりつきで聞くイメージで、エネルギー感は高くダイレクトな実体感のある音です。どんと前に出てくる鮮度の高い音。
 それに対し MacBook Pro/Ubuntu Studio/Ardour+Jack/Orpheus はホールの少し真ん中寄りで聞いていて、全帯域が同じタイミングで出てくる感じで、ホールトーンやベースのドローンのような空気感の動きが如実に感じられます。
 全体としての質感は結構よく似たところがあり、どういう聴き方をしたいのかにもよるでしょう。でも明らかにコストパフォーマンスはVoyage MPDの完勝ですね。ウブスタ君も気合い入れて頑張らねばいかんです。

 今回はお客さま気分を存分に味わいました。これだけでも元をとった気分です。(嬉)

無線と実験6月号は別冊付録『CRハンドブック』の抵抗とコンデンサーの製品紹介も楽しいのですが、柴崎功さんの記事2本が面白いです。

 「USBクリーン給電器の製作」は12Vスイッチングアダプタ出力に三端子レギュレーターをかませて5V電源を作る方法で、和田ラボのブログでSALさんが実践している方法の延長だと思われます。
 それと「画期的な波形解析スーパーフーリエアナリシス(SFA)」は、基本波とその整数倍の周波数しか出てこず、それと合致しない元波形は近い周波数に書き換えてしまう、というFFTやDFTの限界というか問題点がよく分かりました。また、SFAを使って理想フィルターを作ると言うのには膝を叩きましたね。まあ特許があるから誰でも利用出来るというものではなさそうで、パテント代を払ってメーカーがチップを作るとも思えないし、ソフトウェア的にFPGAに書き込んでもコストが回収できるほど製品の台数が出るかという問題もありそうです。とはいえ、将来に可能性というか期待が持てるのは嬉しいものです。


2011年5月27日  Voyage MPD 24/192鳴りました!
●Voyage MPDは本来なら自分で七転八倒してこなすべきだと思いますが、経験者達によるとブログやサイトを見てその通りにしてもまずうまく動作しないとか、2回に1回は起動に失敗するなどと聞かされて、時間がないこともあり超ベテランの友人に仕込みをお願いしました。といっても、彼の方が多忙なんですが、何とか時間を作ってALIX 3D2というPCエンジン(CPU:500 MHz AMD)にコンパクトフラッシュを組込み、我が家のネットワーク環境の設定データを仕込んで送ってくれたというわけです。感謝。

●NASはマランツNA-7004の記事にも登場したQNAP TS-110で右の写真の下側にあり、その上がケースに入ったALIX 3D2です。 
 ALIX 3D2上のVoyage MPDは24/192までファイルのフォーマットでそのまま再生します。LinixのUSBオーディオクラス2.0のドライバーを持っており、どうせやるならオーディオクラス2.0のアドヴァンテージをフルに使ってHiResしたかったので、我が家ではそれをラトックシステムRAL-24192UT1で受けています。
 ただしこの3D2にはディスプレイなどの端子がなく、RS-232Cの端子しかないので、もしデータが違ってたりしたら、また彼にお世話をかける事になります。

●再生のためにWin/Macのマシンを立ち上げるなんて絶対にやりたくなかったので、コントローラーはiPadのアプリであるMPaDを選びました。MPaDも何処を設定するんだかヘルプもコマンドでさ~っと流れるだけで読めもせず、NASの設定も確認しながらあれこれやって、まあ何とか音が出てホッとしました。充実したズドンとパワフルに速い音です。やはりコマンド系に共通する速さを感じますが、一方で超低域辺りの軽さも微妙に感じるので、電源など物理的な贅沢さを驕ってやらねばいけないようです。今回はALIX 3D2には自作12V電源、NASにはアイコー電子のリニア電源アダプタ(12V/1.2A非安定化)を使いました。Ratoc 24192には5V安定化電源を充てていますし、ハブの電源(5V)も高音質化スイッチング電源投入予定です。



●ところが、NASにビル・エヴァンスのワルツ・フォー・デビー24/192などコンテンツを追加していっても全然表示されないし、再生も出来ない。結局、MPaDのVoyage MPD設定の所でデータベースを更新すると分かり、疑問は氷解しました。

●事前仕込みですから今回の我が家での手間なんかたかが知れていますが、でもこれは苦労する甲斐があります。良い指導者がそこかしこにおられればハイスキルな人達にはかなり普及しそうです。
 これ自体の単価は低くても製品化など出来れば、オーディオ業界にはUSBオーディオクラス2.0のDAC/DDCの売れ行きが一応期待できるかと。


2011年5月26日  普通に楽しむスロー・コンピュータ・オーディオ
●昨日は6月11日のラトックシステム・セミナーの打ち合わせ。今回はアサヒステレオセンターさんがハイエンド機材(凄いラインナップ)を提供してくださるので、その試聴室にお邪魔しました。いろんな方と話をしていて思うのは、コンピュータ・オーディオが既に定着してきており、コンピュータに置き換えるネットワーク・プレーヤーなどがまだまだ機種も限られて普及していない現状では、また音源も少しずつしか増えていかない状況では、コンピュータ・オーディオというスタイルが相当の期間続いていくだろうと言うことです。
 また、コンピュータでなければ出来ない再生やその可能性も見えてきました。そうなると、これからは「音質・性能の追求」と並行して「操作のシンプル化・使い勝手の改善」の両方が大きな目標になります。同時にそれらを実現していくのにはどちらかと言えばソフトウェアが重要であり、これからは「ソフトウェアの時代」だと感じます。

 そしてオーディオは技術であると同時にアートでもあり、その基本を踏まえれば自ずと偏らない立ち位置も見えてくるでしょう。過ぎたことを云々しても始まらないので、大事なのはこれからどうするか、何が出来るかです。

 肩の力を抜いて、スローに長期戦でまいりましょう。大事なのはロジスティックス、兵站、つまりは補給です。心と耳とに栄養をあげて、音楽を聴きたいという気持ちを、感性を大切にすること。そして日々の音楽をオーディオを楽しむこと。

さて、明日は24/192などの音源のチェックや、今週届いたばかりのALIX 3D2でVoyage MPDを集中的に聞きましょう。


2011年5月24日  WEISS ATT-202について分かった2~3のこと
●ATT-202で一番効果が現れるのは多分アナログ、つまりLPの再生だと思っていましたが、実際その通りでした。ホットな方向に振ろうとカートリッジZYX クライオの定格出力 0.25mVよりも0.15mVへとフォノイコの感度を上げていたのですが、その状態ではATT-202のノッチをすこし回しただけで大音量になり、 定格0.25mVでもまだ高感度すぎるので0.4mVくらいで様子を見るつもりです。

●誤解されると困るのですが、ATT-202はプリアンプのREC OUTーTAPE INの間に挿入して、プリのボリュームを最大にしておく事で簡単に既存システムに導入できます
 今回セレクターをわざわざ作ったのは、この際ダウンミキサーも一緒に収納したかったから、そして入力のホット・グラウンドを同時に切り替えたかったから、という事です。

●何故これほど音質が激変するかはよく分かりません。接点が真空バルブの中にあることも大きいのでしょうが、それにしても凄い代物です。どなたにもお勧め出来るようなものではありませんが、システムに活を入れたいとお思いの向きにはぴったりでしょう。

 我が家のシステムはもうこのままで何の不足もないんで、淡々と音楽を聞き続けたいのですが、まあお仕事がらみでいろいろと課題ありなので、またごそごそとやりませうか。


2011年5月23日  金属加工での穴あけの難しさは経験者にしか分かりません。
●とりあえず工作初心者の方々にもすぐに役立つと思われるレベルで、「オーディオ工作のページ」を再度整理してアップしました。ポイントだけで手取り足取りではないので、電気屋街がなくとも工具店やホームセンター、DIYショップなどを歩いて、ご自分でいろいろ工具を手にとって確かめてください。全部オンライン通販で揃えよう、などという人はまず必ずと言っていいほどに失敗されるでしょう。

金属加工での穴あけの難しさは経験者にしか分かりません。以前その話をしているときに「センターポンチを使えば良いんですよ。」と言われて、まじまじとその人の顔を見たことがある。なぜならその人が全く経験がない事を知っていたからだ。「よくやりもしないでこんなこと言えるよなあ。」とその時、不信感が兆したものです。

 まずセンターポンチは結構使いにくい。軸が太いので当たっているポイントが案外と見えにくいからだ。だから僕はポンチングに「千枚通し」を使う。これなら微妙な位置まで見分けられるし、程度にもよるが打ち直す事も出来ます。
 そしてドリルの刃は必ず滑る、と思った方が良い。新品の間だけは先端が尖っているので食い込みやすいが、それでも時として滑る。長い間使って先端が鈍ってくると、これはもう必ず滑る。つまりは「ずれる」。だから大きな穴あけには先に径孔(みちあな)という細い穴を出来るだけ精確に、必要ならハンドドリルで開けてから、大きなドリル刃を充てます。例えば4箇所で止める部品の場合など、4穴一度に開けてしまうのは愚の骨頂だ。1穴開けて部品を固定し、現物あわせしながら次を開けていく。そういう深長さがなければ、出来上がり時に絶対に泣く事になります。

●もし可能ならキットから入るのもお薦めです。例えば真空管のコンパクトなアンプなど、デスクトップでも使えるし、マルチのリア用のアンプなどいろいろ使い途はあります。あるいはデジタル関係の各種キットも良いかもしれません。とにかくちょっとした事の沢山の積み重ねがノウハウというものになっていくわけです。時として回り道が丁度良いくらいなのが、人生というものの面白さでしょう。

 皆さんのご健闘を心からお祈り申し上げます。


2011年5月22日  暗黒のシステムインテグレーション
 ソフトハウス「ワーストシステム」の経営企画会議風景
 (似たような体質の会社は多々あると思いますが、本件はあくまで筆者の想定です。)

(ごますりの取締役営業部長)今度我が社も米社から著名ソフトウェアを引き継ぐ事になりました。ついては、新機能を盛り込んでセールスを大々的に打ちたいと思うんですが。

(開発担当部長)いやあ、長年サポートしていると言っても開発環境、それもVisual Basicのバージョンが違ってもバグが起こるくらいですから、移行時は一つ慎重に進めさせていただきたいと思います。

(これまたごますりの常務)何を言っとるんだ君は。我が社は日本で一番日本語に強いソフトハウスじゃないか。ここは流石というところを見せるくらいの志と余裕が無くてどうする。ねえ社長。

(現場のことは何も知らない社長)そうだねえ。やはりここに我が社有りと行きたいねえ。

(ごますりの常務)そうですとも。開発担当部長、何とかしたまえよ。

(開発担当部長)(下を向いたまま......。)はあ、社長のご意向なら努力いたしますです。(内心「一体何ステップあると思っているんだ?1年もないのに全機能のテストなんかできるわけない....。」)

