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2009年12月31日(木)
ウブスタ君駆け込みでほぼ完成 / 来年の抱負

 もう今年もおしまい。時間が過ぎるのがどんどん早くなっている。あ~あ。

ウブスタ君駆け込みでほぼ完成
 Ubuntu Studio から昨日書いたFirewire接続を、最終はOrpheusで鳴らす。ECHO Audiofire4のFirewireフロントエンドはTIの1394物理レイヤー、設定保存用フラッシュメモリ、Xlinx Spartanチップetc、というような構成でオルフェウス君のフロントエンドにはとても及ばない。しかし、それを超えて拡がる音の海はWindowsやMacを基本的に凌駕している。
 ただ、時々だがXRunという再生音の途切れ現象が起こる。その調整過程でずいぶんと音が変わることを確認したし、この辺りが狙い目だと目星も付け、システム側をオーディオ用に傾斜配分してようやく納まってきた。ただ根絶という訳にはいかず思い出したようにぽつんと起こるが、まあ、今年はこれくらいにして、ArdourやJackのマニュアルなんかもきっちり読んで気長にやりましょう。

激動が予想される来年への抱負
1.とにかく振り回されないように情勢や人をよく見極めて、自分をしっかりとキープする。
2.春に出るMOOKを充実した内容にする。
 WindowsやUSBでもまだ知られていないことが実はたくさんある。MacやLinux/Ubuntuも含め選択肢の全体イメージを出せたらと思う。
3.Linux/Ubuntuの製品化の実現をなんとか見たいものだ。
4.聞かずに死ねるか、と思っているディスクが全然減っていないので、とにかく音楽を聴くようにする。
5.過去の事や来歴は忘れてしまう。自分を空にしていく。
6.生活面を結構なおざりにしているので、健康を取り戻すよう努力する。

(はてさて、出来るやろか?)

 では皆様、どうぞ良いお年をお迎えくださいませ。

2009年12月30日(水)
ウブスタ君1394ラインナップ完成 / 私たちには時間がない。 / そろそろ大人買いの時期。

●この間Ubuntu StudioのメインであるFirewire接続についていろいろと調整してきた。年内にまとめたいと思い、結局以下のような構成になった。Jackの再生バッファサイズも調整済み。



 クロックケーブルに用いたこのアダプターケーブルというのはAES3(AES/EBU)信号をS/PDIF端子で受けるためのもので、例えばRME FirefaceUCのマニュアル(p51)には右図のようなケーブルが紹介されている。

 全く同じものがOrpheusに同梱されているので、今回はそれを使った。なぜAESかというとこちらの方が出力電圧が高いので、クロック受信の安定性に寄与すると考えたからだし、何よりも音の良いカナレをクロックケーブルに使いたかったからだ。

 一方で、DAC(この場合はWEISS)へのS/PDIF接続はケーブルのキャラクターが強く出すぎる傾向があるので、Audiofire4からワイス君へは端正で余計な音がはみ出したり滲んだりしないワンダーリンク1(既に生産中止)を使った。

 ちなみにScientific Conversionの110オーム⇔75オームパルストランスもこの間に使ってみたが、なぜかロックしない。「なんちゃって110→75」としか思えないアダプターケーブルはすぐにロックするので、トランスを使うべきと言うこの辺りがよく分からない。ケーブル側は同軸ではなく2芯110オームが必要なのか?

●この間できるだけ客観的に見たいと思い、オルフェウス君と比較できるようDAC部分はワイス君を使ってきたが、明日からはオルフェウス君を使ってみよう。拡がる音の海にダイナミックな瞬発力と精細さがより加わる事だろう。

 ようやくこれでどなたが来られても、ほぼ現段階でのベストをお聞かせすることが出来そうです。

○根拠はあるもののあくまで推測ですが、多分あと数年内に第1次のデジタルコンテンツ・グローバル化が始まるだろう。
 当然世界的な再編も始まるだろう。それに生き残って行くには何をしなければならないのか?私たちには時間がない。何でも自分でやろうとせず、OEMでもいいからノウハウを得ながら、とにかく早く立ち上がって対応力を養って行くのが一番重要だと思う。

 例えばうちの東芝のDVDレコーダーだって「GNU Lisence」とあるから、基本はLinuxベースだろう。ものづくりの技術は既にある。後はそのインテグレーションとそのための経営判断だ。苦しい時期だと思いますが、オーディオ産業が後世に残るよう本当に頑張って欲しい。


 年明けには気合いの入ったUSB DACを聴けそうで、とても楽しみにしている。

○我々ユーザーもネットや雑誌の評判だけを頼りにネットで安値を探すのではなく、実際に店頭で音を聞いて、先のアップグレードのことも考えて選ぶべきだと思う。本当の意味での大人買いをすべき時期です。

2009年12月29日(火)
やんぴばれた。

 プロの技術者って何なんだべ?この疑問が頭から離れない。結果だけ要領よく拾おうと思うなら甘すぎるだよ。研究開発って汗かく事じゃないのか?結局は人間性というか姿勢の問題なので、なんか面倒臭くなって嫌になって、年末でもう時間切れだし、わしらみたいなシロートがジタバタするのはあほらしいので、やる気まるで無くなって今日は休みにした。いろいろと寂しい状況が見える。

 で、ひたすら寝て映画を見たりする。HDMIを認識しなかったりしたDVDレコーダーがようやくちゃんと動き始めた。やはり映像の力は大きい。

2009年12月28日(月)
ダンスはうまく踊れない

●今日は弟の家でオカンの介護認定の打ち合わせ。身体は元気だが、認知症の進行があるので再度認定の見直しを依頼することにした。

 その後は一族集合して、姪っ子のBFも一緒にちゃんこ鍋&ふぐを食べに行く。僕はめずらしく冷酒を飲んだ。まあ、姪っ子の就職も決まったし、世の中平和でこういう日が続くと有り難い。

○一昨日載せたビートルズの「Yellow Submarine Songtrack」は、映画のサウンドトラックではなく、ベスト盤でかなりストレートに切ったようで抜群に音が良い。というか、当たり前にいい音だ。実はこれと「Let It Be Naked」を聞いて僕はパーロフォン盤とかオリジナル盤とかに全く興味を失った。いままでに唯一買ったDVDオーディオ「LOVE」ではあまりのつくりもののあざとさに、マーチン親子の商売人根性も見えてうんざりした。だからリマスターCDにも全く関心がなかったわけだ。僕らはビートルズの一部しか聞かされていはしないのだ。

●今晩中森明菜のライブがBS2でオンエアされるので、がんばってDVDレコーダーのHDDを空けにかかる。とは言え、古いパナソニックのドライブは新品のDVD-RAMさえなかなか認識せず、何回もやり直し・再起動。まあ今時貴重なBSアナログチューナー付きだし、2011年まで保てばいいので我慢しながら付き合っている。なにせ音声は非圧縮Bモードで最高なので、レコーダーではLPCM 48KHz/16bit音声で録画する。これをDVD-RにおとしてMacで再生するととても素晴らしい。
 まあ、アメリカの例を見ると延期の可能性もかなりあるだろうし、もう少しこの恩恵にあずかれるのかも。

2009年12月27日(日)
ゆっくりする

●今日は一切仕事はやめて、昨日のことなど思い出しながら、ひたすら音楽と録り溜めたBS音楽番組録画の整理をやっていた。なんか結構幸せだなあ、と感じる。 

○今月19日にFFADOからLinux用FirewireドライバーのVer.2.00が出ている。そのリリースノートにれば今月2日に出た新しいLinuxカーネル ver.2.6.32にはFFADO互換のカーネルFirewireドライバーが組み込まれているそうな。このカーネルが新しいディストリビューションで組み込まれたら、確かにいろいろある事だろう。

 ダウンロードしたファイルを見るとそのビルドとインストールの方法も書いてあるのだが、現状でECHO Audiofire4も問題なく動いているので、まあ様子を見よう。オルフェウス君もワイス君も動作については「unknown」だしね。でもそのうちにALSAもサポートされるかも知れないそうだし、物事が進んでいるのは先に楽しみがあるので良いことだ。

 RME Fireface400&800についてはFFADOも開発継続中らしいが、開発者には「日々の仕事があり、面倒を見なければ行けない家族がいる」のでまだ進行中のようだ。これが実現するとちょっと大きなUbuntuの波が来るかも知れない。FirefaceUCのためにLinux用USB2.0ドライバが作られるとはまず考えられないし、そうすると400&800のメリットが大きくなるのだ。皆音を聞けば驚くことだろうな。


●最近のウブスタ君の身辺整理で、Ardour+Jack+ECHO Audiofire4+WEISS DAC2+クロック(OCX+SC-10)使用時にイメージしていた品位の高さと凝縮感が備わってきた。この間、Ubuntu用のメールや画像用ソフト、MIDI関係など不要なソフトを順次切り、Atdourの不要機能も切ってきている。
 凄く良い感じだ。よしよし、もそっと詰めてやろうほどにのう。


●年末年始に整理して、Ubuntuについての設定などのまとめをアップする予定です。

○この間、Vistaを3回クリーンインストールしたが、各ドライバやアプリのインストール順は少しずつ変えている。現状が一番動きがよい。どうやらこれも何か理由があるのだろう。

◎返す前にFirefaceUCのマニュアル日本語版(英語版はこちら)を隅から隅まで読む。400が嫁入りしたのはもう半年以上前のことだが、そのマニュアルは僕の書き込みと付箋でえらくカラフルになっていたし、親しい人にしか譲れなかったのだ。
 それくらい、これは読みごたえがある。分かろうと分かるまいと、読めばいずれどこかで腑に落ちる日が来る。

2009年12月26日(土)
Yさんちに遊びに行った

 今日は北大阪のYさんちに遊びに行った。本当は11月に行く予定が例のトリプルブート大転け事件で順延になったので<(_ _)>m(_ _)m、久方ぶりの、というかお会いしてからまだ3回目なのだがそういう待ちに待った感じだった。
 最初に8トラック・カートリッジのテープを聴かせていただき、そのクオリティに驚いた。イメージよりもずっと高品位な音で、まさしくテープの音だ。あっさりと書いているが復旧するのは大変だったそうだ。まさかオイロダインとMcIntoshプロ用管球アンプで聞かれるとは作った方も思っていなかっただろうが、こういう遺産が知られないままに眠って散って行くのだろう。
 またビートルズのモノラル・テープも入手されていたので、USB緑林檎(Remastered Studio Recordings USB Box Set)を44.1KHz 24bit FLACからWAVEに展開してCubaseで再生したものと、相前後して聞かせてもらう。同時代の彼らの音が染みついている僕にはやっぱりアナログの音がいい。でも緑林檎の24bitもかなりHiFiだ。実はFLACとWAVEを64bit浮動小数点処理で相互に変換出来る業務用ソフトを入手したので、緑林檎はお預かりして正月に我が家の雪豹Mac 64bit環境で変換したWAVEともどもお返しする事になった。WAVEは新しいUSBメモリに書きましょうね。24bitというのはかなり効くので、環境にもよるがCDのセットより良いと思う。これもコンピュータオーディオ時代の楽しみの一つだと思う。

 僕も負けじと「Yellow Submarine Songtrack」の真っ黄色なピクチャーレコードLPを持参したので聞いてもらったが、生々しい音数の多い音で元のテープに録られているのは多分こういう音なのだろうとうなずき合った。Yさんがどこかで探すと言われたので、これはホンマモンだと思う。ホッ。ちなみにアマゾンにありましたがちょっとお高いです。

 で、沖縄発の貴重驚愕音源も聞きながら、合間を見てMacBook Pro 3.1にrEFItを、そしてUbuntu Studio 9.10 (64bit)をインストールした。持参したRatoc RAL-2496UT1で聴いていただいたが、クオリティの高さは理解していただけたと思う。このようにMacには比較的簡単にインストールできるので、もっと「あなたのマシンの片隅にUbuntu」をしてもらえたら良いと思う。いや操作も簡単になりました。
 この後、一段と高いクオリティを出す機器にMacをつないで、結果的にYさんを悩ませる事になってしまったのだが、誓って意図的な悪魔のささやきではなく出会い頭の出来事なのでご理解よろしくです。

 その後はお好み焼き屋さんに席を移してあれこれおしゃべりした。2人ともやたらネタを沢山持っている人なので話は尽きず、一方で楽しい時間はあっという間に過ぎる。

 いや楽しかった。Yさんまた遊びましょう。

2009年12月24日(木)
ちょっと休憩してご報告

○還ってきたFireface400?ノー、ノー、Fireface UCあるよ。
 どこかでUSB関係をまとめて書くことになると思うので、ここではポイントのみ。

互換情報 Syntax.Japanのサイトから

Fireface UCは2009年の最新の製品であり、先進テクノロジーを搭載した最新式のコンピュータと使用することで、そのパフォーマンスをフルに発揮することができます。
USB2.0は2002年ごろからWindows Intelマシンに搭載され始めましたが、初期の代のUSBコントローラはリアルタイム・オーディオ動作に関して充分とは言えませんでした。
2003年ごろのPC(例:Intel 875、P4 CPU)ではFireface UCは原則として動作しますが、簡単なステレオ再生でもすでに30%くらいのCPU負荷を示します。また256サンプル以下のレイテンシーでは、小規模なアプリケーションでもクリック音が発生する場合があります。詳細に調査した結果、このCPU負荷は隠れたDPC遅延だと判明しました。インターフェースチップは明らかに非効率的に動作し、CPUに待ち状態を起こします。
この現象はドライバやOSとは無関係に起こります。インテル社ではICH7コントローラに問題があることを突き止めたようです。ICH8、9、10を搭載した最新式のPCは、原則優れたUSBパフォーマンスを示し、そのほとんどがCore 2 Duo CPUを搭載しますので、ゆとりのある処理能力を備えています。

・ネットブック(Netbook)は、現在、通常ICH7コントローラを搭載し、全般的には互換がありますが、遅いAtom CPUによって簡単なステレオ再生でも極めて高いCPU負荷を示します。これは内臓のサウンドチップの場合でも、ほとんどのケースで同様です。
・旧型のADMやATIベースのPCは高い確率で低性能のUSBインターフェースを搭載しているため、Fireface UCとはご使用になれません。 

上記の理由から、またCore 2 Duo CPU以上のコンピュータはほとんどの場合最新のUSBコントローラを搭載するため、Fireface UCの機能をフルにご活用いただくためには、Core 2 Duo CPU以上のコンピュータが必要です。旧型のコンピュータでもご使用いただける場合がありますが、高いCPU負荷等の制限が伴う場合があります。」

 これだけでも目は未来に向けられていることが分かる。他にもいろいろあるが、独自のUSB2.0インターフェースが素晴らしい。
 コンピュータ・オーディオのややこしいがメリットあるところは、設定で音質の調整や改善が出来る事だ。だから、こういう高性能な製品の音を試聴するには、ポン置きではなくせめて再生バッファサイズくらいはいろいろと動かしてポイントを探るのが礼儀というものだと、僕は思う。

○上の写真でLINDEMANNを挟んで、その右上の赤色LED点灯のちっこいのがRatoc Audio Lab製の「RAL-2496UT1」。USB1.1でHiRes対応という同価格帯のLINDEMANNに似たコンセプトだが、また違った傾向で音はなかなか良い。Fireface UCのワイドレンジ感には及ばないが、厚みのある大人の音で充実感が良いと思う。試作品を試聴させてもらった時に市販品ができたら真っ先に買うから、と伝えたら1号機を入手できたわけだ。
 こういう製品が手元にあると、いろんな確認に使えるので重宝している。


◎ECHO Audiofire4用に作った電源はそのままFireface UCにも使えるので、これに換えるとぐっと色彩感やニュアンスの豊かさが増す。実はXLR端子でケーブルを差し替えるようにしており、ExpressCardのバスバー電源にも使えるので、RatocやLINDEMANNを聞くときにはMacBook Pro本体と切り離した電源供給が出来るわけだ。
 (右の小さいのがAudiofire4に付属していた12V1Aスイッチング電源)

 勿論音楽データ用HDDドライブにも使えるが、こちらはやはり各回路に分離して給電するために3トランス電源を使わないと音質上安心は出来ない。

 過去いろいろとやってみて、電源には結局「良質な物量投入」が不可欠で、一番効果的だと感じている。もちろん安定化回路もいろいろと凝りたくなるし重要だが、それ以前の整流回路のグレードが決定的な影響を与える。-130~150dBクラスまで位相雑音が問題とされる10MHzアトミッククロックの電源には超低SN最優先で回路も選ぶが、それ以外はLM338クラスで工夫すれば-80dBクラスには納まるので回路にはあまり凝らない事にしている。実際のデジタル機器内ではPOL(Point of Load)給電のため、三端子やスイッチング電源が各回路に近接して多数配置されているので、元の電源であまり凝ってもなあ、と言う事もある。現実的には、トランスやコンデンサ、整流素子などをセレクトする方が効果的なことが多い。
 ということでリニア電源を用意するなら、松竹梅と価格帯をランク分けしてグレードを選択できるようにした方が良いと提案している。1点豪華主義より梅クラスを数増やした方が現実に効く事が多いと思うしね。

2009年12月22日(火)
なんだか、かんだか。

●今回行きまっせ~アナウンスするのにそんなに間がなかったのだけれど、沖縄では会いたい人ほぼ全員に会うことが出来た。いや~うれし、うれし。

○でも忙し、忙し。またメールするよろし、書くよろし。

2009年12月17日(木)
ばたばたと沖縄行き

一番真っ当な理解は2009年日本は市場型社会主義国家に無自覚平和的に移行した、と言うものだろう。社会主義だからばらまきもやるし、無駄はどんどん増える。操ったつもりの財務省も国債枠など吹っ飛んでしまって、これはヤバかったかなあ、と思い始めているだろう。郵政も復古。
 軽口ハトヤマ兄は無自覚的に日米同盟を崩壊させていくだろう。友愛というのは「本人が善意であれば許される。」という思い込みの幼児的性格だ。今のアメリカには余裕がないから、待ってはくれない。

 かくて茹で蛙の日本は本格的に迷走を始めているのに、だれも危機感を抱かずお気楽平和だ。日本人は自分は大人だと思っているが、そのとんでもない妄想からは目覚めた方が良い。大人というのは「昨日の敵は今日の友。」を「役割」として担える人間のことだ。自分がいなくてもステージは続いていることに気がつかなきゃね。

●明日から沖縄行きだが、その直前にやはりバタバタと押してしまった。まあ忙しい中でも自分の遊び、というか確認したいことは頑としてやってしまってるので、あまり文句も言えない。でもそれがなければ、流されるだけだ。
 んじゃとにかく行ってきます。

※21日まで更新を休みます。

2009年12月14日(月)
具体的な話(続き)

●機器によっては消費電力の表示のないものもあり、自作電源などではヒューズをどれくらいにするか迷ったりする事がある。電流計は何処かをカットして挿入しなければならないので不便だし、下手をしたら回路に損傷を与える可能性もある。そういうときにはクランプメーターがとても便利だ。グロスの値が分かればいいのだが、案外と精度は高いようだ。ただしACの片線にクランプを通さなければいけないので、用意が要る。
 写真にあるのは測定用のACアダプタ。IECインレットのオスとメスを軽くツイストした線で接続しているので、電源ケーブルと機器の間に挿入して測定できる。ちなみにインレットのケーブル接続用メスは案外と見かけない。これはカナダTake Five Audioから入手した。

 ECHO Audiofire4のスイッチオン時の電流は0.05Aつまり50mA。流石モバイル用だけあって少ないとおもいきや、Audiofire8でも70mAだ。ヒューズは0.5A SBだがもっと小さくても良いくらいだ。電源自体は充分に余裕があるということになる。

今、スタジオユースのクロックをお借りしていろいろと勉強中。やはりコンシュマーとは違うなあ、と思いつつ、いろんなケースに対処する必要も分かってくる。結局は在りものの機器を駆使して耳で判断できるパフォーマンスを一定以上確保するのがプロの仕事なので、いろんな機能もインターフェースもダテにあるわけではない。

ECHO Audiofire4の電源を変更してUbuntu Studioの音は格段に良くなったが、まだ少し物足りないところがある。それには今海を越えつつあるパーツが多分効果を発揮するだろう。Ubuntu Studio側でのJackの設定など見直す必要があるかも。
 人間とは欲の深い生き物だと、我ながら思う。少しずつ磨きをかけていこう。

 今日明日はもうオーディオはお休み。週末の沖縄行きの準備をぼちぼちと。

2009年12月13日(日)
12V電源の製作

○とりあえず具体的な報告を。
 ECHO Audiofire4用に12V約1.5Aの電源を製作しました。Plitron電源トランス、出川式第2世代整流モジュール、CPM、LM338を使った安定化回路というようなおなじみのリニア電源です。一つのポイントとしては、電源回路のアースをケースに落とさずフローティングにしていること。これは本体で最終的にプラスマイナスを作り出すので、その仮想アースを優先するため。

 Audiofire4は、同8と違って本体内にスイッチング電源はなく、リニア電源で基板内各回路に給電している。特にDC入力端子は1394入力レイヤーのチップやFPGAに近いので、効果は大きいようだ。実際音のクオリティはぐんと上がった。
 ExpressCardのUSBバスパワー電源用としてLINDEMANNにも、また音源収録HDDのサブ電源としても使えように、出力ケーブルは交換可能として幾つかのDCプラグを選べるようにした。


念のため書いておきますが、リニア電源が最高とかスイッチング電源は駄目だというようなことを言っているのではありません。実際オルフェウス君のスイッチング電源など素晴らしいものです。ただ、独りの人間の時間やお金やスペースには限界があり、電源だけを研究しているのでもないので、スイッチング電源を一から試すよりも、とりあえず部品の手持ちがあり、効果が得られやすいと良く分かっている方策をとっているだけです。実際、10MHzなど高精度クロック電源としては三端子系はとても使えませんが、これも凝り出すときりがなく、オーディオ・インターフェース用ならSNが-80dBとれるLM338で基本大丈夫だろう、という考えです。

 我が家ではかなり実験的に確かめながらやっているところもあり、ここで紹介している自宅のシステム構成が最高とか、これしかないというような事を言うつもりは毛頭ありませんので、その点ご理解よろしくお願いします。これまでもそういうつもりは全くなかったのですが、皆さんレッテルを貼るのがお好きなようで、時々書いておかないとどうもそういう誤解が生じるようです。ある方式を押しつける、という短絡的誤解も持たないでくださいね。

●DACの内蔵クロックだって結果がよければOKだし便利だし、その点では「Linux/Ubuntu Studioなどはクロック抜きのAudiofire4クラスでも十分聞かせる力を持っている。LINDEMANNでも十分にちゃんとした聴ける音が出る。」ということです。お伝えしたいのは個々の情報(インフォメーション)ではなく、そういう整理した情報(インテリジェンス)であります。「Windows機にLinux/Ubuntu Studioをインストールして、それでUSB機器を鳴らせば、ローコストでいい音を入手できる」という事です。

●それと僕が腐心しているのは、コンピュータを使う再生だけでなく、それを活かした製品とその普及と言う可能性です。どんなに優れたものであろうとコンピュータを直に使ってOSがどーたら設定がこーたらというのは、広く普及するスタイルだとは思えない。そのためには良い音と、比較的簡単な操作性と、家庭に置いて違和感のないルックスを備えた機器が必要なので、その可能性も探っているわけです。Linuxなどは組込OSとしての実績もあり、製品化しやすい素材と言えるでしょう。
 ちなみに電源についてもあちこちに製品作りを働きかけていますが、単体の電源となると結局「PSE」が一番のネックとなり、まだ実現してはいません。残念。

2009年12月11日(金)
東京に取材しに行ってました。

昨日・今日と1泊で東京に取材しに行ってました。他にも書くこといっぱいあるのだけれど、土日にゆっくりと。

2009年12月8日(火)
Ubuntu9.10はイージーオペレーションになりました。
Ubuntu Magazine Japan の第2巻が発刊された。日本語リミックスCD-ROMも付属。ネット・ウォーカーの特集も同時期だったからその影響で遅れたのだろう。第1巻では舞台裏的情報が結構面白かったので、こちらを読もうと思っている。
 全く初めてインストールされる方は、11月17日に紹介した「完全ガイド」の方がオール画面付きで分かりやすくて良いと思います。

Ubuntuについてむつかしい、使いにくいというイメージを与えたのだとしたらいささか申し訳ないと思う。オーディオ用途でのドタバタを正直に書いて。そのうえトリプルブートなどと言うややこしいことから始めたので、尚更そのイメージが強いかも知れない。でもUbuntuは日々着実に進歩しているのだった。

 今日もWindows7のマシンにUbuntu9.10 日本語リミックスをインストールしたが、全く問題なくスムースだった。Ubuntuも9.10になって音響関係はずいぶんと改善されているタスクバーのスピーカーアイコンを右クリックしてサウンド設定できるようになっており、デスクトップのボリュームを操作できる。呪文を打ち込まなくても、ここで出力先のオーディオ・インターフェースも選択できるようになった。また、デフォルトでサンプリング周波数が44.1KHzになっているようだ。これこそ呪文必至だったので簡単操作になるのはとても喜ばしい。
 Firewire接続についても安定している。最終的には、Ubuntu Japan Forumに確かめてみようと思う。

 つまりは単にインストールして、グラフィカルな画面で(呪文抜きで)すぐに音出しが出来るようになっており、その音質がとても良い、ということなのだ。まずはインストールして使って見ませう。
 Why not?


○今月2件の取材日程が固まった。さあ資料も仕上げよう。
2009年12月7日(月)
デジタルコンテンツの今後

EUが共通特許制度、申請・紛争処理で企業の負担軽く

 『【ブリュッセル=瀬能繁】欧州連合(EU)加盟27カ国はEUの共通特許制度を新たに設けることで合意した。特許の紛争処理にあたるEU特許裁判所も創設、域内の特許制度を一元化する。特許取得と紛争処理制度を簡素にして企業や個人の負担を軽減、域内の技術革新を促すのが狙い。欧州で事業を展開する日本企業の知的財産戦略にも好影響を与えそうだ。 

 欧州司法裁判所の意見聴取、欧州議会の承認を経て施行される。特許裁判所をつくる協定は加盟国議会の批准手続きが必要で、早ければ今後数年以内に新制度がスタートする。欧州統合はこれまで手つかずだった知財分野にも広がる。


欧州特許庁への国別出願件数割合(09.12.5日経夕刊)
  米国   25.5%
  ドイツ  18.2%
  日本   15.7%
  フランス 6.2%
  オランダ 5.0%
  その他  29.4%


 (あくまで特許の話なので参考です。音楽コンテンツに関しては欧州は凄いと思われます。)

オーディオ・ベーシック1月号は明後日発売される。今回はコラムの方でデジタルコンテンツの今後について書かせてもらった。詳細は雑誌をご覧願いたいが、「欧州統合はこれまで手つかずだった知財分野にも広がる。」という上記のEUの記事もその文脈につながる。来た~、という感じだ。まず制度統合して、当然デジタル分野についても欧州案をまとめるのだろう。

 オーディオというのは結局コンテンツに振り回されてきた分野だ。それが動くと対応せざるを得ない。しかもダウンロードビジネスには物流が全くないから、一夜にして様相が変わってもおかしくはない。

 
 ガラパゴス日本はどうするのだろう?

2009年12月6日(日)
クロック注入 → Audiofire4、ウブスタ君最終目標へ

◎ECHO Audiofire4にクロックが入らないというのは間違った表現でした。済みません。
 ワードクロック入力こそありませんが、Ubuntu Studioの場合なら、S/PDIF入力に同期させることが出来ます。Antelope OCXからS/PDIFでAudiofire4にクロック供給したのが、下のUbuntu Studioでのffado-mixerの画面であります。この画面でサンプリングレートも設定できます。Jackにリンクさせると、ALSAの設定関係なしに、サンプリングレートを設定できるのでHiRes対応もOKという訳です。ちなみにAudiofire8のばあいは、この画面まで行かずに終わってしまうのが現況です。



ということで、クロックを供給してウブスタ君を鳴らすという最終目標に一挙に近づいたので、今日は電源の仕込み作業を終えてから、Ardour+Jack/Ubuntu Studio→ECHO Audiofire4→WEISS DAC2でCDを聞き続けました。
 少し粗いなあ、というところがクロックが入ると磨かれてきて、持ち前のダイレクト感がよりインパクトを持って来るようになりました。あのWEISSからこういうダイナミックな音を弾き出すのは驚きです。
 ただ、粗さというか透明度がいまひとつのようなところがあり、品位という点ではWindowsに勝てない。これは恐らくAudiofire4の付属電源(スイッチングアダプタ12V 1A)の問題だろうと判断し、それなら12V安定化リニア電源をLM338など手持ちのパーツで作ろうと決めた。これならLINDEMANNのバスパワー供給にも使えるし、音源HDDのサブ電源にも使える。久しぶりにクラフト心がむくむくとわき上がってきました。


○写真はコンピュータオーディオ用の各種インターフェースとクロック群。
上から2段目の下が
ECHO Audiofire8、その上が右からLINDEMANN USB DDC、黒いフェイスのAudiofire4Styleaudio Peridott
上から3段目の上が
Antelope OCX下がStanford Research Systems SC-10(10MHz)。
最下段が
Orpheus

右下が
WEISS DAC2の一部。

 なんかちっこくて可愛い機器が増えてきました。

2009年12月5日(土)
I'm in charge

 今日は静かな1日。音楽を聴きながら、非常に多機能でリーズナブルな価格のクロックをお借りできたので、そのための電源の仕込みや、大事な友人達のためにDTR-179を使ったデジタルケーブルを製作する。結構疲れが出来てきたのか眠いので、寝たいときに寝る。まあ、充電中です。
 1日中使ったがUbuntu Studioーffadoドライバーで使うECHO Audiofire4はとても安定している。これは本物だ。

2009年12月4日(金)
時代は

 我が家のコンピュータオーディオの態勢は整った。ウブスタ君のFirewireも好調で、今日は特に呪文を打たなくてもしっかり立ち上がっている。Windows Vistaも昨日はぎくしゃく気味だったが、きょうまでにいくつか調整したこともあり、今日はなかなかバランスよくまとまっている。
 そんな中でお客様を2人お迎えした。地元大阪のメーカーさんで、お2人ともコンピュータに詳しくオーディオや音楽にも関心と造詣が深い。いろいろ教えていただきながら、VistaやUbuntu StudioでUSB、Firewireと聴いていただく。今月発表予定の試作品の音質も非常に良いバランスで、完成が楽しみだ。来春のMOOKでは詳しくお伝えできると思う。

 いろいろ、本当にいろいろあるけれど、あちこちで動きが始まっていて、時代はLinuxだ。遊びたければ、今から少しでもかじっておいた方が良い。
 やってみればマイクロソフトやアップルの大変さも多分理解できるだろうし、「相身互い」というUbuntuの語源の意味を知る事になるだろう。それは大人になるという事でもあると思う。

2009年12月2日(水)
Take Me to the Next Phase

◎のだめ、が終わった。まあ、こんなもんでしょう。ステージは日々続くのだから。僕も少し知ってるけれども、芸人さんというのはそのタイミングで持っている力を出さなきゃいけないから、本当に大変なのだ。ものづくりは皆そういうモノでしょう。

 必死扱いてやっても報われないことはヤマほどある。でも、ほんの一瞬、ああこれであと何年か生きていける、と思う瞬間がある。技術的には低くても完璧に美しい瞬間はどこかに、きっとある。なければ頑張るしかない。そして忘れた頃にそれはやってくる。神様は隠し事とサプライズが好きなのだ。

 音楽の力だ。受け入れる力と音楽の力と、結局残るのはそれしかない。少なくとも僕の場合はそうだ。おお、できれば忘れる力をください。


○うちのハイブリッドUbuntuの「システムモニタ」を見ると、"Ubuntu 9.10(Karmic)"とだけあってこれがUbuntuなのかUbuntu Studioなのか分からない。まあ、Ubuntuだとやたらプリインストールされているソフトが多いので、これから削っていくときにアップデートでどんと戻されてしまったらUbuntuなのだ。
 で、そういう曖昧な所につけ込んでUbntu Studioの上書きをやったわけだ。悪い男だねえ、と言わないでくれる?相当これまでいろいろあったんだからさ。で、分かったのはモジュールの内容から見て、また常にリアルタイムカーネルが入っている事から見て、オーディオ用にはやはりStudioの方が良いらしい、と言う事だ。


 9.10で強化されたとはいえFirewireもまだ多難だ。Ubuntu Studio Controlというのが9.10から組み込まれていて、1394ドライバ、リアルタイムの優先度やメモリ確保を設定するのだけど、頼りないんだなあ。HPにある設定ファイルが実物には存在しなくて古いままだった、なんてのはよくある話かも知れない。が、「sudo modprobe raw1394」とか呪文を唱えないとデバイスノードがカーネルに立たなかったり、設定ファイルに直接書込にいかないといけなかったり、接続前にいろいろやらなきゃいけない。まあ、でもそのうち育ってくれるだろう。

 面白かったのは「alsa-tools」に「RMEdegisetting」だとか「ECHO mixer」だとか、いろんなメーカーの機器の設定ツールが入っていること。まだ動かしていないのでこれからだが、この人達本気でスタジオユーズを作ってるんだ、と言うのがひしひし伝わってくる。まあ、思いがある限り夜明けは近いのだろう。少しづつ物事は良くなっていくと思い、一緒に育っていけばいい。

Audiofire4だと一発なのに、結局8はうまくウブスタ君が認識しない。で、4を入手した。Ardour+Jack / Ubuntu Studio 9.10 HighBrid / MacBook Pro 4.1 → ECHO Audiofire4 → WEISS DAC2 というのが我が家のLInux再生ラインナップだ。これでデジタルステージの役者は出揃ったので、次のフェイズに移ろう。
 テーマ音楽はアイズレー・ブラザーズ「Take Me to the Next Phaze」。
 Ubuntuは、Linuxは、前にも言ったように、多分遊び心を持った、くじけずやる人のためのモノです。Windowsと一緒でも良いし、Macと一緒でも良い。何かをもらったら何かを返す。ネットでも基本は同じはずだ。


○明日は一日音楽を聴きながら、バランスを考えよう。多分、そんなにいじらなくても済むはずだ。

2009年12月1日(火)
ウブスタ君復~活!

