スパゲティー・ポモドーロの作り方
【下ごしらえ】
1.玉葱を細かく刻んで、オリーブオイルをたっぷり入れたフライパンで、きつね色になるまで、とろ火で炒めます。(約30分、何かのついでにやるといいです。)すぐ使わないなら、冷蔵庫へ。
2.トマトを缶詰から出し、2~3等分して、種を取ります(酸っぱくなるので)。ジュースは使わないので、飲むなりしてください。種を取ったら、適当にザク切り。完熟した生トマトがあれば、それも混ぜて使います。
【ソース作り】
1.ニンニクを包丁の背でたたきつぶして、外皮を捨てます。ニンニクの味を強くしたければ、適当に刻みます。
2.鷹の爪(赤唐辛子)の種を取ります。
3.フライパンにオリーブオイルを多めに入れ、ニンニクと鷹の爪を入れて弱火で炒め、香りと味を出します。
4.下ごしらえした玉葱を入れ、かき混ぜます。ついで、トマトを入れて、かき混ぜます。
5.トマトに火が通ったら、フライパンの脇に寄せて、オイルのほうに塩をふります。胡椒も少し。(トマトに塩をかけてはいけません。)
【仕上げ】
1,ゆであがったパスタをソースのフライパンに移し、エクストラ・バージン・オイルをかけて手早く混ぜ、ソース全体と絡めます。
2.素早く味を見て、必要なら塩をふり、かき混ぜます。
3.チーズをおろすか、粉チーズをふります。(パルメザン・チーズが一般的ですが、お好みで。)あるいは、トッピングでグリエール・チーズという手もあります。
あれば、バジリコの葉っぱをちぎってかける。
4.1秒でも早く食う。
このレシピはこの通りなんですが、何でこうなってるのか、ということを申し上げといた方がいいかな、と思います。何となくこんな感じ、という事で、講釈が長くなってすいません。
オリーブオイルの話
イタ飯・地中海からみの料理が大好きなんですが、要するにオリーブオイルが好き、ということにつきます。チャイニーズの場合の胡麻油とは比べられないくらい、大事な存在だと思ってます。
オリーブオイルは「油」ではなく、ソースのベースです
これは僕の考えで、こういう言い方が正しいのかどうかよく分かりませんが、例えばニンニクを炒めたのを「ガーリック・ソース」と呼んだりしますので、あながち間違いでもなかろう、と思います。
オリーブオイルはソースの「味付け」をパスタや素材にまんべんなく広げる「つなぎ=媒介」です
例えばトマトソースでは、トマトに味を付けると言うよりも、オイルに味を付けて、それをまんべんなく広げる、という感覚です。トマトにドバッと塩をふったら、トマトの酸味と甘みが飛んでしまいます。
オリーブオイルはたくさん使いましょう。
つまり、健康志向で油控えめ、というのとは正反対にオリーブオイルは多めに使う必要があります。じゃあ、ブタじゃん、という向きにはご安心あれ。まず、フライパンにもオイルが残りますし、皿にもオイルが残ります。つまり、使ったオイル全てを食べるわけではないのです。
良いオリーブオイルを使い分けましょう。
あちこちでかなり高価なものまで出回ってます。そんなに高いオイルがいるのかって?
結論から言うと、ニンニクを炒めたりする段階では、普通の「ピュアまたはバージン・オイル」で十分です。
仕上げの段階、つまりパスタがゆであがってソースにからめる時には、「エクストラ・バージン・オイル」をかけてください。ドレッシングやテーブル用のオイルもエクストラです。(スーパー・エクストラなら、なお良い。)
トマトの話
いまメジャーなトマトが「桃太郎」という品種であることは、皆さんよくご存じだと思います。果肉が硬くて、日持ちがよく、水耕栽培で非常に作りやすいトマトです。実は中央市場では、桃太郎はおいしいからたくさん出回っているとは考えられていません。要するに、流通させやすくて、4分の1にカットして、トンカツの付け合わせにしても、お父ちゃんの分、子供の分、それぞれに日持ちする便利なトマトという訳です。
結論から言うと、桃太郎ではトマトソースは出来ません。中央市場では、「ホテル用トマト」という小型で味の良いトマトが少数で回っていますが、値段もかなりのものです。
ほな、どないしたらええねん?
「缶詰」のホール・トマトです。「イタリア原産」のものを選んでください。(サンマルツァーノという種類のはずです。)ほどよい酸味はこれでなくては出ません。完熟したトマトがあれば、フレッシュさを出すために缶詰に加えて使ってもOKです。フルーツトマトという甘みの強い、高価なトマトもありますが、これは甘みを生かしたソースにすることが多いです。
パスタの話
パスタにはすんごく種類があって、訳分からんところもあるのですが、いわゆる「スパゲッティー」は太さによって、概ね5段階に分かれます。(太さはパスタのメーカー
De Cecco のサイズです。)
1.スパゲッティー 【太さ1.9mm】
2.スパゲッティー二【太さ1.6mm】
3.フェデリー二 【太さ1.3~1.4mm】ゆで時間5~6分
4.カッペリー二 【太さ0.9mm】
5.バミセリ
この順に細くなります。何でこんなにあるかというと、重く濃いソースの場合太い麺、さらっとしたソースの場合は、細めの麺、というふうにバランスよく絡ませるためだそうです。
僕の場合は、重いミートソースは時間がかかるので作りません。ですから、太さ1.3~1.4mmの「フェデリー二」を使うのが殆どです。(たまに、冷たいトマトソースなんかでカッペリー二を使うくらいです。)
といってもこの辺は好みもありますので、要はおいしくて使いやすければいいと思います。