 かくて華々しく登場した新ソフトはテスト不足のためバグの雨あられ。あちこちバグが出まくって見事にデグレてしまう。
 ごますりの常務はたんまりと退職金をせしめて退職子会社に天下り。ごますりの取締役営業部長は常務に昇進。開発担当部長はお灸を据えられ、それでなくても技術系には厳しい役員への道はほぼ閉ざされる。旧バージョンで使えた機能が使えなくなったり、データが損なわれるので、コールセンターには問い合わせと怒りの電話が殺到する。現場のシステムエンジニア達は頭を抱えながらも、何とかしようと奔走するが、複雑なシステムの暗部に潜むバグはとてもすぐには解消されそうにない.....。

 あ~、あくまで筆者の想定です。ただ森正久「暗黒のシステムインテグレーション―コンピュータ文化の夜明けのために―」など読むと、現実的に超ありうることがお分かりいただけると思います。現場のことは何も知らないトップ、保身のごますりなんていうのがポイントでしょうか。
 もちろん発注側の問題もあると思います。ハイ。


2011年5月22日  「オーディオ工作のページ」をアップしました。
オーディオ工作のページ」をアップしました。
 コンピュータ・オーディオでも良い電源が必要なので、これは自作しかないのかなあ、などと考えている方も多いと思います。ところが、ケースなどの金属加工はもちろんのこと、これこそノウハウの塊なのに、いまやオーディオ工作の良き解説本が激減しています。
 一方、最近はパソコンの自作(というより実際の作業は「組立」)のイメージしかない人も多いようです。いかし、ソケットにフラットケーブルを差し込んで、ドライバーで締めるだけ、なんていうのは「オーディオ工作」ではありません。アースの取り方、パーツの取り付け方、ケーブルの選択、コネクターの容量・種類や使い方一つで音がどんどん変わるのが、アナログオーディオというものです。
 デジタルオーディオの基板でもそれは同じです。むしろメーカーのコスト削減から来る施工性・メンテ優先のワイアリングや設置方法を真似しないで、メンテも考えて音が良く性能の良いパーツ、取り付け方法を試してください。

 最近製作したセレクター/ダウンミキサーを例に、ぼちぼちと書いてまいりますので。

 というはずだったのですが、こちらではちゃんとファイル作成されていて転送されているのに、一部ウェブ上では表示されないものがあります。メタタグの管理も出来ないホームページビルダーのアホンダラです。


2011年5月20日  音量調節段階で既に失われている情報
 ワイスATT202の導入でこれだけ音が改善されるということは、通常のボリューム・アッテネーターでどれだけ音の情報量が失われているか、という事でもあります。
 先に使っていたDACTのボリュームだって、10Kオームの場合10MHzの正弦波=高周波をそのまま流せる優れものです。

 まあ聞かないと分からない種類の事ですが、音を知っている人の場合聞いてしまうともう悩むでしょうね。それでも少量だそうですが、世界中で一時は売り切れ状態になっていたくらいなので、頑張って買う人は買っていたのでしょう。


2011年5月19日  完成したセレクター/ダウンミキサー。ようやく登場したワイスのATT202。

●ウイザード(魔法使い)クラスの人と話をすると、何か大きなビジョンが伝わってくる。ものづくりは部品とソフトウェアで描く壮大な画のようなイメージでやってくる。

●この間音無しの構えと言う訳でも実はなく、ごそごそとやっておりました。写真の上部・右側が完成した自作「セレクター/ダウンミキサー」です。各種入力ソースのシグナル/アース両方の切替と、SACDやPCMの5.1chのうちフロントのC(センター)とSW(サブウーファー)をそれぞれL/Rにダウンミックスさせるものです。
 この詳細は、ダウンミキサーの電源部も併せて工作の実地ケースとして、別ページで若干の公開をする予定です。
 ちなみに、見えにくいのですが下に敷いている黒いシートは岡山AC2の制振シートです。

●そしてその左側が、ようやく登場したワイスのATT202です。実に高解像度でエネルギッシュな彫りの深い空間表現。このままでも十分すぎるくらい使えますが、僕はラインアンプ(プリ)があった方が良いと判断して、これらの下のマランツSACDプレーヤーの上の空間にプリアンプ Music Reference RM-5 Mk2を不安定ながら押し込みました。結果は大正解で音の実体感が非常に濃くなる。。チック・コリアやキース・ジャレットのトリオで久しぶりに膝で調子をとる自分に気づく。これは断じてビンボー揺すりではありません。
 短時間だが、久しぶりに音楽に浸った。やっぱりオーディオはこうでなくっちゃ。


●材料を手配したのでプリアンプもしっかりとした形でちゃんと収納するつもりだし、ここまで来たからにはDACTのラインアンプも製作してchセパレーション120dBの世界を聞くつもりだ。機材は手配済みなので、いつでも取りかかれるが、まあそろそろコンピュータ関連も再開するようにしましょう。
 と、早速追加原稿依頼だ。


2011年5月16日  名古屋で遊んできました。
出演者●昨日は名古屋で遊んできました。Kent達とも会えたし、なかなか楽しく充電できました。
 さて明日は明日で、Wizard級のビッグな人に会えます。大変楽しみです。

何人かの人とお話できましたが、やはりコンピュータはそれ自体が難しいのだそうです。「デフォルトのままで使うコンピュータ・オーディオ」なんてのを提唱しますかね。って、限られるんですが。
 ボリュームを触らないというのはそれ自体のビット落ちという劣化を防ぐだけで、「サウンドなし」設定もちゃんと「軽減」と明記しているし、オーディオエンジン経由問題の根本解決とは何~の関係もないのにどうしてそういう理解になるんだか。思い込みですねえ。あの力作チャート図を見て欲しいなあ。


●ワイスのMAN202はUbuntuベースだそうです。ほっほー!
 INT203という新機種が出るので、これはFirewire⇔S/PDIFまたはAESの双方向に働く。なので、これを2台使うとUSBインターフェースからS/PDIF出力し、それをもう1台に入れてBit Transparencyのチェックが出来ます。各ハード・OS・再生ソフトのBit Perfectテスト総まくりでもやりましょうか?嘘嘘。言ってるだけで、余計なことは致しませんからご安心下さい。


2011年5月12日  オーディオとコンピュータの分岐点
juubeeさんが雑記2011/5/11で書いておられることは、僕にはとても実感として良く分かる気がします。なぜなら何度言っても皆さん全然分かってくれないけれども、コンピュータ・オーディオには20年以上の録音製作業界の、プロフェッショナル・オーディオの技術的蓄積があるからです。つまり昨日今日はじまったものではなく、くちばしの青い生硬で視野の狭い理屈論議はとっくに越えてしまって、具体的かつ実用化された経験値あるいは経験知としてそれなりに確立されたものが出来ているからです。(具体的にはコマーシャルな会社側の要求で「音圧を上げる」ことに必死になっている人達もいるわけで、ここでいうようなアーティスティックなことはかなりハイレベルな世界になってしまうけれども。)
 最近SE(システム・エンジニア)さんとかコンピュータ側のハイスキルな方が、この分野に関心を持って参入しつつあるようで、とても嬉しく思っているのですが、例えば取っつきやすいビットパーフェクト論議など業界ではとっくに終わってる話です。大体CDが読めてないとかのデマでも、過去メーカーが何もテストしなかったと思っているのでしょうか?皆さん、プロフェッショナル・オーディオを舐めすぎです。

●現実に僕も5年ほど前には業務用機器と録音製作業界の友人達のアドバイスを得て自分のシステムを立ち上げたわけですから、これは再生の側で即利用できるものでもあります。録音製作と再生は決して別物ではなく、同じ根っこを持ち、かつADとDAのように本来セットで考えられるべきものです。

●どうも日本のオーディオファイルはあまりにも録音製作の世界を知らなさすぎるし、それがどれほどの大きな損失あるいは不幸であるか全く自覚がありません。ジャーナリズムも誤同様(実際のATOK変換)、もといご同様です。そんなことや、あんなことは、とっくの昔に錚錚たる連中が既に手がけているんですよ。具体的かつ実用化された経験値あるいは経験知として一貫したものが既にある。理屈だけでは良い音は出せない事は、良く分かっているんですね。だから、彼等は自身の音に関する判断として明言することを恐れないし、僕も生涯勉強前提でそれを見習っていますし、時間を費やしています。


2011年5月6日  「標本化定理」の前提条件は現実のDA変換では成立していないこと。エイリアスのないDA変換を。
●あすアマゾンから「PCオーディオfan No.4」が届くと思います。今回は地震の影響で急遽企画の変更があったりして、かなり沢山書いています。特にUSBについてまとめた書けたのは、ご参考になるのではないかと思います。あと、PC用電源やクロック、昨日書いたようにマランツNA7004ネットワーク・プレーヤーの使いこなし記事などです。

●巻末ですが、日立GSTさんに取材した「ハードディスクのABC」の記事も面白いと思います。いやあ、一昔前とは格別の変化で、随分と変化と進歩の早い世界でした。

●そして僕的には今回の白眉は巻末の「Wave File PlayerとWindowsについて~和田特機インタビュー」だと考えています。
 まずデジタルオーディオ再生の基本的な問題点として、理想フィルターの存在とfs/2以上のデータの不存在という「標本化定理」の前提条件が現実のDA変換では成立していない、ということを整理しています。すなわち位相が全く回らないフィルターは存在しないこと、DA変換時のエイリアス(折り返し歪み)の発生によってfs/2以上にデータが存在してしまい、しかも元の信号レベルをエイリアスに食われてしまうこと、などです。たとえビットパーフェクトにデータを供給したとしても肝心のDA変換時にはそれが損なわれることになり、オーバーサンプリングで改善できたとしても基本的な問題は残る、ということです。
 そこでWave File Player(Experimental)ではゼロ値挿入ではなく、メモリーに音楽データ(Wave)を上げていく状態を利用して、滑らかに補間するために個々のデータの前後32近傍点を関数により計算して「傾き」データを算出して、勿論Waveファイルはそのままに、別スペースに「傾きデータ」を収納し、それを使ってアップサンプルして行き、エイリアスの少ない状態・誤差率の低い状態でのDA変換を実現しようと開発しています。

●このアップサンプリングを設定するには、いまのところレジストリを触っていただくしかないのですが、最新版をダウンロードしていただくとその設定ユーティリティが付属しているので、ブログの方もよく読みながら設定していただくと、いろいろと聴いていただけます。

 また、WASAPI+排他モードを使う新バージョンも今後開発してくださる予定です。WindowsでWASAPI+排他モードを使うとなると、汎用のWindowsインストーラーを使わざるを得ず、そのため様々な実行ファイルなどへの関連づけがなされてしまい、音質を阻害する可能性は高いとの事ですが、どのように音質が違うか興味は尽きません。