 この間じっとUbuntu9.10 64bit を見ていると中身てんこ盛りの8GB程度で削ってもすぐ埋められるし、もっさいなあ、と感じ、またモジュール的には重複も多いけど、看板が違うみたいや、と気づいた。よっしゃ、それなら転んでもただでは起きんぞ、ということで、各種メニューやグラフィックも含めてUbuntu Studio 9.10で上書きをかけた。ひょっとして起動が変になるリスクはあるが、そこはこの間苦吟しながら培ったノウハウがあるので、マップファイルを見に行って確認できるし、おかしければ修正をかければ良い。

 で、成功しましたがな、でんがな、まんがな。いや、すんまそん。できあがったのは起動関係画面やメニューはStudioで、中身はUbuntuも混じっているというハイブリッド。
 でも、動きはやっぱりこちらの方がすっきりしているし、シックだ。Ubuntu関係や要らない部分は後でそぎ落とせばよい。FirewireもOK。というかAudiofire8は駄目で、4だったらばっちりという結果。どっちにしても、これでようやく身の振り方が決まりました。ふうう。

 てなことで、ご心配をおかけしましたが、詳しくは明日以降に。

2009年11月30日(月)
どこまで続くぬかるみぞ

○Windows7ではオルフェウス君のインストールすら出来なかった。Windows Vre6.1なのに、なんで?といってもできんもんは仕方がない。デバイスマネージャーでは「サウンドとゲーム」で「Orpheus WDM Audio」だったかと思うが、ワイス君と違って1394デバイスとして「61883クラス」と表示される。IEEE61883、つまりAV用のFirewire機器の事で、これはカンだがこの辺が効いているような気がする。

○実はUbuntuでも1394で検索すると、「61883」ドライバが出てくる。オルフェウス君はLinuxの1394ドライバとして(ごく一部に)有名なFreeBoBを開発したBridge社のチップを使っているのに、Ubuntuで認識すらされないのも、その辺があるような気がするのだが。
 まあ、落ち着いたら英PrismSoundにメールでも書いて聞いてみやう。

◎Ubuntuもあまり欲をかいてアップグレードしたくないのだが、1394用のFFADOのドライバが以前とは違って各バージョンに採用されリポジトリを閉じているので、勝手にダウンロードできなくなっている。で、ワイス君に使われているDICEⅡのチップを使っている一部のインターフェースがFFADOドライバで動き始めてたりしているので、勢い、アップグレードに期待せざるを得ないという状況になっている。
 まー、流れるままの、もとい、流されるままの人生かも。

●今日は買い物のついでに買ってきた「Mac Fan」見て、定価の半額じゃん、とこんなのアマゾンでポチってしまいました。「SANWA SUPPLY タッチパッド付キーボード」まー、使ってみんと分からんけど。
 それにしてもMac Mini のサーバーって良さげな気がする。実際にリモートコントロールをやってみると、止められんという気がよく分かる。ノートだと限界あるような気がするし、でもMiniも拡張性がなあ。どっちにしてもMac Proには意欲沸かんもんね。どっかに「物量を使いこなしで取り返してやるー。」というチャレンジがないとつまらんし。っても相当先の話ですが。

2009年11月29日(日)
トリ プルブートだと「あんたはあんた、俺は俺。」

 実はアップグレードの途中でまたUbuntuの起動ソフトが「ヤッホー」と変なところに飛び込んで しまい、Windows7も起動しなくなった。
 今回は起動ソフトもGRUB→GRUB2と大幅にアップグレードしていて、これって実は凄く大きな問題だったので、起動についてあれこれ資料を読み詳しくはなりまし たが、リカバリに丸1日かかってしまった。とりあえずGenericカーネルで起動するところにまでこぎ着けて、Windows7も無事起動したのは今日の未明。

 「Ubuntu for Windows」だからね、何せ。Windows+UbuntuならUbuntuがひっつきにいくので特に問題もなく、Mac+Ubuntuはもう全然な~んの問題もないので、要はトリプルという環境の宿命だ。
 トリ プルだと「あんたはあんた、俺は俺。」状態なので、ちょっと越境するとドンパチと銃撃戦 になる
わけです。ゴルフだと前の組のプレイ中のど真ん中に後ろから打ち込んで、大げんかになる、という感じでしょうか。

 でも同じマシンから音を出さなきゃ、皆OSの音の違いなんて納得しないですよね。だからいろんな意味で必要な環境なんですが、こりゃ今後Ubuntuはバージョンを アップグレードしない、という判断もありですなあ。Ubuntu 9.04 64bitデスクトップ版からわざわざアップグレードしたのもトラブルを避けるためですが、それでこの様ですし。半年ごとにこんなことはと~てもじゃないが、やっとられんです。

 で、今日の夜半過ぎてUbuntuはそこそこ、Windows7はRamdiskまで切って明日両方の設 定と音出し(オカンが来るまでに間に合えばカタツムリ)の予定にまでようやく たどり着いたのですが、友人から「7ではオルフェウスのドライバーが対応でき なくて落ちる。」とのニュースがあり、「そんなバナナ~!」と叫んでしまった。
 先週の金曜日のお客さんに頼み込んで今週の金曜日に日程変更してもらったの に、時間がないよ~のトホホ状態はまだ続くのだ。とりあえず明日オルフェウスにつないでみて駄目だったらVistaに戻さなきゃ。
 「うう、こんな生活もういや!と叫んでしまいそうです。 

2009年11月28日(土)
事の顛末~トリプルブートはやはり大事(おおごと)だった。

今回のドタバタも他山の石になるかも知れないので、正確に書いておこう。ただいま、11月28日土曜日の午前1時。眠い。

 いま振り返るとどの辺りに囚われていて、どこで帰還限界点を超えたかがよく分かる。そもそも、新しいユーティリティーを9.10にアップグレードしたUbuntu StudioにインストールしてFirewireが認識されなくなったのが事の始まりだ。翌日にお客さんも予定していたので、慌ててリカバリに走った。しかし、よく考えてみるとお客さんにはUSBだけ聞いてもらっても何とかなったのだ。FFADOの開発は進んでいるし、今後アップデートなりしていく中でどこかでちゃんと鳴るだろう、と腹を括れば良かったのだ。しかし、根っからの小人物なのでそれは後智慧でしかなく、実際はジタバタしてしまったわけだ。

1.ただ9.10アップグレード環境の中では、どうも整合性がとれていない部分があるような気がして仕方なかったので、ここで9.10のクリーンインストールに走った。トリプルブート環境にしてから確か3回目の再インストールだ。ここに第一の落とし穴がある。別項に書いたようにUbuntuはスワップ・パーティションを切ろうとする。そして何回もインストールし直す中で、Ubuntu用には当初の一つしかパーティションがないから、スワップ・パーティションはプライマリではなく論理パーティションにしておける保証がない。つまりパーティションの奪い合いになる。

2.同じく別項に書いたようにWindowsは最後のパーティションでCドライブでないと起動できない。しかもプライマリ・パーティションはMBR(マスター・ブート・レコード)では4つしかサポートされないから、5つになった時点でWindowsは起動できなくなる。
 その点を甘く見ていたのが第2の落とし穴。
 
3.ただこれだけならリカバリの方法もあった。Ubuntuのパーティションをリサイズして、論理パーティションかスワップ・ファイルを作ってそこに落とし込むという方法だが、問題はUbuntuの起動ソフトであるGRUBローダーをどこにインストールするかだ。まさしくUbuntuをインストールした3番目のパーティションに、GRUBをインストールしなければならないのだが、結論から言うと何番目のパーティションか表示されるのを軽く見て、間違ってWindowsのパーティションにインストールしてしまったのだ。これが第3の落とし穴。

4.第4の落とし穴はrEFItというMacの起動ソフトの能力というか性質をよく分かってなかったことだ。つまり、GRUBがWindowsのMBRを書き換えてしまっても、rEFItで整合性がとれるようにレストア出来るから大丈夫、と高をくくっていたところだ。実際に整合性は取れたが、Wiundowsは起動できなかった。rEFItの外側に位置するようになってしまってrEFItでは起動できず、さりとて単独で起動すると「Missing Operating System」と表示されて起動せず、結局これでWindowsがおシャカになった。

 Macから見るとWindows内部のファイルは全く問題ない。単に起動だけなのだが、それが出来ないのでにっちもさっちも逝かなくなったという次第。にわか覚えのUnixコマンドでは、メタルに近いrEFItのようなアプリをどうこうできず、「まあWindows7をインストールする予定が早まったと考えよう。」と、WindowsとUbuntuを消去して、Macからディスクを切り直したのだった。

 トリプルブート環境というのは相当気を付けないといけないことが良く分かるというものだ。再インストールは出来るだけ避けるように安定運用しなければならない。
 が、これで何とか、と思うのは全くもって大甘に甘いことをさらに思い知らされる事になる。

5.Vistaも7もアップグレード版なので、まずはXP(32bit)を最初にインストールして、そこからカスタムインストールで64bitをインストールしなければならない。
 ということで、「これで何回目かね~。」と溜息をつきながらXPのインストールを開始。で、慣れたもので無事終了ですが、その後がいけない。Ubuntu Studio 64bitのインストールで9.04のときはスワップが論理パーティションに納まってくれたのでそのつもりで入れたのに、今回は好き放題に食い散らかされた。で、結局XPのインストールをやり直して、9.10も試したが駄目。特に最近は「for Windows」と書いてあるくらいで、要するにWindowsにひっつくように作られているのだから、まあUbuntuの罪というわけではない。とにかくStudioはこのあたりがインストール手順の中で明示的に処理できない分、いまのところ使えない、と言うのが第5の落とし穴だった。
 で、折角やるなら一から出直そう、ということで、すごすごともう1台のMacBook Proを持ち出して現行の環境を移行してから、Mac Osの再インストールと相成った次第です

 で、以前無印Ubuntuをインストールしたときのことを思い出し、今度はUbuntu 9.04 デスクトップ 64bitをディスクに焼いてインストールしてみた。、ファイルシステムは今後の事を考えてより高性能なext4にして、スワップ用パーティションは作らない設定でインストールした。実は以前試したときに最後の最後でmouseemeのインストールでフリーズしてしまい、インストール出来なかった苦い記憶があるのだが、今回は何処がどう違うのか、ext4にしたのが良かったのか全く分からないものの、インストールに成功した。


 順番にMac雪豹、Ubuntu 9.04 64bit、WinXP、と立ち上がるだけで何といううれしさよ。とはいえ疲れた。う゛う゛う゛う゛う゛。トホホもやれやれももう出ませんわ。
 あんまし寝てないし、Windows7やUbuntuのリアルタイムカーネルのインストールなどは一寝入りしてからにして、今日はもう寝ます。zzzzzzzzz bbbbb zzzzz 

2009年11月27日(金)
洪水は我が魂に及び

Linux逝き、Windowsもまた逝く。
「洪水は我が魂に及び、大水我が上を過ぐ。我臥所(ふしど)なき泥の中に沈めり。」(ヨナ書)
トホホ.........。

2009年11月26日(木)
売る製品がない

●Ubuntu 9.10 リリースに関連していろいろなニュースも動いている。興味深かったのは、開発元の英CononicalのCEOの記事で、サーバーバージョンにはAmazonなどのクラウド環境を意識した機能を相当盛り込んでいるらしい。僕らがそれを直接扱うことはないだろうが、マルチOS環境が動き出している感じが興味深い。
『「Ubuntu 9.10」とCanonicalの戦略--クラウド対応強化の新Linux』

○例のLINNのニュースなどで、いろいろと反響があるらしい。

 で、面白いのは、あるいは困ったのは「これからはコンピュータオーディオだ!」とか言ったとしても、現実には売る製品がない、と言う事だ。DSばかり売るわけにも行かず、ユニバーサルプレーヤーやDACにエントリークラスのUSB端子を付けたところで、それは「再生できます。」というだけでデジタルオーディオとしては大したものにはならない。だからといって、すわインターフェースの開発というわけにも今更なかなか行かないだろう。少なくともすぐには製品化できないのは目に見えている。
 方策がないわけでもなかろうが、どうする?アイフル?

2009年11月25日(水)
還暦のオッサンらしく

○オカンも来ているし、ちょっとドタバタだけれど、今日僕は59歳になった。去年の今頃には考えもしなかった状況になって振り回され気味なところもあったが、基本は執筆と情報提供というポリシーを守って、当然営業はしないし、数え年ではすでに還暦のオッサンらしくできるだけマイペースでやりたいということには全然変わりはない。

◎Mt2さん(ヤーマン!)達が遊びに来てくれたときにもかけたニール・ラーセン(右 Key)とバジー・フェイトン(左 G)の「Larsen Feiten Band」(LP)。流石に腕っこきスタジオミュージシャンとしても知られた連中の音楽はかっこよくて、1曲目の「Who'll be a fool Tonight?」から抜群のノリで、しらずしらずに身体がバウンスして肩先でリズムを取り始める。
 「ジャングル・フィーバー」も良いできだが、やっぱりインストだけでは少し飽きる。歌が入ると一気にテンションが上がって良い。こういうのを楽しく聴けるのはきっといい夜だ。さて、シングルモルトでも行きますか、という気分の1枚。
 こういうの1枚くらいCDで持ってたら良いと思う。

2009年11月24日(火)
合間を見て

○Windows7をぼちぼちインストールする人も増えてきたし、すぐでなくともUbuntu Studioを使ってみたいという人もいると思う。後でパーティションを切って入れるとなると、Windowsを一旦消去して入れ直さねばならず、すごく大変。となると、先にパーティションを切っておいて、後からUbuntuをインストール出来るように、とりあえず3OS分の枠取りというかトリプルブートの構成方法が必要になるだろう。
 で、「MacBook Pro4.1で64bitトリプルブートの音楽専用機を作る」のページのパーティション篇を合間を見てアップした。ふう。

 《Windows機のばあいはスッスカ入りますので、醸(かも)して、もとい、試してやってたもんせ。》

 9.10がリリースされたこともあるのか、ずいぶんと資料も増えているように思います。1394などいろいろと見つけたので勉強のし直しです。Ubuntu Studioの設定なども含む全体完成はかなり先になると思いますので、気長に待っていただければ有り難いです。

○沖縄の友人がお土産に持ってきてくれたモロッコの写真。ひた寄せる黎明と、まだ消え残る下弦の月と、影の中の砂漠。う~む、美しい。


2009年11月23日(月)
新しい時代

◎昨日、沖縄のノーチラス仲間は関空からのバスもうまく乗れて、時間の余裕もあったのでLPからSACD、CDは複数のOS(Windows Vista SP2 → Ubuntu Studio 9.10)で、いろいろ聞いてもらえたと思う。夕暮れ時になると冷えてくるので、軽く暖房を入れていても「寒い~。」と言ってダウンをかき寄せながら、それでも熱心に聞いていた。
 「何が一番印象に残った?」と聞いたら、「そりゃーLinuxの音ですよ~。」さもあろう、さもあろう。こういう音を日本で聞いているのは、恐らくほんの僅かで、それだけでも痛快ではないか。彼もクロックにはいろいろと腐心して聞いているので、その威力はよく知っている。その彼が「クロックなしで、ここまで鳴るか~。」というのだから、効果の程が知れよう。って、今日はCDオンリーでHiResは鳴らしていないのだ。いや痛快、欣快。

◎コマンドラインを打つのはやはり抵抗が大きいようだ。だからスキルのある人はそのままLinuxでもWindowsでも使いこなせばいいし、そこをためらい敷居を高く感じる人にはもう少し操作しやすくカスタマイズした「製品」を提供してあげないと行けないだろう。折角の性能を活かすためにはそれが大事だと思う。

◎実はネットプレーヤーの凄いのが日本でも既に出はじめているのだが、きっちりと整理してからの話だし、ちょっと今ここでは書けない。つい先日起動7秒のデモをしたグーグルの「クロームOS」はネットブック組込みのLinuxベースだ。
 卿らよ、新しい時代が来たのだ。



p.s.念のため書いておきますが、普段機器の試聴などにはWindows+OroheusあるいはMacOS+WEISS DAC2を使い分けています。特にWindowsはどちらかといえばモニターライクに調整しています。一方で、Linix/Ubuntuはまだクロックを注入した最終形を聞いていないのですが、元気いっぱいの賢い子供と一緒に遊んでいる感じで、音の出し方にはあまり「お仕事感」はありません。

○今日は1本検討用の仮原稿を送り、次の1本に取りかかる。きっちりとチャートを書いて説明しないと分かってもらえない事もある。

2009年11月22日(日)
Tide is turning

○もう今頃はLINNが今年でCDプレーヤーの生産を止める、というニュースが飛び交っているだろうか。
 今日あることは明日もあると思いたい人には酷な現実かも知れないが、CD/SACDプレーヤーがいまでも生産できるのは、ドライブ、メカトロ基板などDVD/BDなど映像系プレーヤーの生産基盤があるからだ。いわばそのおこぼれで続いてきたので、不思議でも何でもないと思っている。

 後は「ネットプレーヤー」とコンピュータだが、アメリカ辺りでは結構出ているのに、どうも期待しているほどに「ネットプレーヤー」の製品が出てこない。

◎今日は沖縄からノーチラス仲間が遊びに来てくれる。寒いけど、めんそーれ。ゆっくりゆんたくしましょうね。

2009年11月20日(金)
世は全て事もなし。

○今日はずいぶん久しぶりに日本橋に行き、人と会う。そのあとアサヒステレオをのぞく。世は全て事もなし。

◎昨日ウブスタ君の音楽プレーヤー3種はHiRes対応していないようだ、と書いたが下記の通り訂正させていただく。なお、再生状況はWEISS DAC2のサンプルレート表示による。音が出ていることは確認済み。

*動画プレーヤー(Totem)  96KHzは44.1KHzに変換して再生している。
*Banshee                       同上
*Audacious     ALSAでUSB DDCを出力先に指定して再生したら、96KHzで再生出力できている。
          ただし曲の最後まで終わってから次を指定しなければならないなど、どこかで手順を間違えるとすぐにサンプリングレートをロストしてしまう。音は繊細だがやや小ぶり。


 端末からd mixをrate96000に変更しても、44100に戻しても状況は同じ。どうなっとるんやろ?よう分からん。どっちにしてもこいつらはCD再生用と考えておいた方が良いようだ
 HiResはArdour+Jack+Firewireでやることにしよう。

2009年11月19日(木)
あれやこれや

○いつもお米を送ってもらってる福島の友人のところで、なんと全国的な「お米のコンクール」をするという話。『第11回「米・食味分析鑑定コンクール」:International Contest on Rice Taste Evaluation』
それも来週の土日(11月28~29日)福島県・岩瀬郡・天栄村 にて開催!ときた。フレー!フレー!天栄村!


●ウブスタ君のAudour(DAWソフト)以外の音楽再生プレーヤーの聞き比べをした。LINDEMANN USB DDCに出力して、ワイス君のDAC経由で聞く。いずれもHiResは未対応のようなので、CDオンリーで比較視聴。

(注)以前に書いたように、Ubuntuはデフォルトでは48KHzなので、d mixerなどでrateを44.1KHzに書き換えておかなければならない。(ただし、ALSAが変更になる度に再度書き換えが必要になるので、随時チェックが必要。)
 
またこれらのプレーヤーはデフォルトデバイスを鳴らしに行く設定になっていて、そのままでは内蔵スピーカーが鳴るので、/.asoundrcファイルなどで、デフォルトデバイスをhw(1,0)のUSB機器に変更しておかなければならない。

 
Songbirdはうまくインストール出来ず、まあどっちにしてもRythmboxとどっこいでぼちぼちなので、今回のメンバーでほぼ足りるだろう。Amarok1.4はFirewireの外付けCDドライブを認識できないみたいで、ファイルを再生してもそんなにいい音でもないようなので除外。ときどき挙動不審だし、アンインストールしよかな。

 で、結果はなんと.....
 
1位 動画プレーヤー(Totem) スケール感、実体感などはピカイチ。

 2位 Banshee
まあ、連続再生も出来るから流し聞きにはbansheeかと。

 3位 Audacious2+Pulse Audio、Audacious2+ALSA  やはりAudaciousは繊細目な綺麗な音。

 なんで音楽プレーヤーが負けるのかよう分からんが、何せTotemは音が良い。画面とか制御関係を映像エンジン側に持たせているからかも、という理由を考えつくが、Audaciousだって凄く軽いし、本当のところははまるで分からない。

この線でいくとUSB接続オンリーになってしまうが、コマンドライン再生がやはり有力だろう。

 ①ファイル指定・再生・停止のコマンド
 ②HiRes再生の場合、同時にレートも書き換える。または再生時だけ当該レートにする。

という機能を上手く織り込んだコマンドラインを、サンプルレート別に選択起動するバッチファイルなんか作れないかなあ。それが一番便利そうだが。

●で、Audour+Jack→ECHO Audiofire4→WEISS DAC2 のFirewire接続で、HiResの動作確認をした。ワイス君のサンプルレート表示のLEDはちゃんとロックしないと点灯しないので信頼性抜群で、ちゃんと96KHzも再生できている。ところが手順をちゃんとしないとすぐにffadoのドライバを認識しなくなったり、Jackがこけたりする。まるで逆玉の婿養子だが、まあLinux/Ubuntuの場合、Firewireは継子扱いなので、手順をきちっと守ってやるほかはない。やれやれ。

 なぜFirewireは継子扱いかと言うと、
 ①1394のうち"video"はデフォルトで入っているが、"audio"は入っていない。
 ②上記の設定ファイルを書き換えても、アップデートによって元に戻ってしまうので、都度書き換えなければならない。
 ③ffadoなどドライバはリポジトリには入っているが、デフォルトでインストールされていない。
 ④その他、いろいろな手続きが必要。
ということで、Firewireで聞くのも結構大変です。またこの方式では1曲ずつしか再生できないという問題もあるが、でも、音はとっても良いのだなあ。

 Linux用ドライバー開発団体のFFADOに僕も加入したので、といっても動作報告するメール会員だが、親玉のPieter Palmersさんにメール報告する際に聞いてみよう。

 Audour+Jack→USBでのHiRes再生までは試していない。折角何とか動いているJackがまたこけたら目も当てられないからだ。これはやっておられる方もあるので、多分問題ないだろう。
 それよりもGUIのないコマンドライン再生を、USBではやってみたい。HiResも対応できるはずだ。

2009年11月18日(水)
昔語りではありませんが.........。(3)

バッド・カンパニー「Burnin' Sky」。(LP) 何故か好きで昔から折に触れて聞いている。冒頭の雷の音と渋いギターのリフが凄く好きだ。シンプルな歌詞。ストレートなメロディとステディーに切れるリズム。派手なアルバムではないが、ロックの基本みたいなものがみっしりと詰まっている気がする。

 入手不可能なものを紹介するのはひけらかすようで嫌だし、どうしても手に入りやすいものを紹介するので、昔語りのようにしないと、こういうのを書けないだけの話で、実際はいろいろと聞いている。クラシックは一生の内にせいぜい2桁の回数聞くか聞かない物も多いが、そもそも曲数が多いので仕方がない。けれど、このバッド・カンパニーなんかはこれまで何十回かけたか分からない。というか100回は軽く超えているだろう。いや、もっとかな?

●レコードや針が減らないかって?そのためにLASTを使ってるんじゃん。だからZYXクライオも全然換える必要を感じない。

 このクリーナーとトリートメント剤はレコードと針先の双方にそれぞれ処理するもので、今は亡きアサヒステレオの先代社長に教えてもらった。水洗いも含めてフツーのクリーナーだと汚れは取るが摩耗までは防がない。これは汚れも取って、なおかつ皮膜を形成し、それで摩擦を軽減する。もう20年以上使っているので、安心して使用できる。好きなレコードを何百回も何千回もかけるためのものだ。
 弱点は静電気までは取れないこと。んで、黒箱SK-EXを使うわけです。

2009年11月17日(火)
いろいろやっておりました。

○最重要な原稿が粗で1本上がった。現在推敲中で、そのあと相手方に確認を依頼する。かなり面白い記事になると思うので、請うご期待。

○Vista SP2 64bitはとても良いと思う。うちはAeroなんて使わないのでそちらはともかく、音の方はかなり安定して深くなっていると思う。室内楽やマイルスなんか聞くのにはとても良い。あと、シューベルトとか。
 今週には7が届く。いろいろ確認中なのですぐにはインストール出来ないが、こちらの成果が楽しみになってきた。

◎本屋さんでMac Peopleを立ち読みすると、がちがちのMacユーザーであるウオールストリートジャーナルの辛口コラムニストが、「Windows7はOS Xと肩を並べた。」と激賞したらしい。これはあくまで一般的な用途で音楽用ではなく、おそらく64bitでもないと思うが、それでも何となく分かる気がする。

 使用する上で、「2大商用OS」の違いが少なくなってきているのは事実だ。手堅いといえばどちらも手堅いが、面白味という点では、どちらもいまいちだ。いま僕がLinux/Ubuntuで楽しんでいる、ちょっとはちゃめちゃだが、自分で何とか工夫してあれこれ切り抜けていくのが面白い、という点は、どこか昔のMacユーザーの感慨に通じるものがあるような気がする。それにLinux/Ubuntuはコミュニティに属しているという感覚もあるし、ようやくまっとうなネット社会に接することが出来た、といううれしさもある。
 WindowsやMacがこけたら腹が立つが、Linux/Ubuntuの場合みなヴォランティアだから、「しゃーないなー。」という感じでさっさとリサーチに取りかかれるのが、精神衛生上もよろしい。金払ってるんだから、とあれこれ文句付けたい人は別として、やる気のある人にはLinux/Ubuntuをお薦めします。かなり頭の中の角度が切り替わって、初心に返ることが出来ます。まずは本を読むよろし。

アスキーのUbuntu Mabadine Japan Vol.2はいまだ声無し。
Ubuntu Magazine(角川グループパブリッシング  2009/11/30)

Ubuntu9.10完全ガイド (予約受付中:インフォレスト 2009/11/18)

○Ubuntuの音声アーキテクチャーについては、いろいろなモジュールが併存しているようではっきりしないので、あれこれ試してから、フォーラムか何かで聞く他は無いようだ。まとめるのは、その後だ。
 音楽再生用Linux/Ubuntuについていろいろまとめたいと思っているのは、内外のいろんな人のサイトやブログでお世話になっているので、少しでも恩返しをしたい、という気持ちだ。コンピュータ側でもそれで音楽を聴いてみようと、オーディオに関心を持ってくれる人が増えれば、それでまた何か役に立つのかも知れないしね。

 デフォルトを握るとか、第一人者になりたいなんて素人がそんなこと出来るわけが無いじゃないか。それより教えを請うべきは請うて、人と力を合わせた方が、なんぼか良いと思うんだが、こういうのはパーソナル垣根作りが流行る今時じゃあ受けないんだろうなあ。

●クロックケーブルについて検討するが、とりあえず現行で当分行くことにする。電波で飛ばせる超高周波のアナログ信号だから、指ではじくだけでインピーダンスが変わるとか、最短の直線にすべきで、もし余るならできるだけ緩やかなカーブで這わせる、とか言う話を思い出すと、本当はケーブルなんか使いたくないのだがやむを得ない。内蔵組込・直結が一番だが、そういう訳にもいかない。
 やはり超低雑音の定電圧素子の投入がとりあえず一番効果がありそうだ。良いタイミングを待つ事にしよう。言う(湯)だけはただだから風呂屋の息子で、目標-150dB、そんなの素人には測定すら出来ない、とほほ。

2009年11月13日(金)
昔語りではありませんが......。(2)

○今日はかつての職場の飲み仲間の1人の昇進祝い。僕はもう早めに脱出したが、来年は3人が退職する。そのうちの一人はヨットマンで実に痛快な話を聞いた。先日オランダで、船を1艘買ってきたそうだ。ご存じの通り、オランダでは運河沿いに船で暮らしている人が多く、郵便が届くところさえあり、彼もその仲間入りをするわけだ。暖かい4月から10月にかけては、そこで暮らす。そしてヨーロッパというのは地続きで川で大部分がつながっており、フランスだってイタリアだってその船で遊びに行ける。米を5Kg持ってきてくれたら、格安で泊めて暮れるそうで、いつでも携帯に電話してくれ、という話。すごくいいじゃねえの。飯作るからさ、おれも泊めてもらおう。

◎矢作俊彦・司城志朗のコンビが新著「犬なら普通のこと」を出した。25年ぶりのコンビ復活なんだそうだ。実はどうしても読みたくなって「ブロードウェイの戦車」「暗闇にノーサイド」を先月古書で入手していたので、舞台が沖縄と聞いて中身も見ずに買った。
 思えばスノッブでやせ我慢でハイブロウで、伊丹十三の「ヨーロッパ退屈日記」の続編とも言えるような気取りが、僕はとても好きだ。中身のない奴が格好付けてもアホなだけだし、我慢するのは悪いことだと思うが、やはりそういうやせ我慢や気合いみたいなものはどこかで必要だ

 そして自分を守ろうとすればするほど、結局は己がどんどん小さくなっていく。要するに抜けだし飛び込む度胸、領域侵犯も辞さない心意気、みたいなもんだろうな。今回は沖縄のやくざの話でちょっとノワールだが、結局はそういう事だと思う。

2009年11月12日(木)
独りじゃない

◎PC_Audioさんから久しぶりにメールを戴いた。お忙しくしておられるらしく、人生いろんな時期があるので本当に大変だ。でも、そうした中で気にかけてくださるのは本当に有り難い。

◎11月9日に書いた記事について、貴重な情報を教えてくださるメールを頂戴した。本当に、本当に嬉しい。ありがとうございました。
 なんかあったら答えられそうな人を紹介するからね、などと言ってくださる方やLinux情報をくださる方もあり、独りではないのだと、意を強くする。

 皆さんのご好意をどれだけ活かせるかは、浅学の身なのでいささか心許ないが、少なくとも明確なイメージをまとめるなど、出来るだけの努力をしようと思う。改めて各位に感謝です。

