アートといっても色々あって、これまでは好きな画家のポスターを集めている程度。クレー、ロートレック、カンディンスキー、ホックニー、ミロ、など。ラトゥールはポスターはないのだけれど大好きで、洋書の画集を買った。(ラトゥールのポスターを貼るには覚悟がいるような気がする。)マーク・ロトコなんかも好きで、これはポスターが欲しいとも想っているのだが、探してはいない。
 ということで、オリジナルのアートについては、ごくわずかな経験しかない。



2年ほど前、天神橋近くの藤原ビルだったかのアート&クラフトの小さな展示会で、デボラ・ロウというアーティストの小さな版画の3部作を買った。それがアートを買った始まり。ロトコをごく小さく柔らかくした感じに惹かれて、安かったし、ということで寝室の壁におさまっている。

 しかし、こんな物でもやっぱりオリジナルの良さがだんだんとわかりかけてきた。
 京都のカンディンスキー展で「青騎士」のポスターをリトグラフで買ったが、当然オフセット印刷よりいい感じがする。

















 そんな折り、お隣のギャラリー・クラヌキでヒマラヤ山脈北側のムスタン王国でのアート・インスタレーションの展示があり、そこで素晴らしい写真達と出会った。以下は、そのときの日記というか近況報告の再掲。

 そしてモノクロの美しい写真たち。現地の空気をそのまま切り取ったかのような質感。中でも2枚の写真に強く引きつけられた。
 1枚は、ホテルか学校かの広い部屋。6人掛けのダイニングテーブルのような黒い大机と椅子をセンターに、奥には黒板とその上に時計(午後1時25分くらい)。黒板にはスタッフがミーティングしたことがうっすらと分かる文字が残っている。透明な空気に満ちた午後の時間。
 もう1枚は、別の部屋で白木っぽいテーブルの上に、いくつかのコップなどが置かれ、左の方にバルセロナのアーティストがガラス瓶を上下に張り合わせたオブジェが置かれている。近景での切り取り。何という透明な空気感。見ていると、その空気がこちらにしみ通ってくるような、そしてその空気の中に溶けしまいたいような、叫び声をあげてしまうほど、そんな切ない透明さ。(What a transparency!テリエ・リピダルのギターやキーボードが聞こえてきそう。)
 ギャラリーの八木さんにプリントを分けていただくようお願いした。
(’02.11.16)


色々考えたあげく、一番空間として旨くまとまっている(と本人は思っている)玄関に飾ることにした。































 身近に置く、身近なアート。 とてもいい。(’02.12.29)


 

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