 とにもかくにも、「エイリアスのないDA変換」を目指して、CPUとOSという強力なハード・ソフトを擁するコンピュータならではの再生ソフトウェアが産声を上げました。今後、より基本的な問題点解決のために皆さんのスキルとパワーが適切に注がれることを切に祈りたいと思います。


2011年5月5日  理解していただけたら本当に嬉しいのですが。
 「ネットワークオーディオといえば、何でもかんでもLANだ。」という短絡にはまいりました。図を載せても全然というに近いくらい読んでもらえないことは分かっていますが、文章だけで書けば余計に分からないので、このときは図も併用しました。
 LAN以外にもいろいろルーティングがありますでしょう?使いはしませんが、1394ネットワークというFirewireのネットワークがあることはご存じでしたか?USBもネットワークの構成要素です。

 制御はLAN経由です。しかしそれはコントローラーとしてのパソコンです。パソコン経由で音源をネット経由で別のパソコンに送るなんて、演算に演算を重ねるだけです。全てを同じルーティングにするよりも、可能ならば別形式データは最短の別ルートで供給する方が経済的だとは思いませんか?経路が長く、関所が多数あると音は明らかに鈍ります。

 PCオーディオfan No.4でマランツNA7004の使いこなし記事を書きましたが、鮮度的にはネットワーク・プレーヤーとNASのLAN直結が一番でした。それとLANのアイソレーターです。

 まず背景の理解が必要ですね。



2011年5月4日  あれこれ
●スローに、しかしいろいろとオーディオ的に取り組み始めています。細々したことは省きますと、
 デジタル/コンピュータ・オーディオでは
1.ウブスタ君10.04での新JuJu Stack活用。
 Mocchiさんがppaから配布してくださっているので、libraw1394のバージョンも上がって使える状態になっています。どんな音になるかな~。
2.aplayex!
3.Voyage MPD 早く来ないかな~
4.10MHzクロックの電源部改良 超ローノイズの基準電圧素子があるので、それを組み込もうかと。でも、また音が安定するまで相当期間が掛かると思うと二の足、三の足。
5.ffadoドライバーのDICEチップ対応状況  少しずつ良くなってるんですが、.....。
6.ほとぼりが冷めたら3台のMBPの内の1台に11.04 Nattyをインストールしてみる。どんな音になるかな~。

アナログサイドでは
1.フォノイコは調整完了。ベリーベリーグーです。
2.セレクター兼ダウンミキサーの製作
 これは工作志向の方が増えているようなので、写真も入れてささやかなノウハウを公開しようかと。
3.同上ダウンミキサー部の電源製作。これはDACT CT102電源基板を使うので、付属スイッチングレギュレーターとトランス式と両方製作予定。
4.電源部関係のデータをまとめて、アップしようかな、と。

音源
 5月15日の名古屋サウンドピットでのチャリティー・ジャズコンサートではKentが録音を担当する。で、.....。

我が家へのお客様 数組予定あります。お待たせして済みません。

●その他
 常用iMacを最新Mac mini(メモリ8GB)に入れ替えました。ただUbuntuはまだうまく入らないので、もう少し待ちましょう。ちなみにiMacは姪っ子にあげる予定です。


2011年5月3日  眼鏡が出来ました。当分スローな気分のままで行こうかと 。
●新しい眼鏡が出来ました。ドクターとも相談したのですが、僕の場合事故るとやばいし遠近両用は避けて、まあ遠くも近くもそこそこは見えているので、これまでと同じく間をとったようなテキトーな度数が良いそうです。
 フレームはボストンなど欲しかったのですが店になく、結局ジョン・レノンモデルというのにしました。そしたらほんまにあの形で、まいっかという感じです。左右の視界は広くないけれども大きく歪んだ形を見ても仕方ないので、むしろ上下がちゃんとシームレスであればそれでよし、としてます。

で、真っ先にやったのは文字化けしていたページの復元です。読者のRさん、Hさんが記録してくださったアーカイブのおかげで、2010年12月の1ヶ月あまりを除いて、ほぼ全て復元することが出来ました。本当に、本当にありがとうございました。<(_ _)>

●この間音楽を聴きながら至ってスローにオーディオをやっていたので、当分その気分のままで行こうと思っとります。
 特にコンピュータ関連のページなど今のところあまり見る気がありません。オーディオ側はコンピュータ側に振り回されすぎです。むしろ道具として使うくらいの見識を持つべく努力すべきです。例えばNASなど最適化されたものをタイアップして提供できないか、などHDDメーカーに働きかけるとか。

で、どちらも分かっていないのは、もう20年以上もの実績が録音製作の世界であると言うこと。大体がコンピュータ・オーディオをやり出してある時期には「これでデジタルの問題点が解けるかも知れん。俺ってなんて賢いんだ!」と思い込むものです。中にはずっとそう思い込んだままの方もおられるのかも知れませんが、そんなことは録音製作の世界で錚錚たるプロフェッショナルがとっくの昔に、よってたかって取り組んでいるわけです。もし数学的に全てが解明しきれる物ならば、とっくに解明している事でしょうが、出来ていないのです。

今や録音製作業界の人達は様々なノウハウやティップスを経験値として、あるいは経験智として蓄えています。データには手を加える事なく、しかしこういうサウンドのまとめ方にはあのマシン、あのクロック、あのケーブル、という形で在りものを組み合わせて音のイメージをまとめあげていくわけです。
 JVCマスタリングセンターに杉本一家さんをお尋ねしたときには、XRCDのプレス工場に出す最終のMOは土日の深夜に出勤して、必要最小限の機器だけオンして照明も点けず、手元のペンライトで作業して焼くと聞きました。「理由は分からないけれども、これが音が一番良いのでこうしています。良い音を提供するのが僕等の仕事ですから。」とのことです。
 これをオカルトという頭のお堅く視野の狭い人達も、そういう努力の成果をCDなどで聞いているわけですね、一応。んで、まあこっちはスローに行ってるわけです、はい。

p.s.Ubuntu9.10がEnd of Lifeつまりサポート終了したので、Ubuntu Studio 9.10カスタマイズのページは削除いたしました。


2011年4月28日  Nattyリリース、しかし1週間ほどプチ引きこもり
 Ubuntu 11.04 Natty Narwhalは今日がリリース日。Mocchiさんがいろいろ忙しい中でちょっと興奮気味のメールを何通もも送ってくださる。その内容もちゃんと紹介せねばいけません。他にもNさんのaplayexとか遊びたいことが沢山ある。
 しかし、ど近眼なのにメガネを壊してしまいました....。新しいのが出来るまでに1週間ほど掛かるそうです。古いので何とかやってますが、とても疲れるのでパソコンも必要最小限にして「おうち連休」にします。う゛う゛。

 ということで急ぎの方は、携帯などにお電話ください。さて仕方ないから寝よ。

p.s.PCオーディオセミナー2011 in 大阪「USB AudioによるHigh-Resolution音源の楽しみ方」だそうだそうです。


2011年4月25日  発売日は5月7日です。
●昨日校了しました。発売日は5月7日です。amazonで予約してくださいませ。
 今回はいろいろとあります、書いてます。記事内容は追々と。

●またフォノイコの話ですが、以前Surplus Saleで50VAのPlitornトランスを安く入手していて、何とそれがWadia Degitalの印字入りのもの。しかも一次側・二次側共にシールド(多分マグネティック)が入っているという豪華さ。ならばこれこそローノイズを求めるフォノイコに使えば良い、と突然思いつく。メールも電話も来ないし、ええいと作業開始。バランスの取り直しの必要はありますが、いや、良い結果です。

●さて、では姪っ子にこのiMacを明け渡すべく、マシンの入替作業に入りませう。
 そしていろいろと遊ぼうと思う。久しぶりにおうち飲み会もやりたいし、延び延びになっている約束もある。旅にも出たいし、本も読みたい。何よりも音楽を聴きたい。当面はLP中心だと思うが、古くて音の良いCDも探索中だ。「データが...」しか言わない、または言えない人達は、どのようにしてエンジニアが音決めして、プレス工場にどういうメディアで渡しているのか、全くなにも知らないのだ。ここにこの国のオーディオの不幸の一つがある。


2011年4月22日  仙台レコード・ライブラリー
 震災後頑張って営業再開していた「仙台レコード・ライブラリー」から今日届いたLP

 ELP 「タルカス」(ほっほー!)
 Alvin Lee 「Pump Iron!」(おっしゃあ!)
 Heart 「Bad Animals」(1987年 姉妹妖艶?)
 Fleetwood Mac「Tusk」(渋い!)
 Bill Withers「Greatest Hits」(ジャケ裏の脱ぎ捨てられたハイヒールサンダル...)
 Ligeti「弦楽四重奏第2番ほか」LaSalle Quartet etc(期待大)
 Bruckner「交響曲第9番」カラヤン/BPO(ちょっと聞いて見たくて)
 Liszt「後期ピアノ曲集」Brendel(アラウと聞き比べしよかと)
 Poulenc「人間性の顔/合唱曲集」ウプサラ室内合唱団
  (「アシジの聖フランチェスコの4つの小さな祈り」なんて聴きたくなるタイトルの曲だろ?)
 Bartok/Prokofieff「ピアノ協奏曲」R.Serkin(グランパ・サーキンの音、久しぶりに)
 Shostakovich「弦楽四重奏全集」Fitzwilliam Quartet(7枚組。死ぬまでに全部聴けるやろか?)