●最近のコンピュータはコネクタにケーブルが挿されていると、Jack Presence Detection、つまりジャック検出して機器の接続状況を把握するのだそうだ。それはそれで良いとして、機器ごとに検証しなければいけないが、厄介なのはコンピュータや周辺機器とグラウンドがつながって行く可能性が高い事だ。例えばオルフェウス君にしてもワイス君にしてもリモート機能を持っているらしく、6Pを4Pに変換したFirewireケーブルでは機器動作がスムースに行かない。あるいはLAN回線も設備的なグラウンドの問題を持っている。

●僕が各機器にほぼ1個ずつアイソレーション・トランスをあてがったりしているのは、一つにはそのためもある。それが並のトランスではなく巻線技術をシミュレーション化したPlitronなので、これは外すことが出来ない。
 磁気結合は必要な周波数領域で確保して、同時に容量結合はアイソレーションのために最適化して線を巻く。そういう意味ではPlitronはただのアイソレーション・トランスではないのだが、まあ使った人にしか分からないかもしれない。

2009年11月11日(水)
ポチポチと

○lINDEMANNさんから即返事。なるほどちっこいけれども、あれこれ工夫して高性能を実現している。価格はリーズナブルだし、ヒットの可能性まことに大。


◎pcxが既に20%以上割引しているモノを除いて「20% off almost Everything Sale」をやっとります。PS AudioのNoize Harvesterなんか35%引きだ。よかねえ。

○資料造りでVistaの操作画面のスクリーンショットを撮ったりする。動作確認が案外と厄介だ。フムン。

◎Linux/Ubuntuについてはまとめている時間がない。これで12月に入れば、今度は各地への取材が入ってくる。仕方がないので、ポチポチと作っていって雑誌と上手く連携しながら発信できるようにしたいと思っている。でも、まあ何せ独りだから、出来るようにするしかない。

2009年11月9日(月)
ワイス君アップデート

○Norbert Lindemann さんにメールを書き、ASIO4ALLの製作者 Tippachさんにもお尋ねのメールを書いた。

WEISS DAC2 のドライバ、ファームウェアが更新されている。Mac、Winともに以前よりずっと安定動作しているのが分かる。すぐにインストールされるよろし。



 ところでこの間64bit化でOS側がパワーアップして、オルフェウス君、ワイス君、エコー君といくつものインターフェースとお付き合いして、結局再生バッファサイズはマシンとインターフェース両側のバランスで決まってくるのを実感した。つまりOS側がパワーアップしても、やはりアンバラが生じれば再生バッファサイズを調整さざるを得ない。つまり
マシンパワーであれ、ソフトパワーであれ、質的向上とバランスを目指すなら、再生バッファサイズの調整が非常に大切だ。

 例えば更新後のVista 64bit SP2でのワイス君はNormal Modeは安定動作を実現できず、Safe Mode Level 1での動作を余儀なくされた。一方で、MacOS雪豹の64bitはばっちりといい音で動いている。陰影が濃くなり、音場はぐっと後方に展開するもののディテイルはちゃんと出ている。音場は清々しく拡がり、間然とするところがない。

 現況の環境では、やはりワイス君はMacとの相性が良いように思う。それにしてもストレートではなくむしろおとなしめの音だが、じっくりと聞きに行ける音の良いDACだと思う。

○本日のワイス君

 MacOS X 64bit : Normal Mode、Buffer 384 sample
 Windows Vista 64bit : Safe Mode Level 1、Buffer 256 sample


●ところでFirewire(1394)やUSBも伝送にはクロック(24.5760MHzまたは12MHz)が必要であり、当然そこにはジッターが存在する。これはすでに論証・確認済みだそうだ。勿論伝送されるデータは同じだが。
 で、これらはいわば作業用クロックで、DA変換に用いるシステムクロックではない。

 となると「クロックジッター」の定義にもよるが、同一データでなぜ再生バッファサイズによって音が変わるのだろう?いわゆる「クロックジッター」という概念でそれが説明しきれるのだろうか?もし音が変わらないなら、絶対的多数のサウンドエンジニアの耳がおかしいことになり、もし「クロックジッター」で説明しきれなければ、新たな変動要素を考慮しなければならないことになる。もし作業用クロックのジッターによるとすれば、それとシステムクロックのジッターとの関係の説明や、作業用クロックのジッターが音に与える影響とそのプロセスの論証が必要になる。

2009年11月8日(日)
今年のサプライズ

○いろいろあって間が空きました。それにしても、プロだったら例えばCD読み取りがレッドブック準拠で、C1C2エラーはCIRCで補正されることぐらい理解していて欲しいものだ。レッドブックって知ってるんだろうか?売ってる側がその時どきで都合良い方にころころ回られると、まったく嫌になる。ほんまでっせ、大阪ハイエンドショウの一コマ。

 一方で、「次世代オーディオ」への関心は少しずつ高まってはいるようだが、まあ上記のような事もありますので、どうなりますかねえ。ギョーカイの皆さんには勉強不足な人が目立つので、正直、結構憂えてます。



閑話休題。LINDEMANNのUSB DDC 24/96やって来ました。とてもよろしい。好好了!
 コストとスペースが必要な電源とDAを省いただけあって実にちっこくて可愛いのですが、音が甘くならない。リンデマン氏の話だとBBのチップではなく、コンピュータ系のチップを使ったらしいが、Ubuntu/LinuxでもWindowsでも実にストレートに音が出ます。
 中身はどうなっとるんやろね?メールして聞いてみよ。


◎今年はいろいろ有りましたが、「あんれまあ!」のサプライズとしてはなんと言ってもLinux/ubuntuでした。クロックなしで、USB DDCからDACに出力して、何でこんなにちゃんと聴けるレベルの音が出るのか、誰か教えていただきたいモノです。再生ソフトはBansheeがスケール感が大きくて良いと思うが、あとSongbird、Rythmboxも確認しておこうと思う。
(FirewireではドライバがJackにしか対応しておらず、Ardour+Jackです。)

 ちなみに別マシンで32bitのUbuntu 9.04を9.10にアップデートしましたが、リアルカーネルは引き継がれないし、サウンド関係の幾つかも引き継がれないようだ。そうなると、はじめからリアルカーネルが入っているUbuntu Studioがやはりお薦めかと。ただ、デフォルトでは出力サンプリングレートが48KHzなので、CDを再生してもDD変換されるとか、フォーマット的にS16LEなのでS32LEにしたいとか、最低限整理しなければならない事があり、これらは結局呪文を打ち込むしかないので、どの設定ファイルを追加あるいは変更すれば効率的に行けるか、ちょいと勉強しなければなりません。


 いずれにせよ
「さほど古くないパソコン+WindowsかMacの片隅にUbuntu Studio+LINDEMANNのUSB DDC 24/96」
というのが、現時点での超お勧めメニューです。第一安い!含む自力更生。加油!

○あと、悪巧みしているのが、Linux/ubuntuでの「コマンドライン再生」。こいつからまず行きましょう。いろいろやり方もあるみたいで、どうなりますかねえ。わくわく。

p.s. Windows Vista 64bit Service Pack 2に移行しました。特に支障なく、動いとります。

○本日のオルフェウス君

 バッファ 5875μS  レイテンシ17.62ms

2009年11月6日(金)
朋有り遠方より来たる

 昨日は東京からカタツムリ仲間が遊びに来てくださった。おそらく世界に220~230セットしかない代物を使っている変わり者同士なわけだから、話はいろいろと弾むし、コンピュータオーディオにもいたく興味在りで、いろんな話をしました。あくまで僕のイメージだけれど、日本のコンピュータオーディオ分野ではここ5年くらいのあいだに啓発・情報提供からはじまっていろいろと努力をしておかなければ、物事がどっと動き出したときにしんどいことになると思う。
 問題が明確に認識されれば、後はそれぞれの部署で対応が始まるだろうから、その頃、ご用済みになって1マニアに戻れれば年齢的にちょうど良いタイミングだと個人的には思っているのだけど、そううまく転がるかどうかは、やってみないと分からない。

 いろんな話をする内に、彼と僕との共通点も見えてきた。

 まずは音楽が好きなことだ。音楽がどう聞こえてどう感じられるか。それがほとんど第一のことだ。

 そして、誰か他の人も名前を出すときにも、その人となりや感銘を受けたストーリーを語るために出すのであって、その人のキャラクター=固有の癖にはあまり深入りしない。つまりはひとによって作られている世界だとは言え、僕らはいわゆる「ゴシップ」は好きではないのだ。

 2人でワインを2本あけて、時間を忘れて話をしていたので、結局彼は終電車に間に合わなかった。もっと早く気がつけばよかった、ごめんなさい。いろいろ有るでしょうが、必要な役目・立場というのがあるので、良いところを活かしていただいて、僕はそれをちゃんとサポートできたら良いと思う。
 大事なのは橋がないところに橋をかけて、物事が流れ出すようにする事なのだそうだ。そう上手くは問屋がおろさんとは思いますが、まあぼちぼちと。

2009年11月4日(水)
迷宮としての音声アーキテクチャ

Windowsの音声アーキテクチャには日本語でまとまった資料が無く、実は公表資料は全て英語でMSDNなどの開発者ネットワーク(相互に参照し合うフラクタルな資料群)に分散している。その全体像を掴むのは大変で、Appleでも同様だと思うが、開発者は常に次のタスクをかかえており、全体としてもコンシュマー向けドキュメント整備にはごく一部しかパワーが割かれていない。
 これは相互参照のヤマであるMSDNを歩いてみれば、すぐと知れる。音声一つをとっても簡単なプログラムではなく、プログラム群が相互に連絡を取りながら動作する「演算するパスタ群」のようなモノらしく、切り口によって現れるモノも多様で時として文献相互に矛盾があったりするくらいだ。だから実際のシステムの内容について一般の理解と実態はかなり異なるのが実態だ。これはOSが音楽以外の各種音声を全て取り扱わなければならないことにもよるし、いろんな要因による。このあたりはいずれ雑誌などで整理したい。



●Linux/UbuntuについてもALSA(Advanced Linux Sound Architecture)はASIOと同じようなサウンドドライバ、と書いたがこれは正確ではなかった。済みません。こちらなどを見れば分かると思うが、


「例えばALSA(Advanced Linux Sound Architecture)プロジェクトには、いくつかの独立したコンポーネントがある。その中には、サウンドカード用のカーネルのハードウェアドライバもあれば、ALSAのAPI(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)をアプリケーションから利用可能にするライブラリなどもある。ハードウェアドライバはサウンドカードにサウンドを出力させるために必要だが、ライブラリはアプリケーションによって使われたり使われなかったりする。」

「Linux用のサウンドシステムを理解するのは少々ややこしいことだ。どのプロジェクト(少し挙げるだけでもALSA、OSS、ESD、aRts、JACK、GStreamerがある)も大ざっぱで似たような言葉でプロジェクトを説明しているし、多種多彩なパッケージの名前――alsaplayer-esd、libesd-alsa、alsa-oss、alsaplayer-jack、gstreamer-alsa、gstreamer-esd等々――は、まるできりのない組み合わせゲームのようだ。」

 おまけに大部の資料を読んでようやくイメージが見えてきたと思ったら、D mixerは Sample Accuracyではないので、そういう用途にはJackを使った方が良い、と書いてある。トホホ。

 だからどの再生ソフトを使い、どのルートで、どのデバイスに、どんなフォーマットで出力するのか、よく理解してから設定しないと、端末でコマンドを打ち込んだ事やその内容を忘れると目も当てられない、と言うこともある。くれぐれも事前によく考え抜いて、都度都度メモを取っておかないと、後で後悔するだろう。

 おまけに頻繁なアップデートによって、設定がデフォルトに戻される事も日常茶飯事なので、よく気を付けて、動きが可笑しかったらすぐ修正する必要がある。

 だから何も考えたくない人はそのディストリビューションのRythmboxなどデフォルト・プレーヤーを使ってください。といってもすぐにはコンピュータの内蔵スピーカーを鳴らすだけ。外部デバイスを使うにはPuiseAudioなどをインストールせねばならず、とどめとしてはCDを機嫌良く再生していても、音声のデフォルトは48KHzなので、全て48KHzにコンバートされて出力されてしまっている。

 こういう状態のOSをMacやWindowsがデフォルトで出すわけがない。つまりは、Linux/Ubuntuというのは、そういう代物なので、本格的に行きたいなら、どっぷり浸かって勉強する他は無いんですな。

p.s.JVC・ケンウッド、音楽ソフト事業の売却検討

 「ビクターエンタテインメント(東京・港)。同社株の過半を売却する方向で、すでにコナミに打診した。」のだそうだ。結構、独自音源も持っている方だと思うのだけれど、これが音楽の衰退の表れでなくて何だろう?外資系はもっと厳しいのでは?
2009年11月3日(火)
昔語りではありませんが......。(1)

○LINDEMANNのUSB DDC 24/96が今日来るはずだ。バスパワー動作であり、一番音が良いOHCIのUSB端子が1394と一緒にExpressxard34に入っているので、そこに電源を注入しなければいけない。

 で、あのカード横の穴についているDCプラグ用ジャックのサイズがまちまちで、RSコンポーネンツから12V500mAのトランス式電源、千石電商からDCプラグを取り寄せて、プラグを交換した。

 よし、これで準備はばっちりだ。

●昨日も書いたように、コンピュータオーディオはお仕事的要素があって、かならずしも思い通りに出来ないところがある。その点、アナログ再生=LPは自分だけの判断でやっているので、むしろこちらの音の方が僕らしいと言えるだろう。

●昨日はここ15年ばかり探していたLPが届いて、すこぶるご機嫌だった。レス・マッキャンの「The Longer You Wait」。もう35年も前になるのだった。梅田の阪急東通り奥に「QueQue(クークー:米俗語で≒アホ、バカ、まぬけ)」という喫茶店・飲み屋・自称ビルボードよりも早く流行り曲がかかる店・独自年間チャートを作っていて当てたら飲み代まけてくれる店。なにせすぐ隣がこれもマニアックなレコード店「LPコーナー」ですから、マスターのユキちゃんは入り浸りで、店員よりも詳しい。

 いやいろんな音楽を知りました。人付き合いの上手くない僕はここであれこれ勉強もしました。

●そのなかで最も印象に残ってるの一つがこれ。レス・マッキャン「The Longer You Wait」。デビット.T.ウォーカー(G/吉田美和呼ぶところの「デビ爺」)、ネイサン・イースト(B)、ジェームス・ガドスン(Dr)という超腕達者に支えられ、あくまでスローに渋いレスのボーカルと、おそらくレイ・ブライアント生涯最高じゃないかと思うサックスとが、ゆっくりと熟していくのが、もうたまらん名曲です。ユキちゃんに無理無理カセットをもらって、何回聞いた事か。
 でいろいろあったんで、カセットも何もどっかにいっちまって、欲しいと思ったときには無い、という状態で、先日検索かけたら出てきたんだな、これが。

 この35年で得たモノもあるが、ずいぶんと沢山のモノをうしなった。いまでも一番堪えるのは人を失うことだ。これだけは、ほとんど、物理的に、痛い。僕の中の何かは確実にその時に死んでいる。もの思ふと、おめおめと、という気もするが、それもこれも過ぎていく他は無い事だったじゃないか、という気もする。
  はっきりしていることはもう残り少ない人生の中で、不用意に誰かを何かを失うことは避けなければならない、ということと、それでも来し方のことも行く末のこともみんな忘れてしまえ、ということだ。せめて肩の力は抜こう。

 そう。良いものは少ない。最高に良いものは殆どない。天国へのアップリンクはかけらも見えない。しかし、僕らが還るのは大地の方だ。さて、どうなるのだろう?ままよ、流れていこうかね。

2009年11月2日(月)
短絡されないよういくつか補足を

 えっと~~、昨日のような記事を書くと、「すわUbuntu!」という人が必ずおられると思いますので、短絡されないよういくつか補足を。なんで短絡される方が多いかというと、不思議なことに「どこかに確定的な答えがある。」と思っている方が多いからだそうです。「答えなんか何処にもない。」とか「いろいろあるけれども、最終的には自分で判断して、日々持ちこたえる。」とかいうケースは全くの想定外なのだそうです。でも、そもそもサイト見てそんなのパッと分かるぐらいだったら、苦労なんかないよね。

1.まだ全ての予定機種を聞いたわけではありません。しかも使い方にもよります。Audiofire8でクロック入力してもあまり変わらないかも知れない。現状ではクロック付きWindows Vistaの方が中高域の響きが美しく、引き締まっています。今のウブスタ君は少しずんぐり傾向です。LINDEMANNも我が家でのパフォーマンスは未知数。

2.Windowsは早く7に移行したいが、動作確認などが必要でタイミング待ち。その前にSP2動作確認もやらなくっちゃ。このように我が家ではWindows環境をホイホイと変えられない、という点があり、好き放題やっているわけではおまへん。
 その点、ウブスタ君でハイファイやってるなんて、全国的にも凄く少ないと思うので、こっちは気の向くまま、心の向くまま。そういうのが楽しくてやってるという事もありますので。やっぱりFedoraもやらにゃいけんかねえ?待て待て、ってな感じです。

3.何事もすぐには結果は出ません。Ubuntuではある昨日やソフトが「Out of Box」と書いてあってもレポジトリにあるだけで、ダウンロード&インストールしないと使えないとか、シェルの設定が必要とか、とにかく凸凹が多い。それを埋めるのはあなたの仕事。
 そしてvideoはデフォルトであっても、audioは後から設定しないと駄目とか、マイナーなOSでさえ、さらにマイナーなオーディオ。トホホをなんとかするのはあなたの仕事。

4.どんな環境でもそれなりに楽しく音楽を聴くことは可能です。むしろその感覚とスキルの方が大切かも。正しい音(!?)なんて、確定的に存在するはずがありません。データが同じというのはデジタル機器に求められる最低条件で、しかも異なる環境でそれぞれ音が違うのですから、それをどう受け止めて、どう音楽を鳴らしていくか、そっちの方が大切です。
 

2009年11月1日(日)
Linux/Ubuntu Studio(64bit)の音はかなり凄いぞ~。
○先日Audiofire8で音出しが可能になったら、今度はデジタル出力がうまく動作しないことが分かり、エコー君は修理のため実家に戻り、妹分のAudiofire4が代替貸し出し機として我が家にやってきました。小ぶりでいろんな取り回しがしやすくて4万円余りというお値段を考えると、クロック入力端子はないが、なかなか良いインターフェースです。


 ということで、この土日ようやくFirewireからArdour+Jackで本格的に音出ししました。
 ちなみに今回はFirewire接続の難易度とその音のレベルを知るためにエコーにしましたが、今週LINDEMANNのUSB DDC 24/96が届くので、通常用途にはUSB1.1で十分だと思います。(ただしUSB2.0だとドライバなどの設定が必要になり、Firewireと殆ど違いはなくなってしまう。

【経過】
①実はこの間にJackの方がどんどん不安定になっておき、起動するけど61883(FirewireのAV関連規格)がらみのログとかが出て、途中で「あきまへ~ん。」と落ちてしまう。(どうも何らかのアップデートで50-udev-default.rulesが書き換えられてしまい、残るのはVideo関係のファイルになったので、こういうログがでたのではないかと思われる。)
 で、新しいUbuntu 9.10 ではオーディオ関係は充実した、とかの記事を真に受けて(実際はFFADOのドライバをアップしただけ)、意を決して環境を変えようとリリースされたばかりの9.10アップデートを入れました。

②そうすると、Jackが端から全然あきまへん。そこで起動時のカーネル読込設定ファイル(50-udev-default.rules)を開くと、なんとFirewireにはvideoだけしかなく、先日苦労して追加したFirewire関係の2行が消えている。まあ、「このファイルはアップデートで書き換えられるから変更しちゃ駄目よ。」と注意書きがあったのを承知で書き換えたので致し方なく、videoに併せて再度書込み。

③結局これがドンぴしゃで、JackはOK。ArdourもCDを直接ストリーミング再生できるようになり、HiResファイルもフォーマットに合わせてセッションファイル(CubaseでいうProjectファイル)を作ってスムースに移行、再生できるようになった。

【クロック入力なしでの音質評価】
音は「凄い!」の一言。広がり感と厚みと豊かさとコクがあり、しかも浸透力がある。センター付近が一挙に充実して明確な音場・音像が出来て、もうこれで良いかなあ、と思った瞬間さえある。ちなみにクロック入力がないのでSRSの高精度水晶はおろか、Antelope OCXなどクロック関係は一切使っていない状態で十分聴けるわけだから、全く恐れ入る。
 
Audiofire8が帰ってきて、クロックをきっちりかけたらどうなるんだろう?後報を待たれよ。

【64bit故か、Linux故か】
●今回は3つのOSを同じマシンで全て64bitで聞いたので、音質の違いはそれぞれの固有の違いだと、一応考えることが出来るだろう。
 では音の違いは何故だろう?3OSとも64bitらしき弾けるようなパワー感は共通しているが、Ubuntuのパワー感と明確さは一頭地を抜いている。我が家でウブスタ君の現状ファイルサイズは4.5GB。まあ、これは聞き比べ用の各種ソフトも入っているので、最終的には3GB位に絞れると思う。しかしMacOS 10.6(64bit)でも標準は8GBだから、サイズだけの問題でもないだろう。ひょっとしたら高精度タイマーHPETを採用しているからかも知れないが、これも推測だ。この間試聴用にお借りしている機器でも音質傾向は同様なので、おそらくLinux/Ubuntuには何か基本的なパイプラインの短さといったような要素があるのだろうが、正直よく分からない。

 他の各OSもよほど追い込んだら、話は違うかも知れないが、僕もまだ途上だし、状況はどんどん変わっていくので、とにかく音質的にはLinux/Ubuntu 64bitの可能性が高い事だけを、まずもってお伝えしておきたい。


【お薦めかどうか】
●結論から言おう。インストールしただけではすぐに使えないソフトも結構ありUbuntuは決してやさしいOSではない。今回の9.10リリースに関連してUbuntu日本語チームの言を借りるならば、『最低限,問題の切り分けを行える・英語のドキュメントでも問題なく読める・Linuxの基本的な知識がある,といった条件を満たしていないと,何かトラブルを踏んだ場合に「解決まで1ヶ月ほど寝かせる」といった展開に陥るおそれがあります』ということになる。しかもFFADOドライバでの1394接続などの周辺領域は、不撓不屈のチャレンジ精神が必要になる。だから、だれにでも薦められるわけではない。

●しかし、ある程度いじっていれば慣れるし、相当ややこしい事でない限り出来るようになる。
 で、
とりあえずお薦めはWindowsマシンの片隅にUbuntuをインストールして徐々に慣れること。最近のマシンなら迷う事なく64bitにしてみよう。まあインストールしてもキーボードの文字が違ったり、プリンタが使えないなんてのは日常茶飯事だから、サイトを検索して類似事例を調べて修正をかけるなど、いずれは慣れる。
 それとFirewireなんてやる必要は全くなく、USB1.1で十分だ。AudaciousならHiResファイルも含め再生可能だし、操作もむつかしくない。日常はこれで十分だ。ぼちぼちと、しかしいい音出しませう。

 
あ、原稿も書いてます。もうちょっとだけ締め切り待ってください、です。<(_ _)> m(_ _)m
2009年10月31日(土)
コンピュータ・オーディオの中間集約

この週末が一つのターニングポイントになるのは大体分かっていた。

1.Linux/Ubuntuプロジェクトがほぼまとまり、音質評価が定まり方向性が見えてくるだろう、と言うこと。

2.この間3つのOSいろんなソフト、幾つかのマシンを触って、要するにどの環境でもコンピュータと接続機器の関係さえちゃんと理解していれば、音楽をちゃんと楽しんで聴ける、ということを実感したこと。ネットブックでも欲張りすぎさえしなければ十分可能性はあるし、一方で皆データは同じでも出てくる音は違う。その質も聞こえ方もかなりの違いがある。コンピュータもオーディオ機器と同じだが、設定や使い方で、これまたもの凄く変わる。おまけにOSのアップデートなど変化が激しいから、いたずらに時間ばかりが過ぎないよう、頭を柔軟に保ってポイントを押さえないと行けない。そのためには、どこかで大きな集約をして行かなければならない。

3.11月以降、特に12月は来週のMOOK第2弾などに向けて取材や原稿書きがどんどん動きだし、また来客も結構あって多忙になるだろうし、まとまって試聴できる時間が限られてくる事。

 で、実は主要な機器が2つまだ登場していない。LINDEMANNのUSB DDC 24/96と、修理中のECHO Audiofire8だ。これらが納まって、ようやく全体の方向性が見えるので、おそらく11月第2~3週あたりが集約時期になるだろう。
 ただ、基本的な方向は、今日見えた。

【中間集約】

1.Linux/Ubuntu (64bit)が僕にとっては個人的な音質追求の今後の中心になるだろう。まあ、「いじり甲斐」があるという事です、はい。(笑)

 ケーブルを差し替えて、2パターンを使い分ける。カナレDA206+Neutrikデジタル用XLR端子(110オーム、材料費2千円)は改めて他の75オームケーブルと聞き比べてみたが、変換アダプタを?ましてさえ広がり感と色数の多さが好ましい。


 ただOrpheusに同梱されていた同軸/XLR変換アダプタは良いコネクタ・パーツを使っているとはいえ、単に結線替えだけなので気持ちが悪い。
Scientific Conversion の 「75 ohm to 110 ohm AES/EBU transformer」など使って、きっちりインピーダンス変換をやりたいと思う。自作するアダプタの75オーム部分はDTR-179+カナレ75オームRCAプラグでも使おうか。でも差し替えの頻度が高いから強度も必要だしなあ。よし、2本作って、片側をBNCにしよう。



Ardour(DAWソフト)+Jack(オーディオサーバーソフト) → ECHO Audiofire8+WEISS DAC2
  

   ただこれは音は良いが、1曲ずつしか聴けないし、使い勝手はあまり良くないが、サンプリングレートを変えやすい。   CDとHiResファイルの、ここぞの本番再生用


Audacious(再生ソフト)+ALSA、PulseAudio、OSSなど ドライバ→ LINDEMANNのUSB DDC 24/96+WEISS DAC2 

  これは気軽に使えて音が良いというお薦めのパターン。使い勝手も良い。どの出力経路が良いかをこれから探る。    Ubuntu内部でサンプリングレートが設定ファイルに書かれているので、サンプリングレートは変えにくい。
  実質的にCD専用になるだろうが、折角の24/96対応なので、何か工夫をしたいところだ。


2.Windows+OrpheusはNundo4で連続再生可能だし、安定した音質が確保できるので、並行して使う。VistaのSP1とSP2の動作確認が出来れば、7の64bitにアップグレードする。それにサードパーティーのユーティリティーを使って、動的な性能改善を試みたい。一番ユーザーの多いOSだし、情報把握にも努めたい。

3.Mac OS ではカーネル起動も含む完全64bitはかなり強力になってしまったので、実はその素顔がまだきっちりと見えているわけではない。今後のドライバやファームウェアのアップで変化があるかも知れないと期待している。
 UNIXコマンドラインを使った再生が期待の的。起死回生の逆転なるか?来年前半辺りはUNIXコマンドにどっぷり使っているかも。DVD再生はMacがダントツだが、あまりにもブルーレイ再生に冷淡というか不対応なのが長期的にはAppleの足を引っ張るかも。


 いろいろやってるでしょ?
 大変なんですよ。それに表には出てこないけど、オンライン上の技術文書やマニュアルを読まねばならないし、基礎的な理解がなければシステム構築も出来ないので、こういうインフラ部分に時間がかかります。
 気楽そうに見えるかも知れないけど、日々結構忙しい。だからLInuxの件など、どっかでマニュアル化しておきたいし、メモはちゃんと取って書き足しているんだけど、まとめる時間がない。そういうモノなので、「よゐこ」で待ってくださいね。

 で、肝心のLinux/Ubuntu Studioの音ってどうなのかって?それは明日。One by One, day by day.

2009年10月30日(金)
不都合な真実

○昨日はワインとハイドンの弦楽四重奏で気分転換、のはずが朝起きてから喉が痛く「風邪、インフル怖かったらすぐに寝なさい。」のドクターの指示で寝たり起きたり。とほほ。

 で寝たり起きたりしながら、うつらうつらと考えた。(わしって真面目?)病み上がりの勢い(?)で本音を語ろう。

私見ですが「不都合な真実」というやつに直面したとき、人の対応行動はおよそ次の3つに分けられる。

1.解決に向けて取り組む
(1)実際むつかしい事ばかりだろうが、果敢に取り組む個人や組織もある。フレー、フレー、頑張れ!
(2)場合によっては、少々の問題は無視して、それを突破してでも実現しに行く、という事あるだろう。CDの規格などソニー/フィリップス間でのえいやあ妥協だが、問題山積で「えいやあ」でなければ恐らく商品化出来なかっただろう。
もちろんツケは後世の誰かが払わなければ世の中行きっぱなしなんて許してくれるはずがない。

2.先送りする
 これはまあ、時間の過ぎるのを待って、その間に自分はどっかへ逃げる、と言うような、まだ逃げる時間のある状況。少なくとも、問題点は認識されているし、問題点の存在だけは引き継ぎもされるだろう。

3.思考停止する
 これが厄介だ。面倒臭い、いわば認識すらしたくない、実質的に「ないこと」にしてしまう、という事だ。しかも「皆で渡れば怖くない。」とセットになると、問題点としてすら挙げられず、引き継ぎもされず、時間と共に風化する。しかし、問題点は手つかずで残っている。
 「デジタルだから(変わらない、劣化しない、大丈夫)」「バイナリデータが同じなら音はどんな場合でも全く元のままで変わらない(だろう)」などのイメージだけを放置しているのはその典型だと思う。だったら機器ごとに音が違うのは何故だろう?

 まずもって、CDがこれだけ普及してきたことは素晴らしいことだと思うし、その発展・普及についての関係者のご努力は明確に評価されなければならない物だと思う。実のところジャーナリズムもメーカー・代理店のかたがたも、これまで実に苦労されていることは重々承知している。以下はそれを踏まえた上で、腹割った話です。

基本認識の欠落(1)デジタルは、コンピュータは、きっちりとした誤りのない物だという「思い込み」。2進法の限界は殆ど知られていない。

 で、コンピュータをよく知らない方ほど、コンピュータはきっちりとした誤りのない物だというイメージを持っておられることを僕らは知っている。では、コンピュータを含むデジタル回路が2進法ベースでの高速処理を可能にした一方、誤差という問題を抱え続けていることは、果たして一般的に認識されているのだろうか?
 早い話がエクセルの誤差については表計算などやった方は実感しておられるだろう。エクセルの数値表現はIEEE754という32ビット浮動小数点に基づいており、実質24ビット精度。これはほとんどのアプリケーション、例えば再生ソフトの数値形式と同じことだ。つまりはそういう精度の世界なので、科学技術計算の世界で人工衛星を飛ばすのだって完全に割り切れる世界ではなく、誤差との戦いなのだ。オーディオで言えばDA変換のデジタルフィルターで多様な補間形式が試みられているのは、そもそものAD時の量子化誤差を少しでも減らしてより精度の高い変換をしていくための、さまざまな努力なのだ。

 だから、理屈だけでなく、実機の世界でどう動いているのか、という事も含めて考える時期に来ていると思うが、その間に定着したコンピュータだから全て割り切れるはずだ、解は何処かに絶対あるはずだ、という「想定」はもの凄く根強くて、なかにはそれを楽しみにコンピュータオーディオをやっておられる方々もいるやにお見受けする。
 こっちの道にも風が吹いていることを、まずは知っておいていただかねばならない。

基本認識の欠落(2)デジタルには固有の「ノイズ」や「ひずみ」など問題点もあることを、どれだけのユーザーが基本知識として認識しておられるのだろう?