 まあ、こんな感じでCDでは聴けない、聴かない音源も沢山あります。
 フォノイコの音も冴えてきたし、またぼちぼちとLPも買おうかと。ここのは決して安くは無いけれど、盤質が良くてノイズも少ないのです。今は減ってますが、そのうちまた怒濤のごとく週に数回カタログが来ます。
 まずはLastのクリーナーで盤の汚れ取りとコーティング。

2011年4月19日  なによりもダメなHomepage Builder
これを見るとデグレているとしか思えない。

 つまりユーザーに不便させて、ユーザーにバグ出しをさせているわけだ。こういう場合、商業ソフトは「金返せ!」の世界になる。
 オープンソースの場合は「しゃーないなー。」とはじめから諦めてるが。そうなると精神衛生上は商用ソフトは出来るだけ使わず、オープンソースで行くべきだということになる。

●今回フォノイコの電源を触ったので、過去のページを書き直しに行こうと開いたらまたも総文字化け。折角WEBではちゃんと表示されているのに、ここで何かしたら文字化けを上書きしてしまう。案の定確認したら、表示される警告と実際のソフトの挙動が違う。危ない危ない、まただまされるところだった。
 なにもせずに閉じたが、結局別のソフトに移し替えてもトラブルが起こる可能性は大で、過去の分についてはこのまま触らずにおいておく他はなさそうだ。ぐぞ~。
 アホな開発責任者は相変わらず肝心の所が分かって無いし、手直しできていない。
 結局、官庁の情報システム調達で1円入札なんかが起こるのは、一旦導入すると変更が非常に難しい、という事によるのだ。
 
【メモ】
 フォノイコの電源トランス Plitron 30VA Primary 115V×2  secondary 2×45V @0.38A
 2次巻き線をパラにして、AC約64V、整流後最大許容電流(ブリッジ) 2×0.38A×0.55=約418mA
 レギュレーター TL-783CKCは最大出力電流 700mAで問題なし。48V出力でDACT電源基板 CT-102(LRで×2枚)へ。
 DACT CT-102は最大出力電流 200mA×2=400mAなので、まあ何とか行けているかと。フォノイコは消費電流25mA×2=50mAなので無問題。

2011年4月18日  校正始まる
●校正が来始めました。う゛う゛。

●校正が来始めるまでのこの数日の間で、集中してアナログのチューニング。今回はコンピュータ系の電源のアップグレードでバイパスコンデンサの使い方によって相当音質が向上したので、その成果をフォノイコ電源に反映しました。このあたりは、それ以外にもいろいろとやりまくった上での、最後の最後なのでそこだけ真似されても、という所もあるし、書き始めればキリが無いので詳しくは書きません。まあ、どっかで測定結果も含めてまとめておこうかなあ、と言う感じです。

●実際、電源はトラブればヒューズが飛ぶだけでなく、まかり間違うと火を噴くので簡単に考えないようにお願いしたい。オーディオというものは、つまりアナログというものは、パソコンの「自作」という名の単なる組み立て作業とは世界が違うのです。コネクタ接続とドライバーだけでは出来ないのだ。
 まあ、頑張ってやれば「アースはゼロボルトではない。」という真実などが分かり始めるでしょう。「ゼロ」などというものはインド人が「発明」したと言われるくらいなので、基本的には「概念」あるいは「目標値」であって、現実には存在しないことが多いものです。

エルサウンドのアナログ電源発売中止。「経済産業省 近畿経済産業局から"PSE"未取得品は販売してはならぬとのお達しがまいりまして中止いたします。」
 ユーザーの相談に応じて手間の掛かる少量・特注品をこまごまと作って来られただけに、いろいろ思いはあろうかと思います。
 残念ながらこれでパソコン電源のアップグレードは、市販品以外には自作しか道が無くなりました。でもまあ、「何でパソコンの電源で音が変わるんだ?」という問いに苦しまなくてすんで喜ぶ人達もいるかも。

2011年4月14日  この間....
●脱稿しました。といっても、もうすぐ校正の雨あられ。久しぶりにまとめて音楽を聴きました。うむ、アナログに気合いば入れんといけんね。

●この間、こんな事や、こんな事や、こんな事などやっておりました。

 皆さん、ネットワーク・プレーヤーと言うと、他にもいろいろルーティングはあるのにLANとDLNAしか考えない「短絡状態」なので、またLANと言ってもいろいろあるので、とりあえず実機で可能性をいろいろ試しました。その一部が記事に。
 うちのNASはQNAP TS-110です。白いカラーがキュートで、Linux対応、ファンノイズも全く問題なし。Twonky Media搭載。Western Digitalの2TBが安かったので、一緒にアマゾンで買いました。このNASはアプライアンスサーバ、つまり機能を特化したLinuxマシンなのですね。ファイルシステムもext3かext4だし。
 で、基本的なネットワーク設定をして、最終的にはUPnPメディアサーバとして使うのだけれど、あちこち飛び飛びに設定していくのは結構大変で初心者にパッとできるものではないですね。バッファローではどうなのかな?
 音に関して言えば、程度の差はあるけどケーブルでも違うし、電源でも違うからね。役者が多いのは大変そうだ。直結よろし。まあVoyage MPDが揃えば、そちらのLAN環境でいろいろやってみましょう。

 クロックで音が変わることを否定する人は、このジェネレーターなんか、一度聞いて見るべし。
 クロックはアナログ信号で、ジッターがアナログ量だということの意味を分かってほしいねえ。まあ、考える枠組みが狭ければ、結果も狭いさあ。
 人間というのは面白くて、独り独りは孤立しているから物理的・精神的な意味では離散量=デジタルで、実際の様々な身体的な機能・動きはアナログなんだなあ。そいつを素直に認識できるかどうか、それが問題です。



2011年4月11日  ターミネーター
●原稿が終わったと思ったら、小さな追加が2本。もうちょいで遊べる。

●みなさんご存じだと思ったのですが、クロックジェネレーターを使っている人もご存じの人が少ないようで、書いておこうかと。
 ターミネーターと言いましても、高周波部品の終端器のこと。クロック入出力がスルーになっているオーディオインターフェースの場合、入力に何も接続しない場合は不要です。ところが、ここにクロックジェネレーターのWC(ワードクロック)など入力すると、出力端子はそのままだと「開放端」になりその部分で全反射となり、反射損失(リターンロス)が発生します。

○我が家のオルフェウス君の場合、OCXからの75オームケーブルでWCが供給されており、「終端器つけなきゃ。」と思いつつ、「75オーム終端器」がすぐに見つからなかったので、WCなら周波数もそんなに高くないし「まいっか。」とそのままにしていた。たまたまSTACK(スタック電子)の製品を見つけたので、その後注文して出力端子につけて驚いた。エネルギー感やライブ感が向上して、要するに音の厚みが出て良くなるのだ。というか、いままでは悪い状態を聞いていたわけだ。

○となると、スタンフォードSC-10(50オーム出力)からOCXに入っている10MHzアトミッククロックも、OCXの出力は開放端で同じ状態だ。そこで手元にあった「50オーム終端器」をつけてみると、これまた良くなる。

○しつこく書きますが、クロック信号はアナログ信号(意味分かってます?)で、矩形に近い波形にするために含まれる奇数次高調波はかなり高い周波数になるし、かつDA変換に直接影響する音楽信号の一部なので、音が変わっても不思議ではないのです。
 ただし、効果があるのはオーディオインターフェースなどのクロック入出力がスルーになっているところへ入力した場合だけなので、ご注意ありたし。まあ安価なものですから。

●今回はいろいろなクロックジェネレーターの試聴をするためにこんなものを買ったのですが、スタック電子が商品に同梱してくれる冊子「高周波部品活用ガイドブック」が素晴らしいです。いやあ、これは本当に勉強になります。デジタルやるなら高周波のお勉強が必要なのです。


2011年4月10日  スローオーディオ宣言
 スローフードの本を読んでいたら、それは「何かが違う。」と感じるところから始まった、と。やはりデジタル・オーディオというかコンピュータ・オーディオも「何かが違う。」と思い、まだ宣言文などは考えていませんが、とりあえずメモ。
 基本コンセプトは「音楽を聴こう。」
 
 別にオーディオがコンピュータのラットイヤーにおつきあいする必要も無いし、組込み(エンベデッド)&アップデート無しというのもありだから、デジタル・オーディオは毅然としていたら良いのですが、そこがふにゃふにゃでコンピュータに振り回されてしまっている。問題は取捨選択するということだ。

 僕は音楽を聴くためにオーディオをやっているのであって、コンピュータをやるためにオーディオをやっているのではない。この2つは全く違う世界だ。おしまい。


2011年4月8日  熊さん・八つぁん
●熊さん・八つぁん論議というのは、結局日常的感覚で全てを撫でていこうとするものだ。それには自分たちやその街より大きなものは入らないから、いろいろと取りこぼれる。僕は以前期待していたひとが、結局は熊さん八つぁんの人だと分かってえらくがっかりしたことがある。

●例えば僕はグローバル化のような事に触れたりするけれども、それを全面肯定したり、何をやってもいいとか、そんなアホンダラなことを言っているのではない。まずはそれがどういうものか、ITや物流が背景にありどういう風に避けがたいものであるかという事を認識する、ということから始めているわけだ。日本的なグローバル化なんてのも考え方はありうるとしても、理念だけでは現実的には意味はない。なぜなら経済・産業的なプランや裏打ちが何もないからだ。日本として例えば福祉をやりたいなら、それをマーケットに、しかも国際的なマーケットに載せるようなマクロの眼が必要だ。

医療と介護の国日本。(案1)
 自国の高齢化が不可避ならば、各国を巻き込めばいい。日本の医療水準を高めて海外からも治療に来る外国人を受け入れる。当然医療スタッフや介護スタッフも海外から受け入れればよい。そうすれば老後は日本に来て、平和な国で手厚い医療と介護を享受できるし、お金だって沢山ついてくる。各国OBが沢山いれば、安全保障的にはまあ若干の人質にはなるだろうし、老人だらけの島にはテポドンだって打ちにくいかも知れない。第一お金が産業的に回れば、医療・介護スタッフの処遇だってずっと改善されるし、フィリピンやインドネシアの介護士さんの受入れだって出来るだろう。ロボット技術を活かすという道もあるだろうし。各地の温泉郷などでは地元の雇用や産業も並立するから、地域対策・過疎対策にも寄与するだろう。
 大事なことは介護や医療はマックジョブではなく、もっと高度な仕事だということだ。日本にそういう仕事を作る。先端医療・高度医療研究のための専門職の人々の頭脳も内外から集めるのだ。その中には生化学の専門家もいるだろうから、環境問題にも活用できるだろう。

環境保護の国日本。(案2)
 日本の環境技術は高いそうだ。それも新興国向けにはケミカルな箱物施設を作るのではなく、生態系を踏まえたエコで低コストな環境技術が必要とされるのだから、ここは世界各国へ「環境保護隊」を送り出す。勿論、減らしたカーボンは日本がもらうのだ。世界的にも環境問題は日本を無視して進められなくなるだろう。東京に国際カーボン取引所を設立しても良い。地元に受け入れられるような技術が根を張れば人脈も出来るだろうし、それが結局は安全保障になる。自衛隊の海外派遣よりも、よほどクリエイティブではないか、日本女子男子諸君。

 で、まず役所が反対する。政治家は腹を決められない。産業界の人材はいるだろうか。役人に仕切らせては絶対に行けない。20年前から見通しはあったのだから、そのころから手を打てば今頃は随分変わっていただろう。いまからでも出来ることもあるんじゃないか、なあ、熊さん・八つぁん。


2011年4月5日  削る
●原稿のヤマは越えつつあります。今回は各ライター執筆記事が多いので、それぞれ密度濃く読み応えのあるものになるでしょう。多分。
 書くというのは真剣にやれば、削る(文章だけでなく時にはべつのものを)というのとほとんど同義語なのですが、んなこと膨らむハリセンボンのような人には分っからないのでしょうね。プチュッ。

●いろいろ見方はあるでしょうが、コンピュータ・オーディオが何かの形や手法にまとまっていく、というのは見込み薄だと僕は考えています。新しいものは生まれているし、これからも出てくるでしょう。そういう多様性の中から何かが生まれてくるし、それはそのままで良いことだと僕は思っているわけです。というか変化は凄まじく、見極めながら都度対応していくしか他にしようがありません。ラット・イヤーはつきあうのに疲れるけど、んまあ、寝たふりしながらでも目だけ開けてりゃ、おそらく見えるものは見えるでしょう。


2011年4月1日  えらいこっちゃ。
米アマゾン:クラウド活用の音楽配信サービス開始-競合他社に先行」
「米アマゾン、クラウド上に音楽を保存しどこでも再生できるサービス」
 
 来ちゃいましたねえ。MP3/AACデータですが、英Spotifyと違い『保存した音楽ファイルをWebブラウザやAndroid端末でストリーミング再生できる「Amazon Cloud Player for Web」、「Amazon Cloud Player for Android」』が提供されるようです。ダウンロードもありとか。グーグルとかも追随必至だとか。
 「えらいこっちゃ。」って思わはりませんか?


2011年3月27日  ハゲます
●Nさんがaplayexを公開されたとの連絡あり。ばたばたでまだ試せていませんが、とりあえずお知らせです。

●descriptionがテキトーでもそれなりに動作するところが、USBがUSBらしくオーディオ向きたるゆえんのようです。所詮はソースコードとチップ実装ファームとの関係らしく、それも分からずにシロートが悩まない方がいいような、プロに任せた方がいいような。


2011年3月26日  とどく
 Jazz For Japan:日本の被災者支援に立ち上がったジャズミュージシャンたち

 なんかこういうのって感動しますね。俺が欲しかったのは、小洒落た理屈の束ではなく、こういう熱い気持ちだったんだ。よし、CDで出たらまとめて買い込んで友人達に配ろう。友人達のバンドのチャリティコンサートにも行けなかったけど、ほん少しだけ出来ることがありました。


2011年3月26日  つなぐ
●原稿書きや機器試聴の合間に、あちこちとやりとりしたり人と会ったり。僕は人と人をつなぐのが好きで、可能性があるところにはできるだけ紹介したり、道筋をつけるようにしている。もちろんヴォランティアです。ニッチな谷間に育ち始めた芽は、行く末の絵を書けるように大事にしていきたい。
 ニッチと言っても本人はあくまで「オーディオ」、それも「デジタル・オーディオ」をやっているという意識です。コンピュータは何度も言いますが、一つの手段です。つまり、デジタルオーディオ自体がこれから発展の余地ありなのです。発展の余地があるというのは、良いことです。

●これからはソフトウェアの時代。ハードウェアは勿論大事すぎるほど大事だけれども、そのスペック競争よりも肝心の所でソフトウェアがもっともっと開発されなくちゃ。DA変換時のエイリアス抑制 、フィルター設計、ここにフロンティアあり。求む音楽好きなエンジニア、数学者。

●明日からは電源を試聴します。

●合間にこんなのを読んだりしてます。「伽藍とバザール―オープンソース・ソフトLinuxマニフェスト」エリック・スティーブン レイモンド (著), 山形 浩生 (翻訳) 光芒社。
 アマゾンの古本でちょっと高かったけど、読みたいときに読めまねば値打ちがないかなと。面白いです。
 結局はこれも「つなぐ」話なんですね。

●お知らせするのを忘れていました。共同通信社のpc-audio-fan.comにAntelope 「Zodiac Gold」のレビューを書いています。これは音良いです。
 それとちょっとばかり前になりますが、同サイトに『CD再生のエラー訂正システムとその進化~パイオニア「Pure Read 2」の活用』を書いております。Premium2も既に無くなりましたし、現段階での前向きな整理というところでしょうか。


2011年3月22日  電源、Voyageなど
●岡山AC2からお借りしたカスタム電源ケーブルは、対ノイズ効果なのでしょうか、CDドライブやパソコン本体、特にスイッチング電源に効果抜群でした。これは腹を決めねばいけないですね。

●昨日の記事で我が家の音が「アナログライク」と書きましたが、それはUbuntu Studioだけでなく、特にパソコン本体をはじめとする電源によるところも大きいのです。
 パソコン内部でデータが変わるとか、変わらないと言うのは非常に重要なことですが、出音を聞く「オーディオ」の場合、それだけではデジタル&ソフトウェアに限定された範囲の話でしかありません。PCオーディオfan第2号のインタビューでマイクロソフトさんが言っておられたように、「メディアやHDD(ハード・ディスク・ドライブ)に記録されたデータは凹凸や磁化のプラスマイナスなどによって確定的に記録されているデータです。ところが、実際に回路上を走っているデータは、アナログ信号であるクロックによってタイミングを与えられ、クロックや電源などの揺れがある中で動いており、全く性質が違います。」ということを理解する必要があります。ジッター?ではアナログ量であるジッターは実装回路ではどのように音質に影響を与えるのでしょうか?
 データは同じ場合でも、ハードディスクやデジタルアウトするFireface400の電源で音が変わるとか、周辺機器でも皆さん続々とご報告があります。DSのルータやハブ、NASの電源も換装されてはいかがかと思いますが、なんと言ってもいろいろやった最後のパソコン本体は効果激甚でした。

●先日我が家でVoyage MPDを聞かせてもらいました。鮮度だけでなく厚みも出せるようで、なかなか良い音でした。これなら入れ込む値打ちありだと思います。Voyage LinuxはDebianベースの組み込み用OSのようです。軽ければ音質が良いという確定的証明があるわけでもないでしょうが、それにしても『軽量』です。
 MPDをインストールする機器だけではなく、音源ストレージをどう接続するかという事なども相当音質に影響があり、MPDはかなりセンシティブなものだと感じました。コントローラーは制御だけに徹して共有をかけず、音源はNASというのが良さそうです。インターネットに接続せず、MPoDというソフトを使ってiPadでコントロールするのが良さげに思いましたので、我が家ではその方向で進めやうかと。
 もし我が願いが天に届かば、いい話をお伝えできるかも知れません。「ただ憧れを知る者だけが....」(「ミニョンの歌」ゲーテ)


2011年3月21日  人にはみなそれぞれ
●東北大地震では福島原発が一番の気がかりですが、安定の兆しが見えてきたような気がするものの、何とか無事収束するよう日々祈っています。

●4月22日頃発刊予定の「PCオーディオfan」No.4では、地震の関係で予定していた取材などがほとんど出来なくなり、編集部は厳しい状況の中企画の再調整を行い、僕らライター陣の執筆記事が増えることになりました。この機会にまとめた使いこなし記事などを出したいと精出して作業中です。

●沖縄の友人が遊びに来てくれたので、19日は我が家でいろいろ遊びました。もう我が家でのCD再生も既にデジタルの音ではなく、アナログライクになっていることを彼も確認してくれました。20日には忙中閑を作って、かねてからお約束の岡山AC2へ2人で遊びに行きました。
 AC2はカタツムリでお世話になって以来何回かお邪魔しており、今回は1年ぶりで熊代社長のお顔を見ることが出来ました。逸品館の清原社長もとても熱い志の人なのですが、熊代さんも本当にオーディオが好きで好きでその追求ぶりには毎度唸ります。ノーチラスのデジタル・チャンデバの件は具体的方向が見えてきました。まあ、書けないことの方が多いのですが、カスタムメイドのケーブルをお借りできることになり、こちらも楽しみなところです。お金のことは後で考えるしかないぞな、わはは。

一つだけ切にお願いしたいのは、僕は音楽を聴くために必要だから無理をしてもカタツムリ達を我が家に導入したのだということです。それまで「オーディオに関してはこの程度のものだ。」と諦めていたのですが、現在のマンションに引っ越す手前で沖縄でノーチラスを聞き、俄然オーディオの可能性に目覚めました。そのために、無理をして、繰り返します、無理をして入手したのであり、お金が余っているからとか、ステイタスになるから、というような導入の仕方では断じてありません。
 だからお金のことではそれなりの苦労をしているわけです。おまけに僕はハイエンドオーディオをあまり好まないだけに、ノーチラスを使っているからと言って「PCオーディオのハイエンド派」などと書かれたり言われると、かなりむかつきます。

 この音が音楽を聴くのに必要だから、あまり遠いところまでコンサートに行くのもしんどい身体的事情もあるからカタツムリ達に頑張ってもらっているので、お金や生活には人にはみなそれぞれ事情ってぇ~もんがあるんで、己の器で決めつけないよう、そこんとこご理解ありたいと思います。


2011年3月13日  福島原発の無事をひたすら祈ります。
 犠牲者の皆様方のご冥福と、行方不明者の迅速な救援、福島原発の無事をひたすら祈ります。

 福島県の須賀川市・郡山市の友人達からメールが続々と届いて、凄い揺れや近所の建物倒壊はあったものの、ご家族は無事で、むしろ家財などの損壊や散乱がひどい、という事らしい。もう14年も前になってしまうのか、僕が宝塚で被災したときには、「ドーン」という音で目が覚めて、そこへ押し入れの天袋やラックの上部からものがどさどさ落ちてきた。オーディオラックの横に寝ていたのだが、後で明るくなって気がつくと凄く重量のある管球パワーアンプ(Luxman MB-3045)がラインケーブル1本で転落寸前になっていて、もし落ちていたら大怪我だったとぞっとした。
 実は3時間くらい経ってから電気が回復して、そうなると冷蔵庫の食料が頼みの綱で地震のショックで空け放れた扉をなんとしても締めに行かねばならない。ところが家財が壊れ照明が落ちて床上にはガラスや何やらのかけらが散乱しているので、2m先なのになかなか行き着けない。結局2時間ほどしてようやく冷蔵庫の扉を閉めて一息ついた。
 それ以後、寝るときには周囲に絶対ものを積まないようにしている。それと照明も必ず落ちるという前提で、それでも何とか止まるようにシェードを天井側に取り付けるとかしている。

 マグニチュード7.8でこれだから9というのはその数百倍らしく、聞くだに空恐ろしい。当時の我が家は県住宅供給公社の5階建ての5階で、ボルトナットで組み上げたのが丸見えの色気も何もない実質本意の建物だったが、結果的に振動をボルトナットのところで少しずつ吸収したみたいで、高架水槽や壁面もほとんど問題ないという結果だった。一方、お隣のL字型のマンションは大小のI型にベリッと2つに裂けてしまって、Lの底の小さい方のI型は床が傾いてしまい、部屋の中に居ると気持ちが悪くなるという気の毒な状態だった。建て替えが提案されたそうだが、小さい方は人数も少なくなかなかまとまらなかったみたいで、その結果も知らないうちに大阪市内に引っ越したものだった。