 つまり、「デジタルだから」というソリッドなイメージに安住して説明も省き、それ以降本質的な問題について、(一部を除き)ほとんど突っ込んだ論議や啓発・情報提供をしておられず、その結果としてデジタルの固有のノイズやひずみなどの問題点はデジタルの基本としては殆どのユーザーに認識されていない。何か技術的改良があったときだけ、ノイズを歪みをこう減らしました、ということを明らかにする体質。デジタルだから変わらないんだったら、ちっこくて安いので良いじゃんと思われても仕方がない。エソテリックが「データは同じで、理由は分からないけれど、ターンテーブルで音が変わりました。」と書いたときは、「おお!」と思ったが、そういう勇気がもっとたくさんあったら、と今は思える。

 あるいは時間の狭間をもっと綺麗にしに行く、具体的にはクロック周りなどを高めていくと言う方法もあったと思うが、そもそもその必要性もきっちり説明していないから、一般受けしないし売れない。組み込むにもコストの説明がむつかしい。そこで、数字で訴求して分かりやすく、かつチップの性能発展に依存できるアップサンプリング・アップビット(インターポレーション)の世界に行ってしまう。これは結局DD変換をして疑似HiResデータを瞬時毎に作り出すというアクロバティックな方法だが、勿論大きな成果でもある。しかし、本物のHiResデータが供給されつつある今、果たして意味はあるのだろうか?次は768KHz?48ビット(笑)?24ビットしか取れないのに、ゲタを履かせてどうするの?それとも64ビット環境で、64ビット浮動小数点するの? So what?
 そういう紆余曲折がいまの状況に多分につながっていると、僕は感じている。第一「CDトラポは全然ちゃんと信号を読めてない。」からはじまって明らかに変なセールストークや広告文が平気で横行し始めている現状はどうすればよいのだろうか?

 だからといって、いまコンピュータだからといって、これらのツケを丸ごとこっちに押しつけられるのもはっきり言って迷惑だ。基本認識もずれまくっている中で、いたずらにエネルギーを消耗する不毛な神学的論争に加わりたいとは全く思わない。

 整理するなら、デジタルオーディオのこれまでの成果、今後の展望に併せて、基本認識から業界全体として整理が行われるべき時期です。
分からないなら、分からないで良いと思うのです。実際、オーディオで理屈だけで割り切れている事ってどれだけあるでしょう?問題の所在とそれに真摯に取り組む姿勢をまずもって表明すれば良いのです。オープンな百家争鳴なら、人も育つでしょうし、いろんな意味で結構な事です。

●Think Global!

 日本だけ見ると危機感など持てないかもしれないが、アメリカあたりではこの経済情勢下若い人たちを中心に果敢に新しいコンセプトの製品発表を行っている。CESなどでここ数年、大部分のブースがコンピュータベースやアナログを音源にするようになっているそうだし、この1月でようやくそういう「異変」に気づき始めた、というのが現状のようだ。

 デジタル・コンテンツのビッグバンとグローバル化は、かなり近くにまで来ていると僕はひしひし感じるのだけれど、少なくとも変化が起こりつつあることは既に多くの人が感じ始めている。目を外に向けよう。大きな流れを考えよう。一方でこれまでの歴史は基本としてちゃんと押さえよう。
 何もしなければ、不用意に受け身で、突然来た(ように思える)大きな波に呑まれてしまう。まあ「黒船」「ガイアツ」の方が説明は楽でしょうが、失うモノも多いだろう。ほんまにコンテンツや商圏をハゲタカに握られてしまうかも知れない。

●Act Local!

 コンピュータを使って多様な音源を楽しめるよう、幅広い情報の提供が必要だと思うし、それは一人二人でなく、いまいろいろと試みを行っておられる諸方面の方々のお力も借り、アイデアも反映させていただいてはじめて実を結んでいくことだと思う。とても、とても、もどかしいが、できることをやるほかはないし、一方で自分の音楽生活が豊かでなければ、所詮伝わる物も伝わらないだろうし、必要な時間をかけていくほかはないと思う。

 しかしコンピュータは現時点で一番多様なフォーマットに対して受け入れ能力の高い道具ではあるけれども、それを駆使して音楽再生するというやり方は、大多数の方々がされるメジャーな方法だとは正直思えない。つまり産業として、インフラとして一定の規模と未来を確保しに行くには、ネット側の音源に直結する使いやすい「製品」としてのメーカーさんの商品化が不可欠だと僕は感じている。このような不透明な状況下でリスクをとるのは困難だと思うが、アメリカの例を見るまでもなく動きはあるところにはあり、何もしないで不用意に受け身で大きな波に呑まれることだけは避けなくてはいけないと思うのだ。


 先日も書いたように文化的価値が叫ばれるのは、すでに斜陽産業化が進んでいるからだ。しかし、できることならわくわくとした楽しい世界を見たいではないか。僕はそう思う。

2009年10月28日(水)
笑劇(farce:ファルス)あるいは誤り(false:ファールス)

【間奏曲 Interlude】
 かのブログの主はジタバタしていないので、それは良しとしよう。だが今回は「意図」はいささか堪(こた)えたが、内容の主眼が相当ずれていることにご本人も投稿者も全然気づいていないのには、少し笑いを禁じ得なかった。
 音が大きいことや多少歪んでいることとラウドネスウォーの話は基本的には別物だ。んなことを問題にしてるんじゃないし、それをLPで論じるねえ、LPで。しかも全体のことはからきし言わない。

 以前ラウドネスウォーで検索したときよりブログなどでの反応は増えているが、相変わらずまとまった文献はなさそうだ。今まで国内で出たモノだと、おそらく嶋護さんの(ステサン)と僕のぐらいだろう。で、嶋護さんのはソニーロリンズだから、こっちを読んでたんだったら当然それを書いてるだろう。ということは、読んでない。あるいは読んでてもこっちは突かない。
 ドナルド・フェイゲンには反応しているから、恐らく僕のだろう。しかし上記の実態ではYou Chubeも含めて参考文献(英文)は一切読んでいないのがまる分かりだ。認めるかね?
 頼むから、もうごめん蒙りたい。でも今後も足元も固めずにあんな書き方をするのなら、今度はそっちがオーディオで音楽を聴くのが嫌になるようなちゃんとした事実を連綿と書いてあげてもいい。そうだな、「ヴィンテージアンプの不都合な真実」なんてのはどうかね?

 どっちにしてもお笑いぐさだ。アホな無駄。まじめに考えることすら馬鹿馬鹿しくなってきた。はあ~(沖縄風に)。

 明日は中之島でワインとハイドンの弦楽四重奏。気分転換してきます。更新なし。

2009年10月27日(火)
帰去来の辞

 今回僕がぶっちぎれたのは、何より一応は信頼していた人に、本人は冗談めかしてるつもりでも内実は毒々しいことを書かれたからだ。
 オーディオ界とかいう代物の底辺に流れるのは、「嫉妬心」という化け物だ。いろんなものに形を変えてそいつは現れる。今回もどこからその毒と正当化の泣き言が流れ着いたのか、見当ぐらいはつく。もういい。

 音楽を聴く喜びを奪おうとする全てのものを僕は憎み、闘う。しかし、一番良いのは関わらない事だ。僕は自由になりたいだけだ。だから忘れようと、許そうと、前に進もうとしてきたし、実際いい線いきつつあったのだ。だが相変わらず化け物がどこかで足を引っ張ってくれるのがよく分かった。だから今回の件は僕の背中を押したようなモノだ。さてどうしてくれようか。

 僕には特に野心も何もなく、ただ他にする人・出来る人がいなかったがめに今の仕事をお引き受けしているだけで、別に有名になりたいとか、人の足を引っ張って仕事をとりたいとか、有名誌に名前を出したい、とかよくあるそういうものは全然ない。
 はっきり言って自分の音はあるところまではもう出来ており、オーディオにはもはや個人的関心は殆どない。一方、「知りたい」という根源的な欲求があるので、それが少しずつでも満たされていくところが、メリットと言えばメリットだが、ささやかなものだ。だから、やり始めた今、できるだけ良い仕事が出来るよう努力を重ねているし、僕にとってはやりたい企画がいろいろと出来ているけれども、いつ一マニアに戻っても良いと思っている。

 「いつでも止めて戻る。しかし、やる以上は、必要とされる間は、出来るだけの努力をする。」そういう覚悟で望んでいる事について、勉強も何もしていないアホなやつらに推測だけで下らんことを言われる筋合いは毛頭ない。

 で、
疲れた、嫌になった。少し休みます。
 すべきことはちゃんとするし、仕事もしますがね。
 だいたいが忙しいのに情報提供なんぞする気にもなれん。
 GRFさん、すみません。変な時に重なってしまいました。<(_ _)>

 毎度すまんのう、陶センセ、しやけどこういう時になると糞勤めを辞めて故郷に帰るときのあんたの詩が、その繰り返しが慰めになるんやね。今度、酒瓶下げて遊びに行くから、許してえな。

「歸去來兮辭 (陶淵明)」  

  歸去來兮       
歸去來兮(かへりなん いざ)
  田園將蕪胡不歸   
田園 將に蕪れなんとす 胡(なん)ぞ歸らざる
  既自以心爲形役   
既に自ら心を以て形の役と爲す
  奚惆悵而獨悲    
奚(なん)ぞ惆悵して獨り悲しむ
  悟已往之不諫    
已往の諫めざるを悟り
  知來者之可追    
來者の追ふ可きを知る
  實迷途其未遠    
實に途に迷ふこと 其れ未だ遠からずして
  覺今是而昨非    
覺る 今は是にして 昨は非なるを
  舟遙遙以輕     
舟は遙遙として 以て輕し
  風飄飄而吹衣    
風は飄飄として 衣を吹く
  問征夫以前路    
征夫に問ふに 前路を以ってし
  恨晨光之熹微    
晨光の熹微なるを恨む

  乃瞻衡宇      
乃ち 衡宇を瞻(あふぎ)み
  載欣載奔       
載ち欣び 載ち奔る
  僮僕歡迎       
僮僕 歡び迎へ
  稚子候門       
稚子 門に候(ま)つ
  三逕就荒      
三逕は荒に就(つ)くも
  松菊猶存      
松菊は猶ほも存す
  攜幼入室       
幼を攜へ 室に入れば
  有酒盈樽       
酒有りて 樽に盈つ
  引壺觴以自酌   
壺觴を引きて 以て自ら酌し
  眄庭柯以怡顏   
庭柯を眄(なが)めて 以て顏を怡(よろこば)す
.  倚南窗以寄傲   
南窗に倚りて 以て傲を寄せ
  審容膝之易安   
膝を容るるの安んじ易きを審らかにす
  園日渉以成趣   
園は日ゞに渉って 以て趣を成し
  門雖設而常關   
門は設くと雖も 常に關(とざ)す
  策扶老以流憩   
扶老(つゑ)を策(つゑつ)き 以て 流憩し
  時矯首而游觀   
時に首を矯げて游觀す
  雲無心以出岫   
雲無心にして 以て岫を出で
  鳥倦飛而知還   
鳥 飛ぶに倦みて 還るを知る
  景翳翳以將入   
景 翳翳として 以て將に入らんとし 
  撫孤松而盤桓   
孤松を撫でて盤桓とす

2009年10月27日(火)
東京報告 

実に内容の濃い東京行きでした。

 仕事上で動いていくと、普通では会う機会がない方々とお話をする機会に恵まれる。もう20年以上前にある視察団の事務局としてNYC、フロリダ、ニューオルリンズ、サンフランシスコの4都市を回ったツーなど、まさにそうだった。帰途サンフランシスコの空港を飛び立つときには、もう疲れ果てて「これで飛行機が落ちたとしてももう俺の責任じゃない。」と泥のように眠ったものだったが、しかし「世界は深い。」ということ、勉強し続けて行かなければその世界のことは分からないものだとを痛感した貴重な経験だった。

 まずもって「コンピュータの内部動作はアナロ的要素を抜きには考えられない。」というのが実機の開発/運用に携わる専門家の現実的センスであると言うことを知っただけでも、行った甲斐があったと思う。
あるいはディスクなどに記録され絶対的に値が確定しているバイナリデータと、実際にアナログ信号であり揺らぎのあるクロック信号に同期して回路上を伝送されていくデータとの状態の違い、といとらえ方だ。そしてコンピュータで処理をするということはデータの演算処理をするということであり、それは2進法の世界の中で誤差とつきあうことでもある。
 今回はMacBook クロなど担いでいったが、それよりも会話しながら、ホワイトボード上に画を描きながらイメージを詰めていくことができて、これはとても実り多い午後だった。この機会が得られたことを、関係者に改めて深謝いたします。

 
 そして翌日はまた別の打ち合わせをして、午後からは楽しい遊びの時間。かねてからお約束のGRFさんのお宅に伺った。最初に入った和室は、最近入手にいそしんで、というよりご本人も認めるごとく奔走しておられるアナログテープが山になりかけて、適度に生活感と、安らぎ感のある、とてもいい空間だった。足の悪い僕のために座りやすい椅子を確保してくださったので、畳に座って聞かれた人とは多少印象が違うかもしれない。ナグラの特別仕様4トラックテープデッキ(!)とデジタルアンプSD-05で鳴らすGerman Phisics "Unicorn"。これはまた先日伺ったユニコーン邸のインティメートな音よりもう少しモニターライクだけれど、同様に軽く動くシングルコーンが生み出すダイレクト感のある音。持続感と稠密感に満ちたテープの音は実に高SNで、テープヒスなどほとんど意識もしない。ハリー・ベラフォンテのカーネギーホールライブを堪能させてもらった。スペイン語で歌うククルク・パローマの来ること、来ること。帰ったらLPで聞いてみよう。

そしていよいよ部屋の半分くらいの位置に置かれたT-4と奥のコーナーにおかれたGRFのある部屋。いろいろ目移りしていた僕はGRFさんの説明も半ば上の空だったのか、CDでかけていただいた実に木質感の濃いオーケストラの音をGRFの音と思い込んでしまったが、これがT-4の音だったのだ。いや呆然とするGRFマジック。
 いろいろ聞かせていただくと、なるほどGRFでは出ない質の音もある。ホーンドライバーなどとは全く違うエアーに満ちた立体感を持って、奥に向けて広がる音。GRFさん自身が言っておられたご自分の原体験的な年代的に織り込まれた響きは多分、この「木質感的な響きの濃さ」そして「重さ」だと思うが、よくある足を引っ張るような遅さのあるものでは全くないのは、一番能力が高いと言われる50Wクロック強化バージョンのSD-05、同じくクロック強化したHDDプレーヤーによることも大きいのではないかと思う。白井光子さんのブラームスの歌曲集ではそのノーブルで凛とした表現に参った。強力なアナログ電源と独特の素子・回路を持つこのアンプのことをもっと勉強したい。

 そして、GRF邸の基本コンセプトのことをわかりやすく把握できるよう、ソース別にGRFは最近入念にセットアップされたアナログプレーヤーで鳴らすべく当日はチューンしてくださっていて、これも空間の違いがよくわかるヴォーカルのLP群が実に印象的で、またスチューダーB-62 で臨時に鳴らしていただいた38cm・2トラのマスターダビングのテープも実に浸透力のある音。う~む。

 まあ、これだけの面子が多士済々いる環境の音はオーナーの鳴らし方による変化も大きく、今日はそのエントリー編を聞かせていただいただけだと思う。長いおつきあいになると思うし、いろいろとプログラムを考えていただいてるそうなので、これからどんな音に出会えるかとても楽しみです。
 おいしいイタリアンの夕食ありがとうございました。次は大阪で焼き肉行きましょう。沖縄も行きたいですね。

 先日のYさんといいGRFさんといい、身銭を切って、ご自分とかなり突っ込んだ時として厳しい対話をしながら、ものすごいエネルギーを注いでおられるので、それに裏打ちされた体験とノウハウがあり、本音で話し合えるところが実に頼もしくありがたい。いまのオーディオ界の閉塞性について僕が感じていることは、僕だけの懸念や不安ではなかったことが分かって、おかげでずいぶんと楽になったところもある。感謝。


2009年10月26日(月)
なめんじゃねえぞ!!
 うう、体調が悪い。疲れている事もあるが、原因の一つははっきりしている。ストレスだ。このブログは場外乱闘なしのつもりでしたが、すみません、URL消す前に、思いあまって書きます。我慢したが、我慢するほど身体に悪い。
 この際はっきり言っておこう。サイトに書くのは本人に直接言っても無駄だからだ。あるいはどこかでねじ曲がって歪んでいるから、ノイズだらけだから、通じる回路がないからだ。

 「もう少し分かってくれてると、士(もののふ)だと思っていたんだが。」折角なんとか忘れつつあったのに、とてもじゃないがやりきれない哀しい思いをかかえて、東京へ行く車中の人となった。ちょっとはもの書きのことを知ってるはずだから、もの書きやるときにゃ、それなりに調べたり裏とったりするくらい分かってるはずだろ?今回もそうだが身銭だって切る。当たり前だろ?どっかのブログでお気楽にアホな調子扱いてるのとは訳が違うんだ。
 おまけにうちに聞きにきたこともないくせに、人がこんな風に聞いてると決めつける根拠はいったい何なんだ?根拠があるならはっきりそれを踏まえて正面から真っ当に書きやがれ!
2009年10月22日(木)
お取り寄せ、でしょうか。

○面白いのでのっけておきます。Bursonオーディオが モディファイした「Prodigy HD2 GOLD Sound Card」。pcxのセールで$349.95USDだそうです。おお、Modもこの辺まで来ましたか。


○あまり説明していないので、我が家のプリアンプは真空管であることを知らない人が多い。才人 Roger Modjeski が設計した Music Reference RM-5 Mk2。全部で双三極管6922が3本。うちラインアンプには1本で、つまり1回路辺り1/2ユニット。一見何の変哲もないP-G負帰還1段増幅回路ですが、基本f特 0.17Hz~350KHzでRogerがパテントを持っているらしく、カウンター・ポイントのSA-5などはこれをベースにしている。
 カウンターポイントは結構故障が多いらしいが、オリジナルの方は1枚基板(美しいアートワーク)で、とても安定している。これを愛情込めていじりまくって使っているのは、こちらのページの通り。アナログというのは、信号の通り道全て、例えばRCAジャック一つ、ヒューズホルダー一つで音が左右されるので、やるならアホみたいにとことんやるほかないのだ。で、かなり疲れ果てたある夜、神様が左肩(なんで左肩かは聞かないでください。)をたたいて、「今日はそれくらいにしといたろ。」と言ってくれるわけだ。(神様なんだから大阪弁もネイティブタングーだ。)

 Music Referenceの使用球 6922(6DJ8のヒーター電流違い)は今やディスコンですが、当然いろいろと試しました。結論、ロシア球の徹底した選別。(旧欧州球は良いものもあるがかなりばらつきもあり、選別などしていたらごっついお財布が必要。一方、我が家にはワオン・レコードの小伏さんとかGRFさんとか、左右レベルの微妙なアンバラを0.2dB単位くらいで聞き分ける耳の良い人達も来られるので、さぼるわけにもいかない。)



●で、これはpcxですぐに買いました。Pearl のCryo Valve の 6H23P-EB Gold grade plus。ロシアの軍用管をクライオ処理したもので、クライオによって硬化されて電極間距離が安定し、マイクロフォニックも減少。そこから選別した最上級のGold Grade よりも、さらに優れた逸品。大分前に1本だけ買いましたが、これがGold Gradeよりもずっと凄い。ニュアンスやディテイルの出方が違う。これが現用の球
 もう手に入らないかとあきらめていたのですが、今回みつけてスペアに3本オーダーしました。「このスペアがあれば死ぬまで音楽が聴けると思う。ありがとう。」とヴィッキーにメールしたら、「今日送ったわよ。」と、もう返事が来ました。サンキュ。
 Mullard がお好きなら、ECC88/6DJ8のGold Grade Plus とGold Grade も数本出ています。ロシア球より高いけど、他のBlack Sableあたりより安いです。って、Gold Grade Plusの2本は僕が買っちゃいました。円高だしねえ、ホクホク。(^_^;)

○本日のオルフェウス君

バッファ 5875μS 
レイテンシ11.75ms (Nuendo4: Input 13.298ms   Output 24.943ms)

主としてVista64bitですが、当分これでいくと思います。それにしても底の知れない凄い奴。


※10月23日~25日と東京行きなので、更新を休みます。

2009年10月21日(水)
-3dBFS

●オカンがいなきゃ昨日辺りからハードロック大会でがんがん中古LPを鳴らしているところだ。ジェスロ・タル3枚続けて聞くなんてのも良いかもしれん。うちには音源があって、そいつを聞くと流石に-3dBFSなんてのは音楽の破壊以外の何者でもない、ということを流石の流石の人達でさえ理解して途中で止めてくれと言う。単にやかましい、音がでかい、ちょいと歪んでいるというのは可愛いもので、そんなのとは質が違い、ラベルが違うのだ。

 で、そういうのが積み重なって「ハイファイの死」つまりは「音楽の死」になっていくわけだ。
 ローリングストーン誌でのドナルド・フェイゲンの発言を再掲する。「全ての技術的革新によって、音楽のサウンドは悪くなった。」「神はディテイルに宿る。しかしディテイルはもうどこにもない。」


 まーでかい音が好きならそれで良しということなら、てーげーなもんなんでしょう。

◎Superflyのファースト買おうかと思ってアマゾン除いたんだけど、試聴で引いた。経験上これは厳しい。これはBoxのPV狙いで行こう。んでミシェル・ンデゲオチェロ(Me'Shel Ndegeocello')を2枚注文した。人生というのはビターだけれど、あきらめない彼女の音楽を聴こう。

2009年10月20日(火)
ウブスタ君どうにかファイアー

ECHO Audiofire8を使って、ウブスタ君(Ubuntu Studio 9.04/ 64bit)からFirewireで接続して、音出しにようやく成功しました。といっても、まだ途上なのでヘッドフォンですが、近日中にいろいろ条件を整えて試聴する予定です。

 とまあ書いてますが、実際にはかなり大変な道のりでした。FFADOフルサポートと書いているから何とかなるだろうと思ったのに、FFADOが唯一サポートしている肝心のミュージックサーバーソフトJackが全然反応してくれません。
 1394のノードがカーネルに存在しないとJackのログが出たり、権限問題もからんでいるらしく、結局Ubuntu Studioを再インストールして、各種ドライバ類をインストールし、カーネル起動時の設定ファイルやら何やら書き換えては試し、設定を変えては試し、FFADOドライバを認知するまで、どれだけかかったことやら。やれやれ。

 で、再生については、もう経過省略しますが、Audacious、Amarok、Bansheeなど各種プレーヤーは音飛びが生じたり、FFADO+ECHOはALSAなどのサウンドドライバで内部的に認識されていないので、ECHOをデフォルトに出来ないことなどから使うに至らず、ちょっと大層ですが、DAWソフトArdour+Jackでの再生と相成りました。


○もうすぐUbuntu 9.10のリリースだし、今後も開発は続くので、まあ少しずつ物事は進展していくのだと思います。

◎並行していろいろと整理中。ふう。



○いろいろと溜まってます。沖縄の友人が送ってくれたモロッコの写真を何回も見ています。砂漠の日の出の美しいこと。まあ砂漠は無理ですが、週末の東京行きで前半の仕事が終われば後半はお楽しみなので、これで気分一新出来そうな気がします。

2009年10月18日(日)
いろいろありつつ、まとまりを探りつつ

 昨日の宴会はなかなかのもので、3人でワインが3本とビールが少し。僕も帰らなくて良いので、久しぶりに飲んだ。

 100インチワイドの画面で何か見ようという話になって、映像作家の作った作品をまずは「上映」する。ご本人にいたく喜ばれる。
 次に受けたのが「小松亮太&ブロドスキー・カルテット」コンサートのピアソラやヴィラ=ロボスの録画。ミュージシャンはやはり思いきりうたいたいのだ。こんな時代には、原初に戻って感情を発露できる音楽が必要だという事を感じているのだ。他にもヒナステラとか南米の音楽にはまだ尽きせぬ宝庫があると思う。

 んで、まあ、他にもいろいろやってるのですが、書く時間がありません。

2009年10月17日(土)
今日はホームパーティー

 友人2人が遊びに来る。遅昼で香菜とローストビーフのシノワ風、茸のパスタ、炙ったペパロニ(パプリカ)とアンチョビのサラダ、その他モッツアレラ入りグリーンサラダなどを作る予定。ちっとばかし疲れたので、こっちで気合い入れるぜよ。オーディオばっかりやってられんし、コンピュータも見たくない。明日はキーボードはたたくけど、自分のためだけに時間を使う。

 おお、忘れてた、デザートにはラ・フランスと新高梨とアルザスのゲヴュルツトラミネール。ミントがあればもう言うことはないが、ディル/フェンネルかパースレでもいいかも。

 そのうちの一人はアメリカで長い間仕事をしてようやく帰国、骨休み中なので、いろいろな話も聞けるだろう。人生は短いし、付き合う人間は出来る限り選ぼう。

2009年10月14日(水)
あれこれ、もろもろ

○来週末、また東京行きで、それ、までにちょっとばかりWindowsのヘヴィな資料を作らなくてはならない。あ゛あ゛。

●13日頃出荷予定とか行ってたのに、エコー君(ECOH Audiofire8)はまだ来ない。う゛う゛。
今日来たメールでは15日頃になっている。ほんまかいな。
いつになったらウブスタ君をちゃんと聴けるんだろう?え゛え゛~。

●ウブスタ君の再生ソフトの一つAmarok2.0はやはり挙動不審で安心して使えないので、1.4に戻した。とりあえずこちらはちゃんと動いているようだ。さてどのルートから音を出すのが良いのか?やってみないと分からんね~。

◎今欲しいモノ、LINDEMANNのUSB-DDC 24/96。超小型でキュートだし、DD変換だけなのでバスパワーに徹して電源を省き、安価になって音もなかなか良い。既に高音質なDACなど持っている人にはぴったりだ。FirewireだとWEISSのINT-202あたりがAES/EBUも出力できるので、ぐっと拡張性も広くなる。
 最近は「jack-presence detection」と言って、スイッチオンせずにUSBや1394ケーブルのプラグをコンピュータに挿しているだけで機器が検出されたりする。本当はアース/グラウンドを遮断するためにバスパワーでない機器は、信号ケーブルの電源ラインをつながない方が良いのだろうが、大勢にはさからえないといったところだ。

◎RME FirefaceUCはFireface400とどれだけ違うか、音質を確かめておかなくっちゃ。



○友人が送ってくれた沖縄祭りの写真。亜熱帯と言っても結構冬は肌寒いんだが、今の季節はまだ夏の名残か。

2009年10月13日(火)
友人達のこと、久しぶりにオカンの話
◎つい先日知り合ったのだが、Yさんとは何回もメールのやりとりをしている。ふたりともきっちり目だからと言うこともあるが、要は少しもどかしいわけでせっせとお互い専用の辞書造りをしているわけだ。まあ、普段言えないような鬱憤も言えるというのも有り難いが、こういう長い目の作業が出来てとても嬉しい。生り物は樹についたままでゆっくりと熟していくのが何よりだ。
 ジーメンスには古武士のようなイメージがあったが、僕的にはむしろゲルマン・北欧神話を思い出させる。あの北の森や山々の大地の精霊や神々の深い声に連なっているような気がする。明けの明星ら星々と大地の匂い。
 何かがすこしずつ結ぼれ、またほどけていく。これから季節は冬に向かうが、なにやら雪割草でも咲き出しそうだ。

●この週末は三島と浜松でオフ会があった。正直とても行きたかったので残念だ。旅をし友人達に会いたいと思う。知らない土地でも友人がそこにいれば、もう半分制覇したのと同じようなものだ。
 今、常にも増して自分の立ち位置をシフトさせていきたいと思っている。それには友人達の音を聞かせてもらうのが、一番だ。ネットワークのノードとしての自分と旅するパケットとしての自分。どちらが欠けてもアンバランスになる。

○「PCオーディオfan」がお陰様で好評で、第2弾が来春出る事になった。皆さん、ありがとうございます。勿論、回が進むほど具体的な所へ入って行かなくてはならないので、そのときはぴんと来なくても後で読み返せるような、そんなふうに役に立つモノにしたいと気を引き締めて思っています。

○最近オカン(91歳、立派な認知症)がとんと登場していないのですが、週に4日はしっかりと居ります。ゆっくりとですが認知症は進行しつつあり、今日も夕食のカレーをしっかり食べた2時間後に「お腹減った。まだ何も食べてない。」と宣って朝食用のパンなど食うわけです。まあ、家にいれば同じ事を3~5分おきに言いますし、時には早朝にたたき起こしてくれますし、デイサービスに行ってくれて弟のところも含めて家族は何とか保ってる訳です。といっても木曜日に週最後のデイサービスに送り出したら、どっと疲れが出ます。

 まあ、こちらも慣れて来ているので、何とかやってますが、難聴がひどくなって時には叫ばなければ行けないのが辛いことの一つです。
 ひとそれぞれに事情は有るもので、僕もまあその傍らで何とかやってるわけです。外へ出て行けるのは週末のみ、弟の家族に無理を言ってせいぜいが月曜日、あるいは眠いのを頑張って木曜日の午後、というところで、こう言うのもシンデレラ・リバティと言うんでしょうかね?

 でもまあ、親ですから大事にしたいし、オカンが頑張ってくれたから母子家庭でも兄弟2人とも大学も行けたわけです。いま91歳で病気も入院もせず元気なので、とても有り難いです。伊豆の貧しい農家に長女として生まれ、いままでさんざ苦労したのですから、ちょっとは安んじて晩年を送って欲しいと思いますが、日々しなくてもいい心配と取り越し苦労の山です。なんにせよ、せめてこのまま長生きして欲しいなあと思います。


 最近は写真を撮ってないので、これは6~7年くらい前の80代半ばのとき。
 この頃はまだもう少ししっかりしておりました。

 「長生きするリスク」というものを感じるし、そんなのはおかしいという気もするのだけれども、グローバル化は生産性の落ちた人間を救ってはくれないのは確かだ。
 「セーフティネット」と言うだけでなく、何かが必要だ。

 グローバル化が、自己防衛に長けて、見えない壁をせっせと作って人の話を聞かない人間達を作り出しているなら、結局どこかがおかしいのだ。

 直接聞こえないが確実に音を悪くするのはデジタルの歪みとノイズだ。


 
2009年10月12日(月)
OSのこと~Vista、Mac、UNIX

◎いろいろ考えてVista 64bitのSuper Fetch、Pre Fetch、Reday Boostなどのお節介機能をまとめていくつか切った。流石に音には変化が現れて、高域の抜けやら音場感などに違いが出る。

 Vistaの環境最適化には機能の無効化や停止よりも、プログラム優先設定だけでなく、MMCSSによる動的なスレッディングとその優先順位の取扱いの効果が大きいかも知れない。しかし、C++とか言われても手を出せないので、とりあえず情報収集だ。

XPからVistaへ、音声アーキテクチャは大きく変わっており、一方、Vista(Windows6.0)と7(Windows6.1)はカーネルは同じであり、ドキュメントがまだ出ていないので確認できないが、おそらく音声アーキテクチャに大きな変化はないと推測される。

 Windows XPが登場したのは21世紀に入ったばかりの2001年11月16日で、それから約8年という年月が経過している。Vistaをスキップしている人も多いので、XP→7という移行をする人も多いと思うが、Windows XPからWindows 7への上書きアップグレードはサポートされていないのでいろいろと注意が必要だ。

●さて今日届いた「Mac OS X 10.5 Leopard UNIX的システム構築」(アスキー)。ご存じの通りMac OS X は、10.5 LeopardからはUNIX管理団体「The Open Group」が互換性を認めた公認UNIXだし、Snow Leopardもそうだ。だからUNIXコマンドがそのまま使える。
 これまでMacはカスタマイズできないとブーたれていたが、先日MacBook Proのトリプルブートを設定した際にコマンドの持つ威力に深く感銘を受けた。つまり、コマンドラインにMac OS カスタマイズの突破口があったのだ。

●実はしばらく前からMacの事などを勉強させていただいているサイトの一つに「スピノルさん」のページがあります。

 同じオルフェウス使いという事で見つけたんですが、ソースコードを読んで書かれる人ですから、いや参考になります。勉強になります。MacOSやアプリの内部や挙動が見えてくるし、コンソールでのコマンドラインでMacを動かしてシンプルな構成で音楽再生も実行出来る。コンピュータ・オーディオではともすればPC的理屈で決めつけたがる向きが多いのですが、スピノルさんの場合は、音質は別であると、それで割り切ろうとしないところが頼もしいです。ありがとうございます。<(_ _)>

 まあ、音質は別であると言っても、ArdourというDAWソフトからコマンドライン再生に切り替えられたので、きっと大きな音の違いがあるだろうと期待しております。Ardourには僕もこれからウブスタ君(Ubuntu Studio)で取り組もうとしていますので、そこから見えてくるものもきっとあるでしょう。

 というわけでUNIXコマンドを基本から勉強したいと思ってこの本を買ったわけです。まあ、成果が出るにはそれなりの時間がかかるでしょうが、ぼちぼちと取り組みます。

 またコンピュータオタクのブログ化してますなあ。ま、いっか。



「Mac OS X 10.5 Leopard UNIX的システム構築」(アスキー)

 なかなか分かりやすい感じがします。でもシェルスクリプトとコマンドとの違いもよく分かってないのですが。(笑)
 コマンドはスパッと効くので、なんかはまってきたなあ、という感じです。


2009年10月10日(土)
Y邸訪問記、あるいは温故知新。

●先日GRFさんにご紹介いただいたYさんのところに遊びに行った昨日は、とても充実した日だった。写真を撮るのも忘れて聞いたりお話ししたりしていたので、写真の方はシステムのご紹介も兼ねてこちらのGRFさんのブログをご参照ください。(GRFさん済みません、ありがとうございます。)

●さて初期・中期・後期のSPEP(わかりやすく言うとシングル盤)、初期LPなど、3台ある内の2台のアナログプレーヤーで聴かせていただいた音源は殆どがモノラル。そしてスチューダーB-62で再生する19cm/2トラックのアナログテープもちろんコンピューターオーディオやデジタルディスクプレーヤーも揃えておられる。

 スピーカーはジーメンス/オイロダインだし、78回転のSPではもっとヒスノイズが載ったカーコーした音を予想していたのだが、実に滑らかなバランスの良い音で、何よりもダイレクト感と実在感が凄い。EPにも腰高な感じはまるでなく、レンジの不足感も特に感じない。
 そして我が家ではそれなりに鳴るのだけれどももっと濃い音が出るのではないかと期待してビル・エヴァンスとマイルスの初期盤をもって行ったが、Yさんが「これはお宝ですよ。」と言ってくださったくらいで、これが驚くほど良い。我が家のSOTA+Eminent2.5+ZYXクライオでは絶対にこうはならない。


 そもそもがEMTとがラードの2台のアナログプレーヤーもまず針圧も違えば、それぞれに針先やEMTの各種カートリッジがずらりと並び、これらを一見軽々と使い分けておられるが、察するにもの凄い時間と努力を費やしてここまでまとめ挙げられたのだと思う。第一、これらのプレーヤーでさえうまく鳴る盤と鳴らない盤があるのだから、「その音源・ディスクが作られた時点の機器で再生する。」というのは僕のこれまでの経験からしても生半可に実現出来る事ではない。

 そして圧巻はその日に届いたばかりのN.K.コールの19cm/2トラックのアナログテープ。音がびっしりと詰まっている稠密感と滑らかさが凄い。これはテープにはまる人が続発するのも無理はない。

◎聞きながらいろいろ考えた。
1.この何十年かオーディオは本当に進歩していたのだろうか?人間の命は短いし、意識して勉強しないかぎり長期的視野を持つことは出来ない。そして変に「進化論的歴史観」を植え付けられているので、我々は一方通行的進化だと思い込んでいるが、フォーマット的にみれば78→45→33.3と回転数はどんどん低下していき、さらにデジタルでサンプリングするなど、利便性は向上しローコストで長時間再生できるようになっているものの、フォーマット的にはむしろ低下の一途をたどってきたといえよう。
 勿論、回転数だけの話ではなく現代カートリッジの性能と情報量はもの凄く向上しているので、細部の再現性は一方で間違いなく向上している。しかし物量の投入とその質感にはやはり抗えないものがある。

 
長期的視野に立てばデジタルにおけるHiRes再生とは、こういう「失われたもの」を取り換えそうとする試みとしても整理されるべきだろう。

2.モノラルというのはそれ自体が完成された一つの世界だということ。Yさんの装置ではモノラル信号は1回路のフォノイコでデコードされ、等しい情報がステレオに分岐してパワーアンプに供給される。モノラル用カートリッジは垂直方向の感度がないので基本的にトレーシングは安定しており、ステレオ用カートリッジでは出せない音がある。

3.オイロダインというスピーカーは平面バッフルでの使用を基本としているらしく、ウーファーは超強力なマグネットと軽いコーン紙で前後の低音の回り込み打ち消しなどものともせず、レンジよりも中高域のホーンと揃ったスピードの音の出方が身上と見た。F特性を見ると非常にフラットで、これはもうノーチラスに近いレベルだと思うし、この音の出方には物量とノウハウを思い切り投入して初めて実現される、共通する何かがある。
 しかし完全にオーバーダンピングだし、凄い逆起電力で生半可なアンプでドライブしてもむしろ振り回されかねないパワフルさがある。そこらあたりは殆ど金庫にしか見えないマッキントッシュの200W業務用管球アンプがコントロールに大きな役割を果たしているのではないかと思う。この時代のアメリカって本当に凄かったんだなと思わずにはいられない。


4.いずれにせよ、これだけの異なった種類の音源の、ここまで整えられた再生を実現するにはもの凄い時間とパワーが必要なことは疑いがない。そして何よりもこれらの音楽に対する愛情。
 CDプレーヤーで聴かせていただいたジプシーギターの音はちょっと異質なところがあったが、例えばジャンゴ・ラインハルトのギターテクニックがどういうところから来ているのか、ジプシーギター奏法の特徴やフラメンコギターとの違いなど、アメリカから入手された特注ジプシーギターそのものを目前で弾いて解説してくださったので、非常によく理解できた。音楽第一、そのために強い意志と努力でオーディオを使いこなしに行く。僕は強く強く賛同する。


5.ただこの時代の音楽に少し接点はあるけれども、この後の時代や同時代のアーティストにむしろ僕は重きを置いている。音的にも演奏している空間そのものの響きを切り取って部屋に持ってきたいというのが基本的な思いだ。もちろんそこに音の強さと実在感を加えるべく日々努力しているわけです。もし部屋にもっと余裕があれば、モノラルあるいは初期ステレオLP用のプレーヤーを追加する事も出来るだろうが、どう考えてもそれは叶わぬ事だ。逆にそういうディスクを入手したらYさんのところへお邪魔して聞かせてもらえば良いのだ。

 考えてみれば大阪の北のYさん邸、南の我が家とこの2軒を回れば新旧殆どの音源・フォーマットを最前線で聴くことが出来る。どないだ?大阪も捨てたもんやおまへんやろ?


 結局、どのような音楽を必要としているかなのだ。理屈ではない。言葉ではない。音楽への思いがあれば、たとえ4畳半であろうとプアなシステムであろうと、何ほどかの思いの丈は音となってほとばしり、溢れ出すだろう。卿らよ、あなたの胸の中には熱いものはあるか?あなたはその音楽を生きていくために必要としているか?

2009年10月8日(木)
Ubuntu Magazine Japan 創刊、ウブスタ君近況、Vistaチューニング他

●館三さんの「朝日館三日記(続)」の10月2日記事を拝見して、東京で入手して読みました。「Ubuntu Magazine Japan vol.01 (アスキームック)」

 この創刊号は全くの初心者の方にはピンと来ないと思いますが、少しやってみてから読むと実に有り難く役に立ちます。やろうかなー、と考えている方は是非ご入手をお薦めします。次号はいよいよUbuntu 9.10 の日本語リミックスCD-ROM付きで11月発売予定とのことです。
 Ubuntuの雑誌が定期的に刊行されるなんて、いやー時代の流れを感じますね。用語集によるとライバルはFedoraとか。そのうちそっちも、....ダメダメ、時間がないってば。

実は館三さんのブログと「uta blog~タイムドメインで超高音質~」の2つと、それぞれのコメント欄での館三さん、utaさんに加えてKojikanさんのコメントにはずいぶんと勉強させていただきました。Ubuntuについてまとめたときにお礼を書きたかったのですが、まずはここで篤く御礼を申し上げたいと思います。<(_ _)>

 お二人は Ubuntu 9.04(64bit)でいろいろと再生しておられますが、僕の場合は今後試される方々の事も考えて1パッケージにまとまっている Ubuntu Studio 9.04(64bit)で行くことにしました。Ubuntu studioはこれまで 8.04→9.04 のリリースなので、次は多分来春の10.04でしょうか。その方が落ち着いて取り組めるので良さそうですが、来年10月までにバージョンアップしないといけません。


●お役に立つかどうか分かりませんが、再生ソフトについては Audacious に加えて最近 ALSA Player をいろいろと試しています。

1.ALSAのDmixer ではデフォルトでサンプリング周波数が48KHzになっているので、CD再生の場合44.1KHzに変更する必要があります。

 ここここを参考にALSA1.0.9 rc2以降はデフォルトになっているDmixerの設定 /usr/share/alsa/pcm/dmix.conf を変更して、サンプリング周波数を48KHzに、 format S32_LEにしました。これでかなりクリア目になったと思います。(ただし3年前の記事でその間の変更が結構あるようで、同じコマンドでも動作しましたが、結局最低限のこの2箇所の書き換えだけにしました。)


2.Dmixerを調べると一般用に設計されたもので、必ずしも「sample-accurate」ではないようで、そういう用途ならばJackを使った方が低レイテンシで良いようです。

3.どうもALSA出力はAlsa-mixerなどあちこち経由するみたいで、ALSA PlayerをALSAで直に出力するとパワフルですが、どこか濁ったような感じもあり、すっきりしません。

4.Amarok 2.0は未だに挙動不審で、たまに思い出したように鳴る程度なので、1.4に戻そうかと検討中です。よって今のところ Audacious+ALSA PluginでStyleaudioのUSB DAC に出力しています。

5.JackはまだUSB DACを認識してくれないので、来週届く予定のECHO Audiofire8で本格的にJackの設定をする予定です。Audiofire8をデフォルトに設定したいのですが、さてどのように設定したものか?
 やはり.asoundrc ファイルを作って見ましょうか。とにかく実際に接続して認識されたうえで、そのPCMデバイス番号などを見てから決めましょう。

ももかんさんのフォーラムで「Vistaのレジストリーのチューニング」が載っていたので、早速やってみました。「複数のプロセッサ コンピューターで実行している場合、プロセッサの負荷が複数のプロセッサに分散しません。」という現象で、レジストリのProcessorAffinityMaskをプロセッサ数に応じて変更しました。
 これは結構きりっとしてきたように感じましたが、同じデータでPC内部で設定を触るだけでなんで音が変わるんでしょうね?
 それはともかく、これで最近少し食い足りなかったところが良くなったので大変に嬉しい。


 次はMMCSSだが、これがまた動的に働くので難しい。

○どのOSもそれぞれに特長があり、難儀なところもある。要は選択肢つまり多様性があることが大事なのだと思う。PCオーディオなんて切り口はもともと多々あるわけだから、物事を一色に染めようという決めつけには注意された方が良い。巷の声に振り回されずに、しかし思い込まずに、ウェブの記事はあくまで参考にして、ご自分でいろいろと試されると良いと思う。手間ですが、結局深い情報は英文サイトにあるので、頑張って読んでみるのも役に立ちます。

●今回すべて 64bit OS にしたのも友人達が使っているのでやっぱりやらにゃあ、ということと、いろいろ試しておきたい、と言うことで始めたもので、皆が皆これからは64bitにせよ、と言っているわけではありません。(時々32bitの日本的引き算の美学が懐かしくなるときもあり、バックアップ&比較用に環境はそのまま保存しています。)

 またLinuxもまだまだ拡張性には乏しいので、出来るところからやられれば良いと思います。ただ、フリーウェアだし気軽に試せるのでは、という点もあります。

 とにかく何かを決めつけたり、押しつけたりしたいとは毛頭思ってないので、マニュアル的に受け止めず、参考にしていただければと思います。


◎さて、明日は在阪のオーディオ仲間の所に遊びに行く。ジーメンスのオイロダインやいろんな珍しい機器、ソフトに出会えそうで楽しみだ。何よりも物事の理非曲直を弁えた朋友(とも)が出来るのが本当に嬉しい。



 ついでに館三さんの見事な要約も引用させていただきますと
1. Ubuntu Japanese Teamの方々の全面協力
([基本用語集256]は永久保存版)

2. 次号発売日以降にCC-BY-NCで公開の予定
(これは日本の出版業界では異例)

3. 印税1%相当をUbuntu Japanese Teamに毎号寄付
(この本を買うことでUbuntuの発展に貢献できる)」


2009年10月7日(水)
TIASでわしも考えた。

○いろいろあって予定を1日延ばして、昨夕東京から帰阪しました。

◎さほど期待もせずに出かけたTIASでは、デモ音源にPCが用いられるブースも増えてきて、製品についての質問や意見交換するなかでも「大きな変化が起きつつあり、何とかして行かなくてはいけない。」という業界での意識変化を感じたこと、いろんな人との出会いがあったことが一番の収穫だった。
 業界での意識変化と言っても「こうすればよい」と言う方向が定まっているのではなく、方向性を探る段階だが、問題は企業のトップがどこまで認識して判断できるかだと思う。その辺りではいささか心許ないが、とにかく舵を切らなければならないのは確かなので、僕のようにたまさかそこにいるだけの者でもできるところは努力したいと思う。

○香港のKentと再開したが、バリバリに元気で、新設した「WEISS Asia」では、いまDaniel Weissがサンフランシスコに現物を持って行ってるのだが、Firewire入力でS/PDIF、AES/EBU、光の3系統出力のインターフェースの新製品INT 202とMinervaなどワイスのコンシュマー製品を扱うそうだ。日本地域にも担当者を置いて、販売価格をリーズナブルに押さえるために小売店への直販体制も構築していきたい、という大きな志だ。「言われれば何処にでも出かけていってデモンストレーションをやる。聞いてもらったらワイスの製品がいかに高音質か価値あるものか分かってもらえると思う。」

 好漢保有音響的情熱。加油!



バークレー/αDACのBADA端子が具体化していないのは残念だった。

 よく誤解されますが、僕の場合できるだけPCデータで伝送したいというだけで、別に1394そのものにこだわっているわけではないので、僕個人としてもそろそろ
DLNSをシンプルなところから試したいと思っている。ネットの時代ということなのだ。

 それにしても腰を据えて使いたいストレージが無いのが辛い。ファイルシステムというのは超膨大な知識とプログラミング能力が必要で、ゼロから設計して使い物に出来るのは世界でもせいぜい100人から1,000人のレベルなのだそうだ。San Diskの新ファイルシステムSSDも多分その関係で遅れているのだろう。

USB-DDC 24/96
◎ドイツのNorbert Lindemann氏High End.Ltdのヘンリー・ディエン氏と話をしていて思うのは、実証主義という事だ。データがたちどころにどっと出てくるし、裏付けもいろいろある。音とデータを双方から見ておられるわけだ。
 プロからお話を伺うと、一つのチップの測定でさえ膨大な作業と経費が必要になるそうだ。それは周到な設定とアルゴリズムで、しかるべき測定器を使い、実験用のデータを走らせて測定をするものなのだそうだ。千万単位の費用をかけて。

 それにしても僕なんかはオシロをたまさか覗くぐらいで、とても測定などとおこがましく言える事はしていない。もちろん理論的に整理する努力は絶対に必要だし大事なものだと思うが、そういう努力をしているからと言ってすべてが理論的に整理できるわけでも、出来ているわけでもないだろうと思う。PCオーディオあるいはオーディオでどこまできっちりと音質との関係で実証的に確定できているものがあるのだろう?
 例えば論証とか一口に言うけれど、それは「らしき理屈がひととおり立った。」というだけでは当然すまないわけだ。だから我々素人ではそういうらしき理屈の仮説程度の域を超えることは当然に出来ないと思うのだ。もともと多様な切り口があるものを「目くじら立てて口角泡を飛ばす」ようなことはしたくない。もうPCオーディオも俎上に載ってきているのだから、いずれプロ達が時間が、完全にではないにしてもより以上に整理していってくれるだろう。

 だから柔らか頭で仮説は仮説として動かせるものとして持って、出てくる音は音として捉えて、とりあえずはより良く音楽を聴けるように工夫していけば良いと思う。

2009年10月2日(金)
Mind Circus

偽りだらけのこの世界で
愛をまだ信じてる
少年らしさは傷口だけど
君のKNIFE


 中谷美紀のCDがでたのが1996年と知って驚いた。まだそれだけしか経っていないのか。僕の中ではもっと昔だと思っていた。記憶は、心の中の過去はとても曖昧な世界だ。
 10年以上眠っていたDATで昔CDから落としたテープを回すと、良く言えばウオームな、悪く言えばまとまり優先というか、でも不思議とデジタルメディアとは感じない濃さが面白いところだ。
 こうなると中を開けてクロックを触ろうかとか思いはじめるから、「待て待て、送り出し側のクロックの甘さの問題じゃないか。」とも一方で思う。DATは録音時はスレーブだからね。
 過ぎゆくものは過ぎ去らしめよ、これはこれで良いではないか、という気もする。まあ、もう少し走らせてからまた考えよう。FMエアチェックにはこのままの方が楽しいかもしれない。

 過去は常に揺らいでいるし、不確かだ。でも全てのものごとは螺旋を描いて進んでいくので、僕もぐるぐると回っていると言うことなんだろう。
 「きっと生まれ変わる今なら メリーゴーラウンド」(「メリーゴーラウンド」山下達郎)
 おお、そんなことは決して起こらないんだよ。
 すべては浅く、深く、過ぎていく他はないんだよ。
雨の中の涙のように、風の中の嗚咽のように。

※明日から5日(月)までIAS東京行きで更新を休みます。



 フラットする声は正直苦手だけれど、圧倒的に曲の良さか。
 ええい、CD密林ポチしちゃったぜ。

2009年9月30日(水)
何十年ぶりかのエアチェック。なにか楽しいね。

○今は昔、TRIOのKT8300というアナログ式のFMチューナーが結構長い間活躍していたが、最近はBGM程度にしか使っていなかった。アナログ式、つまりはバリコン(懐かしいじゃろ?)で選曲するので音も良いらしい。モニターオーディオのインターネットラジオの記事を書いたときに、ヨーロッパではFMはデジタル化されていることを初めて知った。日本はアナログ放送なので、これは貴重な音源だ。そこで、TEACの「オーディオタイマー」(写真上)をAmazonで買って、死蔵していたPioneerのDATデッキ「D-07A」(写真下)とKT8300をコンビにして、留守録する事にした。しかし、まあ、エアチェックって何十年ぶりだろう。レベル合うかなあ?

p.s.マンションの共聴アンテナはノイズの塊なので、FMアンテナの5CFBもMondialのグラウンド・アイソレーショントランス「Magic Box」経由でKT8300に入れてます。アイソレートしないと、ニュアンスが全部飛んで無くなる。鶴亀鶴亀。



◎昔「CDはDATに録った方が音が良いじゃん。」と思ったのを懐かしく思い出した。思えばCDとのビミョーなお付き合いはこの頃から始まったのだろう。

●実はなんでFMエアチェックをしようと思い立ったかというと、きっかけは「オーディオベーシック秋号」での傅信幸さんの記事で渡辺亨さんのNHK-FMの番組が紹介されていたため。渡辺さんお薦めのCDなども今回買ってみて確かに良いのだけれど、僕的には少し好みがずれているようなのもあったので、やっぱり聞いてから買うようにしやう、という訳です。これでクラシック以外の音源も確保していくのだ。

 で、ネットで番組表を調べると「世界の快適音楽セレクション」は土曜日の午前9時に移っている。ゴンチチがナレーターで、曲担当として渡辺さんを含む3人が交代していく訳だ。
 ちなみに「渡辺亨 音楽」でググると2番目になんとゴジラさんのブログが出てくる。いや、世間は狭いというか、みんなニッチだねえ、というか。6日には大貫妙子のパーソナリティ番組もある。

 やっぱりラジオって人間くさくていい。なにか楽しいね。

2009年9月28日(月)
音源=入力の質と鮮度、IAS東京

○今日は朝からいろいろと溜まっていたものを片付ける。今日からまたオカンのお泊まりなので、掃除もする。合間のオーディオ工作。昔と違ってがんがんやるなんて事はなくて、むしろやる意欲が湧くまで時間がかかる。音楽を聴くためにやってるんで、音源確保も含めてそっち優先。

 TJC先輩の名言「オーディオも入力の質と鮮度を上げるのが一番です。一度失った物はいくらアクセサリーに凝っても、戻ってはこないからです。 
 音が変わる事が、オーディオの全てでは有りませんよ! 」


●なんかコンピュータがらみのややこしい事ばっかりやってるなあ、と思っておられる方が大部分だと思います。でもこれはいろいろな可能性を見極めるためにやっておりまして、いずれオーディオ的に整理されて、どこかに還元されていきますので、ゆっくりとお待ちください。

◎来週末はIAS東京なので、それまでにいろいろと整理せねば。知った顔に会えると嬉しいな。

2009年9月27日(日)
ちょっと早いPart2移行

●昨日は図書館に行ってユルスナールの全集を見つけたり、夕方CDなど機器、本を読む。静かな1日。そのかたわらささやかな悪巧み。まあ、懐かしいアナログ音源(日本は、ですが)を録音できるようにしようというモノ。

 今日はPhilipsのCDなどHMVにオーダーする。そのうちにまとめてご報告。まあ所詮は遊びですから、音質の違いにこだわらなければ平和だけれど、正直結構違うので、いまは音源の確保の方が急ぐと思う。

     

◎このページはIBMホームページビルダーのWEB日記で書いてますが、これがまた癖があって見かけよりず~っと時間がかかる。おまけに最近はWebKitなどブラウザ群雄割拠なのでCSSの見え方も勝手気ままでもうバラバラ。Sigh!

 で、自力更生。これで当分やってみよう。

○今日のオルフェウス君
  バッファタイム 5,750μs
  レイテンシ    23.00ms (Nuendo4: input 24.535ms、output 35.941ms)




主催:ワオンレコード/有限会社 八木アートマネージメント
会場:OAPアートコート1F
協賛:三菱地所株式会社/三菱マテリアル株式会社/オー・エー・ピー・マネジメント株式会社


■Opus20 恋のため息 小林木綿(ソプラノ)/櫻田亨(アーチリュート)
2009年10月11日(日)午後3時 リーフレット(pdf)
■C.モンテヴェルディ なんと甘い苦痛が Si dolce e'l tormento
■B.フェッラーリ 宗教的カンタータ Cantata Spirituale
■G.フレスコバルディ 十字架の下のマクダラのマリア Madallena alla Croce
■G.カッチーニ 甘いため息 Dolcissimo Sospiro  ほか


「うつろな瞳」録音に使われた素晴らしい響きの会場
イタリアバロックの切なく美しい愛の歌です。
秋の午後を大川のほとりで雅やかにお過ごしくださいませ。

009年9月26日(土)
エコー君は来月半ば、道半ばの64bit、89円台半ばの円高は買い物日和り

ECHO Audiofire8は在庫切れで次回入荷は10月中旬予定らしい。ウブスタ君のコマンドラインで音出ししてみたかったんだけどな。もう少し早くできたら全体像が少しは見えてくるのでありがたいのだけれど、予定が狂ってしまった。ALSAとか具体的にどの程度対応しているんか、ハードの状況を見ないとあまり先走りも出来ない。とりあえずはハードとのリンクが見えてこず音もでないAmarok 2.0に取り組むか。いや、これもECHOが来てからでないと整理しずらそうなので、1.4に戻して様子をみようかと思う。

まだまだ途上だけれど64bit雑感。

・64bit(Vista/XP)でやっている友人達と僕はEMT64以上の音楽専用ハード環境でCubase/Nuendoという64bit/DAWのアプリケーション(プレビュー版含む)で再生している、と言う点で共通している。

・勿論、64bitというのは①メモリ空間が拡がること、②64bitアプリケーションのパフォーマンス発揮、③大量データの高速演算などというメリットがあり、一方で①命令数が増えることによる負荷増大、②32bitアプリケーション/プラグインとの互換性問題、という問題点もある。
 加えてOSの場合は、並列処理を活用できる仕組みを持っているか?(雪豹の場合Grand Central Dispatch)とかいろんな設計が問われることにある。
 またDAWソフトの動作についてはよく分かってないので控えますが、フォーマットにもよるだろうが音楽再生は「大量データの高速演算」とはとても言えない処理だと思う。
 それと僕も一緒くたに書いてしまったが、インテルのCPU設計では例えばCore2Duoの場合、64bitだと使える汎用レジスタの数が8本(32bit)から16本(64bit)に増えるというハードがらみのメリットもある。(資料的にはちょっと古いですが、こちらなど分かり安いかと。)

 だから64bit OSの音、というよりも 「64bit環境の音」と言う方が正確な表現になるだろう。


・まず音的には全体としてどっしりとして安定化が増した、というのが一番の向上点だと思う。この点は一聴目立たないかも知れないが、ワイドレンジでピーク・ディップが少ないシステムならよく分かるだろうと思う。反面、サービスや機能を切ったりしてもあまり敏感には変わらない、というのがその表裏と言えるかも知れない。実際32bitの場合はビンビンと変化が感じられたもので、それはある種のせめぎ合いというかトレードオフの世界だと感じさせるものだった。

 いわば32bitは引いたり足したりというか、これ以上のブレイクスルーのない引き算の美学の世界で、64bitはブレークスルーとは言わないまでもさらなる発展の可能性を感じさせる、足し算が期待できる世界、というのが現段階での印象だ。(もちろんどちらもいろいろと環境の最適化をするという前提です。)

・あまり仮説めいたことは書かない主義だが、強いて言えば上述したような音の印象は、プレビュー版とは言え64bitアプリを、増えたレジスタとメモリ(3GB認識→4GB)の中で走らせた余裕みたいな物が出ているのかも知れない。
 いずれにせよ64bitにすれば直ちにバラ色の世界が開ける、というよりもいろいろな積み重ねと環境整備の一つ、と考えた方が良い。

◎Vista 64bitはSP1のままにしているが、7が出る頃に各ベンダーとも新しいドライバを出すと思うので、その頃にSP2にしやうかと。

円高でついにまたNYで一時89円台半ば。諸卿よ、海外からモノを買われるのは、あるいは旅に出られるのは、こういう時でありまするぞ。

2009年9月25日(金)
10MHzクロックケーブル

 「デジタルで最も重要なのはクロックだ!」とあるLSIの鉄人は喝破されたが、我が家のデジタル系の心臓部は疑いもなくSRS(Stanford Research Systems)10MHz高精度水晶SC-10とAntelope OCXを中心とするクロック系だ。いわば親亀で、これが揺らげば全てが揺らぐと言って良い。ちなみに10MHzの「正弦波」です。つまりFM電波帯に近い高周波の完全なアナログ信号です。まー矩形波クロックもアナログ信号ですが。

 ルビと同レベル精度のこの10MHz正弦波をOCXに送り込む50オームクロックケーブルは高周波ケーブルを片っ端から聞いた結果、RG-142B/U(50cm両端SMA)を使っていた。




 こちらのサイトに資料があるが、芯線は「SCW:銀めっきカッパーウェルド線」で中心部は磁性体の鋼線、二重シールドは「SS:銀めっき軟銅線二重編組 」、絶縁体は「TFE:四フッ化エチレン充実絶縁 」つまりテフロン、外皮は「FEP:フッ化エチレンプロピレン 」 いわゆるテフロンFEPという構成。

 で、これを今回fairbrookさんにお世話をいただいた 潤工社 のジュンフロン同軸ケーブル DTR-142(1m両端BNC)と替えてみました。もちろん通電したまま交換できるよう、工夫しながら。ブレイクインなしにぶっつけで聞いたときから、音は違うなーと感じたが、聞いている内にどんどん良くなってきた。
 「RG-142B/U準拠」ならば、違いは「ジュンフロンRふっ素ポリマー」という素材が効いているのかよく分からないが、これはかなりの変化。これからブレイクインしてこなれていくのが楽しみだ。ちなみに、BNCプラグ付きアッセンブリーを1万円以下でお手配いただいたので、コストパフォーマンスは凄いの一言。

 やはりクロックが心臓部だ。これならやはり通電を止めるのが面倒でサボったままの、SC-10の電源のツェナーダイオードを超低雑音定電圧素子に交換せにゃいけんなあ。



2009年9月24日(木)
Understatement、余白

 さて、先日オーディオ・ベーシック誌を読んで注文したポップス系CDが順次届いている。日本で買うと結構高かったので、ものによっては英米のAmazonにもオーダーした。最近クラシックが圧倒的に増えているのは非クラシック分野で安心して聞けるものが少ないので、及び腰になっているのが正直なところだ。

 で最初は韓国のユニット「
Winterplay/Songs of Colored Love」。興味を惹かれたのは、日本版は韓国版より僅かにレベルが低いと思われるという評者の一文で、それだけきちんと聞いているのなら、ということでオーダーしてみた。残念ながら韓国盤はうまく見つけられなかったので、これは日本盤。

 軽めのジャジーなヴォーカルで、非ネイティブのきちんとした英語が心地よい。(コリアングリッシュだって、ジャパングリッシュだって、巻き舌Rが軽くても立派な英語だ。)
 で、どこか懐かしい奥ゆかしさがある。勿論マルチマイクのパン&フォーカスだが、バックのギターやちょっと遠目の暖かいトランペットも柔らかく控えめな音量で収録されている。ヴォーカルのへウォンの声には独特の余韻というか魅力があって、それもべたべたハイレベルで録ったり変にいじっていないから、余白があるからこそ声のひねりのようなところがよく分かる。Understatement(=控えめな物言い)の魅力がある。

 大傑作ではないが、実際聞いていて清々しい感じがして、ラウドな音に疲れた耳には優しくて良いと思う。



2009年9月23日(水)
増えちゃいました.....。

○これまで機器は基本1系統しか使わない主義だったのに、インターフェースはオルフェウス君とワイス君の2輪駆動となり、これ以上機器は増やさんぞ、と決めていたのに注文してしまいました。



 ECHOの1394インターフェース Audiofire8。なんでかというと、FFADOつまりLinux用Firewireドライバ開発チームが「Full Support」としているから、ウブスタ君から音が出せるのであります。加えてS/PDIFとワードクロック入出力、そしてなかなか秀抜なデザイン。デザインには弱くて、アポジーのEnsembleとDuetを見たときには「やられた。欲しいなこれ。」と思いましたしね。Duetは時々ふっと衝動買いしそうになるときがあります。あのブレイクアウトケーブルは嫌いだけど。
  最初はぐっと堪えていたのですが、気がつくとオルフェウス君やクロックの上側の空きスペースにちょうど納まるので「ラックからははみ出さないからなあ。」と考え始めておりました。まあ、今聞かんでいつ聞くんや?と言う事もあるし、さほど高いものでもないので、とよろめいたわけです。

◎まあ6万円くらいの製品ですから、めちゃ凄いとかは期待しておりませんが、Fireface400の下のクラスでは、TC-Electronicの Konnect シリーズに次いで評判が良いので、その辺も確かめたい、と。
 まずはウブスタ君とつなぎ、Audiofire8の同軸からAET SIN DG75に次いで我が家では音が良い「カナレDA206+ノイトリック・デジタル用XLR端子AES/EBU(自作1m、原価2千円)」でワイス君につないで、WEISSクオリティの音の良さを活かそうかと思っています。(トモカ電気あたりだと一度で揃います。)


 S/PDIFになんでAES/EBUがつなげるのかって?オルフェウス君の同梱品のなかにS/PDIF⇔AES/EBU変換ケーブル(オス、メス各1本)があったのでこれを使おうという算段です。正直S/PDIFはあまり使いたくは無かったのですが、この際致し方ありません。Linuxを聴く方が先です。
 
 で、クロックケーブルはBNCの波形の美しさを優先してWonderLinkⅠを使おうかと。あと電源(80~246VAC)には手持ちのPlitronアイソレーション・トランス200VAから給電するかと。



●香港のKentから「スチューダーのテープデッキが戻ってきたんだよ~。」と、嬉しそうにA-80が鎮座する最新のスタジオの写真が送られて来ました。モニターSPはMannLay からATCに変わっています。

 次のJazzシリーズは何とこのアナログテープデッキで収録する考えなのだそうです。彼のコンソールにはアナログ用のハイエンドな機器類も完備していますから、音質には期待できそうです。

 まあ、最近はデジタル・ミックスダウンの音の悪さがよく知られてきて、一旦アナログにDAしてからADしてデジタルマスターを作るのが主流になりつつあるそうです。それにアナログ音源からADすればDD変換プロセスがなくなるので、特に低い方のフォーマットが相対的にクオリティは上がると思われます。またぞろどこかが384KHzアップサンプリングなんて事をやるらしいのですが、DD変換は基本的にしない方が良いわけです。


2009年9月21日(月)
雲の向こうにゃ何がある?