 何と言いますか、人の営為は儚く先行きが知れませんが、頑張ってください。


2011年3月12日  関西の方は少し揺れたぐらいで、無事でいます。
 地震を心配して何人もの方がメールをくださいました。ありがとうございます。関西の方は少し揺れたぐらいで、おかげさまで無事でいます。
 東京の方は大変だったみたいで、オーディオ・ベーシック編集部もJRはじめ交通機関が止まる中、徒歩での帰宅を余儀なくされたりしたそうです。

 阪神大震災の時はマンションに独りいて罹災しましたが、僕もかなり歩きました。なにせ電気も来てませんから、状況を知る・伝えるには大阪か神戸の方に向かって歩くしかないので、生きている、つまり10円玉でパンクしていない公衆電話を見つけて連絡できたときはほっとしました。驚いたのは、少ししてから東北始め遠方から多くの給水車が来てくださったことです。ほとんど寝もせずに走って来られたのだなあ、とおもうと目頭が熱くなりました。

 義援金と節電くらいしか出来ませんが、一刻もはやい救援と復旧を心からお祈り申し上げます。


2011年3月6日  疾風怒濤または七転八倒
●Firewire用の新しいffadoドライバーを、Mocchiさんのppa(Personal Package Archives )からウブスタ君10.04 Lucidにインストールする方法について、Ubuntu Studioカスタマイズのページに追記しました。おかげでほぼ最新のドライバーになりました。ありがとうございます。

●どひゃー、発刊日程の繰り上げ。えらいこっちゃ。済みません、当分更新が滞ると思います。セレクタ 兼 ダウンミックスアンプのケースやパーツは目の前にあるが、自分のことは後にせねば、我慢我慢。


2011年3月5日  逸品館のメルマガ「デジタルとアナログについて」
●大阪名物「逸品館」のメルマガです。とても面白く、説得力あります。是非ご一読を。そして考えましょう。冬の夜長に。
 2011.01.22 デジタルとアナログについて(1)  2011.02.05 デジタルとアナログについて(2)

 デジタルは確かに元のアナログ量に対する近似値だと思います。そして近似だからこそ、いろいろと努力する余地があり、才能と努力が積み重なればオリンピックのように記録は少しずつでも伸びていくのです。「時よ止まれ、君は美しい。」 Velbeile doch, du bist so schoen.(「ファウスト」ゲーテ) オーディオで音楽を聞いて、こうつぶやけたらどんなに幸せなことか。


2011年3月4日  まあ人間のすることですから
●前回の記事に関してのメールのやりとりの中で、ネットでのコンピュータ・オーディオ関係情報が混乱している、という話がありました。まあ、ブログ関係も含めて全くその通りで、メーカーや輸入元さえ「?!」と言うような印刷物やサイト記事を出すくらいで、正直年末からこっち少し落ち込んだ気分にさえなりました。

 でも、まあ要するにデジタル・オーディオというのは難しいのです。「分かったような感じ」で止まらず、一から戻って疑いながらまた積み上げる論理的気力と、頭の中にちゃんとイメージを描ける想像力とが必要とされます。おまけにアナログ回路の知識も必要になるわけですから、結構大変です。目に見えるアナログ・プレーヤーに比べれば、ちょっと比較にならない作業量でしょう。しかも仮説だらけで、決定的な決め手があるようで無く、(録音製作の世界などの経験的智恵も含めれば)無いようで少しはあるのですね。

 まーしかし、そんなこと言っても、誰もが認める客観的な仮説・実験・測定・検証など、これほどまでに多変数・多パラメーターの系で、DA変換後の人間の官能評価まで音質への影響をカバー出来る大理論はとても可能だとは思えません。そういうデジタル・オーディオ音質のメカニズム解明という意味では、前回の記事も結局は巨大な背景説明の状況証拠というべきでしょう。安易な決めつけなど出来ないことは僕自身も常に自戒しているところですし、数学やコンピュータの専門家の「根本的問題での努力」も期待しています。

 で、あれば、僕自身も含めさせていただいて、まあ人間のすることですから、大阪的に言えばスカタンやアホンダラなことはあって当然です。みんなでちょっとずつ思考停止したりサボったりして、楽な方に逃げていた過去のツケも一杯たまっています。であるので、混乱はずっと続くでしょう。そのうち何とか、すぐにはならんやろうけど、当分過渡期というものが続くと思った方が気分は楽です。音楽も聴きたいしね。

●で、まあ僕だけの言葉だとなんですから、尊敬するダニエル・ワイスの言葉を少々。jitter contamination「」という用語はWadiaでも使われていましたね。「アナログ量であるジッターはいずこにも忍び込みうるものである。」、「ここでは、電気的・磁気的なシールド、良いアース、良い電源デカップリング、クロックジェネレーターと物理的なDAチップ間の良好なシグナル伝送など、古き良きアナログの設計原理が全て適用されるべきだ。」これは名言です。(太字は筆者)

Jitter, being an analog quantity, can creep in at various places. The D/A converter built into CD or DVD players can be „infected“ by jitter through various crosstalk mechanisms, like power supply contamination by power hungry motors (spindle / servo) or microphony of the crystal generating the sampling clock or capacitive / inductive crosstalk between clock signals etc.
In the standalone D/A converter jitter can be introduced by inferior cables between the source (e.g. CD player) and the D/A converter unit or by the same mechanisms as described above except for the motors of course.
In the case of a stand-alone D/A converter (as the MINERVA), one has to take two different jitter contamination pathes into account.
One is the internal path where internal signals can affect the jitter amount of the sampling clock generator. Here, all the good old analog design principles have to be applied. Such as shielding from electric or magnetic fields, good grounding, good power supply decoupling, good signal transmission between the clock generator and the actual D/A chip.

( http://www.weiss-highend.ch/int202/documents/int202-manual1.pdf p6-p7 )


2011年3月2日  アナログについて知らなさすぎ
 デジケーやFirewire/USBケーブルで音が変わるのは不思議でもなんでもありません。デジタルと言っても、これらはポチポチと離散的なデジタル信号が流れているわけではありません。立ち上がり・立ち下がり時間ゼロの真四角なパルスとかをはじめ、そういうものは「モデル」として人間の頭の中にしか存在しないのです。
 実際の回路では、デジタル情報(コード)が、いわばキャリアとしての超広帯域アナログ回路の上で伝送されているわけです。アースも完全ゼロ電圧ではないし、ましてや値が存在しないNull状態でもありません。連続量として、すなわち高周波アナログ伝送をしているのですから、インピーダンスが違ったり構造や長さによって伝送の質は微妙に変わり得ます。(参考)高周波ケーブル規格

 具体的にはこちらがざっくりして面白いです。「誤ったものを訂正するよりも、伝送誤りの発生自体を抑えることの方が、より本質的な対策です。 」というのは名言ですね。素材がオーディオ的にどうこうより、規格をちゃんとクリアしているかの方が大事です。安い業務用ケーブルで音の良いもの沢山あります。
 こちらも「電子回路は、電圧で動作しており、 電圧そのものはアナログです。」大体が閾値(スレッショルド・レベル)でHL判定するタイミングは、実際にはクロック信号=パルス自体が真四角ではないアナログ信号ですから、いつ、波形のどこで切るかによって変動する訳です。なので、ジッターもアナログ量です。

 勿論基本原理となった数学モデルは大切なもので尊重すべきですが、実際の世界では必ずしもその通りに動かないのです。とにかく音に関わる実機や実装回路はアナログで動いているということについて、皆さん知らなさすぎです。グーグルで、それも1ページ目で飛びつかず、せめて3ページくらい読んでから書くようにしましょうね。と言っても、こういうことはギョーカイではちゃんと説明されていないので、あまり書いてませんけどね。

 あー、USBはパソコン内部のホスト・コントローラがいくつあってどう接続されているか調べないと行けません。端子によって動作が異なり得るのも、バスの食い合いなしに円滑に動作するかどうかは接続によるのも、コンピュータの常識です。USBに「だけ」頼る者は、いずれUSBに泣きかねませんから、幅広い視点が必要です。また別のお話です。そのうち、どこかで。


2011年3月1日  いろいろと
MocchiさんのUbuntu Weekly Recipe「第160回 オーディオインターフェイスを使う ― Firewire導入編」がアップされています。うむうむ。なぁ~るほど。必読。試験に出ます。
 あ、それとffadoのモジュール群ですが、サイトからソースをダウンロードしてコンパイルする他にはこれまでバージョンアップする方法がありませんでした。僕もやってみましたが、Ubuntuのリポジトリにないモジュールが必要で、四苦八苦状態でした。となると、例えばLucid10.04なら当初のまま使う事になるのですが、Mocchiさんのppaにちゃんとセットアップした状態でアップしてくださったので、実に簡単にバージョンアップ出来るようになりました。感謝。
 近日中にこのHPにも書きますので、是非ご活用ください。

●DSD再生、Voyage MPDなどいろいろ取り組んでいますが、書いてる時間が無いです。まあ他にやっておられる方もあるので、適当な時点で書きます。
 2月19日に写真を載せたAntelopeのZodiac Goldはとてもいい音で、USBインターフェースについて一つの分水嶺になるでしょう。しかし、USBはまだまだ発展途上の世界です。

ワイスの日本代表事務所になったAZ Audioから新HPアップの連絡がありました。分かる人に売れて欲しいねえ。

エスペランサ・スポルディングが第53回グラミー賞最優秀新人賞を受賞した。なんか嬉しい。


2011年2月22日  ご当地滞在中
●いやあ、これはもの凄いです。ワイスのCDトラポ Jason+と Firewireインターフェース Medea+ OP1-BP。いやはや、やっぱCDトラポって次から次へと再生してくれるし、便利きわまりないものです。しかも、この音で。こういうのはハイエンドとかわけの分からん怨念まみれの用語で呼ぶのではなく、素直に見上げて超弩級と呼ぶべきでしょう。

●SSDの動作信頼性を95%高め,書き込み電力を43%削減するデータ変調技術,東京大学などが開発
  http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20110218/189727/?ref=ML


2011年2月20日  うぶんつ週替わりメニュー
 Ubuntu Weekly RecipeにMocchiさんが「オーディオインターフェイスを使う ― USB/PCIバス/PCI-Expressバス編」を書いておられます。Wikiよりもずっと具体的でまた違った面白さなので、いろいろとヒントを得られるかも知れません。第一回は,USB接続やPCI/PCI-Expressバス接続のサウンドカード使用法の導入法で、次回はFirewire接続のオーディオインターフェイスの導入を紹介されるそうです。是非ご一読ください。


2011年2月19日  あれやこれや
●今週はずっとこういうので、Mac OSで352.8KHz/24bitなどを聞いたりしておりました。Antelope最新の第4世代クロックを内蔵しており、なかなか良い音です。OS、なかでもWindowsとLinuxの対応が不十分のようですが、USBもこういうレベルが輩出してくれると、面白くなってきます。