文化
 例えばある都市がかつての繁栄を失い斜陽になったとしよう。幸か不幸か、この国では東京以外は多かれ少なかれそうなので、例としては枚挙に暇がない。
 そうなると必ず「文化」が語られる。言い換えると、マーケットとしての商業性を失い始めると、それを補完・補強するために非商業的価値としての「文化」が引き合いに出されると言って良い。だが、それは大事なことではあるが、実際には殆ど何も生み出さないと言って良いと思う。現在ある文化が魅力的ならば、それは多くの人と引きつけているし、それだけで既に価値を持っているだろう。また、文化を含めて過去を振り返ることは、これからに向けての複合的な力を引き出すために大事なのであって、単に紹介したり振り返るだけでは衰退そのものの歯止めにも慰めにもならないからだ。

 だから文化は語りつつも、僕らはビジネスモデルとして常にオーディオという文化を考え続ける努力をしなくてはならない。つまりは需要と供給だ。そして供給する側がそれなりの態勢と熱意を持っている事には誰も疑いは持たないだろう。そうすると、需要に多くの問題があるらしい、ということは皆感じているはずだ。それは世界的な音楽産業の低迷にまずはリンクしている。音楽は既に社会現象ではなくなり、「趣味教養」の世界に位置づけられつつあるらしい。いくら文化的基盤があっても、例えばオーケストラの維持はますます困難になりつつあり、一方でオケ側も独自のライブ音源の配信セールスや、コンサートそのもののリアルタイム中継配信まで、デジタル化によってそれをサポートし、かつ強化しようという動きもますます強まるだろう。

 が、今後の供給も含めてコンピュータやインターネットと強く関わるので、そこから先の文脈は個々人の知見や経験によってもバラバラで、いささか混乱し始めるし噛み合わない。勿論、SPやテープ、LP、CD、データファイルなどいろんな音楽メディアが殆ど全て努力すれば入手できる今が、再生手段を持つ者には個人的にいちばん良い時代かも知れない。実際、強く関連する少子高齢化の問題と同様、先はともかくとして、今、直ちにどうこうはならないだろうから放っておいても当面何とかやっていけるだろう。だが、文化を過去を語るだけでは、やはり届かないものもあるだろう。

「外」へ出て行くこと。
 例えば周辺の強国に翻弄され続け、独立を勝ち取ってまだ100年にもならないフィンランドが、全人口500万の国としてどう生きていこうとしてきたのか?
 まずは、その教育制度の充実には定評がある。人は希少な資産であり、そのコミュニケーション能力が歴史の狭間では文字通り生死を分けるからだ。だから全員が基本的には英語を話すし、支配されていた期間が続いていたため本音は複雑だろうがスウェーデン語やロシア語も話せる人が多い。
 そして外へ出て行くことだ。グローバルな外へ出て行って関係を保たねばやっていけないことが、経験上見えているからだ。土地柄誤解されやすいが彼らはヴァイキングの子孫ではなく、ハンガリーと並んでこの2国だけが東洋起源と思われる言語を持っている。本来がシャイな彼らには、豊かな自然に囲まれ長い冬の間に鍛えたものづくり、あるいはデザインの高いソフト&ハードパワーがあり、最近は少し元気がないがノキアというのはもともとがフィンランドの地名である。
 そしてアイデンティティと不抜の独立心。第2次世界大戦でフィンランドはナチス・ドイツと手を結んだ。そのため、今でもEU圏内ではくそみそに言われるらしいが、それは実際にロシアの属国にされた苦しい経験を持ち、ソヴィエト・ロシアに侵略されポーランドやチェコのように共産衛星国化されることだけは断じてのめなかった彼らの苦渋の選択である。


海賊の独り言
 僕らは外国へ出て行かなくても、既に海を越えて出て行く手段を持っている。世界最大の図書館であるインターネットだ。通販で物を買うこともあたりまえになったが、何か聞きたいことがあれば直接メールすればよい。遠い国から関心を持って送ってきたメールを放っておく訳がないし、必ず答えは返ってくる。勿論、努力は要る。語学も多少は必要だ。だがこの「先」を見据えなければ、多分未来はないだろう。個人的にはこれからも大して困るわけではなくやって行けるだろうが、僕はそういう思いでやっている。あくまで個人的な思いですが、時として疲れもします。
 So, I'm a lonely pirates.


2009年9月20日(日)
ウブスタ君一段落。1394接続はドライバ待ち。

●ウブスタ君と1394インターフェースは結果として接続できなかった。Synapticパッケージマネージャーで1394、61883、Firewire、Free BoB、ffadoと検索して、audioに関係するパッケージは全てインストールし、Free BoB、ffadoのサイトをサービスチャンネルにしてインストールもしてみたが、オルフェウス君もワイス君もjackdは認識しない。
 ビートルズのリマスターに御用達の上級機種ADA-8XRは「Experimental」で一応接続できるらしいし、Free BoBだったらオルフェウス君はひょっとして?と期待していたのだがうまく行かなかった。Free BoBのサイトに1394カーネルドライバにパッチを当てる方法が載っていて、こうなったらやってみようとトライしたが、現行カーネルの1394ドライバのディレクトリがよく分からず、これはまた勉強してチャレンジしよう。

 気になるのはWindowsなどではオルフェウス君は「61883クラス」と表示されていて、これはIECの規格らしい。ウブスタ君の中にも2本61883関係のモジュールが入っていたのだが、もしかしてこの絡みか?まあ、考えても仕方ないので、開発が進むのを楽しみに待とう。

で、USB DACを鳴らそうとAmarokという再生ソフトを立ち上げたら、うまく動かない。検索かけると新しいバージョンでは9.04とマッチせず、レストアする必要があるらしいが、そのためのコントロールソフトがまた見つからない。結構ファンが多いようで、彼らはあまりに使い勝手が悪いので、旧バージョンに戻す人も多いらしい。てなことで、これも時間のあるときにリトライ。

 んで、ウルトラ・フェザーライトと言われているプレイヤーソフト
AudaciousALSAドライバ直結で鳴らしに行く。このあたりは勝手知ったるもので、すぐに音が出る。USB DACはウォン安のときに韓国から直接買ったもので、現地仕様なので100Vに電源を改造したStyleaudio 「CARAT-PERIDOT」。右上の写真にあるようにワイス君の上に載せているが、とても可愛い小さなDACだ。でもウブスタ君で鳴らすと、拡がろう、鳴ろうとする意志はあるが器の制約で思うに任せない、というようなどこか凛とした鮮烈なモノが伝わってくる。ステージは広くはないし、低音は出ないし、でもWinterplay(別途書きます)のヘウォンの声などはっとするような何かがある。これを1394につなげたら、と考えるゆえんだ。右下はPremium2改からのCD再生時のスクリーンショット。ドラッグして連続演奏も出来るが、プレイリストをつくればいろいろ細かくやれそうだ。しないけど。

◎この間、OpenOffice.org Writerなども使ってメモを書いたりいろいろと使い回してみたが、今のところウブスタ君はさくさくと動いてよどみがない。映像関係などはインストールしていないので余計なもんはあまりなく、HDDは全部合わせて3.1GB。やはりウブ君をオーディオ用にすると欠けるモジュールがあるかもしれないので、ウブスタ君を軽量で使った方が間違いがないと思う。

 ただCPU周波数だけは、2個とも2.4GHzに設定したのに、いつのまにか片方だけ800MHzになっていたり、最近は起動時1.8GHzと800MHzになっている。端末からコマンドを打ち込んでも言うことを聞いてくれない。「これで十分ですやん。」とCPU達が唇とんがらかしているようで可笑しい。デッカードに「1杯で十分ですよ。分かってくださいよ。」と言ってる「ブレードランナー」の饂飩屋の爺さんのようでもある。仕方がないので、音楽を鳴らすときだけ手動で設定してロックをかける。まあ、しぶしぶやっているが、中身はどんな事になっているのやら。きっちり見せてもらおうやないかとUbuntu Tweaksもインストールしてみたが、なんでかこっちは立ち上がらん。まあ、こんなことでブーたれてたらLinuxとはつきあえまへん。「緊張と緩和」で、一段落にいたしませう。



2009年9月19日(土)
誤差まみれのデジタル計算

◆本当は僕なんかが書く内容じゃないのだけれど、後で書くことと関係があるので、整理しておきますね。要はコンピュータはかならずしも正確ではない、ということ。
 例えばで「1÷3×3」という式があって、これはパッと見て答えは「1」だと分かる。ところが電卓でこれを計算すると表示桁数にもよるが「0.99999」などいう結果になる。どうして?
 これが有名な「コンピューターの誤差」

 オーディオにおけるデジタル処理もこの基本の上にある。
 例えばデジタルオーディオではアナログ信号をサンプリング(標本化)した結果はアナログ信号の振幅を実数で抜き出しただけなので、このままでは処理できない。そこで切り捨てや四捨五入して2進法にあてはめて近似値を決めるのだけれど、このときのあてはまらない数値との誤差を「量子化誤差」(量子化雑音、量子化歪み)と呼ぶのはご存じの通り。

 ただここでいう誤差は2進法の数値表現やコンピュータ処理の特性から来るもので、アナログデータのデジタル化に伴う誤差以外にも様々な「演算誤差」も生じるのだ、もちろん皆さんいろいろとご努力いただいて誤差が生じにくいように工夫はしているのだが誤差ゼロには出来ず避けられないものもある、ということをご理解いただいて、あとはそれぞれのサイトをご覧あれ。

 なお、参考までに概要とか興味深いポイントを「****」で抜き出していますが、これは筆者の観点からなので、ご理解よろしくお願いいたします。「+++」は筆者コメントですので、読み飛ばしあれ。

●上図も含めて「コンピュータにおける「データ表現」の基礎(第3回) 小数点数を表す方法」から、転載させていただきました。著作権は下記の通りです。
 ありがとうございます。ペコッ



 

------------------------------------------
◆コンピュータの誤差 - Security Akademeia
 説明は不十分ですが、項目が整理されている。

浮動小数点演算の誤差 
 ・桁落ち 
 ・桁切り誤差(打切り誤差) 
 ・情報落ち 
 ・丸め誤差 
表現範囲を越えてしまう誤差 
 ・オーバーフロー 
 ・アンダーフロー 」


計算間違いを回避するには
1.誤差を無視する 
 プログラムの目的によっては計算結果のわずかな誤差がまったく問題にならない場合もある。一般に科学技術計算といわれている分野では、コンピュータの計算結果として近似値が得られれば十分である。つまりちょっとした誤差は無視できるわけだ。
2.一時的に整数を使う。
 計算するときだけ一時的に整数を使い、計算結果を小数点数で表示するという方法がある。
 例:0.1を100回足し算する計算を、0.1を10倍して1にしてから100回足して、その後に10で割る。
3.通貨型を使う 
 例:Visual BasicのCurrency型は通貨型といい、こうした処理を自動的に行ってくれる。
4.BCDコードを使う方法 
 BCDコードを使えば2進数で10進数を表現することができる。

(注)文字データや10進数との対応が取りやすいように、10進数の0~9に対応した4ビットの2進数で10進数の各桁を表現する方法をBCDコード(Binary Coded Decimal code:2進化10進コード)という。
 BCDコードでは、4ビットを単位として0000~1001(2進数)までの0~9(10進数)に対応させて、1011~1111は使用しない。」

 
 さて、オーディオ業界の対応はこのどれに入るのでしょう?(爆)

◆コンピュータにおける「データ表現」の基礎(第1回) 何はなくとも2進数
「信じられないことかもしれませんが,コンピュータを使っていると,数値が突然プラスからマイナスに変わってしまったり,誤差が生じて思い通りの計算結果が得られないことがあります。」

 
図3●浮動小数点数式の表現方法

 ありがとうございます。ペコッ。

●ちなみにデジタルオーディオの32bitフローティング処理の浮動小数点も左図「単精度浮動小数点」と基本的には同じです。
 左記のサイトをお読みいただくと、「コンピュータ的には高速で処理しやすいのだろうが、何といろいろ問題点があるなあ。」と思われることでしょう。


 もちろん、これはプロセッサやOSの32bit、64bitとは別の「数値の表現形式」のお話ですので、よろしくです。

 いわば回路として実装する以前の、理論的な段階で数学的に抱えている問題点にちょこっと足を踏み入れたわけですが、本文中でも述べているようにいろいろな対策も講じられています。
 ただ「誤差と上手に付き合いましょう。」という表現からもお分かりいただけるように、常に存在している問題である事に変わりはありません。



◆コンピュータにおける「データ表現」の基礎(第5回) 誤差の原因と対策

 「コンピュータの数値計算で誤差が生じるのは,仕方のないことです。コンピュータが取り扱うデータは,ビット数の限られた有限のものだからです。例えば,1÷3の結果である0.3333…という循環小数をコンピュータが正確に表すことはできません。誤差の原因は,データ形式とも密接に関係しています。誤差の原因がわかれば,計算の順序を工夫することで,誤差を少なくすることもできます。」

 「丸め誤差の原因は,コンピュータが取り扱うデータのけた数が有限だからです。けた数をはみ出したデータは,本来なら切り捨てられてしまうはずですが,Visual Basicが提供する演算子や関数が,親切機能として四捨五入を行ってくれるのです(親切機能のないプログラミング言語もあります)。丸め誤差の対策は,取り扱うデータの種類に応じて,適切なデータ表現を選択することです。例えば,7.89を8ではなく7.89のまま取り扱いたいなら,整数ではなく浮動小数点数形式の変数を使えばよいのです。」

 「打ち切り誤差が生じる原因も,コンピュータが取り扱うデータのけた数が有限だからです。打ち切り誤差の対策は,単精度浮動小数点数形式を使って精度に問題があるなら,倍精度浮動小数点数形式を使うことです。多くのプログラミング言語では,倍精度浮動小数点数形式が,最大のデータ型なので,これでも精度が足りないなら,単独のデータで表すことは不可能です。」

 「情報落ちの原因は,浮動小数点数形式の2つのデータの計算が,指数部を大きい方に揃えてから行なわれるからです(浮動小数点数形式のデータ表現に関しては,この講座の第3回を参照してください)。いかにコンピュータといえども,指数部の異なる2つのデータをそのまま足すことはできません。」

 「金銭計算のデータのように,1円の過不足もなくピッタリと帳尻を合わせなければならない場合には,誤差が許されません。ただし,物の長さや質量などのデータを取り扱う場合には,わずかな誤差は問題になりません。正しくは1mであるものが,0.999mで処理されても困らないでしょう。いずれにしても,正確無比のように思えるコンピュータにも誤差が付き物であることと,データ表現や計算方法を工夫すれば誤差を少なくできる可能性があることをおぼえておいてください。誤差と上手に付き合いましょう。」

 「けた落ちの対策は,3つ以上の数値の計算なら計算の順序を工夫して,けた落ちが生じないようにすることです。」



あなたもきっと誤解しているコンピュータの誤差の話

 「通貨型
 (中略)実数型と違って、小数点以下の桁数が4桁に固定されています。(固定小数点実数と言います。) 
そのため、小数点以下の数が4桁以下の数は誤差なく表現できますが、計算過程で小数点以下の数が4桁を超えると誤差が出るので、注意が必要です。」

 「数が何個かあって、その合計を計算する、という、よくある処理ですが、大きな数を先に、小さな数をあとで足すと情報落ちがおきます。 
小さな数から足すことで回避できますから、昇順にソートしてから計算する必要があります。」



第4回 演算誤差の正体―― IEEE 754 浮動小数点数の仕組み ちょっとセンセーショナルな書き方かも。

 「エクセルが誤差を起こすそもそもの原因は、『IEEE(アイ・トリプル・イー)754』という数値計算の標準規格にあります。エクセルは、この規格に基づいて計算をしているのですが、この『IEEE 754』こそが、演算誤差の原因なのです。」

【参考】
浮動小数点数 Wiki


浮動小数点の計算方法と注意点



2009年9月18日(金)
疾風怒濤の20日間

 考えてみたらMacOS雪豹が届いたのが先月26日。20日足らずの間に、MacBook Proは1台増えるは、それが64bit三兄弟になるはで、Strum und Drangというか、疾風怒濤の20日間だった。こいつはちょっとやり過ぎだ。
 
 今日は2箇所だけウブスタ君の守をして、あとはコンピュータいじりはやんぴした。まあ、Vistaで音楽は鳴らしたし、雪豹でDVDを見たりしたけれど。

 どうも身体の中の何かが外に出たくて弾みだしている。こういう時は海外にでも行くか、なにか大きなモノをつくらないと吐き出すことが出来ない、そういう種類の弾みだ。いますぐ出来ることはあまりない。だから、全ての窓を開け放って風の中でじっとしている事にした。
 もしもっと天井が高くて、部屋がたくさんあったら、そのひとつに薄い布をいくつも垂らしてみたい。薄くて透明感があるけれども、オーガンジーのように儚くはないインドの布などは、風を形にしてくれる。それは二度とは帰ってこない巡りを幾重にも映しててふてふのように泳ぎ続けるだろう。その中を光がやうやうとくぐり抜ける。

 旧仮名遣いでないと伝えられない世界がある事に、ようやく気がついた。幾層ものレイヤーの重なりのように、僕らは重層的な時間を生きている。だから先のことばかり考えずに、自分の中の過去も含めた全体を大事にしたい。



 いつも心に虹が、そっとありますように。
  (夕暮れの少年/bird)



2009年9月17日(木)
ウブスタ君加わる。64bitの3OSでトリプルブートへ。

○秋はとても好きな季節だ。フィンランドでは「冷たく寒い雨」が長く降るあまり良くない季節らしいが、まあ暑い夏はないからお互い文句も言えない。日本は彼らの教育、外交政策、農業政策にはずいぶんと学ぶところがあるように思うのだけれど。縮まったものはいまさら拡がらないし、虚勢を張ったところでなんの意味もない。身の丈を足元をじっくりと見渡さねばならないのは、オーディオ界も同じじゃないかな。
 秋になると個人的には忙しくなる。温故知新の友人訪問や、オキナワの友人と京都へ紅葉見物、東京でKentと会ったり、打ち合わせしたり、なかなかいろいろと楽しい予定が盛りだくさんだ。

ウブ君(ずっとUbuntuではちょっと....)で僕がこだわっていたのはUSB DACだけでは寂しいので、Firewireのインターフェースをちゃんと鳴らしたい、という事だった。例えばオルフェウス君の1394はBridge Co.の製品で、Free BoBというドライバ開発の主体だっただけに期待したのだけれど、無印ウブ君では認識してくれなかった。多分何かあるのだろうと、Free BoBの後継プロジェクトであるFFADO(Free Firewire Audio Driversのドライバをインストールして、その辺りを整理しておこうと勉強を進めていた。


ffado_06.png【注】デバイスサポートのページを見ると、いろんな機種が、Linuxと1394接続し始めていることがよく分かる。Linuxはあなたのすぐそばにまで来ている。



◎ところが肝心なところでraw1394ドライバをインストールしようとすると、ウブ君が反応してくれない。で、いろいろ調べてもドライバ類は分かりにくく、一方で9.04からはこれらのFirewire関係がUbuntu Studio(ウブスタ君と呼ぼう)に一式初めから入っていると書いてあるではないか!ドキュメント類はどうしても少し古いものが多くなるし、こういうことは良くある。それにメモリも4GBまるまる使えるし。  (注:モルスタはアメリカの投資銀行です。)

◎で、方針転換。だったらUbuntu Studio 9.04を入れよう、それも同じなら64bitでいってやろうじゃないか、と決めてウブ君ほどグラフィックではないが、ほぼ同内容の画面を見ながらインストール(何回目だろう?)を開始した。
 いちばんの問題だった
GRUBローダーのインストールの箇所はちゃんと/dev/sda3を入力できたが、問題はスワップパーティションだ。画面ではsda3にウブスタ君本体を、sda5にスワップパーティションを入れるとなっている。この間のsda4がVista 64bitで、これが最後の4つめのプライマリパーティションにならないとトリプルブートが危うくなる。
 ままよ、いざとなったらsda5を削除するか、と腹決めしてとりあえずインストール。

 で、右の写真の通りシックな画面で「システムモニタ」から見ると、何とウブスタ君本体中のsda3に、拡張パーティションとしてスワップを作っているので、トリプルブート全体の枠組みには影響なかった。ウブスタ君賢くてよろしい!

①ウブスタ君の起動画面。ウブ君とはずいぶん違う。






②ウブスタ君のログイン画面。これも渋い

 




③そして開いたデスクトップ画面。左上のメニューから全てが展開できる。うむうむ、シックだ。落ち着くので僕はこちらの方が好きだ。
 ただ個々の操作画面はいささか黒っぽすぎるが、調整できるだろうし、GNUだからいろいろできるだろう



◎ま、日本語リミックスではないので日本語入力システムを一からインストールしてみるとして、\と_(アンダースコア)が入力できないなど問題はあるが何とかなる範囲だ。NVidiaのグラフィックドライバもOK。
 
 で、Ubuntu日本語フォーラムのおかげで、多分ウブスタ君が遅いと言われている原因を解決できた、かもしれない。デフォルトでは節電のためCPUクロックを800MHzで動かしていたのだ。つまり普段はフルパワーを出さずに、ここぞと言うときに周波数を上げるというわけだが、それも急にやるのから、ゆっくりとやったり、節電モードといろいろあって、そこのところが足を引っ張っていたのだと思う。CPU周波数計測モニタをインストールして当然2.4GHzに設定した。

◎さて、これでMacbook Pro 4.1は64bitの3OSのトリプルブートとなった。今回の経験で、Linuxは十分事前リサーチをしないと勉強にはなっても時として無駄も生じうるので、ゆっくりと勉強を進めていくことにしよう。いろいろ他にもあるので、ウブスタ君の音については気長にお待ちください。

▼亀井郵政・金融相とは愚策も大愚策。銀行株が軒並み冷えたのも無理はない。マーケットも諸外国も冷たい反応になるのも無理はない。まあ、爆弾はどこで爆発しても困るんだが、早晩行き詰まるのは目に見えている。


2009年9月16日(水)
声と絆と

●日・月の2日間はばたばたとしながら結構濃い時間が過ぎていった。特に京都では、親しい知人なので借りられたのだそうだが、「矩庵」という茶室で有名な徳正寺がまるまる会場で、打ち上げも寺内でやり、久しぶりに日本的空間に浸った。茶室そのものも、あとからモダンチックに手を加えたところも面白いがあまりぴんとは来ず、それでもこういう全く違った時間の流れが潜んでいる空間にはとても癒された。いずこもおなじ河原町の繁華街から、少し入るとこういう場所がある。京都に来たいと思うのは、こういう所があるからなのだろう。

◇そして人とのつながりが結局は何かを形にしていくのだ。右の写真はフィンランドの友人がお土産にくれたシベリウスが生まれた街ハメンリンナの男声合唱団のCD(彼女は女声の方で歌っている。)とちょっと早いクリスマスカード。小さな瓶は実はお酒で、「かもめ食堂」前をうろうろしていた荒れた感じのおばさんが、思いきって入ってきて注文するあれです。「カスケンコルヴァ!」。38度だそーです。スーツケースの中に詰めて持ってきてくれたのだ。深謝。



 来月には香港からKentがやってくるので、東京で会うつもりだ。若いのに、いろいろと努力していて大した奴だと思う。


○合間合間に音楽再生用Linux/Ubuntuの環境設定をやっている。なんで無印9.04から始めたかというと、安定してインストールできることもあるが、ミュージックサーバの「Jack」をインストールする前にあるドライバを入れたかった、ということもある。RCだからどの程度だが分からないが、Ubuntu Studioにも入っていないようだし、ひょっとして上手くいったら「サイコー!」という世界になる。
 アホみたいなやり方だが、ひょっとしたら64bitバージョンもうまくインストールできるかも知れない。再生ソフトもいろいろと特長が掴めてきた。
 両方上手くいったら、こいつは乾杯モノだ。資料は山と増えているが、そうなればやりがいもあるというもんだ。はずれたらそれはそれで時期を待つことになるだけだ。知識や経験は活きる。


p.s.いつも誤解されるんですが、カタツムリは必要に迫られて無理して入手したわけだし、わしは別にハイエンドを志向しているわけでも、ハイエンド的な音が好きなわけでもないんですじゃ。
 いろいろ試している中でも、どうすればできるだけシンプルな良い形でまとめられるかは常に考えておりますのでな。オーディオ界は誠に肝のちっこい世界になってしもうたので、念のため。


2009年9月12日(土)
早すぎた雪豹64bit?ちょっと足踏み。わしは一休み。

ほやほやの64雪豹は我が家のMBP4.1では、いまのところ64はペケでした。残念至極




●で、雪豹ですが、サボっていたわけではなくていろいろあったのね。


 まずはMacBopok Pro(MBP) 4.1の雪豹64がワイス君を認識しない、という所から事件は始まった。すわ故障かと、内部チェックして半田付けを強化したが変わらず。で、念のため以前のMBP 3.1でつなぐと全く問題なくOK。Vista64&ワイス君ではというとこれも認識はするが、全体にスピードダウンで結局Normal Modeではうまく動かず、Safe Mode Level 1に落として、再生バッファサイズ512サンプルでようやく音飛びもなく動いた。音質的には以前より、情報量が増えてたくましくなって来た。

 で、ワイス君でSafe Moe Level 1、再生バッファサイズ2048サンプル設定にしておいてMBP 4.1の雪豹64でやってみるが、これも駄目。MBP4.1に雪豹を新規ストールして、MBP3.1より環境を移行しても駄目。結局mbp4.1では雪豹64を32bitカーネル起動設定(ターミナルにコマンド)にして、それも雪豹ではオルフェウス君だけの稼働、という訳の分からん事に相成った。

 結論をまとめると、MBP4.1では当分以下のラインナップで行きます。
1.雪豹Mac OS 32bitカーネル起動→ オルフェウスのみ(再生バッファサイズ256サンプル....だったと思います)
2.Vista64 → オルフェウス(5750マイクロs、レイテンシ11.5ms)、ワイス(Safe Mode Level 1、再生バッファサイズ512サンプル)


 Nundo4の64bitプレビュー版の問題という事も頭をかすめたが、基本的にはこれはPC/Macとインターフェースの関係だと思う。あるいはMacBook Pro 4.1に固有のハード的条件があるのかも知れない。いずれにせよ、どちらのベンダーも雪豹後のドライバやファームウェアは出していないので、今後のリリースで改善されていくのは間違いないと思う。それにしてもMBP3.1と4.1でこれだけ違うとは思っても見なかった。3.1を手元においておく意味も出ようというものだ。

●すなわち、ちょいと大変でしたが64bitを止めるつもりは毛頭ありません。特に、Vista64bit(SP1)+Orpheusの音はとても素晴らしい。PC_Audioさんに教えていただいた「Windows Sysinternals」などという管理ソフトもあるので、まだまだ可能性があるというのは楽しいことです。
 Mac 雪豹も出たばかりだから、これからこなれてくるでしょう。今は楽しんで聞きながら整えながら、バランスが取れていくのを待ちましょう。でも、こんなんだったらUbuntuでホイと鳴らす方が楽ちんで楽しいかも知れない、という気もかすめるのでこっちも勉強しまっしょ。

 ということで、今段階での64bitはやはりファイトマン、もといファイトパースンへお勧め、と言う事になりますが、実は最近のWindowsマシンでしたらスッとVista64は入るので、一度はお試しいただいて良いと思います。
 そうこうしているうちに、これからはLinux、あるいはエコな手回し蓄音機の時代かもしんないな。

●ということで柄にもなく時代を先取りするためにマシンと格闘する日々はやんぴして、ワシも一休み。いろいろCDがとどいているので明日の京都などに思いを馳せつつ、音楽をゆっくりと聴こう。来週はお客さんもあるかも知れないし、珍しいモノを聞いてもらおうかと、ウブントゥ君と戯れよーかな。

○風が樹々の派を揺らせる音に気づき、ほの暗いし「雨かな?」と思う間もなく、ゆっくりと降り始めてきた。春の雨も良いが、秋の雨も暑い日々の後はまた格別だ。

 2年前にヘルシンキやハメンリンナでお世話になった方々がもう昨日から来日して、今日から豊岡市の出石永楽館で「いつもの風景 Takeno-Hauho」というフィンランドとの交流イベントが始まっている。
 明日は京都・徳正寺で開催される。字幕翻訳には関わらせてもらったので、現代の名刹でそれがどのように写って見えるかとても楽しみだ。秋の京都でゆるりとしたい。
 明後日の夜は大阪・中央公会堂で最終日。地元なので、お手伝いもさせていただくつもりだ。

 さて秋もこれから更けゆこう。朝夕も冷えはじめて、紅葉がもう始まっている。これからは時の移り変わりを楽しむ季節だ。


2009年9月11日(金)
ロックンロールにゃ年だけど、死ぬにはちょいと早すぎる。adds for "Linux"

 僕は結構中長期プランを常に見直しながら進むというのが好きで、ただそれにはあまり囚われないようにしたいとも思っている。

●デジタルオーディオに関する長期プランの一つに"Linux"がある。この間トリプルブートの関係でベースはUNIXであるMac OS Xのコマンドラインを何回か使った。で、これはMS DOS(ディスク・オペレーティング・システム)のプロンプトなどとは違い、もともとがコマンドラインベースなのだという実感を持った。つまりMacOSはいじれない云々というのはこのあたりを分かっていなかったのだという事に気がついた。

 ただ、一からUNIXコマンドを勉強するにはちとわしはオジンすぎる。ジェスロ・タルじゃないが「Too Old to Rock 'n' Roll: Too Young to Die!」「ロックンロールにゃ年だけど、死ぬにはちょいと早すぎる。」ってとこですか。ちなみにジェスロ・タルの愛聴盤は「Thick as a Brick」と「Passion Play」。ヘルシンキに行ったとき、帰国する前の日に彼らのコンサートがフィンランディアホールであったので、いくかどうかさいごまで迷った。結局疲れていたのと、打ち上げ優先にして行かなかったけど、今でも後ろ髪を引かれる思いだ。(前髪はないけど、うしろはまだあります。っと、捨て身技いってみました。)


 1976年製で代表作の一つ。
 どういうわけか、あまり良いLPが手に入らない。じっくりと探します




●チョイト話がそれましたが、Linux。やっぱおいら程度には多少重くてもグラフィカルなUbuntuあたりだろうと目鼻は付けておりまして、そんでチャイニーズBTOにWindows7RCとセットでインストールしたりしていたわけです。あの鮮烈な音を聞くと、OSって何なんだろう、と思うし、何よりも未来を感じるわけです。再生ソフトだって、今僕はAudacious+ALSA直結を使っているが、他にも目白押しに特色のあるモノが控えている。選び放題という贅沢な状況だ。あ、ALSAというのはASIOやCoreAudioのようなLinuxサウンドドライバです。ASIOがないなら~、ALSAがあるさ~、って素面です、わし。

 今回、MacBook Proに"Linux"のパーティションを確保したので、当分はUbuntu9.04 リアルカーネルを使い、9.10で64bitにもチャレンジしようかと。Mac Miniに8.04の64bit版がインストールできたが、その人の場合反対に32bit版はうちでの64bit版と同じ現象で進捗率95%で止まってインストールできなかったそうなので、まあいろいろと試さないと分からんかな、と。
Debianはともかく、1遍Fedoraあたりでも入れてみようかな。

 で、LinuxはFFADOというFirewireドライバの開発に努力していて、幾つかの1394インターフェースは既に使えるとのこと。オルフェウス君のBridge.coとワイス君のDICE2チップはどちらも有望株らしい。だから、とりあえずには安いインターフェースを1台買って、そこからデジケー(できればカナレDA206+ノイトリック・デジタル用110オームAES/EBU原価2千円)でオルフェウス君やワイス君にお目もじ出来るようにしたい。

 Linuxは何せ手探りだが、自分がネチズンであること、もし「人のために何か出来たらそれは素晴らしい」という事を実感する。おいらの場合は音楽再生かな。
 ただし工夫とスキルは必要だ。ペンギンに出会うまでは結構骨です。要勉強


 それと、未来に向けて「組み込み用」としての使い方を探りたい。ラインナップを決めてあとは固定したものとして性能を発揮する。問題はDAだな。ALSAってI2Sで出せるんだろうか?