●で、「ようやく面白くなってきますねえ。」とオーディオ・ベーシック編集長と盛り上がったのが、ワイスのMAN202です。本当に「ようやく」です。実はKent達が来たので、急遽東京で会ったりしておりました。価格の高いフルバージョンと、Firewire出力のサーバーバージョンの2モデルになりそうだということで、こちらも楽しみです。
 ちょっち原稿が忙しいので、また整理して載せますね。

●昨年からこの年明けに掛けて、海外やユーザーサイドでかなり大きな動きが見えて来ました。といっても実際にやってない人にはピンとも来ないでしょうし、ジャーナリズムも大して分かっていません。ただ、これがマーケット総体としてはどうなることか。日本には根深い競争回避体質と横並び・リスク回避主義体質が根を生やしているので、じっくりと様子見を決め込まれることでしょう。

△Justホームページビルダーのアップデートでは、こういう不具合に対処されているようです。こういうぼろぼろのをデグレと言うんですけどね。


2011年2月11日  謝辞
●今回の「音楽再生専用機のためのUbuntu Studioカスタマイズ法」10.04 LTS編は、「はじめに」に書いているようにUSB再生に注力しています。
 問題は動画プレーヤーやaplay再生ではフォーマット(サンプリングレート、ビット長)の設定が、ALSAとPulseでコマンド打ち込みと設定ファイル一部書き換えを2回しなければ実現できないことですが、これは専門家にGUIで入力できるようスクリプト作成をお願いしたいと思っています。この点をクリアできれば、もっと多くの人々に多様な使い方をしてもらえると思います。

●今回のアップに当たっては、Mocchiさん、Nさんにいろいろとご教示いただき大変お世話になりました。

●また、Hさんが文字化けしていた旧web日記のかなりの部分をアーカイブしてくださっていたおかげで、これも1ヶ月分近くを残してほぼ全部復元できる見込みで合間を見て作業中です。

 各方面からのご助力に対して、改めまして御礼申し上げます。

○さて、ちっとばかし「お仕事ちう」モードに入ります。


2011年2月7日  大変遅くなりました。ウブスタ君10.04です。
 「音楽再生専用機のためのUbuntu Studioカスタマイズ法」10.04 LTS編をアップいたしました。まだまだ行き届かないところがあると思いますが、早く公にして見ていただいた方が良いのではないか、という判断です。よく考えたら、本格的に使い始めてまだ足かけ2年目で、その割には濃い時間でした。

 水が少し温んできたのかも知れません。明日からちょっと出かけます。寒くなければ良いな。
 


2011年2月1日  浅き夢、淡き恋.....あるいは旅する私。
 ダスティン・ホフマンの映画を見ていて、とても良い表現に出会った。"I'm in transition."
 その映画では引っ越しの途中、という意味だった。あるいは、transition①移り変わり、移行、変遷②過渡期、変わり目。
 僕的に訳せば「旅の途中。」

 いつの頃からか、旅をするのが好きになっていた。というか、自分の立ち位置をシフトしていることが、とても必要になってきた。旅に出られないと、何か閉塞感がつきまとった。
 しかし、いつしか毎日が、行往座臥全てが旅だと思うようになった。

 もっとも感銘を受けたネイティブ・カナディアン(カナダ・インディアン)の言葉。
 「人生において最も長い旅は、頭から心に至る旅である。」
 頭で、理屈で理解するのではなく、全身で受け入れる。心にずしんと落ちる。それには長い時間が掛かる。苦しみもない所には智恵も美しさも決して生まれはしない。悲しみがあるから、喜びの値打ちと儚さがわかる。

 僕らの毎日は、心へと魂へと、受け入れる力へと向かっていく旅だ。僕らはデラシネ(根無し草)であるかも知れない。だからこそノマド(遊牧民)になることも出来よう。

 空は青だ。雨が降ろうと曇ろうと空は青なのだ。出発の朝だ。パオをたため。馬たちを集めよ。
 淀む水は腐る。滞る魂は驕る。己を一角のものなどと思ってはならぬ。己がいかにものを知らないか、そのことをこそ思え。全てを疑え。そして受け入れる努力をせよ。

 私はここに在る。そして私は旅の途上だ。I'm in transition.

2011年1月31日  近日大公開
 Ubuntu Studio 10.04 LTS の音楽専用カスタマイズのページを先週末に書き終えて、今推敲中です。ちょっち疲れました。眠いです。

 この間、さぼっていた仕事もタイムリミットで再開です。

2011年1月27日  生きているのはなかなか悪くありません
 東京の友人が「巡り会う朝」DVDの復刊を教えてくださった。映像も美しいが、何よりも音楽が素晴らしい。野心に燃える青年音楽家(マラン・マレ)とその音楽の師でヴィオラ・ダ・ガンバの名手(サント・コロンプ)と娘の物語。
 何年か前のEsquire日本版によれば、フランス人の過去の音楽への感覚を一変させたほどのインパクトがあった映画らしい。フランス人と言えば田舎でもラシーヌを勉強して口ずさむような、そんな伝統のイメージを持っていただけに、フランス革命という栄光ある歴史が、同時に新しくあらねばならぬというオブセッション(強迫観念)にもなるなんて、考えもしなかった。
 しかし過去は、ただひたすら美しい過去であって良いのだ。

 この映画のバックでかかるF.クープランの「ルソン・ド・テネブレ」(暗闇の中の祈り)は、実は僕が死んだときにかけて欲しい曲のNo.1であり続けている。かけて欲しい演奏はジェラール・レーヌとイル・セミナリオ・ムジカーレ
 こちらから聖水曜日のための第3のルソンの素晴らしい演奏をどうぞ。2人のカウンターテナーのうち左側の指揮をしている方が、レーヌです。


 今回映画DVDの復刊を教えてくれた友人は、もう入手できずに欲しくて欲しくて欲しくて諦めていたこのCDを、なんと中古で見つけて送ってくださった人だ。深謝。これは、僕の大いなる宝物の一つです。ギュッ。

 この映画を見終わったとき、音楽の余韻に浸りつつ、少しばかり人間がいとおしく思えるようなら、その人達は全て僕のともがらです。後悔ばかりがあまりに多い人生ですが、生きているのはなかなか悪くありません。


2011年1月26日  独りだけ走るわけにもいきませんし.....
 Voyage MPDに果敢に挑戦されている方々などを拝見していると、ちょっとうらやましいような気もします。こちらは安定した普及がまずありきですから、サポートが一応充実しているディストリビューションを先行する必要があり、Ubuntu Studio 10.04 LTSのカスタマイズページを執筆中です。
 どなたかVoyage MPDをハードウェアにインストールして販売しても行けるかも。

 もうひとつは、それらを受けるUSB2.0の音の良いUSBインターフェースが、いよいよこれからだということもあります。まあ基板ベースを組む方向だとちょっと時間も無いし、友人に聴かせていただこうと。やはりコンピュータに強くてなおかつオーディオマインドをちゃんと持っているメーカーの、プロ用Firewireにもチャレンジするようなグレードの製品を僕的にはもう少し待ちたいですね。

2011年1月24日  OSは膨大で、一筋縄ではいきません。
 Ubuntu Studio 10.04 LTS 音楽再生専用機カスタマイズのページを書いています。いろいろ構成も読みやすいように見直したいのですが、とりあえず内容重視で全編を書いてから検討します。本件についてはUbuntu StudioのWikiを書いておられるMocchiさんのアドバイスも一部いただいております。

●【Mocchiサン情報】●
 USB Audio Class 2.0についてはALSAドライバが既に4年前くらいに対応しているそうです。そうなると問題はUbuntuと各デバイスの認識の問題になりそうですね。いずれにせよ、うまく認識して動作するよう前進して欲しいものです。

 素人の僕ですが、様々なWiki、あるいはUbuntu Communityのドキュメントはかなりの量を読んでいます。それでもUbuntuの音声のアーキテクチャの全貌はようやく把握でき始めた状況で、しかもベースが歴史の古いOSである一方で、最近どんどんUbuntuのディストリ本体での改善・変更の方が進んでいて、各ドキュメントの内容が実態から結構遅れているという状況が常態化しているようです。

 Windowsのように公開はされていないが、グラフィックな画面でかなり深部の階層まで入れるものと、Mac OS のように公開はされていないが、グラフィカルな縛りを越えて行くにはUNIXコマンドが必須のものと、OSは膨大で一筋縄ではいきません。
 出力ビット数も正確にカウントするにはパケットアナライザーなど比較的高価な測定器が必要なようで、簡単には数えられないようです。僕が専門家に期待するのは正確かつ緻密な調査です。
 
《2011.1.23》 またも文字化け、くたばれジャストシステム!

 お約束のUbuntu Studio 10.04 LTS 音楽再生専用機カスタマイズのページに着手したところ全くさわりも何もしていないのにトリプルブートのページも盛大に文字化けしていた。急いでGoogleのキャッシュを見たらこちらは無事だったので、何とか復元したが本当に疲れた。全体をチェックして他には、今のところ文字化けはなかったのだが、怖いのはこのバグによってまた何かのきっかけで他のページが文字化けして、しかもキャッシュが無くなって復元も出来ないというケースだ。

 一体ジャストシステムは人をどれだけ苦しめれば気が済むのか!はっきり言おう、ジャストシステムの製品は買うのは止めましょう!
 
《2011.1.20》 気は急きますが...