 それまでは当分の間USB1.1のインターフェースで使ってみる事にしよう。これでも聞いたら驚くと思うよ


2009年9月10日(木)
ようやくのことで....

●この日・月曜日とイベントがあり、特に月曜日はいろいろ大変そうなので、オーディオも早めにまとめてそっちへも注力しなければならない。

 今日はNuendo4 on Vista64bitで聞きました。オルフェウス君のパラメーターもいじらなくてはならず、ひたすらサービスを削ったりしては「どうだ!」と聞き比べる果てしない時間。「今日はこれくらいで堪忍しといたるわ!」という感じで、ようやく納まりを見た。案の定Vistaはサービスの数も多く、XPとは違うものも多いので判断に困ることもある。勿論、カスタマイズ本も読んだけれども結構やばそうなのもあるので、音的にどうかは聞いてみないと分からない。まずNuendoが起動して喜び、音が出て喜び、さてどうしよう?という繰り返しで経過など思い出す気にもならない。ちゃんとメモにして残してあるけど。

  はばかりながら64bitでおます。
  ま、厚化粧を落とせば、かなり堅牢で動きも悪くないOSです。
  そうすると7に期待が持てるかも



 Intel Mac上のWindowsはEFI起動なので、True Imageのようなバックアップソフトは使えない。そこでバックグラウンドでウゴウゴしているのは分かっているが、「システムの復元」を活かしておき、まめに復元ポイントを自分で作る。どこでどんな不具合が出るとも限らないので、ちょうどいいタイミングに戻れる可能性が高くなる。


 音について結論から言うと、ニコニコさんの言葉を借りると「もう32bitには戻れない。」というところです。ボトムまで広がるような懐の深さと、濃く出るニュアンスとディテイル。色数が多い。結構じゃじゃ馬的なところもあるが、馴らし方はいろいろある。嶋護さんのお薦めの1枚、チャイコフスキー「ロミオとジュリエット序曲&交響曲4番」マリン・オルソップ/コロラド響(香港NAXOS)では、はじめてグランカッサのロール音がはっきりと地鳴りのように響くのが見えて驚いた。こんなに音が良くて演奏も良くて、しかも安い。超お薦めの1枚。

  (Naxos 8555714)

 これはいいCDです。このシリーズのオルソップを何枚か買おうと思ってます。
 といっても、オーディオベーシック見て日英米にポップス・ジャズ系のCD注文しちゃったので、その後ですが。

 どうもLPならともかく、この系統のCDはそれなりに信頼できる人が書いていなければ、買う気になれないのですね。届いてラウドな悪い音だったら、落ち込むもんね


 雪豹は?それはまた別のお話。これでも結構忙しいんじゃよ。

●さて今日は嬉しい話が2つ。もう4年ほどやりとりが途絶えていたあの高円寺のオジサンと久しぶりのメールのやりとり。いろいろあるようですが、でもやっぱ人柄だよなあ。会って話したいと思えるかどうかだよなあ。

 もう一つは、忙しくて僕からはアナウンスもしなかったが、東京のIさんの手を煩わせていたジュンフロン線の同軸ケーブルアッセンブリー(両端BNC)が皆さんの所へ、僕の所へも届いたこと。僕のはDTR142だが、RG142よりもやや太い感じでずっしり感がある。最近バカ高いLANケーブルとか出始めているし、もうすぐバカにお高いUSBケーブルも出てくるだろう。規格はさておき素材と理屈でお金を取る。
 業務用ケーブルの凄いところは規格をきっちりと実現してなおかつ安くて性能が良いことだ。いろいろ聞き比べたが、十数万のAET(75オーム)の次に音が良かったのは、原価2千円のカナレDA206+ノイトリック・デジタル用110オームAES/EBUだった。もしXLRを使えるならクロックケーブルにもってこいだ。


2009年9月9日(水)
そして........
 英PrismSoundからケンブリッジで12日に「Sadie」の新製品の発表をするから来ないか?というメールあり。いけるわけないが、DSDの編集機で有名だったブランドだし内容は興味深い。じっくり読んでみよう。
 録音制作側ではこうして良い音への努力が続けられている。パッとしない再生側ではどうだろう?リマスター?So what?

ご存じオルフェウス君の親元です。英国はケンブリッジシャーだそうです。

 今日、オーディオベーシックの10月号が届いた。今回は高品位音源のフォローシリーズ初回を書かせてもらったが、実は活字ではあまり具体的にかけないものの、音源側ではいま大きな地殻変動が起きている
 ひとつはベルリンフィルの「デジタル・コンサートホール」に代表される「映像付きのストリーミング音楽鑑賞」だ。これは数年前にNYCメトロポリタン・オペラ試みられて成功して以来、あちこちで具体的な動きがある。オーディオ側からすると、これは映像付き、かつストリーミング、と言う点でネットではあるが、放送に近いものかもしれない。録画を買う人がいるとしても、要はオーディオが食い込める余地があるかというと、まず難しいだろう。つまり、食われる。

 映像付きなら情報量的にオーディオは絶対に負ける。リアルタイムなら尚更のことだ。



 アマゾンで送料無料というのが買いやすくてお薦めです

 そしてイギリスの「スポティファイ」。オンデマンドのMP3音楽配信サービスで、再生ソフトこそPC側にインストールしなければならないが、音源は「向こう側」にあって、サーバ内には整備されたDBと検索システムがあり、自由に「選曲」して聞くことが出来る。3曲に1回程度CMが入る無料バージョンと月1500円程度のプレミアムバージョンがあるが、いずれも「聞き放題」。EC圏内にサービスが拡がりつつあるが、これが普及したらアップルのiTunesビジネスモデルは立ちゆかなくなるだろう。なによりももうこれは殆どクラウドコンピューティングの世界なのだ。
 
 では、クラウドコンピューティングの何が問題なのか?DBだけでなく、そのうちに音源は映像もセットで全部向こう側に行くだろう。となると、ユーザー宅には大型TVやせいぜいがホームシアターぐらいで、ハード機器も音声もセットでいわゆるAVに持って行かれることになる。AVならまだいいが、「デジタルですから」中身はもっと落ちるもので良いという事になるかも知れない。「どうせ先の話さ。そのうちおいらも定年だ。とりあえずUSB端子ぐらい付けてうちもやってます、ということにしとこう。」と考えている向きは、気がついたら誰もいなくなった、という事になりはしないか?
 問題は音源の側なのだ。別に技術的な事もいろいろあるのだけれど、まずは音源を取り返しに行くつもりでやらなければ、未来はさらに厳しいだろう。

 PCのことばっかりやっているように見えるかも知れないけれども、結局こういう所にもつながってくるのです。音楽が好きなので。
 それにしても初心通り、もっと軽う行かにゃいけんのう。じたばたが多い。


2009年9月8日(火)
音出しの前に大山小山。~RAMDiskとNuendo4のランタイムエラー

 ようやくVista64とMac雪豹で音出し。というか、オカンがショートステイでお泊まりに行った隙に聞いただけなので、本格的にはこれから。

 とりあえずVista64の方。大山・小山といくつもヤマはありましたが、大きくは2つ。

【RAMDisk】
 まず最初の一つは準ゼロスピンドル化のためのキモのRAMDisk。去年入手しておいたQSoft Ramdisk Enterprizeがどうも不調でうまく設定できないので、いろいろ探してDataram社の Ramdiskにした。

 実際にメモリを製造しているだけあって、ノウハウはかなり高い感じがする。最近のサーバ関係でもこの種のアプリは用いられているようだ。音質も大事だが、まず安定して信頼性高く動いてくれないと、ページングファイルのようなシステムに直結するファイルは置きにくい。

 ページングファイルはレジストリエディタで確認したので、間違いないと思う。
 TEMPフォルダの中にはいろいろと溜まっていくので、実際に使われている様子が分かる。まあ、時々クリーンアップしてやらにゃいけませんがの






 これが4GBまでという制限はあるが、Version 3.5.130RC3で何とフリーのソフト。普通ならこういうRCモノには手を出さないのだが、サイトをざっと見るとメモリそのものも製造しているかなり大きな会社のようで、サーバ用などに向けて各種のソフトも製品化しており、企業にシステムを提供する体制もあるようだ。つまり十分しっかりしたバックヤードがあっての「フリーソフト」なのだ。

 マニュアルが素晴らしい。他のメーカーのカタログを膨らませた程度と違い、RAMDiskはカーネルモードのドライバであって、インストールする場所はここ、というような詳細な説明があり、デバイスマネージャ付属ではなく、右のような機能的な操作画面で独立した管理プログラムが設けられている。Dataramのソフトは実にしっかりとしていて、動きもスムースだ。
 そして素晴らしい事にアンインストールもちゃんと出来る。こういうのはメタルに近いドライバなので、通常のアプリケーションとは違い地縛霊のように居着いていてなかなかしぶといのだ。実はQSoftもクリアにアンインストールが出来ないので、メモリ診断ツールでチェックした上で、Vistaを再インストールした。いくらクリーンインストールといっても複数回やると、何か尾を引くものがあって好ましくないが、致し方ない。

 あれこれ工夫してページングファイル(仮想メモリ)を1GB固定として、またTEMP/TMPの環境変数・一時ファイルもちゃんとRAMドライブ(B)に置くことが出来た。これらは一時的なファイルなので、システムドライブで保存すると都度都度溜まってドライブの中がずたずたになってしまうし、HDDやSSDに余計な動きをさせる事になる。この設定でずいぶんとHDDの動作音が減った。
 
 ただ動作音は低くなったとは言え、常にギコギコ動いていてやかましい。Vistaというのはいろいろと厚化粧が施されていて、例えば検索のために全てのドライブを回ってインデックスを付けたり、先読みしてあらかじめ立ち上げをしたり、お節介な機能がたくさんある。
 今日はオカンを送り出してから午前中で出来る範囲で、あれこれ不要機能を切りに行ったが、まだまだあって先は遠い。


【Nuendo4のランタイムエラー】

●もうひとつのヤマはRMADiskにインストールしたNuendo4の起動時にVisual C++のランタイムエラーの警告が出ること。

  Microsoft Visual C++ Runtime Library Runtime Error!
  R6034
  An application has made an attempt to load the C runtime
  library incorrectly. Please contact the application's
  support team for more information. 


 具体的に出るのはMpeg1 Layer3の起動のところ。ランタイムモジュールが無いというのではなく、その使い方の問題らしい。途中で止まるし、初めは「なんじゃこりゃー!」と思ったが、Nuendo.comなどで調べるとVista64ではみな出ている現象のようだ。いろいろあっても、動くのは動いているらしい。32bitのプラグインが、とか書いてあったりしたが、4.3までアップデイトはあってもSteinbergはこれには何も対応しておらず、いまだに解決していない問題らしい。プレビューバージョンだから、ということかね~?5が出る前に、まあ後でも良いから解決して欲しいもんだ。
 どっちにしても我が家のNuendoのカスタマイズ計画では、WMAとあと1個以外はMpeg関係も含めてVSTプラグインは全て切る。そのカスタマイズやOSの一部最適化の後、いまのところ警告は出続けるが特に支障なく音はスムースに出ている。




 ○マイクロソフトにとっては64化が必要かつ重要なのは、間違いないらしいが、なかなか普及が進まない。

 また64bitといっても周辺機器や他のソフトとの関係もあるので、スタジオでも予算の制限もあって突っ走りにくいらしい。

 まあ我々のような酔狂な人間ばかりではないと言うことでしょう。
 大変ですし、音が良くなければ求めなければ、フツーここまではやらなくて良いです。

  で、nuendo4では64bitはサポートなしのプレビューバージョン。でも5で正式対応するからそっちを買えって事になるのかね。うう、いろいろ付いて重くなっていきがちだし、やなこった、気になるけど


●実はその後、カタツムリでCDを聞こうと走らせたときに全く動き出さないので、「すわ!」と思ったが、よくあることでfoobarとかuLilithとか他のアプリの出力がASIOになっていたため占有されていたようで、これらを外したらすぐ動き出してホッとした。
 ちなみにPCをいろいろとさわるときにはヘッドフォンで良いから音がちゃんと出るかどうか都度都度確認しておいた方がよい。一例としてXPでDCOMというサービスがあって関係なさそうなので切ったら、Nuendoそのものが起動しなくなって慌てて戻した事がある。いろいろやった後にトラブると、どれが原因か切り分けが難しくなるからね。

 ということで、今日は途中でエネルギー切れしてバタッと昼寝をして何とか社会復帰してから、夕方に少しだけ音を聞いたわけだ。でも長くなったので、これはまた明日。ああ、まだPCオタクっぽい記事だなあ。


2009年9月6日(日)
Windowsのセットアップ 「選択と集中」

 
新MBPのVista 64bit 起動後アイドル時のプロセスの状況。これでも下の方は切れてしまって見えていないので、実際にはもう少しあります。
 おまけに、まだインストールしてさえいないソフトが何本もあって、本当はこれからですが....。


 でもこうして見ると、本当にPCオタクのブログみたいに見えるなあ。(笑)


 百聞は...で見たもらった方が早い。「Process Explorer」というユーティリティソフトがあって、我が師匠PC_Audioさんに教えていただいたものだ。

 プロセスとは「OSからメモリ領域などの割り当てを受けて処理を実行しているプログラムのことを言う。OSの機能の一部を実行するシステムプロセスと、ユーザの支持で実行されるユーザプロセスがある。」(IT用語辞典e-Words)

 もちろんこの中には複数のサービスソフトウェアが含まれているものもある。右上がMacBook Pro4.1に今回rEFItトリプルブートでセットアップ中のWindows Vista 64bitの起動後アイドル時のProcess Explorer画面。あんまりと思われるのは一部起動させていないが、ほぼデフォルトの状態で48本だ。

 32bit(メモリ実質3GB)と64bit(メモリ4GBフル利用)という差があるが、ほぼデフォルトでどういう音がするのか確かめてから進みたい。

 今、これもPC_Audio師匠に教えてもらった「RAMDisk」をいろいろと試しており、できれば今日中にはセットアップを完了したいと思っている。師匠も最近おそらくはお仕事が忙しいのと、まだ夏ですから地元の活動などに時間を取られてなかなか更新を拝見できませんが、いつも有り難く思っております。


 一方、上が今回予備役に退いたMacBook Pro 3.1のWindows XP SP3の起動後アイドル時の「Process Explorer」画面。わずか14本しかないが、これはいろいろやって不要機能をあれこれと切り、音楽再生専用機としてパワーを集中するための最適化を行った結果である。
 
 逆に、ここまで丹誠込めて仕上げると、できればこのまま32bit環境として置いておきたい、という気持ちになるのもお分かりいただけるだろう。
 ちなみにいろんな音源を参照するので、explorer.exeは切っておりません。


 僕は工夫してこうやっていますが、こうしなければならない、と言っているわけではないので、念のため。まずは適切な情報提供を行い、それを採用するかどうかは当然ながらご自身の判断です。


 で、「ノートを使っている人」といつも言われるのだけれど、ノートもデスクトップも何とかとハサミで要は使い方なので、外観だけにこだわらずにこの際なぜこうしているかについて、認識を新たにしていただけたら有り難いと思います。

1.64bitでフル活用できるメインメモリ4GBのうち2GB程度をRAMDiskに設定する。

2.RAMDiskに入れるもの
(1)再生アプリケーション
(2)システムの仮想メモリ(いわゆるページングファイル)
(3)今回はTEMP/TMPの一時ファイルにもチャレンジ

 
3.光学ドライブも外付けなので、本体の回転系であるHDDをどの程度回すか、というより回さないかがポイントです。すなわちアプリ自身に関してはHDDをほとんど回さず、かつHDDへのキャッシュを一切せずにRAMDiskで対応し、できれば一時ファイルも同様にHDDを回さない、という考え方です。

4.こうする事により、実行速度が遅いHDDは殆ど使わず、期待はずれのSSDよりもはるかに早い物理メモリ中心に演算用ノートとして準ゼロスピンドル・システムを回していく、という基本ポリシーです。



 それにしてもSanDiskの新型SSDは発売が遅れている。やはりファイルシステム再構築が難物なのだろう。



2009年9月4日(金)
MacBook Pro でトリプルブート成功!

●いえい!やったぜ!出来てみるとスムースだねえ。右の画面から林檎(64bitカーネル)、ペンギン(Ubuntu 9.04 32bit)、旗ボー(Vista 64bit)のどれかをクリックすればそれが起動し、放っておくと左端のMac OS 雪豹が起動する。

 前回とは様変わりでスムースな起動。

 それにしてもMac OSは元々FreeBSD系のUNIXなので、Linuxとの相性も悪くなくて、その辺りが幸いした組み合わせ。

 うちのMacBook Pro は64bitカーネル起動だが、その状態ではrEFItは「Power PC系」だと拒否されてインストールできない。
 3と2のキーを押して32bitカーネル起動してはじめてインストールできたとか、いろいろと難しいことが多い。


 やれやれ、音楽のためにやっているので、PCオタクでもオーディオマニアでも無いつもりなんですが、結局深入りせざるを得ないのは、これからは「Linuxの時代」かも、という思いがあるからで、それ以上のものではないのです


●資料を整理しているうちにBoot Camp でトリプルブートという一連の記事が目に付いた。2006年頃なのでちょっと古いがパーティションや起動についての基本を整理してあって、これを読むうちに頭の中が整理できてきた。
 で、結局分かったことは大体が次の通り。(いずれまとめます。お待ちあれ。)

1.Intel Mac上で、Mac/WinL/inuxという3OSを問題なく収容できるパーティション・ツールは、結局Mac のディスク・ユーティリティしかない。

2.Windowsが使っているMBR(マスター・ブート・レコード)では4つのプライマリ・パーティションしか扱えず、加えてWindowsを最後の4つめに「Cドライブ」としてインストールしなければならない。

3.Windowsが認識できて、かつトリプルブートに支障のないパーティションはFAT32しかないので、Mac のディスク・ユーティリティでFAT32パーティションをまず作成する。(この場合は32GB以上のものも問題なく作成できる。)
 それをインストール時に必要に応じてNTFSなどにフォーマットし直せばよい。

4.Windows Vista 64bitはEFIをサポートしている。

5.前回Ubuntu 9.04(32bit)のインストールがややこしくなったのは、GRUBローダーがデフォルトではMBRを書き換えてしまうので、それをどこにインストールするかという問題であり、Ubuntuと同じパーティションにインストールするように設定してやればよい。そうすればUbuntuがWindows起動も握ってしまうことにはならない。

6.マルチ起動ソフトとして「rEFIt(レフィット)」をMac OS にインストールする。


●で、Ubuntuに何を入れるかだが、まずUbuntu 9.04(64bit)はインストールが途中で止まり、サイトを見てもこれであきらめる例が多い。Ubuntu Studio (64bit)は、グラフィカルなインストールではなく詳細画面があり、多分できると思うが、よく考えるとLinuxはもともとドライバなどの互換性の問題を抱えており、そこへ持ってきて(64bit)というのはさらに制限を加えるわけでちょっと考え物だ。おまけにStudioは必ずしも評判が良いわけではない。そこで、前回も不安定とは言えほぼインストールができた無印Ubuntu 9.04(32bit)を使う事に決定した。これをば、リアルカーネルその他で強化するのだ。

 その後の各種資料も整理して、Macのターミナルにいろいろとコマンドを打ち、結果を確認しながら、完成にこぎ着けたという次第。明日から設定を詰めながら、試運転に入ろう。

 まあ、冷えたギネスも開けたし、今日はさっさと寝よう。

p.s.最近、殆どコンピュータオタクと化しつつありますが、オーディオもやっておりますし、明日から社会復帰します。
 例えばMacBook Proに入れたメモリや底面の非シールド部分には、EMC対策として10GHzまでノイズ抑制するTDKの「フレキシールド」シートを貼っています。

 オヤイデのテープが無くなったのでこれに替えました。僕はRSオンラインで買っていますが、「TDK IRL03」でググればショップも探せます。
 いろいろありますが、ノイズ対策もこまめにやりましょう。歴然たる音質の違いがあります。デジタルがやかましく聴こえるとしたら理由のひとつはノイズです


 「シートフィルタ」と呼んでいるショップもある。結構高いものもあるので、性能と厚みとサイズをよく見て選びましょう


2009年9月3日(木)
Win/Macは64bitダブルブート、ペンギン君は別マシン

 はりきって三番目のOSであるUbuntuのトリプル・インストールにチャレンジ。ネットで先達各氏のこれまでの取り組み例を見ても手強いだろうとは思っていたが、Ubuntu Studio 9.04 64bitはインストールできたものの、ローダーの問題かパニックを起こして起動できなかった。いろいろ選択肢を工夫したが、結局うまくマッチせずあきらめた。
 Ubuntu 9.04 64bitの方は、進捗率95%の「言語パッケージをインストールしています。(mouseemu)」のところで固まってしまって、にっちもさっちも状態で、電源を切ったらアイコンが出来ているので一応起動してみても、リカバリモードのように一杯ざーっと出てきてコマンドを要求するので、これもいろいろ工夫した後にあきらめた。
 最後に一応Ubuntu 9.04 32bitも試してみたが、挙動不審でアップデートも出来ず、これも使い物にならないので早々にあきらめた。

 で、今回期待の起動ソフト rEFIt だが、いちばん使用頻度の高いWindowsを選択すると、予想はしていたもののUbuntu を起動する GRUBローダーに移ってしまい、とても事前設定で自動に立ち上げることが出来そうにない。主としてWindowsで音楽を聴く僕にはちょっと向きそうもない。おまけにUbuntuをアンインストールしても、ローダーだけは残っていてそこから起動しようとするので、当然転けてしまい、Windowsの起動もできない。

 もっとLinuxのことをコマンドから詳しく知っていたらともかく、現時点では基本に戻った方が良いと判断して、全てチャラにして雪豹から入れ直すことにした。Firewire800で接続して現行マシンから移行するととにかく早いので、雪豹の再インストールには全然ストレスを感じない。

 勿論、Linuxは勉強を続けて何とかものにするつもりだが、UbuntuはやはりWindowsマシンに織り込むことが前提で作られているので、起動方式が違うMacの中でトリプルというのはかなり欲張りな話だし、今回 rEFIt を使ってみてもLinux中心ならともかく、力のいれどころが違うという感じだ。
 いずれにせよペンギン君とは別マシンで会いましょう、だ。(こっちはCoreSoloなので32bitですが。)

 いまは何よりもWindows/Macとも安定した64bit環境を確保できたことを喜ぼう。そして、まずはデフォルトで流してみて、音楽を聴きながらゆっくりと設定を詰めていこうと思う。これはチューニングと言うよりも音楽再生というほぼ単機能に集中するわけだから、「音楽再生用環境最適化」と言った方が良いのかも知れない。
 とにかく、これで音楽だけに集中できる。


 ふう、疲れた。もうOSインストールは当分やりたくない。ATOK2009でも入れてちんたらと遊ぼう


 起動の仕組みが違うOSをダブルブートするいう点では、Boot Campというのは良くできていると改めた感じた次第。
 Windowsに加えてインストールDVDなども起動できるので、Boot Camp で3つ以上も扱えるはず。やるなら今度はBoot Camp だろうが、さてさて.......。


2009年9月2日(水)
秋色

○昨日MacBook Pro(MBP) ver.4.1が届いたので、早速雪豹君をインストール。6と4を押しながらブートしたらちゃんと64bitカーネルが起動していた。もちろん毎回64キーを押すわけにも行かず、ツールを使ってブートに支障が出てはいけないので、ターミナルにコマンドを書き込んで以後OK。
 あ、これに決めた理由の一つは、このバージョン以降はチップセットがnVidiaになり、Linuxとはどうもなじみが薄いこと。Ubuntu開発チームはIntelチップセット用のグラフィックドライバを開発したりして、Intelとはなじみがあるので可能性が高いと思う。

 で、Vista64bitはアップグレード版なので、OSが先に入っていないとインストールできず、XP SP2→Vista64bitとインストール。めんどい。
 何せ Intel Mac でのトリプルブートは結構大変で、このあとまたやり直しや紆余曲折あるが、その辺りは今後の参考に別ページでまとめます。(元気があれば。)

◎BTW. 閑話休題。月の変わりと示し合わせたように、いきなり秋色が濃くなってきて、とても嬉しい。昼も窓を開け放てば、日によっては少し汗ばむ程度で過ごせる。どこか暑さに身構えていた肩の力を抜いて、ようやく芯から休まっていくような気がする。
 公園を散歩して、空の色を飽かず眺める。お気に入りの場所は何の変哲もないが、ただ周りの樹が少し高く影が濃く出来る。これからは虫たちの音が夜々の通奏低音になり、紅葉が秋色の階調を奏でるだろう。季節の緩やかな巡りをこうして感じ、そのなかに共にいられるのはこの国に生まれたことの恵みである。

この寝ぬる 夜の間に秋は 来にけらし 朝けの風の 昨日にも似ぬ
  
(後徳大寺左大臣「新古今和歌集」)

 この秋は沖縄の友人と京都に紅葉を見に行こうかと話していた。沖縄には紅葉がないのだそうだ。

 貴船か鞍馬か、もっと市中でも良いか。


2009年8月31日(月)
アノネ、オッサン、ワシャカナワンヨ。

◎こんなFAQの中に入っていたのか?それもリリース前日に。まずは我がところのサイト検索でちゃんと出るようにしろよ。
「Boot Camp 3.0, Mac OS X 10.6:よくお問い合わせいただく質問 (FAQ) 」


 でも雪豹君のインストールディスクを入れるとMacBook Air のBootCampドライバのリモートインストール用らしきのが第1層にあってAutoRunもあるものだから、まずそれが立ち上がってくる。「なんか変だな~。」と思いつつ、具体的な情報がないし、あちこち覗くとその下に入っているんだな。各国語のReadMeが入っているが、ご丁寧にちっとばかりルートの場所は間違っている。まあ、WindowsからMacのHFS+ドライブのなかを読込みだけでも出来るのは嬉しいし、改善もされているみたいだが、FAQには相変わらず特定機種以外はWindows64ビットはインストールできない、サポートしているのはXP SP2とVistaのみと書いてある。

 ところが昨日(30日)買った「Mac Fan」にはそれがVistaや7RCの、それも64ビットまでをサポートしているんだと書いて画面も載っている。64ビットカーネル起動の件は毛ほどもない。なんなんだろうこの無手勝流の情報管理は?64ビットにこだわるのは一部だし、Boot Camp には理由が成り立つと踏んでいるのか、よー分からん。
 結局FAQで残していくのが、林檎的アリバイ工作のようだ。秘密主義もサプライズも結構だが、それはリリースするまでの話だ。リリースした後はもう少しきっちりとやれよな。仕様なら仕様、調査中なら調査中で良いからさ。
普及がどうたらなんて寝言は要らんぜ。

 まあ、今のMBPは現状でフリーズしたまま32ビット用にして、明日届くMBPは一から64ビット用にしようと言うことくらいしか、思いつかん。出たとこ林檎屋にはつきあい切れんよ。わしゃもうLinuxに走るぞ~、っちゅうてもあかんやろけど。



 Macユーザーって前から思ってるんだけど、マゾ傾向があって、なんかやられても、アップルだからねえ、と逆に嬉しがって許しているところがある。
 前から思ってるんだけど、やはりこのギョーカイもおかしいぜ。

 ということで64ビット関係など今はまとめようもなく、書く気無くしました。音出しに徹して都度都度書きます。

 FFADOがんばれ!未来は君たちのものかも






●民主党が300議席を超え、自民は閣僚クラスもばたばた落ちて半減以下。おそらくドタバタの喜劇が始まるだろう。それなりに面白いだろうが、諸外国はどうも存在感がなさ過ぎて興味すら失いつつあるみたいだ。ハトヤマ兄もすぐに馬脚を現すだろうし、かき回してどうにかなる可能性は凄く低いだろう。こっちもつきあい切れんよ


2009年8月30日(日)
良さげな雪豹君

 今のところ我が家の3台のMacはどれも64bitカーネル起動はできていない。iMacなどおかしくて、日本語入力のATOK2006がカスケードになってクリックしてみたらRosettaを起動せよ、という。はいは~い、そこまでする気はないんで、ATOKの新しいバージョン入れまんがな。

雪豹君、吼えますかどうか。
 で、MacBook Pro 3.1(MB895JA @Late 2007)でNuendo4をクリックすると、"Aplication"になっているとか訳の分からんメッセージが出る。最悪再インストールじゃい、MacでNuendo4は設定が大変だけど、と腹括って続行すると起動したが、今度はオーディオ・インターフェースの認識が上手くいかず、全体をリブートすると今度はOK。まあ、そのうちNuendo4のアップデートもでるじゃろうて。

 前と同じくワイス君で聞くがこれが良いのだ。以前の太め・控えめでさえあった感じが、ぐんと引き締まって出るべきところは出る。つまりくびれ感がある。(相対的な表現です。誤解無きよう。)
 これなら相当聞き込める、というか今日はずっと14世紀=トレ・チェントにいるつもりだったので、そのままずっと雪豹・ワイス連合軍であれこれ聞いた。でも、1曲づつしか再生できないのは何とかならんもんかね~。

 じつは秋葉館でMacBook Proの MB133JA@Early 2008の新品未使用・1年保証付きがヤフオクなんかよりもずっと格安で出ていたので即注文して、これが火曜日には届く。Sumsungのメモリも4GBオーダーしたので、目一杯積んで、今度はMacも64bitカーネル起動するし、Vista 64bitもインストールできる(はずだ)。最適と思われるインストール・設定手順を整理できたので、どうなるか楽しみであります。

 ちなみに僕が64bitと言っているのは、なんといっても先に64bit導入した耳の良い友人達が、誰一人32bitに戻らず使い続けているからだ。音が良くて音楽をより良く聴けるなら、まずはやってみる。これまでの経験でいくと、理屈は後からでも見つかるもので、今から頭を固める必要は無いだろう。勿論、64bitがバラ色なんて思ってないし、固有の問題があることも一応知ってるが、まあまずは楽しんで遊びたいではないか


TRECENTO(トレチェント)
 1300年代=14世紀のことをルネッサンスを中心とする歴史学ではこう呼ぶことが多い。ジル・フェルドマンの透明で美しい歌声でつづる雅やかで切ない中世末期のイタリアの音楽。


2009年8月29日(土)
雪豹君とりあえずインストール完了

 我が家の3台のMac(常用iMac 24inch、音楽再生用MacBook Pro 、予備・寝室用MacBookクロ)に若干紆余曲折あったのですが、Snow Leopardを無事インストールしました。音はまだ出しておりません。


 Webでいろいろ論議されている64bitカーネル起動についてはちょっとややこしいのですが、林檎屋さんも「64bit完全対応」などとモロに喧伝するから皆すぐにそうなると思いこむわけで、「主要アプリは64bitで立ち上がりますが、64bitカーネルについては機種によって起動できるものと出来ないものがあります。また、現段階で起動できないものでも、今後のEFIファームウェア・アップデートに伴って順次起動できるようになるものもありますが、今確定的には申し上げられません。」とでも言えば良かったのにね。
 この記事なんかが冷静な感じで良いかと思います。
「Snow Leopardの64bit対応はインチキなのか - "移行"について考える」

 ほんでもって私的に一番関心のあったMacBook ProのEFIは現段階ではアップデートできとらんのよね~。で、たまたま臨時収入があったので、これは神のお告げだと拡大解釈して手配をば講じました。来週こそ、今度こそ本当に、MacもWindowsも64bitモードの音を聞けることと思います。For Buddha's sake.