●KORG MR-1000を早く聴いてみたいのですが、いまは電源のDCプラグ探しが先決です。なぜならMR-1000のHDDにパソコンでコピーしたファイルを聴く訳ですが、HDDの電源で恐ろしくその音質上のクォリティが変化することが分かっているからです。良い電源に接続してから、データをコピーしに行かなければなりません。あ、経験上です。

 ところがこのDCプラグやたらと種類があって、現物を持ってパーツ屋さんに行かないと、マッチしたものが入手出来ません。明日くらいには日本橋に出たいなあ、と。

●一方で本当は今週初めに終わる予定の早く仕込みを終えたい作業があり、文字化け騒動で遅れているので、これも急がなければ。
 気が急く訳ですが、そこは慎重に。

《2011.1.19》 DSD音源とKORG MR-1000

 右の
ディスクは東京の方からいただいた2枚組で1枚はSACD、もう1枚はDVD-ROMで24/176.4のPCMと1bit/5.6MHz WSD、そして1bit/2.8MHz WSDが収録されている。
 今年の主要テーマの一つ、(と言うよりも永遠のテーマ)、は「音源」です。当然DSD音源もその一つで、SACDプレーヤーの生産が実質DVDプレーヤーという映像インフラ頼みで何とか出来ている現況を考えると、それに替わる再生手段が無いとこのまま埋もれてしまいかねない、と思われます。コンピュータなら基本的にソフトウェアがあれば再生できる可能性大なので、出来ればコンピュータ・オーディオの一環に組み込みたい、と考えました。とはいえ、ソフトウェアもままならぬ現況では、ハードウェアとして何か再生できる機器でも欲しいと思っていたところ、このディスクをいただいたのをきっかけに探し始めたわけです。

 まあ、TASCAM DV-RA1000HDとかKORG MR-2000Sもありますが、いずれも20万近い価格だし、前者はDSDフォーマットは
DSDIFFのみなのに対して、KORGはDSDIFF(2.8MHz、5.6MHz)/DSF/WSDを扱えます。
 KORG MR-1000はもうマーケットにもほとんど見あたらない状態ですが、電源が外部アダプタ(12V)なので、良質な電源から給電してやればむしろ2000sより良くなるのではないか、と期待して探しました。ちょうどヤフオクで出物があり、良いタイミングで入手で来ました。


 実は右のディスクの現地録音にもMR-1000が使われているとのことです。ワオンレコードの小伏さんも「海外録音の時は貸してくださいね。」という事だったので、やはりバッテリーでも駆動できるモバイル録音可能な本機には格別のメリットがあるのでしょう。

 いろいろ他にも計画はありますが、とにかくこれでDSD再生のリファレンスが一つ出来たわけです。Win/Mac両対応。あ、録音は全然やる気なしです。

 なお、結構多くの人が誤解しているようですが、DSDデータもPCMデータも本機がHDDからハードウェア再生して直接アナログ出力します。
 Audio Gateは本機とは別にパソコン内部で使用するもので、ファイル変換ソフトであり再生用ソフトではありません。これは権威筋がメーカーから直接聞いたという情報なので、間違いないと思います。実際DSDは16/44.1で再生され、マニュアルにも簡易再生だと明記しているので、「Audio GateをゲットしたらDSD再生はOKだ。」などとお間違えなきよう。



《2011.1.19》 文字化けついに直せず

文字化けを何とかせよ、とジャストシステムと交渉。最初はとんちんかんだったので頭に来かけたが、とにかくできるだけ元に戻すよう依頼。結局、半日後に電話あり。我が家の例は初めてのケースらしく、「いろいろとツールを試したが、復元できませんでした。引き続き調査するが、難しい。」とのことです。 IBM時代のバージョン14に戻してもダメだそうです。くそっ。

印象的だったのは僕が使っていた「web日記」という機能そのものを、その人が全然知らなかったと言うこと。ローカライズされて長いとはいえ、元はアメリカで作られたソフトだ。開発環境のVBのバージョン違いでもバグるのだから、いくら特色を出したいと言っても引き継いだばかりであれこれ手を出すのは無謀に過ぎる。日本語に自信を持ちすぎて、システムの何かに足をすくわれたのだろう。果たして全機能テストしたのか、はっきり言って相当疑問だ。

この様子なら、多分他にもかなりのバグが眠っているだろうし、それらが枯れるまでにはかなりの時間とトラブルが続くだろう。結局ユーザーがテストさせられているわけだ。そんなことにつきあう気は全然無いし、さりとてDreamweaverで頑張るほど力入れる気ないし、BIND for Weblife 4でも体験版ダウンロードしてみようかねえ。Win/Mac両用が今のところの要件。
 でもまあ、お約束のサイト作成が先です。

かく、システムというのは安定的に動かすのは至難の業だ。僕だってイベント前とか、来客が来られるときは、かなり前からOSのアップデートも止めてしまう。結局MacBook Proは3台になり、必要があるときはサブ環境で確認してからしかアップデートしない。ましてや設定は触らない。


《2011.1.18》 皆様のご協力で約半分を復元できました。

 
「そうだ、グーグルにキャッシュがあったはずだ!」と東京行きの新幹線の中で思い出し、用件をすまして今日はCDの仕入れに銀座・山野楽器にも寄らずに大阪にすぐとって返し、データの復元に努めました。
 Kazさんがメールで2009年のキャッシュがあることをご教示くださり、Rさんが2010年当初の約1ヶ月分のアーカイブを送ってくださり、何とか復元することが出来ました。
 また心配して何人かの方々がメールをくださいました。
 皆様方のご配慮に、心より感謝し、篤く厚く御礼申し上げます。 m(_ _)m <(_ _)> _(._.)_

 約半分のデータが復元できて、ずいぶんと気持ちが楽になりました。

 東京では違った角度からの取り組みも少し見えてきて、また新しい出会いもあり、実りの多い旅でした。


 無責任なジャストシステムの不具合のおかげで、「ON爺の独り言」のほぼ全てのページが文字化けしてしまいました。皆様方の情報のおかげで2009年は全て、2010年は1月分程度が復元できましたが、その他は今のところ復元できておりません。

 web日記は文字化けの嵐となり、どんな形にするかのイメージも無いままに、とりあえずこちらに避難してきました。やれやれ。どうしたもんかいのう?もう元気も出んわ。


2011年1月16日(日)
文字化けには、まいりました。

ご不便をおかけしますが、このweb日記の過去2年間ほどが文字化けで読めません。下記の通り、いまのところ改善出来ませんし、再度入力し直すような事は正直もう出来ません。どなたかアーカイブされておられたら、一部だけでもHTMLなどでいただければ助かります。
 東京から戻り次第、今後はホームページ・ビルダー本体でページを作りに掛かります。

●理由は「Web 日記や縦書きエディターなど一部の機能を除くホームページ・ビルダー本体のみ、Unicode に対応しています。」ということのようです。僕はご存じのように3つのOSの間を行き来していますが、そこで文字化けを起こさないためにはあまり好きでもありませんがユニコードに頼らざるを得ません。またマルチリンガルなネットの世界で、今時ユニコード対応は当たり前でしょう。

 もともとIBMが開発していたものをこのバージョン15からジャストシステムが引き継いだわけです。確かバージョン13でweb日記のページを分割しましたが、それも含めてバージョン14までは特に問題なく行っておりました。ところが日本語入力にお強いはずのジャストシステムが引き継いだとたん、ページを分割すると文字化けしてしまったわけです。
 web日記はユニコード対応していないのに、ビルダーの[保存オプション] のデフォルト設定は「文字エンコードを META タグで指定する」となっており、自動的にUTF-8設定がされるようになっています。サポートページでは通常「自動」にせよ、と書いているくせにプログラムはそうなっていないわけです。文字化けしたページにもUTF-8のchar-setのメタタグが既に入っていますが、これをshft-jisなどにしても文字化けはそのままです。それやこれやをつきあわせると、ジャストシステムが何か余計な不手際をしたとしか思いようがありません。

 しかも文字コードという基本中の基本の問題について、この間ジャストシステムの対応はサポートページにあわててアップデートを載せるだけで、製品やマニュアルに紙切れ一枚同梱するわけでもなく、プレスリリースもなく、これはまさに責任逃れの日本の「カイシャ」組織の姿そのままです。トヨタのリコールの例を見ても、積極的に問題発生を防止するように広報で動くことは、むしろポジティブな評価を得ることになるはずです。

 ところが「すでに文字化けの現象が発生しているページにつきましては、上記アップデートモジュールを導入しても、現象を改善することができません。お手数ではございますが、該当ページを開いて、文字化けした部分を一度削除した上で、再度入力をお願いします。 」とは一体何でしょう?「ご迷惑をおかけして申し訳ありませんが、」の一言くらい書けないのでしょうか?責任者出てこい!

 土日で窓口はクローズだし、相手が居なければ確認のしようもありませんが、もしアップデート・パッチなどでも復旧の方法が無いならば、今後このようなガラパゴス日本的な無責任な会社とは縁を切ります。覚悟を決めてUNIXつまりMacなりの世界に移行します。

●明日から東京行きです。新しい出会いもあるでしょうし、とりあえず前向きに進みます。

2011年1月15日
ずっと続く過渡期

●ちょっと世の中の動きが速すぎる。2011年にはスマートフォンがパソコンを抜いて逆転するんだそうです。おまけにクロームOSの登場でクラウドも大きくコンシュマーレベルで動き始める。テレビはグーグル陣営とパナソニック陣営?
 う~むデジタルあるいはコンピュータ・オーディオの行方なんて、風に舞う羽のようなものかも知れない。確かなことは「過渡期」がずっと続くということだ。緊急避難も日常化するやも知れません。

●試していたインバーター電源とは大阪逸品館のブランドAirBowのアンプで使われていた、「マグアンプ駆動インバーター電源」の事です。御厚意によりMacBook Pro 用に18Vで設定してくださったので、お預かりしてエージングを待ちながらACケーブルなどをいろいろ試してチューニングして見ました。
 中低域の押し出し感というか、音楽のエネルギーが感じられる帯域が充実していて、温度感も充分あります。スイッチングノイズが出ないマグアンプ方式と言うだけあって、SNは非常に高く小さな音も浮き彫りになります。
 これは是非商品化してくださるよう清原社長にお願いしました。さて、どんな形で登場するか、とても楽しみです。

●インバーター電源に刺激されて我が家のリニア電源もいじり始めました。と言ってもコンデンサあたりしか触るところもありません。
 ところが、出力部には特性改善のためバイパス用にポリプロのフィルムを入れていますが、これを換えるだけでもの凄く変わるんですね。そもそも現代のプレミアム・コンデンサの考え方は、入出力信号のスピードが各帯域で揃わなければいけない、そのためにはカップリングではコンデンサを絶対にパラってはいけない、逆にバイパスではいくらパラってもよろしい、というものです。ところが、どうもバイパス用も高性能・高音質なフィルムを1個だけでやった方が、結果がよろしい。
 例えばAuricapの6マイクロを出力にパラに入れると、バランスは若干偏りますが、空間のどの点から音が出ているか、などというディテイルや弦のざわざわ感などが実によろしいのです。いまのところDynamiCap 5マイクロでいけております。
 てな事で、あれこれインストールしながら、一方で遊んでおりました。

 あ、これパソコンの電源の話です。コンピュータの電源で音が凄く変わるんですよ。コンピュータの電源ですよ。内部には一杯POL(Point of Load)の電源があるだろうに、入り口の部分で音がどんどん変わると言うことです。理由はよく分かりません。でも音を良くしたかったら、電源に注意と多少のお金を掛けましょう。


 ホームページビルダー15にアップデートしたら過去ログというか各ページが文字化けしています。IBMとジャストシステムに問い合わせて復旧しにかかりますが、サポートページを見る限り多分すぐには出来ないと思います。
 ええことばっかり書いて問題点は周知もせずに、中途半端なUnicode対応とはなんちゅうアホなソフトや、アホなアップデートや!文字化け箇所は一から入力し直せ?2年分誰がするんじゃあ?金返せ!弁償せえ!しゃからわしはコンピュータなんか嫌いなんじゃ~~~~!!!



2011年の無事なページだけ抜き出しています。
無残に文字化けしたページは仕方がないのでそのまま別ページに残しています。



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