 ふむ、いろいろと勉強になりましたが、ちょっと疲れました。この週末はお休みモードでちんたらとまいります


2009年8月27日(木)
訃報

 日本橋・アサヒステレオセンターの梅川社長が先日亡くなられたそうだ。謹んでご冥福をお祈りいたします。

 最近日本橋まで足を運んでいないので、ニュースを聞くのも遅くなってしまった。はっきりした物言いをされるかたで、昔はお客に対しても容赦ないことが多かった。梁山泊のように多士済々でオーディオ全盛期のあの頃が本当に懐かしく、現状を思うと本当に残念だ。


 あの声を聞けないと思うと、寂しいです。




 これから先輩や同輩などの訃報に接することがさらに多くなるだろう。そのたびに己のこれからを考えざるを得ない。もう後悔は山ほど抱えているのだから、これ以上は必要ない。自分の事をこれ以上嫌いになりたくもない。志を保ち、なんと言われようと節を通そうと思う


2009年8月26日(水)
64ビット3兄弟の行方
○今日は3OSのトリプルブートのための手順を確認する。Linuxのパーティションをどこに切るべきか、rEFItのサイトと実際にやった人のサイト記事と少し違うのだが、実際にUbuntuをインストールした経験から、現状をベースにrEFItのサイトの考え方でやってみようと思う。さ~て64ビット3兄弟のインストールが無事なりますかどうか?
 そして多分戻らないと思うがWindowsXP SP3(32bit)のディレクトリのバックアップを取っておこう。

◎で、これら一連の「作業手順書」を作り始める。実際はただのメモなのだが、こういうものの必要性は以前システム開発担当をしていたときにSEさんを見て学んだ。紙に書き出すと、とりあえずはそれを忘れて別のことを考えることができ、しかも明日の自分に引き継ぎが出来るからだ。
 ドライバ類は大体がUSBメモリの中に入っている。金曜日にはまず新MacOS雪豹君のインストールから始まり、この週末はセッティング大会になるだろう。上手くいくことを祈ろう。マイ・ブッダ。



○一方で、浅学の身であることは分かりつつ、いずれ64ビットについても書かなければならないので、Appleの「64-Bit Transition Guide」をダウンロードして(難しいので分かるところだけですが)読み始める。最初の「64bitについての誤解」からして面白い。


2009年8月24日(月)
サルバーニョ Salvagno

◎アメリカに注文していたCDが順次届き始め、今日はC.Arrau「ショパン作品集」7枚組が届いた。と、思ってよく見たら包装のセロファンに「Disc Made in Germany」とシールが貼ってある。折角ジャケットに「Philips」とあるのを確認して注文したのに、こりゃUniversalのハノーヴァープレスじゃないか。くそ~、こんな手があったのか。と言うことで、追って届く内田光子などがフィリップス・プレスであることを祈るのみだ。

C.Arrau「ショパン作品集」
安かったのに残念。古いのを探すほどかどうか、聞きながら考えまする。



○で、オリオ(エクストラ・ヴァージン・オリーブオイル)の話。以前いろいろと試飲させてもらったことがあり、その時の経験でははっきりとした「味」と「香り」があること、果実の油であることにまざまざと感じ入った。その味を料理の用途によって使い分けるのだそうだ。
 その反対の経験では、以前大阪市内に住んでいたときに「ご近所お食事会」にお呼ばれして、「じゃあパスタ作ります。」と手を挙げたら、「うちには食材も道具もいっぱいあるから、持ってこなくて大丈夫よ。」と聞かされて、それでもパスタとソースの材料だけは持っていった。で、オイルの瓶を見たらやたらに高価なイタリア製、舐めてみたら実にお上品なさらさらした軽いオイルで全然味がしない!塩はなんとか誤魔化しがきくけど、オイルはそうは行かなくてバランスがとれず、味見しながら塩を足したりして四苦八苦した記憶がある。
 それとヘルシンキでは結構イタ飯屋さんが幅聞かせていて何軒か行ったけど、どこもさらさら系のオイルでおまけにモッツァレラ・チーズはねばねばのジャーマンで、美味しくないわ胸焼けするわでうんざりしたことがある。

 で、南欧に住んだ経験もないので明言は出来ませんが、「オイルはソースのベースだ。」という知り合いのシェフ達の感覚とは違って、巷では「油は軽い方が良い」とどうもこういうさらさら系が良いオイルだという感覚が強いんじゃないかと思う。大阪市内にいたときにはいろいろ試して近所の高級食材スーパーにあったギリシャ製の「コウリキダス」が一番美味しく、かつお試し価格か非常に安かったので、せっせとこれを買っていた。が、多分「ギリシャ製」ということで日本では知られておらず売れなかったのだろう、1年あまりで姿を消した。ヨーロッパで一番古くからオリオを絞っているのは本場ギリシャなのに、濃厚でしかも青っぽい果実の香りもあったのに残念。

 あと、印象に残っているのは小豆島で収穫後特別に出来るだけ早く絞ったというサラダ用のオイルで、これは強烈な青い匂いと喉に残る強い刺激感があって、とにもかくにもオイルの存在感ありありだった。高価だったのでその後買っていませんが、産地の人はこういうものも味わえるのだなと思った記憶は、しっかりとある。

 で、夙川「アルテ・シンポジオ」の荻堂シェフに教えてもらって、それ以来「サルバーニョ」Salvagno一筋です。香りはさほどではないけれど、サラダにも火を使った料理にも両方いけて、とろりとしてしっかりとした腰のある旨味(うまあじ)で、安い。昨日それを切らしてしまってあわてて近くに買いに行き「ギリシャ製コロネイキ種オリーブだけを収穫後24時間以内に搾汁(コールドプレス)した」という文句につられて小瓶を買ったが、これまたあっさりさらさら系でほとんど味がなく、葉セロリ・クレソン・ベビーリーフでサラダをつくったものの、如何にサルバーニョが美味しい味だったかということを強烈に実感した。まあ、明日には6本届くので次は切らさないように気をつけなくっちゃ。



「サルバーニョ」Salvagno
 ググればやたらと一杯出てきます。500mlで@1580、1lで@2,900くらいでしょうか。ネットでも人気あるみたいデス。




◎今日からリサーチに入ったので、更新は状況によって休みます。飛び飛びになるかも


2009年8月23日(日)
全てお休みです

 今日は駆け込みの原稿を1本仕上げて送った。

 寝室で使っているMacBookクロに「Kaspersky Internet Security 2009 2年優待版」を入れてみたが、どんどん重たくなってきてFirefoxやダウンロード関係がほとんど動かなくなるなど全然駄目。で、捨てることにした。
 結局以前使っていたESET「Smart Secutrity V4.0」 をダウンロードで購入したが、やはり軽快で良い。ウイルス検知も良いらしいし、これで決まり。

 それ以外は全てお休みです。さて本も読んで、ちょいと映画でも見て、飲んだくれましょか。zzz


んん?これは一体何でしょ?


2009年8月22日(土)
ジャヌカン/鳥の歌

 今日は「GRFのある部屋」のGRFさん、そのブログに登場されているYさん、HYさんが遊びに来られた。
 我が家ではPCオーディオ(CDとHiResデータ)、SACD(ステレオとマルチ)、LPといたって音源の種類が多い。本当はBSアナログ放送の録画(音声は非圧縮Bモードステレオ、16/48でDVDに録画)もあるが、今日はそれ以外を駆け足で1時間半ばかり聞いていただく。
 実は何もしないと言いながら、この間それなりに何カ所か触っており、GRFさんには音を聞いただけで即座に見抜かれてしまった。HYさんにはご執心のアンサンブル・クレマン・ジャヌカン「ジャヌカン/鳥の歌」を仏盤LPで聞いていただいた。Yさんは嬉しいことに大阪在住なので、あの凄い部屋にお邪魔したいと思っているところです。

 一休みして、いろいろ清談しながら、楽しいひとときを過ごす。清談と言っても内容は、アナログ・マスターテープ、SP、モノラル、デジタル、それらを内外取り混ぜてちょっと壮絶なところもある話がどんどん行き交う。いや、おもしろいし勉強になる。例えば「CDやHiResの大部分も含めて、オリジナル盤が音源だと思っている人は多いが、本当の音源はアナログテープだ。」などという話に始まって、若いオーディオファイルに聞かせたいと思う話ばかりだ。やはりアナログを知らないとデジタルも含めた全体は見えてこないのだと思う。

 今、オーディオの世界の状況はかなりシビアで僕らとその少し後の世代がくたばったら、大半がこけかねない。前から書いているように、クラウドコンピューティングが普及する前にオーディオの側がPCやネットを取り込まないと、本当に音も映像もごった煮でネットの海に呑み込まれるだろう。

 あと、ある年齢以上の人が結構皆悩んでいるのが、自分が死んだときに装置やディスクをどうするかだ。訳の分からない人に二束三文で扱われるよりは、ただで良いから値打ちが分かっている人に託したいと思うのは人情だ。何とかそういうものをネットワーク化できないか、というのも考えの一つだが、個人の「思い」の塊なのでこれまた難しいことこの上ない。

 とまれ、僕らは生きているので可能性はまだある。志は保ちたいものだ。



「ジャヌカン/鳥の歌」
残念ながら廃盤


2009年8月21日(金)
ディーリアス/管弦楽曲集
●結構長時間PCに向かうので、マウスの使い勝手はかなり疲労度に影響する。今まではゲーマー用のサイドワインダーマウス。で、「Mac Fan」など読んで前から考えていたKensington「SlimBlade Trackball」を使ってみる事にした。アマゾンに注文したが、価格比較では最近PC関係はアマゾンが安くて、便利な反面、これは寡占が進んでいることを意味しており、競合する多くのネットショップにとって、競争の確保という点で消費者とって良いことなんだろうか?とも思います。
 まあ、使い勝手は一長一短で慣れもあり、トラックボールのメリットは右手だけでドラッグ&ドロップできるなんて事だが、キーボードとの分担をきっちりしておけばかなりスピーディーに使える。

Kensington「SlimBlade Trackball」
(上記HPはかなりラウドな音が出るので音量にご注意。)

スクロールするときには、ボールをねじる。右にねじるとアップ、左にねじるとダウン・スクロールする。
 ボールの周囲は4つのボタンになっていて、下側の左右がそれぞれ左右クリックボタンで、上は映像などを見る時のモード切替。USB有線接続。



○この春からずっと胃が痛かったし、心も痛かった。自分だけのことならともかく、大事に思う人達が絡んでいるとそれなりの道筋をつけることも必要で簡単には行かない。分かってくれようが分かるまいが、多様な可能性という種も一応は蒔いておきたい。いずれ過ぎていく話だ。当分語るまい。

 一方で、流れというのは着実にあって、いましか出来ないことも少しはある。しんどいからと言って、今逃げ出すわけにはいかない。依頼あれば、それは頑張ってやらなければならないだろう。だから余計なことは振り捨てて、先に進まなければならない。
 と言っても独りではない。力を貸してくれる人達もいるし、声援を送ってくれる人もいる。人生そう捨てたものではないと思う。それがあるから、静かに音楽を聴いていられるのだ。


◎そういうときの癒しの一枚。シーマン&ロイヤル・フィル「ディーリアス/管弦楽曲集」(RPO)英ロイヤル・フィルハーモニックSACDシリーズで沢山出ていて、確か嶋護さんお薦めに出ていたと思う。
 ディーリアスというのは、例えばマーラー「アダージェット」に通じる、臆面もなくメロディアスな音楽の一つだが、どこか心の襞襞に寄り添うところがあって、僕は好きだ。で、このSACDはとても録音が良く、弦のザワザワ感が良く出てオケの広がりが美しく演奏も渋い。(あ、「渋い」というのは関西的褒め言葉のひとつです。)イギリスらしさというのかどこか鄙びた味わいが良い。しかも安い。
 あ~、「春一番のカッコーを聞いて」なんか冒頭から素晴らしい。ディーリアス入門用にもお薦め。

シーマン&ロイヤル・フィル「ディーリアス/管弦楽曲集」(RPO)
   @976~@1,172
オケの広がり感と充実感が素敵だ。
SACDならではの高音質


2009年8月20日(木)
From Miles

 僕はコードやメロディが予想通りに予定調和するジャズよりも、何が起こるか分からない不定不協和のジャズが好きだ。モードやフリーな中での一触即発のスリリングさが好きで、特にフローティングコードのなかでうねっていくようなのとか、エレクトリック・ベースと打楽器で執拗に反復するパターンの中に生まれる呪術的雰囲気に強く惹かれる。だからコルトレーンはベスト&マストが「Village Vanguard Again」だし、マイルスは大体好きだが、特に好きなのは「Sorcerer」や「 Nefertiti」以降で、ここ数年は電化マイルスにもはまっている。

 このCDはご紹介しようと思いながら、いつの間にかamazon.co.jpやHMVでは見あたらず、日本版だからImport扱いになっている米 amazon.com のデータをリンクした。多分よく売れて無くなったんでしょう。と思う。
 鮮烈な録音。全体に音が立っている。ノリの良い演奏。J.ディジョネットもK.ジャレットのトリオの時よりもぐんとシンバルも気合い入って、叩きの数も多い。例えば1曲目「Solar」の中程でE.ゴメスがベースを弾きながら唸る部分があるが、装置によって、また我が家でも状況によってかなり聞こえ方が違って面白かった。
 チックのピアノが左寄りにまとめられているのも好きだ。K.ジャレットのECM録音のように大きく左右に広げると、ムード的には良いんだけどちょっと違和感が残るときがある。

 チック・コリアのは元気の良い音で活を入れたいときに好適なCD


「From Miles」
Chick Corea、Eddie Gomez、Jack Dejohnette

見つけたら即買いのお薦め。Yeah!


2009年8月19日(水)
PCオーディオ短信 ~ 一応がんばっとります。

◎現在、「Windows Vista カーネルの内部 : 第 1 部~第 3部」を勉強中。じたばたしているうちに、ここにはまってしまいました。難しいですが、イメージだけでも掴みたいと思っています。ふう、暑いのう。
 http://technet.microsoft.com/ja-jp/magazine/2007.02.vistakernel.aspx
 http://technet.microsoft.com/ja-jp/magazine/2007.03.vistakernel.aspx
 http://technet.microsoft.com/ja-jp/magazine/2007.04.vistakernel.aspx

ここから24/176Waveなどのサンプル・データが2個落とせます。

●あちこちのブログやサイトを拝見して勉強させてもらっています。いろんな方が持ち味やスキルを活かしてPCオーディオに取り組まれていて、中にはコンピュータ畑の方もおられて誠に頼もしく、手応えを感じます。
 気になるのは、例えば音楽再生はCPUの動きなどメーターで見ると確かに負荷の軽いタスクなんですが、一方でWindowsでもMacでも少し環境を触ればそれが音質的にどんどん反映されるわけです。また実際に録音制作の現場でも音質確保のために環境内の他の機能を切り倒す訳ですから、音質追求という観点からオーディオマニア的には、他の条件をさておいてCPU負荷だけでこの程度でOK、と片付けられるのにはちょっと??も感じます。

1.何故音質が変わるのか?
2.どうすれば音質を良くできるのか?
3.何故前段の(いわゆる)デジタルドメインでの変化が、DAC以降のアナログ音声で音質の違いとして認識できるようになるのか?
4.早ければ、軽ければ音がよい、という考え方がどこまでどのように正しいのかどうか?

5.演算誤差をどう考えるか?
などという点のOS的な整理やロジック上の考え方を知りたいと思っております。

 やはり一つ一つの積み重ねが重要ですから、諸賢のご活躍に大きな期待をいたしております。

●LinuxについてはとりあえずUbuntu9.04で再生を始めたところですが、まだまだ勉強中です。マニュアルもごく少ないので、「Ubuntu9.04完全ガイド」(インフォレスト社)を買って、付録CDからインストールしました。他にも参考になるサイトやブログがありますが、それは必要に応じておいおいとご紹介します。

 10月にはUbuntu9.10が出る予定で、それまでにはMacBokk Proの64ビット化(Mac、Win)が完了しているでしょうから、Ubuntu用のスペースを空けておいて、今度はMacBokk ProでUbuntu Studioに挑戦したいと思います。周辺でUbuntu Studio に取り組む人も出ているので楽しみです。


●(PC)オーディオで大切なのは、多様性の尊重だと思う。PC/Macにはいろんなインターフェースとつなぎ方がある。それぞれに特長があり状況にもよるだろうし、どれに限る、という話ではない。その形よりも、信号がどう流れていくか、電源はアースはどうなっているか、などという実際の使い方の方が大事ではないかな、柔らかアタマが必要ではないかな、まーそれでも沢山議論できてネタとしてはいいかも、などと思う今日この頃です。
 しかし何よりかにより、こういうスキルを要求する方式は、侃々諤々あったとしても広く普及はしません。

 オーディオがネットの海に呑み込まれることを防ぐには、オーディオ側、特にメーカーがクラウドコンピューティングに先立って早くアクションを起こさなければならないことがあると思うのですが。単にUSB端子を付けるだけではなくて。



「Ubuntu9.04完全ガイド」(インフォレスト社)
        @1,260

 カラフルで分かりやすい入門書。CD-RON付き。


09年8月18日(火)
「遅れて響く楽器」の話
このページについて何人かの人からメールを戴いてます。これまでにご紹介したくても書けなかったCDが沢山ありますし、オーディオというのは良い録音で良い演奏の音源があったら、それだけで問題はかなり解決するものですから、音源情報は継続して書いていくつもりです。

オーディオネタも小ネタから書いていこうと思ってます。大ネタは別ページで参照してもらえるようにしますが、あまり肩に力を入れないで行こうかな、と。何せ今のところ、オーディオ工作をやる気がないのですが、これもある日突然やり出したりしますから、本人にもよく分かりません。気長におつきあいください。

●で、今日は「遅れて響く楽器」の話
 コントラバスが良い例だが、ピチカートで弦がはじかれて→振動がボディに伝わって→楽器の全体から音が出る、までにはやっぱり時間がかかるわけです。求める響きの違いか、ジャズとクラシックで弦をはじく位置が違うことが多いのですが、総じて音がどんと出るには少し時間がかかる。
 でジャズ・ベーシストは少し早めに引く人が多い。そのためにはコードも勉強し、ピアニストが次に弾くコードを予測しなければならない。例えばスコット・ラファロ。OJC盤など普通のLPではビル・エヴァンスのピアノも含めて鮮明度が少し落ちますが、HiRes音源や米アナログ・プロダクションズ製LPSACDあたりで聞くとよく分かります。ちなみに「Waltz for Debby」はHiResではどこにも出ていないようです。(SACDはHMVなどでも入手可)


Bill Evans Trio
  / Waltz For Debby
Analogue Productions

  LP   (どちらも$25)
  SACD
 カスタムな録音機器を用いて、Mastered by Doug Sax。
 音質最優先なら45回転LPもあって、他にリイシューがたくさんあります。




 最近はピックアップ・マイクを本体に付けて弦の音を録って、おまけにノイズゲートで小音量部分を切って(勿体ない!)、「どーだ早いだろー。」というなんちゃってバカテク系のベーシストもおるようですが、わしゃそーいうのは好かん。良いアーティストは「楽器の直接音は素材であって、オーディエンスに届いてなんぼの世界。」というのがよく分かっていて、ハコに合わせてちゃんと組み立てが出来るもんです。
 あ、エレベーはまた少し違う世界です。わしはチョッパーベースも大好きでのう。

 で、クラシックで言うと目立つ代表格はホルン。あの「ホファ~ワ~~」という響きからも分かるように、これもちょっと立ち上がりに時間がかかる。だから早めに吹かねばならないが、もともと響きや音量のコントロールが難しい。「のだめカンタービレ」に千明がホルンに「そこもっと小さく」と指示して、ホルンの首席がむかっと来る場面があったが、強く吹いたほうが音も安定するので、鮮明な小音量というのはなかなか難しいらしい。
 ここでコミックのご紹介。さそうあきら「マエストロ」1~3。少し前にリリースされた「神童」という映画の原作者である。ばらばらになりかけのオケと、その前に現れた指揮者と称する小汚いオッサンの物語だが、音楽が好きな人には伝わる物語だし、ホルンをはじめ各楽器の奏者を取り上げているので、楽しみながら読み終わったらオケのことはひととおり分かるようになっているのが特長。全然音楽に詳しくない友人が読んで、面白かった~、と言っていたのできっとOK。



マエストロ (1) ~(3)(ACTION COMICS) @650

 繰り返し読むに足りる。音楽好きな全ての人々にお薦めです。



 で、最後にオーディオの話に戻ると、ハコをどの程度鳴らすか、などとかいう難しい話になります。まー、遊びですから好きずきですが、とりあえずは欲張りすぎず強調しすぎなければ良いのかなーと思います。わし的には大事なのは低域だけでなく、全帯域の音のスピードが揃って出てくる事だと考えておりますがのう。


2009年8月17日(月)
のだめカンタービレ

 のだめ(コミック)も次で終わりらしい。まあ、これからの音楽家としての足取りは一生分になるだろうからきりがないし、結婚して再出発あたりが一つの節目かも。後日談や特別編はいつでもOKだろうし。

 で、久しぶりにショパンのピアノ・コンチェルト1番を聞こうとこれを引っ張り出した。ツィマーマン/ポーランド祝祭管盤。傅信幸さんが大推薦していたので即買って、確かに良い録音だなあと思ったのはもう今は昔のことか。

Chopin: Piano Concertos Nos. 1 & 2
Krystian Zimerman
  /Polish Festival Orchestra


 今回、はじめてカタツムリで聞いたが、いんや素晴らしい。特に1番の2楽章。マルチマイクだろうが、オケの自在な浸透力や各楽器の掛け合いやピアノのバックのオーボエ、後半コンバスがぐーっと入ってきてピアノの鋼のフレームの響きと重なるところなど、とても良い感じだ。これだけ聞ければCDで何の文句もないなあ、PCオーディオもひとまとまりだなあ、と幸福感に浸る。
(いまは工作する気分まるでなし。)


 まあ、奔放なのだめを偲ぶならアルヘリッチあたりのが良いだろうが、コンクール時のCDはもう廃盤みたいだし、元旦那のデュトワとやってるモントリオール響盤辺りでしょうか。


 考えてみれば、最近こうして音楽に浸れる静かな日々ようやくが訪れてきたような気がする。これで行きたいと思う。人に振り回されてしまうような関わりはもう全て切ろう


2009年8月16日(日)
煉瓦の1個だけで
 今日も今日とて朝っぱらから米ArkivMusicにCDを注文。昨日オーダーしたのは3個口に別れてもう出荷したとメールあり、うむうむ。今回はC.アラウのショパン7枚組が$55弱がメイン。加えて、この際LPで2曲欠けているアンドレ・ナヴァラのバッハ/無伴奏チェロなども待ちを承知でバックオーダー。

 で、まあ、CDばかり聞いているわけでも、クラシックばかり聴いているわけでもなくて、中古で買ったロックなんかもぼっちらと聞いてます。

 このページもいろいろ試行錯誤して、IBMホームページビルダーの「Web日記」というツールが一番使いやすいと分かったので、切り替えました。そんで左右の画像もえらくちっこくなった訳ですが、分かる人には分かると思います。ピンク・フロイド「ザ・ウォール」からパクらせていただきました。ウォーターズさん、ありがとうございます。<(_ _)>

 多分ギター弾きの皆さんには忘れられない「Another Brick in the Wall」のギターリフなど耳についておりますが、全編が静と動で緻密に構成されていて、音的な序破急も実に渋い。
 こういうプログレでは「言葉」が重要だったんだな、と改めて思います。言い回しは難しくなく、時には韻もふまずにストレートな歌詞が多いんですが、んでも来るものは来る。何でかなあ、と思いつつ僕のように必ずしも同時代に皮膚感覚で聞いていない人間には、老眼で歌詞を読まにゃならんという、ちっとばかりの寂しさもあります。

 人間は年をとっても絶対に賢くなんかならない。ただ経験でタイミングをずらしたり、やり過ごすのが多少上手になるだけです。でも皮膚感覚は年齢によって変わる。僕にとってブルーズは腹の底に染みる音楽で、だからどちらかと言えばハードロックは問答無用に、言語道断にずっと好きです。


2009年8月15日(土)
最近読んで面白かった本を2冊
 昨日は内田光子などPhilipsレーベルのCDをまとめてアメリカに注文した。UniversalではCDプレスはハノーヴァーに1本化されるので、今の内にという訳だ。他にも順次頼んでいこうと思う。
 ロック・ポップス系のCD、特に最近のものはラウドなものが多いので、聞いてからか推薦がないとあまり買う気になれない。困ったもんです。

 最近読んで面白かった本を2冊。一つは冷泉彰彦「トロイの木馬」(角川春樹事務所)。JMMのメルマガで9.11以降のアメリカをレポートしていて、その冷静な切り口はとても参考になる。今回プロフィールを初めて見たが、どちらかといえば作家というよりは評論家の方だろうと思う。されば語り口としては少し食い足りないものがあるが、内容は圧倒的に面白い。(Amazonの商品説明にあるような単純なプロットではない。PCをよく知らない人はPC問題として片付けようとする。)

日本の大手通信企業のアメリカのコンピュータ企業買収の際に担当していて、日本の会計事務所からアメリカのコンサルタント会社に転籍した女性が主人公だが、あれよあれよという間に、国際的なコンピュータウイルス、クラッカーをめぐる騒ぎに巻き込まれていく。いろんなネタが盛り込まれていて、頭の中を整理するのにも役立つくらいだ。本書で思い出したのが、問題としてはもう下火になったとはいえ現行のUnicordでは中国語、韓国語、日本語を含むアジアの文字が全てカバーされないことで、これがワーム&外字がらみでプロットになっている。中国あたりが本気で動き出せば別の局面もあるかも知れないが、まあこのままか。

 図書館で借りて一気に読み、アマゾンで買おうとしたがもう品切れのようで、中古で1冊注文した。近頃の公共図書館の値打ちはネット検索して予約出来る事で、機会があればお薦めします。

 もう1冊は服部真澄「ポジ・スパイラル」(光文社)。彼女の作品は何せ面白いので、あらかた読んでいる。温暖化、海洋生物学と海洋資源、日本の復活などこれも非常に面白い。彼女の本には「こうなったら、こうあったら」という願いが込められているのだが、論理性と自己客観化ができない人間が充満している現実の日本では絶対にこうは動かないだろう。ここでも過去の日本の環境・海洋行政がいかに貧困なものか、あっさりと言っていいくらい看破されている。それでも、こうなるなら俺も手伝いぐらいはしたいなあ、と思わせる強い希望がある。それにしてもこの国人材いないよなあ。茹で蛙の思考停止のままだ。

 この本でも読んで一時なりとも涼をお求めください。


2009年8月14日(金)
小音量世界の冒険
さて今日は「小音量世界の冒険」について。

 再生装置というのは不思議なもので、音量が大きくてもスカスカな感じがするものがあり、小音量でもしっかりと伝わるものがある。
 
 同じ装置でも以前より少ない音量で満足感が得られるというのは、ごく小さいレベルを含めて全帯域的な情報量が増えているからだと思う。音の芯のまわりにほっこりと包むような響きや付帯音、シンバルでも高域のディスパージョンだけでなく肉厚の金属の質感、そういうものを出せるようになると、音場というか空気感というか音で構成される濃密な「場」が「見えて」くる。つまりスープが濃くなってくるわけで、塩味を強くしなくても味の満足度が高まるわけだ。
 
(注)この「情報量」は「解像度」などというのと別の概念を意図していて、「解像度」というのは言ってみればピクセルの細かさあるいは密度の高さだが、「情報量」というのはとにかく入っている音にデフォルメを加えず、鮮度を落とさず、雑音やビートも含めできるだけ沢山出す、蛇口全開というイメージだ。

 音量を上げて「どうだ凄いだろー!」というのも勿論遊びとしてのオーディオの面白さだが、音量は麻薬のようなものできりがない。第一あるところから美味しい雑味成分が飛ばされていってしまう。強い味の材料や調味料を入れると微妙な味が飛んでしまうのと同じです。

 で、昨日紹介した仏アルファのCDなど基本はペアマイクなので、会場の空気の音が入っている。
1.まずそれが聴こえるかどうか?(聞こえない装置割とあります。)
2.聴こえるとしたらどんな風に聴こえるか?シャーか、ザーか、サーか。(聞こえすぎる装置ちょっとしんどいです。)
これで結構システムの性格と能力が分かります。

 今日のはある意味ではもっと凄いです。同じラモーですが、「?!」と思うくらい音と音の間隔が広かったり小さな音だったりする。下手するとポツポツにしか聞こえないケースもあるでしょうが、これを音量を下げて、余韻がどこまで伸びるか、ペダルの使い方が見えてくるかどうか、何よりもその時にはもう音楽の中に入り込んでいる。

 小音量の世界にも冒険がある。諸卿よ、耳をすまされよ。


Keyboard Works: Jean-Philippe Rameau
/Tzimon Barto(P)


 
「フランス人を泣かせる音楽は何か」ということを話していたときに、フランス在住のアーティストが教えてくれた1枚。ピアノでなくては絶対に出来ない広大なダイナミックレンジを使い切りに行ったようなツィモン・バルト(米)のピアノはそれはそれはデリケートで美しい。聞いているとゆっくりと呼吸をしている自分に気づく。フィンランドのondineレーベル。こういうものこそ無くならないうちに入手しておきましょう。


2009年8月13日(木)
Web日記ものさんとす
 いやあ、暑い。電話にも出ず、PCも立ち上げず、買い物にも行かず、完全に死んでました。けど、死にながら、つまり身体と心を休めながら、ぼーっと自分と対話してました。
 このままではまずい。んなこたあ、かなり前から分かってたんですが。

 で。アクションを起こそうかと。

 晴耕雨読。生活が朝型に切り替わってきたので、朝の内に仕事やメール、サイトのチェックをする。オカンがお泊まりに来ていなければ、午後からは買い物がてら図書館に行き、本を読む。夕方には音楽を聴く。夕食を食べ酒は晩酌程度にして、10時目標に布団にはいる。(わしゃベッドっちゅうのは嫌いじゃ。)

 特に長生きしたいわけではないが、心の負荷を減らす。わしには元々友達が少ないが、その数少ない友達で十分だと思っている。

 もう我が家の音は音楽を聴くためには十分なので、オーディオのことは仕事で必要な事以外は、最小限にゆっくりとする。雑誌での情報発信もあるので、ここには少し書く程度にする。(必要なら参照ページを作る。過去のドタバタはアーカイブページとして残す。)

 昔からワシの晩年の理想は「竹林の七賢」か「修道院」じゃった。けど修道院は根性なしのワシには保たんやろし、第一少しなりとも酒が飲めん、というのはちと辛い。
 ゆっくりと薄く自然と世界とつながっていく、それだけでええんじゃ。淡きこと水のごとし。君子じゃろ?


Pieces De Clavecin: Frisch(Cemb)
セリーヌ・フレッシュ「ラモー/チェンバロ曲集」


 ラモーには独特のフランス風イメージがある。宮廷風、華やかさ、軽やかさ。だが、彼女はここでもっとインタナショナルなものを目指しているような気がする。スコット・ロスほどではないが、一つの全体像を立ち上げようとするストイックさがここにはある。
 昔チェンバロの調律師さんが「フランス音楽をやるときには、調律にもどこかフランス語の発音のような曖昧さを残す。そうしないと、クープランやラモーにならない。」と言っておられたのを思い出した。とすると、Hemsch1751年製作のこのチェンバロもフランス風調律から踏み出しているのかも知れない。陰影礼賛。



ご紹介ディスク【Refered Discs】

シーマン&ロイヤル・フィル「ディーリアス/管弦楽曲集」(RPO)  09.8.21
Bill Evans Trio / Waltz For Debby LPSACD  09.8.18
Chopin: Piano Concertos Nos. 1 & 2 Krystian Zimerman/Polish Festival Orchestra  09.8.17 Mon
ピンク・フロイド「ザ・ウォール」   
09.8.16 Sun
Keyboard Works: Jean-Philippe Rameau /Tzimon Barto(P)
 09.8.14 Fr
セリーヌ・フレッシュ「ラモー/チェンバロ曲集」 Pieces De Clavecin: Frisch(Cemb) 09.8.13 Thu

ちょいと前の【Archived Pages】






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